短編小説みんなの答え:4

僕は貴方の恋人になりたかった。

愛する彼が、僕の前で死刑になる。 僕は笑顔をしらなかった。 権力を持つ貴族に生まれ、朝から晩まで稽古。 外には出てはいけない。汚い物がたくさんあるから。 でも、ある日。 僕の庭に植えてある大きな木から木の実をとる、彼が居た。 驚き、呆然としていると、彼と目が合う。 彼は目を見開き、汚れた顏で太陽の様な笑顔を作り、僕に手を差しだした。 反射的に窓を開けてしまった。 彼の手を取ったら、自由になれる気がしたから。 「君が次の王、ミシャ?」 りんごを貪りながら、彼こと、リヤは言った。 「そうだよ」 「噂に聞いてた通り、驚くほど美しいな」 彼は僕の顎を持ち、こちらをじっくりと見つめた。 不快な気持ちに支配される。 彼も、僕の事を見た目で選んだのか。 「でも、幸せそうじゃない」 彼の言葉に目を見開く。 「これすんげえ美味いんだ!ほら、やる」 リヤは食べかけのりんごを僕に差し出した。 『汚い下民の食べ物を食べるのはやめなさい』 父の言葉が脳に過る。 「駄目だ、禁止されてる」 「誰に?」 不思議そうな瞳が、僕を捉えた。 「父上に。外にでる事も。人に会う事も」 「それはミシャが次なる王だから?美しいから?」 無言で頷く。 「でも、ミシャの人生はミシャのだ!誰の物でもないよ。好きな様にしていい。ミシャは自由だよ」 リヤの言葉に、何かが目覚めた音がした。 硝子が割れた様な、何かに解放された様な。 その瞬間、何かが込み上げてくる。 「これ…っ、何だろう…っ止まんないや…」 瞳から次々に溢れ出す水に戸惑っていると、リヤが僕を抱き寄せた。 「それは涙だよ」 リヤは僕の顏から涙を拭きとり、微笑んだ。 暖かい光に包まれている様だった。 その光に包まれながら、僕の口元は緩む。 「ミシャ…綺麗だね、綺麗な笑顔だ。それがいい」 リヤが僕の頬を愛おしそうに撫でた。 何故だろう、初めてあったはずなのに、ずっと前に会った事がある様な気がして。 リヤは初めて、僕に感情を教えてくれた。 僕は、隙間時間にリヤに会いに行くという重大違反を犯した。 リヤとの毎日はすごく楽しく、ずっと続けばいいと思った。 リヤ以外、何も要らなかった。 でも、幸せな日は続かない。 ある日、父にバレてしまう。 リヤは取り押さえられ、地下の牢屋に入れられた。 三日後に死刑が確定した。 眠れない日々が続き、遂に当日になった。 雨の日だった。 リヤは手足を縛れれ、死刑台に立っている。 「下民の分際で次期王に危害を加え、要らない知識を教え込んだ事で死刑と見做す」 「待って!」 隣に居た僕は、勢いで父の腕を掴む。 「リヤは悪くないんだ、僕がっ殺すなら僕にしてよ!」 父は驚いた様に目を丸くした。 「前まではこんな反論する子じゃなかった。それもお前のせいだ!」 焦る気持ちが巡り、上手く言葉に出来ない。 父の言葉を聞く前に、僕は走り出していた。 「リヤっ!」 リヤは酷くやせ細っており、体の至る所に傷跡があった。 「リヤ、何された?」 怒りで声が震えた。 「大丈夫、大した事ないよ」 優しく微笑むリヤ。 「ごめん、僕のせいで…必ず辞めさせるから」 「いいよ、多分無理だ」 リヤは優しい声音で言う。 「そんな事より、最後に話しがしたいな」 「なんで」 「僕はミシャと出会えて良かった。厳しい生活に楽しみが出来てさ」 最後みたいに言わないで。 「ミシャ、これから色んな感情を知って、色んな景色を見るんだよ。」 「やめて、リヤ」 「最後の願いを聞いてくれる?」 涙が溢れ、嗚咽が漏れる。 「貴方の恋人になりたい」 リヤの言葉に、目を見開いた。 リヤの笑顔は眩しかった。 「ミシャの人生が輝く様祈ってる」 鐘が鳴った。 父に名を呼ばれ、リヤに背を向ける。 苦しかった。見たくなかった。 「最後に言い残す事は?」 嫌味に聞こえる父の言葉に、ミシャは笑って答えた。 「ミシャの人生はミシャの物だ。あんたの物じゃない」 父の目が吊り上がり、ミシャの首が飛んだ。 その瞬間、雨が激しくなる。 息が荒くなり、これまで感じた事のないほどの怒りを感じる。 弱虫な自分に。父に。 僕はその場に座り込んだ。 喉が裂けるくらい叫び、手の皮が切れるくらい地面を叩いた。 自分が許せない。 愛する者を助けられなかった。 恐怖が勝ってしまった。 リヤの居ない世界に、価値など無い。 どうにでもなってしまえ。 この世界を変えてやる。身分など関係ない、愛する者同士が辛い思いをしなくて済む様に。 恋という感情も、リヤが教えてくれたね。 もう一度だけやり直せるなら、リヤ、僕も貴方の恋人になりたい。 __決心が遅すぎた、儚い恋の物語。

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