短編小説みんなの答え:1

何でも " 右 “ な先輩 .

ピ───ッ 清々しい青空の下。 " 空の青さなんかに負けない " そう誰もが思っているかのような陸上部。 ホイッスルと同時に短距離走が始まる。 地面と靴が触れる音。 タッタッタッと軽快なリズムと共にゴールへ一直線の先輩。 先輩。 僕がマネージャーとして陸上部に入部したその日から。 何処までも優しくて、カッコよくて。可愛いくって。 いつの間にか先輩ばかりを目で追うようになっていた。 そんな先輩の " 癖 “ を僕は見つけていた。 先輩は " 何でも右 " なんだ。 靴を履くのも、道具の整頓の基準も。 なんだって "右 " からなんだ。 姿を見れるだけで幸せだったのに、 " 僕の事を意識して欲しい " と、愚かな欲を抱いてしまった。 だから僕は───── 「あ、悪ぃレン。間違えてお前の水筒の飲んじまった。」 そう言って此方へやってくる先輩。 汗が日に照らされていて、湿っている喉が色っぽい先輩。 「っふふ…大丈夫ですよ!海斗先輩!」 「てか、お前何飲んでんの?すげぇ美味いじゃん」 「ただの黒烏龍茶ですよ?気に入ったんなら全部飲んでも良いですよ」 先輩が近い。 大丈夫かな。僕。 変な匂いとかしてないよね? 「黒烏龍茶って美味いんだな。俺麦茶しか飲んだ事無くってさ」 そう笑う先輩の瞳の中には僕しか映っていなかった。 「そうなんですね。じゃあ先輩の水筒だけ、黒烏龍茶にしますか?」 「え、いーの?ラッキー」 先輩が、僕の事を、知ってくれた。 先輩が、僕と、話をしてくれた。 僕はもう舞い上がってしまいそうだった。 「じゃ、今日はレンの水筒もらってこー」 「洗って返してくださいねー?練習、頑張って下さいね!」 先輩が僕の水筒を片手に、メンバーの元へ戻っていく。 思っていた以上に上手くいった。いってしまった。 僕が先輩と近づきたくて、色々と関わっている内に 先輩は僕に心を許してくれた。 部員の中では話す方、だと思いたい。 そんな先輩の優しさを利用してしまうようで罪悪感も感じていたけれど。 " 先輩の水筒を左に、僕の水筒を右に " 先輩は " 右 ”を取り、確認されれば僕が水筒の位置を わざと間違えて置いた事に気付かれてしまう。 だけど先輩は確認しなかった。 僕の水筒に口をつけてくれた。 それに気持ち悪さを感じず、 そこから話を広げてくれた。 なんともいえない高揚感を感じ、僕は呟いた。 「 大好きですよ。先輩。」 ども 成瀬 です . 読んでくださり ありがとうございます . 感想等 待ってます . ではまた何処かで .

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