分からなかった
「大好きだよ」 もう、聞けない。 優しい、ふわりとした声。 唯一の、助けだったんだよ。 なのにどうして。 分かっていなかったの? 俺が? そんな。 そんなわけ・・・ ない・・・ ・・・あれ?・・・ ーーーーーーーーーーーーー 「ほら、おーきーてーっ」 あれ、いつの間にか寝てた!? 「も、授業中だよ。せめて、聞いときな。」 逆光で見えないなぁ・・・ あ、優香か。そっか。 可愛らしい小顔に所々アザがある。 いじめ・・・だろうか。 少しだけ汚れている制服が 異様に目立つ。 上履きだって、片方脱げている。 うーん。いじめ?いや、悪ふざけ?いやいや・・・ 「んじゃ、伊藤答えろーっ」 ふえ?俺?あ、俺だ。伊藤だもんな。 「えっ、あっ、い、1でぇぇすっっ!」 一瞬シーン・・・となった後、上野千先生が言った。 「寝るなよー。伊藤、職員室な。」 「は、はいぃぃぃぃっ」 上野千先生、怖えんだよなぁ・・・ ちぇっ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 空が真っ青で、そよ風が私の頬をかすめた。 「悠斗、無事かなぁ・・・」 ・・・ さいごに思い付いたのは、悠斗だった。 私がフェンスに上ると、少し風が吹いた。 まるで、私を内側に戻すように。 でも、無駄だ。 私は、もう、終わらせたいの。 美香ちゃん、ごめんね。遊園地、いけなかったね。 桃恵ちゃん、ありがと。手紙、お返事できなかったね。 刀武くん、ばいばい。遊んでくれて、ありがと。 後・・・ 悠、斗・・・ ・・・ バイバイ、みんな ドシャッ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 結局、何も分からなかった。 ごめん、優香。 もう・・・ 死にたい・・・ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー はぁ。解放される。 ドシャッ ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「ほら、おーきーてーっ」