道産子男子のあの先輩
「ねえ、したっけ空いてる?ゲーセン行かない?」 私は妃菜(ひな)。休み時間本を読んでるような、ハッキリ言って陰キャだ。 そんな私だが、放課後先輩にゲーセンに誘われた。 先輩は北海道出身・・・いわゆる道産子らしく、方言を使っている。「したっけ」は、あとでと言う意味らしい。 「あ、空いてますよ・・・」 「お、じゃあゲーセン集合ね」 どうしよう。誘いに乗ってしまった。しかし、どうして私を誘ってくれたんだろう。優しいな、先輩って。 「あ、やっほー!来てくれたんだぁ」 先輩が笑う。 「ごめんね、付き合わせちゃって。今日友達が予定合わなくてさー」 「全然大丈夫ですよ」 「ありがと。あ、なんかUFOキャッチャーでとってあげるべ。何がいい?」 私はあたりを見回してから、指さす。クリーム色のペンたて。 「おっけー。俺こーゆーの得意なんだぁ」 先輩は小さい子供みたいに、目を輝かせている。 ウイーン、ウイーンとキャッチャーの音が響く。先輩はいろんな角度から景品を見ている。 「この辺でいいかな」 ウイーン、ウイーン。 「おっ」 景品が穴に運ばれていく。 ヒューン。穴に落ちた。 「よし、一発成功。どう、俺上手いっしょ?」 先輩は得意げになりながら、景品を取って渡してくれる。 「はい。どうぞ」 「ありがとうございます・・・」 背が高い先輩の顔を見る。近くで見ると、より一層背が高く感じる。 目を見つめてみる。胸がドキドキするような。 「なんか、飽きちゃった。カフェでも行こっか?」 私はこくりと頷いた。 「ねえ、妃菜ちゃんって好きな人とかいるの?」 「いえ、いませんけど・・・」 ゆったりとした雰囲気のカフェ。窓際の二人席で、先輩と話す。 「ふーん。そっかぁ」 「先輩は・・・?」 「俺は、いるさ。目の前に」 えっ。 「ねえ、君がなまら好き。付き合ってよ」 缶の中からこんにちは!ども!鯖の味噌煮です! 鯖の味噌煮が北海道出身なのが、役に立った瞬間である。 余談だけど、「おささる」東京で伝わんないのよね。便利なのに。(誰か伝わる人いますか!) ばいちゃ!