短編小説の相談いちらん
短編小説
みんなが作った短編小説のコーナーだよ。※2024年9月30日までの投稿で受け付けを終了いたしました。
捨てられた涙
私は霜野 優里亜(しもの ゆりあ)。妹がいて,名前は琉璃阿(るりあ)。やっぱり,今日もお母さんは琉璃偁ばかり,気にして,私がこけても,いつもにらんで「何してんの?どんくさいわねぇwww」というのに,琉璃偁がこけたら,「大丈夫!?救急車呼びましょう」なんていう。大げさすぎる。なんで,なの。 今日もおはようと言う。誰も答えない,はずだったのに,お母さんが,「あら,おはよう!」と言ってきたのだ。 絶対に何かある。そう確信した。 いつも通り,琉璃阿の分の半分ほどの朝食を食べる。おなかがすくけど仕方ない。牛乳を飲んで,パンに手を伸ばそうとしたのに,急に眠気に襲われた。 目を覚ますと,何もない空間にあるベッドにいた。なんで,だろう。捨て,られたのかな…。窓があったので,下をのぞくと,案の定家族がいた。 「一人っ子になれてよかったわねwww」 「そーだよ!早いとこ捨てればよかったのにwww」 「まぁまぁ,琉璃阿,お前のこと刺そうとしたなんて許せん。警察に保護させたよ」 ひどい,ひどいよ,お母さん,琉璃阿。そういえばお父さんは知らないんだった。騙されてるのに。私が,そんなこと,するわけ…。 早いとこ死んでしまおうか。生きてるのも辛いよ。 ガララッ ふいにドアが鳴って,誰かが入ってきた。 「警察なんだけどね,どうして妹さんを刺そうとしたの…?」ひどい,また騙されてる。 「刺しかけたよね?」 「やってません…!そもそも刃物がどこにあるかさえわからないし,させるほどの力もありません。」 「そんなことはないだろう?ちゃんとご飯食べてるのに。」 「一応食べてますよ,妹の半分の量をね」 「っ?!」相手は絶句したようだ。まあそうだよねー,妹の半分とは。 「でっでも,健康診断は引っかかってない…」 「両親が診断書偽装してるんです,引っかかってはいますよ」 刺したというのは間違っているとし,至急私は入院させられた。 重い病気になっていた。 それもこれも家族のせいだ。お父さんはそこまで悪くはないかもしれないけど,簡単にお母さんたちの言うことを信じた。 余命半年。それが私に告げられた言葉。 看護師さんたちは,そんな私を心配してよく見に来てくれた。 「大丈夫?痛かったらすぐナースコール押してね?」 「辛くない?辛かったら,相談に乗ってあげられるかわかんないけど,話聞くからね」 優しさって,こういうものなんだと,初めて実感した。 そして,そう簡単に死んでしまいたくないとも思った。 だから。 遺書を書いた。もちろん,家族へあてたものだ。 ーーー家族へーーー のんきに生きてるんでしょうね。私はあなたのことを,許しません。の | ろのろ歩く亀じゃあるまいし,少しは私のことを気にしてほしかったです。 | っ…つまり,あなたには愛情があるんだから,妹の半分でもいいから愛してほしかっただけ。 | てを伸ばしてもその願いはかないません。もう捨てられたのだから。 | こんなことを言ってどうすればいいのかわかりませんが,あなたのことが嫌いです。だから,このご | ろ思います。いない存在になっていたら,私はもっと幸せだったんだろうな,と。 | しあわせ,それは今のあなたのことでしょうか?私がいなくなって幸せ?っ | て,そんなわかりきったこと言いませんけど。 | やぶから棒ですが,あなたは,私のことを覚えていますか?あなたがないがしろにした,もう一人の娘です。 | るりなのことを愛してるんでしょうね,わたしなんて,いらないんでしょ?よかったですね,私はもうすぐ死ぬんだから| 絶対許さない 優里亜 れもんです。皆さん,この手紙の頭文字読めましたか?この解説なしで分かった人,すごい!この後家族は…? 無事だといいんですけどね。
