今終、会えますか
十四。それは、僕にとって呪いのような数字だった。 神が僕に与えた運命は、「十四歳で終末を迎える」というなんとも不幸なものだった。 その時のことは覚えていないが、生まれたばかりで目も見えない赤ん坊の僕が産声を上げる前に言った言葉がそれだというのだ。 そのエピソードだけは、共通していた。 前世も、その前世も、何万、何億と繰り返された前世の時も同じことが起きた。 そして、僕は毎度毎度その通りになった。 十四歳の二月二十九日、必ず終末は訪れる。 隕石が衝突なんていうお決まりのやつから、聖書そのまま天使が終末の音を奏でたり、地球の傍に寄り添っていた月が予告なくこちらに向かってきたり。 まるで、無限に等しい数あるパラレルワールドを一つ一つ巡っているようだった。 自死を望んだこともあった。空中へダイブ、特撮ヒーロー目指して宙ぶらりん、キリストさながら胸を貫き。 しかし、決行の瞬間に必ず終末が訪れた。 虚空から大量の水が出現し、世界が水没する。絵本に出てくる悪魔みたいなやつが世界を一センチ角に切り刻み、僕もそのようにされた。 世界が僕に終末を見せたがっているようだった。 そして、もう一つ。僕にとって唯一の救いのようなものがあった。 終わりのない僕の人生の最初の終わり。初めて訪れた終末のこと。 全身を真っ黒に包んだ少女が現れた。最後に一目見たかった砂浜に。 白い砂の上に、青い蒼い碧い海の前の渚に。つかの間の凪が訪れ始めた。 真っ黒な髪に、真っ黒な瞳、真っ黒なレースのワンピース、真っ黒な靴、白い肌。 ぽっかりと現れた喪服の少女は、僕に微笑んだ。 「誰。」と僕は言った。それ以外に適当な言葉が見つからなかった。 終末の訪れようとしている世界で、一分一秒無駄にしたくなかった。 すると少女は、目にもとまらぬ速さで僕を自分の傍に引き寄せた。ワープみたいに。 僕が驚いている間に、少女は話し始めた。軽やかに。 「私は、あなたのお母さん。」少女はそう言ってさも愛おしげに僕を見た。 「僕には、母はいますが。」僕は、僕よりもはるかに幼く見える少女を睨んで言った。 「私の息子として、終末を見せておきたいの。じゃ、また来世でね。」 そう言って消えた母に会うために、僕はまた終末を迎えるのだ。 神様、今終、また会えるね。 お母さん。
みんなの答え
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控えめに言って最高ですかね、、、
こんにちは!Soraと申します! 拝見させて頂きました! タイトルにもある通り、 控えめに言って最高だなと思いました! 特に 「まるで、無限に等しい数あるパラレルワールドを一つ一つ巡っているようだった」 というところに感動しました! 一つ一つの言葉がカッコよくて、、、 本当にすごいと思いました!! 良い小説をありがとうございました! これからも頑張ってください! *日本語おかしかったらごめんなさい 興奮しながら書いたので、、、