サイリウムだとかどらまだとか
「りんさぁん?大丈夫ですかぁ?きこえてますかぁ?」 そのあとはあんまり覚えてない。 私は生まれてから、その命が尽きるまで病院だ。一生病院生活だ。 トイレとお風呂以外に外出は許されないからだ。 つまらない一日だ。だから、いつも通りご飯食べて、本を読んで、絵を書いて、寝る。その生活の繰り返し。 ある日、病室が変わった。一人部屋だ。嫌気が差す。でもテレビだ。初めて見る。 テレビを付けると、恋愛ドラマにニュース、バラエティ、すべてが色鮮やかで鮮明に動いていた。 「なんだろう?」 サイリウムだ。あの人に自分の存在を表す。きれいな光だ。 在る衝撃で光が灯り、不意に目を話した隙に消えてしまう。なぜだか親近感が湧いた。 「ゴホッ、ゲホッ…ヒューヒュー」 苦しげに息を荒げた。ボタンを押そうとした。けどやめにした。 きかれるのは一緒、「大丈夫ですかぁ?きこえてますかぁ?」大丈夫なら呼ばない。 だから、ドラマみたいなフィクションなんてくだらない。私はサイリウムみたいにきえる、それに、私はアレ(フィクション)みたいに輝きなどないから。最期に残したいものが在る。力の入らない手にペンを無理やり握らせて、書く。 「大丈夫ですかぁ?」 看護師が来るも私はこの世にはもういない。紙にはひとこと。 ---輝きなどないものにも幸せを--- ほんと、胡散臭いドラマみたいだ