ネットの嫉妬
気づいたら、その言葉を打ち込んでいた。 気づいたら、その言葉を送っていた。 私はとあるチャットアプリで「りりぴょん:)」として活動している。 仲の良い友だちが2人いる。ふたりとも同じ年齢の中学1年生だ。 Mio✿「りりー!今いる?」 りりぴょん:)「うん!いるよ」 Mio✿「学校のことで相談したいことがあって、、、りりーなら同じ学年だしMBTIも同じで信用できるから!」 信用、かぁ。 私は中学1年生だけど、みおがそうかは分からない。 MBTIも一緒だとは限らない。 Mio✿「今日部活の先輩にハブられちゃって、、、、友だちから聞いた話だと私が1年でレギュラーになったのに嫉妬?したみたい」 りりぴょん:)「そうなんだー…そんな嫉妬気にしないでいいよ!年下に嫉妬なんて情けないじゃん!笑」 Mio✿「そうだね笑 気にしないようにする!」 案外早く終わった相談。 Sana**「やっほー!部活が長引いて…ごめん」 Mio✿「全然気にしないでいいよー!」 りりぴょん:)「うん!気にしないで!」 すごいペースで流れていくメッセージたち。 みおとさなは趣味が同じで、K-POPが好きらしい。 Sana**「そういや、今度みおの好きなグループが日本でライブするらしいよ!」 Mio✿「ほんと!?行きたいなー」 Sana**「倍率やばいだろうけど」 ずるい。 さなは話を聞いている限り、頭もいいし、優しいし、モテるし、運動もできる。 ずるい。嫉妬しないわけがない。 そこから1時間位3人で話した。楽しいけど、一緒にいればいるほどさなに嫉妬していく。 Sana**「晩御飯だから抜けるね!また明日一緒に話そー(^^)/」 りりぴょん:)「バイバイ(^^)/~~~」 やっとさなが抜けた。一緒に入ればいるほど嫉妬して… こんな自分嫌だ。 みお個人とチャットできる場所に移動する。 メッセージを打ち込む欄に、フリック入力で文字を打ち込んだ。 【さなって私ちょっとニガテ…頭良くて運動できるとかおかしいwww 自慢げな所あるし】 嫉妬だって、分かってるし気づいてる。 でも、今送らなきゃ後悔する。そう思って、目を瞑って送信ボタンを押した。 りりぴょん:)「さなって私ちょっとニガテ…頭良くて運動できるとかおかしいwww 自慢げな所あるし」 1分ぐらいしてから、みおから返事が来た。 Mio✿「わかる!私もニガテだなー甘やかされて育ったんだろうねwwwねぇ、明日さななしで二人で話さない?」 悩んだ。仲間はずれにしていいのか、と。 だけど、一回くらいなら、一日くらいならいいだろう。そう思って、自分の賛成する文章を送った。 Mio✿「じゃあ、明日の5時にここに来よー!3人のチャット欄は通知消しとけばいいでしょ」 りりぴょん:)「そうだね!じゃあまた明日!」 翌日。 ほんの出来心で、二人でさなの話題で盛り上がった。今頃さなはたくさん通知を送っているだろう。 それが何日も続いた。毎日のようにさなへの悪口で盛り上がった。 楽しかった。同じ気持ちだとしれて。 久しぶりに3人のチャット欄を開いた。 「あれ…?表示されない」 何度試しても「このページは開けません」の文字が出る。 イヤな予感がして、さなとの二人のチャット欄を開いた。 こっちもでない。さなのアイコンをタップした。 可愛い猫の写真と、プロフィールが表示される。 誕生日/6月18日 MBTI/ENFJ 血液型/A型 良かった、何も変わってない。 一言メッセージを見た。いつもは「よろしくお願いします」のはずだが… 「仲間はずれにされたので辞めます。ありがとうございました」 嘘、だよね。 これ、私とみおに言ってる? そう言えば最近、みおがさなに直接悪口を送ったらしい。 仲間はずれにしているチャット欄の写真も送ったって、言ってたよね。 チャットを送ろうとしても全然だめで。さなの画像欄を押してみた。 