短編小説みんなの答え:3

ステージの上

物心ついた瞬間から理解した。 これは観客のいない劇なのだと。 私に与えられた役は嫌われ役。 いわゆる悪役令嬢というやつだ。悪役令嬢がヒロインに「ざまぁ」をする展開が多い 昨今、私には純粋な悪役令嬢を求められた。 お決まりだが婚約者がいる。 一応国の王子だが、良くも悪くも阿呆な ところが玉に瑕。そんなところを愛らしく 思えた時もあった。本気で恋した時期も あった。ただ、彼と結ばれる人は私ではない他の誰かだ。私は望まれていない。 恐らくヒロインの女子が転校してきた。 名をリリカというらしい。 長く珍しい黒髪に、黒く大きく愛らしい瞳。 婚約者が目移りするのは当然だ。 リリカに皆が話しかける様子を目にし、 来てしまったからには消えるしかないと、 改めて理解して、目を潤ませた。 昨日からは心を変えた。 婚約者に厳しく、リリカをいじめた。 私に皆のヘイトが集まっていく。 気持ちのいいものではなかったが、 「そうでなければいけない」気がした。 私は恐らく皆のヘイトを集めて集めて、 処刑でもされてスッキリされて、 「ハッピーエンド」で終わるのだろう。 それでいいのだ。皆が望むのだから。 幸も不幸も、簡単には降りることのできないこのステージでは、一度役を得たからには 演じ切らなくてはならない。 この役回りも、やらなくてはいけないのだ。 来週、私の苦労が報われる。 ありがちなパーティーで、ありがちな断罪をされて、ありがちな処罰を下される。 私にはそれがお似合いなのだ。 ありがちな処罰を下された。 よくある死刑だそうだ。 そう言い渡された時、気が緩んで、 声と涙が溢れた。 「よかった」 なんて言わないほうがよかったのだ。 観客からすれば、面白くないだろう。 その言葉は私に合わないから。 死刑執行の日。ようやくこのステージを 降りることができる。 最期だけはストーリーに抗ってやろう。 「私を一人置き去りにして、貴方はきっと振り返ることもせずに立ち去るのでしょうね」 「きっともう二度と私の顔も見たくない でしょう?」 「嫌われ役は私がお似合いですから。 それでは、さようなら」 言い終わった瞬間。ゆっくりと瞼を閉じる。 それと同時に幕も降りて。 私はステージを去った。

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