短編小説みんなの答え:1

影で光は照らせなくても。

「頑張ったね。えらいえらい。」 そう言って、私は 友達の頭を撫でた。 こうするとみんな喜んで、 いい気分になってくれる。 私もそれで喜べたし、 誰かのために笑うことで、 嬉しい気持ちになれた。 だけど最近、 笑顔が重くなってきた。 積み重なった小さなことが、 私の口の両端にぶら下がっているみたい。 心の底から 笑えていたのに、 今となっては人のためだけしか 笑えないようになってきた。 だけど、笑わなくちゃ。 それだけが私の取り柄なんだから。 助けて、なんて言えるはずがなかった。 「光(ひかり)ちゃん、 最近元気なくない?大丈夫?」 学校で心配される ことが多くなった。 ちゃんと笑えてなかったのかな。 「私は大丈夫。大丈夫、だよ。」 いつも自分に言い聞かせるように、 みんなにそう言っていた。 今日も笑い続ける。 「大丈夫、私は大丈夫だから。」 笑わなくなったら、楽になれるんだろうか。 そんなことを考えて、 気づいたら屋上に立っていた。 腕につけた傷が 私に話しかけるように、 私の頭の中では聞きたくもない声が 溢れていた。 “人を幸せにできない私に価値なんてない” 知ってるよ。 人を元気にできない私はいらないんだね。 私がフェンスをまたぎかけた時。 「待って!」 誰かが私の手を引いた。 振り向いてみると、 私の後ろにはクラスメイトの みんなと、先生たちがいた。 そして、みんな私に飛びかかった。 「今までよく頑張ったね。えらいえらい。」 「気づけなくてごめんな。」 「私、光ちゃんのおかげで生きようと思えた。 だから私が光ちゃんを救えなくても、 いつまでもついていくよ。」 突然のことに混乱していたけど、 自然と、涙が溢れてきた。 人に「頑張ったね」って言われることが こんなにあったかいなんて、 今までの私じゃ知らなかった。 私は自分の光で前を 照らしてばっかりで、 自分の後ろの影が どれだけ広がっているか、 全然分かっていなかったんだ。 だから、これからはちゃんと後ろ とも向き合おうと思う。 私の後ろには、 いつでも私を支えて、 笑顔にさせてくれる 友達がいるんだから。 影で光は照らせなくても。 【end】

みんなの答え

辛口の答え

※きびしいコメントを見たくない人は
「見ない」をおすと表示されなくなるよ!

この相談への回答は、まだありません。

0件を表示

他の相談も見る

ランキングページへ

相談に答える

相談の答えを書くときのルール

【「相談する」「相談に答える(回答する)」ときのルール】をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
ニックネーム必須

※3〜20文字で入力してね

※フルネーム(名字・名前の両方)が書かれた投稿は紹介できません


せいべつ必須

ねんれい必須
さい

※投稿できるのは5〜19さいです


都道府県必須

アイコン必須

答えのタイトル必須

※30文字以内


じこしょうかい

※140文字以内

※自分の本当の名前、住所などの個人情報(こじんじょうほう)は書かないでね


ないよう必須

※500文字以内


辛口

※ないようがきびしいコメントの場合はチェックをつけてね!


ひみつのあいことばを設定してね

他の人にわからないように、自分しか知らないしつもんと答えを入力してね。

※ひみつのあいことばは忘れないようにしてください

※自分が選んだしつもんや答えが他の人に見えることはありません

ひみつのあいことば①必須

※使える文字: ひらがな・カタカナ・半角英数字

※半角カタカナ、全角英数字が使えないよ

※2〜20文字で入力してね

ひみつのあいことば②必須

※使える文字: ひらがな・カタカナ・半角英数字

※半角カタカナ、全角英数字が使えないよ

※2〜20文字で入力してね

※みんなで使うスマホ・パソコンではチェックしないでね

※毎日キズなんに来ていると、ずっと自動で入力されるよ。くわしくはコチラ