さなの投稿が表示されると同時に、「このアカウントにブロックされています」という言葉が表示される。 ブロック…?ブロックして辞めたの? その日、私も退会した。罪悪感。私があのメッセージを送らなければ… 社会人になった今でも思い出す。みおもさなもどうしているだろう。 もう一度、あのアプリを入れてみた。だけど、サービス終了の文字が出る。 けっして謝れない。過ちを反省しろと言っているかのように… 真っ暗な夜の空。電車の中から見えるそれは、いつもは綺麗なはずだった。 でも、今は違う。13歳の自分が悪口を打ち込んでいたときと同じ、悪で溢れた空だった。
さようなら、愛する人よ ありがとう
さわやかな 風が ふきぬけるころ よく みみを すまして みれば うぐいすの こえが きこえて きます。 なのはなが さいていて、とおくで らっぱの 音も 響いています。 あるひとは いいました すきなひとに るびーの ほうせきを ひとつ わたせば ふたりで とても しあわせに なれると。 よくあさ、ひびき という しょうねんは、 あかるく げんきな しょうじょ、かざねに りぼんを かけた るびーをわたしました がんばって てにいれたんだ とおくに ひっこしても うれしかった おもいでを わすれないでね 縦に読んでみたり漢字だけ読んだりしてね 読みづらさの理由が分かるかも! みてくれてありがとう!(これも縦読み) 機種によってはならないかもしれませんが、もし伝われば嬉しいです! (これは縦読みじゃないよ)
月が欲しくなった日
私は麻也(まや)、普通とは言い難い13歳 というのも、私は感情をコントロールし過ぎている。 どんなに悲しい事も、抑え込んで平然でいる どんなに腹が立っても、呑み込んで心にしまう おかげで薬は増える一方 原因はわかりきっている、弟の誠(まこと)だ 簡単にいえば、そう…二重人格 誠とマコトがいるのだ、誠は普通なんだけど、マコトは違う、狂気の権化といっても過言では無いのだ 今日だってマコトは小動物を手にかけた 私はそれでも誠を見捨てれ無かった、世界でどこを探してもたった1人の姉弟 いくら嫌いを重ねても、一つの好きには敵わなかった 私はさっきそう言った けど私は誠を置いて逃げた 私達家族はそんなに裕福では無かった なにか母にお礼がしたかった 「あの猫の中には宝石がある」 マコトがそう言った その後、私の悲鳴とマコトの笑い声が響いた事は読者さんもおわかりでしょう 宝石なんて、無かったし その日の夜、そんな事も知らない誠が無邪気に笑って空を指さした 「姉さん姉さん、今日は満月だ、いいなあ綺麗」 「そうだね、欲しくなっちゃうね」 「ねー」 誠の笑顔に、マコトの狂気が重なる 空に伸ばした私の手に血がついて見えた …もう駄目かもな 『誠、私…月を取りに行くね』 そう言って窓から飛び降りた 「いつ帰るの?今月って言った?」 そう誠が言って振り返った時には私はもう居なかった そこには風で揺れるカーテンと、優しい月明かりしか無かった あれから8年、誠が死んだと聞いた それを聞いて安心した自分が嫌になる あれは間違っていなかった、あの日逃げて正解だったはずなのに、時々考えてしまう 誠と私が笑い合って、手を取り合って生きていく、そんな夢みたいな世界もあったんじゃないかと そうなるには…ちょっと遅すぎたかな あの日を同じ月明かりが、どこか冷たく感じた
家出少年
『あっついの………アイス溶けてまうね。早よ食べ?』 「うん」 『東京はこげん暑うなかろ。』 「…うん。寒いくらいだよ」 『あはは。そりゃよかね』 見ず知らずの僕を見つけてくれた。 気にかけてくれた。 真っ暗。汚い世界で彼女だけが綺麗だ。
トクベツフツウ
