恋は、甘酸っぱくない。バトルなんだ。
今日、きみに初めて「おはよう」って言われた。 死ぬほどうれしかった。 ずっと大好きで、でも恥ずかしくて声をかけられなかったけど、ずっときみ――ユウマくんに挨拶したいって思ってた。 そしたら、きみから挨拶してくれたんだ。 ☆彡 今日は、きみに初めて名前を呼ばれた。 今まではずっと「お前」呼ばわりだったから、まさか名前で呼んでもらえるとは思ってなかったんだ。 すごく嬉しかった。そして、すごく幸せだった。 ☆彡 今日は、きみに初めて笑いかけてもらった。 今までは、遠くからきみの笑い顔を見るしかできなかったのに、今日は目の前で、きみの笑顔を見れた。 すっごく嬉しかった。 やっぱり、きみはすごくカッコいいなぁって、改めて思った。 ☆彡 今日は、きみの「おはよう」に私も返事ができた。 今までは、きみの「おはよう」に「あ‥‥」とだけ言って、恥ずかしくてうつむいちゃってたけど、 今日は頑張って返事をしたんだよ。 そしたらきみは、ちょっと驚いてたね。 でもすぐにまた、笑顔になった。その笑顔がまたカッコよくて、ドキドキしちゃったよ。 ☆彡 今日は、たまたま下校するタイミングが一緒になったから、一緒に帰った。 すぐ横で、きみの声が聞こえて、死ぬほどドキドキしちゃったよ。 ☆彡 今日は、私から、頑張って挨拶をしてみた。 そしたら、きみは嬉しそうに挨拶を返してくれた。 死ぬほど――いや、それ以上に嬉しくなった。 どんどん、きみとの距離が近づいていってる気がする――‥‥ ☆彡 今日は――‥‥‥きみに――ユウマくんに――‥‥ 彼女ができた。 私よりも可愛くて、私よりも素敵な子と、付き合ったんだ。 きみとその子は、すごく嬉しそうな顔をしてる。 ――ひどい。ひどい。私だって、きみのことが好きだったのに。あの子よりも、私の方がきみのことを好きなのに。何万倍も好きなのに。 なのに、なんでその子と付き合っちゃうの? 私のことを期待させたのに?どんどん仲良くなってきて、私は思わず期待しちゃったんだよ?なのに、その期待を裏切るの? ひどい‥‥ひどい‥‥ひどい‥‥なんで私じゃないの! 恋は、少しも甘酸っぱくない。恋っていうのは、バトルなんだ。 好きな人を取り合うバトル。少しも甘くない。ただただ、真っ黒なんだよ。 ユウマくん、大好きだからね。ねぇ、あんな彼女とはすぐ別れて、私と付き合って? ‥‥きみのこと、絶対に私のものにするから。 そして――復讐してやるからね! ――私は、きみに近づく。 そして――‥‥‥ 「ユウマくん、だぁいすきだよ」 私が、満面の笑みを浮かべてそう言った。 後ろに隠した手に、ロープを握りしめながら。