短編小説みんなの答え:2

在りし日の私へ

 蝉の鳴く声に耳を澄ませ、照りつける日差しに辟易しながら道を歩く。青天井は私を見て笑みを浮かべているようだ。故郷に帰ってきたのだ。今何も持っていない。いわば手ぶらの状態。 「それにしてもいい天気だ」  せっかく帰郷したのだから目一杯楽しまなければ。散歩でもするか。目に映る一面の緑が、炎天下に縛られた木々を彷彿とさせる。ここら辺は私の幼い頃と何ら変わりない。安心すら覚えてしまう。 「そうだ、母さんのところへ行こう」  実家の道中、遠い日の母の内に秘めた優しさを何度も懐古した。懐古するたび胸に温かい気持ちが滲んだ。十年前にも一度帰郷したことがある。  当時私は、帰郷にあまり乗り気ではなかったが、無二の友人が永い眠りについた為行くしかなかった。友人の面々はみな、彼を思い出し涙した。私も同様に滝のように涙を流しながら彼に手を合わせた。友人を失うのは初めての経験で、私は忘れるために仕事を多く入れた。仕事に没頭することでなんとか精神を持ち直し、気づけば十年が経過していた。  実家は目前に迫り、心がたちまち躍りだす。母が不用心に扉を開け放しているわけは、ここらへんの治安が良くて盗みが発生することもほとんどないためだ。その不用心さゆえ、定期的に私が様子を見に来ないと何が起きるかわからない。十年も帰れなかったことを悔やむばかりだ。 「母さん、入るよ」 玄関から問いかけるが返答はない。幸い扉は開け放たれており、容易に中の様子をうかがうことができる。母は何やら祈っている。母の目線の先を追うと円い机があった。机の上に置かれたものに目を凝らすと、写真立てだった。ここからでは見えないので母の隣まで行こう。 「母さんただい」 衝撃的なものが私の瞳に飛び込んできた。私の写真だった。嗚呼、そうか。私は。

みんなの答え

辛口の答え

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え怖

ヤッホー!!虹色花火だよ! 本題 え怖!友達が死んだって言ってたけど、この子も死んでない?何なんだろこれ! ありがとうございました!


奥が深かったです…!

みなさんこんにちは! 莉暖です! 奥が深い作品だな…! と思いました 伏線が張られていたけど、見せつけない感じで、リアルさが増していました! 素敵な作品ありがとうございますm(_ _)mペコリ おつりのん~!


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