わたしは何もかも普通。特技・趣味なんてなにもない。 勉強だっていつも平均近く。運動だって並にできるだけ。 「トクベツな人ってさ、大変そうだよね」 「フツウが一番!」 世間ではみんなそう言ってるけど、わたしはそうは思わない。 (…つまんない。) キーンコーンカーンコーン チャイムが鳴った。昼休みが始まる合図だ。教室ではみんながワイワイ喋っている。 わたしは、いつもの場所へ向かった。 __校舎裏の、花壇。 ここが唯一のわたしの安らぎの場所だった。いつも、ここでお昼を食べるのだ。 だけど、今日はいつもと違った。 「あれ、なんか人がいる!?」 明るい声が響いた。いつも、ここはわたし一人しか来ないのに。 「えー!!わたしだけのいい場所だと思ったのに…」 「…まあ、いいや!君、名前なんていうの?」 目の前にいる人物は、表情がコロコロ変わる。 水色のポニーテールに、横髪にはヘアピン。ぱっちりした黄色い目。わたしと同じセーラー服の制服。 (…間違いない!) わたしが、ずっと憧れてた…松山美空(まつやまみく)、さん。 絵がとっても上手で、成績優秀。でも、なぜかいっつも一人ぼっちだった。 そんな、すっごくトクベツな存在。 「わ、わたしの名前は…鈴木紬(すずきつむぎ)です」 どこにでもいるような、自分の名前が嫌いだった。 「ふーん、つむぎちゃんかぁ。隣のクラスだよね!」 え。 (認知されてた!?) 「は、はい…」 「そうだ、今日からわたしとここでお昼食べない?」 (ふぁ?) 突然の美空さんの発言に、わたしは戸惑ってしまう。 だけど、本当にその日から、美空さんは毎日ここに来るようになった。 __ある日、美空さんがこういった。 「わたしね、ずっと一人ぼっちだったんだ」 「え…」 正直言うとずっと前からそんな事は知っていた。でも、なぜ今急にそれを言われたのかが分からなかった。 「あのね、わたし、なんでも人の意見を否定しちゃう人だったの」 「…ここの中学校はわたしと同じ小学校の人が多かったから、ずっとみんなから嫌われて」 美空さんが、初めて、悩みを相談してくれた。 「…あの、わたしも…」 「全部、なにもかもフツウの自分がいやで…」 初めて、人にこの悩みを相談した。 「…何言ってるの。つむぎちゃんは、とっても面白くて、こんなわたしを受け入れてくれて…」 「わたしの中では、ずっと、つむぎちゃんはトクベツな人だよ!!」 美空さんはそう言って笑った。 わたしは泣きそうだった。 「…美空さんだって、今は、みんなから嫌われてるんじゃないですよ」 「だって、わたしは、美空さんのことが大好きですから!!」 わたしたちは、二人共笑い合って、泣いた。
友達は。(ホラー注意)
「ホラー旅に行こう!」 友達の一言で旅に出た。 俺(京隊)は夏休みに一人でひまをしていた時に、友達(足立)からLINEが来て、旅に出かけることにした。どうやら全国のホラーの場所に行くらしい。正直俺はホラーが苦手というわけではない。だけど足立はホラーが苦手だったはず。そう思いながらも同意した。 友「おひさー」 外観は健康だ。見ないうちにホラーが好きになったのかな? 友「どこいく?」 俺「じゃぁ犬鳴トンネル行ってみよう」 そう言って犬鳴トンネルに行ってみた。移動中の足立の顔は元気にみえた。 犬鳴トンネルに着いた。ここまで車で来たため、俺は少し酔ってしまった。足立は元気そうだ。 友「ちょっと公衆電話に電話かける」 俺「だれに?」 友「京隊だよ」 俺「え?俺はここにいるじゃんww頭おかしくなったの?」 友「へ?京隊はここにいないじゃん」 俺「・・・じゃぁ一応聞くけどおれの名前は?」 友「お前の名前は蛙祁糊爾だろ?自分の名前も忘れたのかwww」 見慣れない名前におれは胸が痛くなった。冗談だと思ったが足立の目は真実の目をしている。足立が車に乗り込もうとしたので、帰ることにした。帰りは俺が運転することになった。俺は眠くなってきたけど目を覚ました、そしたら足立がいない。連絡をかけようと思い、スマホを見たら、すべてが文字化けしていた。文字化けしながらもこの出来事をブログに書き込もうととして、何とか書きこmo;aidjs ;aoeprimdふぉうぇうrcンあw@0絵うrんq20絵r88うえrc@0くぇうp43@598q34 (文字化けは演出です)
