私が幼かった頃の、世にも不思議な物語
ぐすん…グスン…。今にも溶けそうな甘い甘いピンク色の空に響く胡桃の声。 「き、きょうもわるぐちゆわれた…なぐられた…」 目をこすりながら、ふと口を開いた。 いつもと同じ帰り道。でも今日は少し夕暮れで、太陽との別れの時間だっだ。 「なんで、くるみのことをばかにするの…」 ピカッ。空が一瞬光ったと思ったら、空から凄い勢いで何かが飛んできた。 胡桃は目を丸くした。そして、ランドセルが一気に軽く感じた。 胡桃は心臓を弾ませながら落ちてきたものを覗いた。 すると、丸いものが見えた。 「…おおきなたまご…?」 それは、変な模様をした卵のようなものだった。ピンク色で、ハートのような模様が散らばっていた。 「か、かわいい…」 心を奪われた胡桃は家に持ち帰ることを思いついた。 耳を卵らしきものに当てると、ドクッ、ドクッと心臓の音が聞こえた。 「た、ただいまー…」 胡桃は玄関の重いドアを開けながら、卵を背中に隠して家に入った。 「あら、おかえりーって、どうしたの⁉」 エプロン姿の母がお出迎えしてくれたのかと思ったら、驚くようにも、悲しむようにも見える表情で胡桃に駆け寄った。 「ボロボロじゃない…。学校でなにかあったの?」 このとき、母に言われて初めて、自分が傷だらけなのに気づく。 「んっ、へ、へいきへいき…。ちょっところんじゃっただけだよ…」 そうなの、と言って母はキッチンへ戻った。 靴をしまってから、胡桃は自分の部屋へと階段を駆け上がる。 「ふぅー…なんとかばれなかった」 不安で締め付けられていた胸が開放されたことで、胡桃は床に座り込んだ。 「…これって、なんのどーぶつのたまごなのかなー?ヒヨコさんかなー?」 人差し指でツンツンしていると、ピキッパキッ、と殻が割れ始めた。 びっくりした胡桃は、お気に入りのチョコレートのような大きなテディベアを盾にして近づいた。 パキッパキッ、殻が割れる音と胡桃の心臓が共鳴する。 中の生き物が見えたと思ったら、一気に殻が割れ、こうしてようやく、胡桃は何の生き物の卵なのかを理解することができた。 「…ぺがさす?」 そこにいたのは、信じられないほどのキュルキュルした瞳。もふもふで今にも触りたくなるような真っ白な身体と羽。特徴的な一本の長い角。そして、キューキュー言ってる。 「うわー!ぺがさすだー!」 つい大きな声を出してしまった胡桃は、急いで口をふさぐ。 「胡桃ー?どうしたのー?」 ドキッとした。母が階段を上がってくる足音が聞こえる。来る。 胡桃は、慌ててペガサスらしき生き物と殻を押入れに入れた。 ガチャ。母が扉を開けた。 「さっき、大きな声出さなかった?ペガサスーって」 「あっ、あははー、えっと、ぺがさすってかわいいなーっておもって!」 母は、1回部屋全体を見渡すと、ドアを締めて下へ降りていく音がした。 胡桃は恐る恐る押し入れを開けると、キラッキラな瞳と目が合った。 か、可愛い…と胡桃は心のなかで叫ぶのでした。 「おなかすいているのかなー…?」 胡桃が夜ご飯を食べて戻ってくると、ペガサスの様子がおかしいことに気がついた。 「おうまさんみたいだから、おやさいとかたべるのかなー」 悩んだ末、こっそりと一人で部屋を出た。キッチンへ来た。今は誰もいないからチャンスだと思った。 そーっと冷蔵庫を開けて中に入っている食材殆どを服の中に隠して自分の部屋に駆け上がった。 人参、キャベツ、りんご、プリン、牛乳、納豆、そしてキャンディー。 「さぁ、どれをたべるー?」 胡桃はペガサスの前に持ってきた食材を全部並べた。 ペガサスはキョロキョロしながら、一つ一つパクッと食べていく。 牛乳と納豆は、あまりいい反応をしなかったが、他のはたくさん食べた。やはりお腹が空いていたようだ。 「…もうくじか…ねるおじかんかな。」 といって、ベッドの布団の中に入った。ペガサスも潜ってきた。 胡桃はこころの中で”ペガ”と名前を決めるのであった。 その夜、胡桃は夢を見た。大きな真っ白いペガサスがこっちに歩いてくる。 そして、胡桃はそのペガサスの鼻を触る。するとペガサスは 「ありがとう、くるみ。僕は実は悪い魔女にペガサスに変えられてしまって、本当は王子様なんだ。遠い遠い星のね。」 「もし、また、君に会えたらー…」 という所で胡桃は目を覚ました。ペガは、どこにもいなかった。 今日も学校へ行く。もう、泣いてなんかいられない、と胡桃なりに決心をしたようだ。 「では、転校生を紹介します。入ってきて。」 ホームルームで、先生から転校生の紹介があった。 入ってきたのは、白髪のイケメン。胡桃は、どこか出会ったかのような気持ちになった。 「風間翔馬です。ペガって呼んでください。」 胡桃は、この一言でココロが跳ね上がった。 ここから、胡桃の物語が始まる。
みんなの答え
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素敵なお話!
メルヘンチックで素敵なお話でした!続きがとっても気になります! すみません!私なんかが、、、迷惑ですね!すみません!