『生きる』に飽きた私が、余命半年の君に出会う話
「俺、余命半年なんだ。」 いつもは鼻にツンとくるアルコールの匂いも、白すぎて目がチカチカする壁も、今は気にならなかった。 ただ君に…… いつからか、世界の全てがどうでも良くなった。 ずっとイライラしているお母さんも、帰りが遅いお父さんも、空が青いことでさえどうでもいい。 明日も当然生きていくのだろう。そう思える環境にいて、それがとてつもなくつまらなかった。 「行ってきます。」 いつも通り家を出て、学校に向かう。水たまりが太陽に光を跳ね返し、七色に光っていた。 ぼうっとそれを見ながら曲がり角に差し掛かったその瞬間、キキーッと言うブレーキ音と強い衝撃と共に、私は意識を手放した。 目が覚めると、視界が今までに無いくらい白かった。 一瞬、天国かな?と思ったけれど、鼻にツンとくるアルコールの匂いがここは病院だと語っていた。 「いったぁ。」 起き上がってみたが、頭が痛い。ついでに腕もお腹も、って言うか全身が痛い。 腕には点滴が打ってあり、至る所に包帯が巻いてある。 ……私、事故ったの? そして、みた感じ生き残ったようだ。運転手さんはほっとしたことだろう。 足音がするなと思ったら、看護師さんがやってきた。 「あ、おはようございます。」 あの時の看護師さんの顔。今でも覚えてる。 まぁ、確かに起きてると思えば呑気におはようございますだなんて……あれ?こんにちはの方が良かったかな? 私の怪我は相当やばかったらしく、2ヶ月くらい入院することになった。 特にすることもなく廊下をうろついていると、中庭に一人の男子がいた。 平均年齢が低めな小児病棟ではあまり見かけない私と同年代くらいの男子だった。 珍しいなと思ってみておると、男子が振り返り目があった。 センター分けのサラサラの黒髪に、透き通るような肌。鼻筋はスッと通っており、涼しげな瞳が私を捉えている。 ……イケメンだなぁ。 「俺の顔に何かついてる?」 「あ、ごめんなさい。綺麗な顔立ちだなって思って。」 そういうと、彼は目元を細めて優しく笑った。 とても暖かい……太陽のような笑顔だった。 「俺、室 涼太(むろりょうた)」 「私、烏丸 緋奈(からすまひな)」 これは『生きる』に飽きた私が、余命半年の君に出会う話だ。 ー完ー
みんなの答え
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すごっーー!!
凄すぎ! 続きみたぁーい!!
すごいねー!
5つのセカイからこんにちは!(この挨拶に深い意味はないので気にしないでください。プロセカ知ってる人しか分からん) さすがですね! 私だと出会ったその後の物語を書きますから、こういうところに差があるなぁーって思います。 またキズなんで会おうね! バイバイ!