初めてのきもち。
これは、私が"初めてのきもち。"を経験した時のお話。 授業終わりの下校中。 「凛、一緒に帰ろ!」 「梨華、うん。」 「相変わらず、テンション低いねー!」 私は凛(りん)。中学二年生。と、私の親友、梨華(りか)。小学校からの幼馴染み。 「そういえば聞いた?あいつ好きな人いるんだって!」 「あいつって、秋人のこと?」 「おっ!察しが良いね!」 秋人(あきと)は、私たちの幼馴染みだ。秋人は顔がよく、モテるらしい。 「学校じゃ、結構な噂になってるよ!」 「てかさ、相変わらず凛って、"こういうの"鈍いし興味ないよねー。」 私は好きという感情がよくわからない。今まで、好きな人ができたこともない。だから、興味が湧かないのだ。 学校に着くと、学校中が大騒ぎになっていた。全校で、1000人くらいいるんだけど。 教室には、同じクラスの秋人目当てだと思われる、大勢の女子が駆けつけている。 「秋人、お前どんだけ人気あんだよ。」 秋人はクラスの男子にも人気だ。 「良いよな、秋人は。」 秋人はみんなと話せて楽しそう。なんだか、私も嬉しくなる。 今日は一人で帰ることになった。 「あれは、秋人?」 「あれ?凛。一人で帰るの?一人なら、一緒に帰ろ。」 「うん。秋人、そういえば、好きな人できたんだって?」 「凛も知ってたんだ。」 「うん。」 「俺、明日その子に、告ることにした。」 「あ、そうなんだ。」 なんでだろ、なんか、心がきゅーってなる。秋人に好きな人ができて嬉しいはずなのに。 とうとう、"明日"がやって来た。今日は体育があった。この学校では、制服の下に体育着を着用することになっているため、着替えは、教室で男女一緒だ。 やっと体育の授業が終わり、みんな制服に着替えているとき、秋人の好きな人について、恋バナが始まった。 そういえば秋人、今日、告るんだったな。 "その時"は突然訪れた。 「凛!俺は、お前のことが好きだ!付き合って欲しい!」 教室は静まり返った。 「え?」 秋人の好きな人って私?私、みんなの前で、告られた? 恥ずかしいはずが、心がぽかぽかして温かくなった。今私、喜んでるんだな。 あ、これが好きって気持ちなのか。私は、この時好きという気持ちを知った。 「うん、私も好き。」 こう答える時、すんごく嬉しかった。 それは、私が経験した好きという"初めてのきもち。"だった。