ー死者は蝶にー
ベランダの小さな樹。 金柑の樹だ。 金柑や蜜柑などの樹には、鳳蝶が卵を産みつけにくると聞いたことがあるから、この樹を選んでお気に入りの鉢に植えた。 毎日、手入れをしているからだろうか。細く頼りない枝々についた葉が、少し強い陽光に反射して、夏の水面のように輝いている。それを眺める。この時間が好きだ。 少し暑くなってきた。そろそろ部屋に戻ろう。 私は昔、飽きっぽい子供だったらしい。何かを続けるというのが苦手で苦手でしょうがなかった。 でも、毎日樹の手入れは必ずやる。 どこかでこんな話を聞いたことがある。 『死んでしまった人の魂は、蝶となり生まれ変わる。そして、1番会いたい人の元へ会いにくる』 と。 私は本気で、と言うわけではないが、信じている。 もし、あの子が蝶になって私の元に来てくれるなら、私は嬉しい。 あの子が死んでから、5回目の命日。 ロケットペンダントを開く。あの子が、笑顔で向日葵に囲まれている写真。 夏休み、一緒に行った旅行で撮った写真だ。 私とあの子の、最初で最後の一緒に行った旅行。 「次の旅行も一緒に行こう」 そう言ったのに、約束の時は未だきていない。 「遅すぎるよ……、一緒に行こうって言ったじゃんっ………!」 私は声を振り絞るようにして言った。 涙が零れ落ち、床や写真に影と光を落とす。 開けっぱなしにしていた窓から、初夏の爽やかな風が吹き込み、どこか遠くへ流れていく。 私は、涙で滲んだ視界をなんとかしようと立ち上がった。 涙を拭き、冷たい水で顔を洗うと、なんだかすっきりする。 部屋に戻り、またベランダを見る。 1羽の鳳蝶が、金柑の樹に止まる。 少しだけ、こちらを見たかと思ったら、すぐに飛んでいってしまった。 あの鳳蝶は、あの子だった気がする。あんなことを伝えるのは、あの子だけだもの。 「泣くなよ。旅行の約束の代わりに、いつか一緒に、見たことのない景色見せる。今度こそ、約束」 って。 FIN. 【あとがき】 最後まで読んでくださり、ありがとうございます!秋葉です。 途中に出てくる「死者は蝶に生まれ変わる」と言うのは、どこかで伝わっているお話です(本当に)。 ちなみに鳳蝶は「アゲハチョウ」と読みます。 ついでに向日葵は「ひまわり」と読みます。 なんか時間軸がチャリーンしているのは気にしないでください(変になっているの意(伝われ では、またキズなんで会いましょう! ばいちゃ!
みんなの答え
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少しだけ!直させていただきます。
こんちゃ!こと梨です! とてもいいお話でした!(語彙力どこいった) でも、すこし訂正したいところがあって、 「遅すぎるよ……、一緒に行こうって言ったじゃんっ………!」 のところ、遅すぎるじゃなくて早すぎるなのでは? もしそういうお話でしたらすみません… それじゃ、さよーなら!
感動!
ヤッホー!!秋葉さんこんにちは!虹色花火だよ! 本題 とても感動しました!秋葉さん上手いですね!ありがとうございました!