理想の星に移り住めたら、どんなに楽だったことか。
「はあ、はあ、」毎晩毎晩、あの夢を見る。 「はぁ、は、はあ、はぁ、はぁ、ハ、ハァ」毎朝毎朝、思い出す。 隅にうずくまるわたし。縮こまって、丸くなって、震えて。ヨレヨレのパジャマを着た、カッコ悪い私。 『午前8時をお知らせします』 リビングのテレビはつけっぱなしだった。 鞄を持てたのは午後2時。やっとの思いで着いたのは午後4時。 教室に向かうといつも通り先生が待っていた。用事があって職員室にいるとだけ言い残して、先生は去っていった。 いつもは一緒にいてくれるのに。なんでかはわからないけど、見捨てられたような気がした。 しかも。同時に、見計ったように、相園が来た。しばらくの沈黙の後、唐突に声が聞こえた。 「…んな。」それはさっきまでの沈黙を破って確かに私に向けられた言葉で。 「ふざけんなって言ってんだよ!」それこそ激昂。何に怒ってるのか分からない。私が嫌われるのは、こういうところ? 「んで無表情なんだよ。そういうとこがムカつくんだよ。」 反論なんていくらでもできる。でも、その子を目にした時、とっさに声が出なくなるのはいつものことで。 結局何も言えない自分がいた。 「ちょっと、来て。」相園魁は、私を屋上に呼んだ。 きっとその子に突き落とす勇気はないから、ついていった。 まだ生きようとしていることには自分でも驚いた。生きる体力なんて、まだあったのかと。でも渡された小さな紙に。 『タヒんで。いる意味ない。お前の代わりに転校生来ないかな?雰囲気悪くなるから消えてほしい。……』 それは、寄せ書きだった。《クラス全員》から送られたもの。きっと、あの世界に私を悪く思っていない人はいない。 だって、この寄せ書きを書いたんだから。メッセージは確かに30人分あって、31人目の私が入る余地なんてどこにもなかった。この星では、私は息できない。宇宙人に追いやられて、息もできない。このままだとタヒぬ。 でも、違う星に移る体力も、気力ももうないし。宇宙人の中で、最悪のシナリオは…! 私は、こっそりペンで「生きたかった」と地面に刻み、全く違う世界へ自ら旅立つことにした。