短編小説みんなの答え:5

8時15分

私は、実柚(みゆ)。 明日はいよいよ待ちに待った中学校の入学式。小学校の卒業式では、小学校や小学校のみんなとお別れするのが寂しくて号泣していたくせに、その次の日にはLINEで友達と「もうすぐ私たちも中学生になるんだね!楽しみ!」と話していたのがおかしい。私は、小学校を卒業することの悲しさや寂しさを忘れてしまうほど、中学生になることを楽しみにしていたのだ。それなのに……。 中学校の入学式の日の朝。私は目を覚まし、ベッドの横の棚に置いた時計を見た。今の時刻は、8時15分。学校に行くには、8時25分にバス停に着くバスに乗らないといけないし、身支度やスキンケアのなどの時間も考えて7時には起きる予定だったが、寝坊をしてしまった。しかも、1時間15分もの寝坊だ。 私は、大急ぎでスキンケアと身支度をすまして、朝ご飯は食べずに家を飛び出した。バス停までは徒歩で5分かかるのに、今の時刻はというと、8時23分。恐らく、全力疾走してもバスには間に合わない。とはいえ、「もしかしたら、バスがちょっと遅れてて、間に合うかもしれない」「信号機が運よく青信号ばっかで、走ればすぐ着くかも」などという少しばかりの希望を持ち、私はできる限り足を速めた。 バス停まであと50mもないところまで来たというのに、タイミング悪く信号機がちょうど赤に変わってしまった。私は仕方なくその場で立ち止まり、腕時計を見た。ちょうど8時25分だ。顔を上げると、信号機を渡ってすぐそこのバス停にバスが来ていた。 ──このままだと信号機が変わってからダッシュしても、バスには乗れない。 そう思った瞬間、目の前が真っ白になった。そして、次に目を開けたときに見えたのは、私の部屋の天井とカーテンの隙間から差し込む朝日。ベッドから起きて時計を見ると、時刻は8時15分。 (あれ、おかしいな。さっきまで、慌てて家を出てバス停まで走っていたはずだったんだけど……) そう訝しげに思いながら、壁にかけた日めくりカレンダーの日にちを見ると、入学式の日、4月7日だった──。

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