短編小説「凪を歩く」
短編小説初めて投稿してみます! 一章 私はゆめ。3子の母親。息子が17歳になって、あの事件から6年が経った。中学時代からの親友きみことはあれ以来あえていなかったけど、今日はひさしぶりに2人で話してこようと思う。傷は完全には癒えていなくても、時間が少し和らげていてほしい。 ゆめ:「早いね、きみちゃん、最近はどう?」 明るく振る舞えば、何事もなかったかのように衝撃の話が飛んできた。 きみこ:「ゆめ!聞いて!うちの子がね、甲子園出るの、すごいでしょ?」 頭が白くなりかけた。 ゆめ:「きみちゃん、子ども二人いたっけ…?」 きみこ:「えー忘れちゃったの?うちは一人っ子だよー。なんならシングルマザーだし。」 ゆめ:「それは、覚えてるよ。(旦那さん失踪しちゃった事件があったからね…。)」 きみこ:「それでさ、うちのこかわいいんだよー。」 ゆめ:「きみちゃん、今も病院通ってるの?」 きみこ:「うん。お母さんと息子連れてってる、体弱いっぽくて。」 ゆめ:「そっか、きみちゃん、うーん。」 きみこ:「ゆめ、なんか変わったね。」 ゆめ:「6年前のあれはなんだったの…。歩(あゆむ)、親友があんなことになってすごく落ち込んでたのに。」 きみこ:「あ、歩くん元気?せっかくだし今度なぎつれてこよっか。」 ゆめ:「なぎ…くん…」 きみこ:「なぎはね、学校無遅刻無欠席なんだよ、歩くん学校行けてる?」 ゆめ:「ちまちまとね。」 きみこ:「なぎったらね、いつまでたってもママ呼びなんだよー。いい加減脱却してほしさあるな~。可愛いんだけどさ、もう高校生なんだよ!?」 ゆめ:「ごめんね、きみちゃん、気づいてあげられなかった。ずっとはなれてさけてた、いい加減、脱却させてあげたいよ、ごめんきみちゃん。」 きみこ:「何謝ってるの?会えて嬉いんだしいいよー!」 ゆめ:「うん…」 二章 母さんの友達…俺の親友のお母さんが、まずいんだって。いいなあ俺もなぎに会いたいな。会いに行くことにした。 ゆめ:「きみちゃんの気持ちわかるけど、信じてるの?」 歩:「俺は科学の信者だけど、霊がいるなら会いたいな、なんてね。」 ゆめ:「うん…」 きみこ:「ゆめー!歩くーん!なぎ連れてきたよー!」 そこには間違いなく、昔の彼がいた。 ゆめ:「ね、歩、わかったでしょ。」 歩:「待っててね、不安に思わないで、母さん。」 俺は少年に駆け寄る。 なぎ:「久しぶり、あゆむ。僕の都合で置いてってごめんって言えばいいかな。」 歩:「何があったの、とか詮索しない方がいい?」 なぎ:「あゆむは大人になっちゃった…よね。一緒に高校野球やりたかったな。」 歩:「お…ぼくまだ大人じゃないし、ずっと友達だよ。」 なぎ:「僕ここにいるべきじゃないって言って、ママから離れられない。僕のこと、ママはずっと見てくれてるんだよ!」 歩:「なぎの居場所はここじゃない。」 少年は泣き笑いのような顔をして、ゆめと話している母親のところへ戻った。 なぎ:「ママ、僕勝手にいなくなってごめんなさい。」 きみこ:「言わないで、言わないで、言わないでそれ…、」 なぎ:「ん…」 きみこ:「息子の様子も見れないダメなママだったよね、ママ。」 なぎ:「ずっと見ててくれたよ。ありがとね、」 きみこ:「なぎ、17歳のお誕生日この間だった、おめでとう。」 なぎ:「ママ…僕はもう…」 きみこ:「いってらっしゃい。」 なぎ:「ママ!」 私は、これからも親友には弱くで良いから生きていてほしいと思う。親友だから。歩もなぎくんも同じ気持ちだろうな、親友だから。 「凪を歩く」ー終ー 読んでくださってありがとうございました!