君の言う「好き」は嫌い
私は今目の前にいるこいつが嫌い。 だって女遊び酷いし、口軽いし、授業だって真面目にうけない。 私はお弁当箱の上に箸を置く。 「なんでいつもここに来るの。他にもっと女の子いるじゃん。」 そういうと目の前にいる奏多(かなた)を睨んだ。 「いいじゃーん!毎日お昼の時間は僕のことを真帆(まほ)ちゃんは独り占めし放題なんだよ?」 奏多はいつもこんな感じ。しつこいし、頼んでも無いことまでしてきて正直うざい。 「別に頼んで無いし。」 「もー!相変わらず真帆ちゃんは釣れないな~!」 奏多は頬を膨らまし、私の髪に触れてくる。 「まぁそういうところが可愛いんだけど♡」 私は箸を持っていた手を止める。 あぁまただ。こいつの言う可愛いは軽すぎる。だから、軽すぎて心配になる。だって自分が可愛く無いことぐらいとうの昔に知ってるし。ただ言われたことの無い「可愛い」に少し嬉しい思いがあるのは認める。 だからと言って好きになったりはしない...と思う。 「僕さー、どんな女の子にも『好き』とはいったことがないんだよね~。だってそう言うのは初めて好きになった子にしか言わないって決めてるからさ~。」 そして下校時も当たり前のようについてくる。 「ふーん、。ちょっと意外。アンタ初恋もまだなんだ。」 「いや、もう好きな人はいるよ!まだ言ってないだーけ!」 それから私は半ば強引に公園のブランコに乗らされた。隣には立ち漕ぎする奏多もいる。 「アンタってさ悪いやつじゃないでしょ。多分。初めて会った時だってそうだったし。」 私と奏多が出会ったのは私が怪我をして保健室へ行った時だった。 たまたま保健室で寝ていた奏多が怪我の手当をしてくれた、ただそれだけのこと。 確か奏多がついてくるようになったのはそれがきっかけだった気がする。 「まぁ少なくとも私はそう思ってるよ。」 すると奏多はカバンから一つのイヤリングを取り出した。 小さなハート型で凄く可愛い。奏多はそれを私の耳につけるとニコッと笑う。 「うん、やっぱり真帆ちゃんは可愛いね。」 静かに微笑む奏多になんて答えたらいいか分からず顔を真っ赤にしながら瞬きをする。 そんな私を見て奏多はフッっと笑うとこう言った。 「好きだよ、真帆ちゃん。」 多分私の顔は今すごく真っ赤だと思う。見せられたもんじゃない。 ...あぁこいつの言う「好き」は嫌いだ
みんなの答え
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天才!?
こんにちわー!めーのです! 来栖さん!天才ですか? 読みやすいし、短いのにすごっくドキドキしました! 本物の作家さんの作品くらい面白かったです!! 次回作とかもあったら読みたい!!って思うくらい! 次回作とかあったら楽しみにしてます!