俺を悲しませないために、わざと消された「好きです」だった
今日、好きな人がいなくなった。 瑠璃(るり)っていう、俺‥‥大輝(たいき)の幼馴染の女の子だ。 もともと病気で、常に病院に通っていたけど、そこまで重くはなかったので、 いつも一緒にたくさん遊んでいた。 ――でも1週間前、瑠璃の病気が急に悪化した。 急遽、瑠璃は入院することになった。 手術を行った。 大変な治療を行っていた。 ‥‥だけど、瑠璃は、――‥‥。 亡くなった。 悲しすぎて、困惑しすぎて、呆然と立ち尽くす俺に、 瑠璃のお母さんが「これ、瑠璃が書いたみたい」と手紙を渡してくれた。 その手紙を、静かに読む。 『大輝へ ごめんなさい。 私の分まで、元気に、生きて。 瑠璃より』 そう、短く書かれていた。 必死に涙をこらえていると、俺は、あることに気が付いた。 ――この手紙には、何度も消し跡があった。 つまり、何度も書き直されていたということだ。 消されて薄くなった文字を頑張って読むと――‥‥ 『大輝へ 好きです。 もっと大輝と一緒にいたかった』 そう、書かれていた。