私とみつあみとリボン
私は一ノ瀬華音。(いちのせかのん) 6年生の秋,このまちにやってきた。 降りたことのない駅,初めて見るまちの景色・・・ わからないことだらけでちゃんとやっていけるか心配だ。 お母さんに相談したら,「だんだんわかってくるから大丈夫」と言った。 翌日。華音は,いつもより早く目が覚めた。 いつもより丁寧にみつあみを編んだ。 カフェオレ色のランドセルを背負い,家を出る。 新しい通学路を歩くこと15分。学校についた。 まだ6年目の小学校らしい。わりときれいだ。 お母さんと一緒に職員室へ行き,担任の有坂六花(ありさかりっか)先生に会った。 先生とのあいさつを終え,いよいよ教室に向かう。クラスは2組だ。 私は教室のドアの前で待機。先生が「今日から新しく仲間入りする子がいます」と言ったあと, みんなが「えぇっ!」と驚く声が聞こえた。 先生に入ってと言われて,静かにドアを開け,教室に入る。みんなが私を見ていた。 「一ノ瀬華音です。よろしくお願いします。」 と私が言っら,1番前の席の男の子が,「えっかわよっ」と言った。 他のみんなも「かわいいね!」と言い始める。 最初はびっくりした。でも,嬉しかった。 華音の席の隣は結菜(ゆいな)。私に,あれこれ教えてくれた。 結菜とは一番の友達になり,一緒にいるのが楽しかった。 そして,結菜の友達の美花(みか)とも仲良しになった。 ある日,結菜がカフェオレ色のリボンをくれた。 「これ,あげる。華音のランドセルの色に合わせたの。手芸屋さんをまわって,3つ目のお店で見つけた」 「えっ,いいの?カフェオレ色のリボン初めて見たよ!」 「これ,みつあみに編み込んでみて!もっとかわいくなれると思う」 「ありがとう,結菜。明日,やってみるね!」 翌日。私はもらったリボンをみつあみに編み込んで,学校に行った。 結菜に,「めちゃくちゃいいじゃん!思った以上にかわいくなってる!」と言われた。 美花や,クラスメイト,先生にも褒められた。 それから毎日,カフェオレ色のリボンをみつあみに編み込むようになった。 華音は,新しい学校にすっかり慣れた。 このまちのこともよくわかってきた。 結菜にもらったカフェオレ色のリボンは,華音にとってなくてはならないものになった。 「これからも,大切にするね。」 この気持ち,リボンにも伝わってるかな。 おしまい