とある、ロボットのはなし。
こんなのじゃない。こんなはずじゃない。 ああ…私はなんて事をしてしまったんだ。 ガチャカチャと金属同士が当たる無機質な音が狭い実験室に鳴り響く。 スパナがガシャンと重い音を立てて落ち、ネジがコロコロと転がる。 私は目を見開いた。 「完っ成だ…!」 ひとりで作業を始めた1年前、本当に完成するなど思いもしなかった。 私はすぐにソレに抱きつき、飛び跳ねた。 私はつくっていたものはロボット。 人型ロボットだ。 自分の意志で動き、喋る。人間のようなロボット。 ずっと夢見て、つくり続けてきたものが今完成した。 その子は作業台から上半身を起こし、あたりを見渡す。 瞬きをして、スムーズに床に降りた。 本当に人間のような動きをしている。 「わたしの…お友達…!」 わたしは工作や実験が大好きという変わった性格のせいで 幼い頃から机に張り付いていたので、人から避けられていた。 昔は事の重大さに気づいていなかったが、今は違う。 友達が欲しくてしかたなかった。 少し、視界がぼやけ、頬が濡れる。 泣いているとわかるのに、時間はかからなかった。 昔から感情を表に出すことが無く、機械のようだと言われた私が。 私は震える声で言った。 「あなたは、わたしのおともだち。名前は…ノエル」 私はあなたに名前をつけた。 そういえば、この子が完成したのは、 雪がちらつく夜、聖なるクリスマスの日だった。 それから2か月後。 ノエルは順調に常識、人間の事を学び、今では人間の中にまざると、見分けのつかないほどになった。 ノエルは本当に感情のある人間のように行動し、発言をする。 お喋りだって、ゲームだって、お絵かきだって、読書だって、歌だって。 なんでも何でもできてしまう。 わたしとって本当の友達だ。 それから数日たったある日。 ガッシャーン わたしは物凄く大きな物音で飛び起きた。 まず頭に浮かんできた感情は『心配』だ。 ノエルは無事か、大丈夫なのか。 わたしはベッドから飛び降り、勢いよく扉を開け、駆け足で階段をおりる。 そこにいたのは慌てて動き回るノエルだった。 ノエルはわたしに気が付き、気まずそうにこちらを向いた。 「おはよう…」 ノエルが口を開く。 そのノエルの足元には粉々と言ってもいい程ぐちゃぐちゃに割れたマグカップと、 コーヒーの色に染まった元は黄色のハンカチだった。 わたしはその場の状況が理解しきれなかった。 でもその場に座り込むほど、苦しくなった。 息をするのが面倒くさい、立っていられない。 ノエルが心配した表情でこちらに駆け寄ってくる。 「来ないで!!」 自分でも驚く程大きな声が出た。 ノエルは一瞬ひるみ、怯えたようにその場に立ち止まる。 「なにやってんの…!」 わたしには、母がいない。 幼い頃、病気で亡くなった。 わたしにある母との記憶と言えば、優しそうに笑う顔と、私の歩幅に合わせて歩く母の微笑む横顔だけだ。 このハンカチとマグカップは数少ない母の形見。 近頃、時の流れは残酷で、その記憶でさえもおぼろげになっているというのに。 わたしはやっとの思いでこらえていた涙を流した。 もう無理だ。 何もかも、壊された。 ならば、壊してしまえ。 何も、わかっていなかったんだと思う。 その場の状況すら理解出来ないほどに。 わたしはオロオロするノエルに抱き着き、背中に手をまわす。 そして、背中にある電源のボタンを力いっぱい押した。 当然、所詮はロボット。電源が切れたので、その場に倒れる。 私は手の甲で涙を拭いながらノエルの体を持ち、実験室に向かう。 そして、プログラミングの記録を全部消した。 つくるのはどんなに簡単でも、消す事は一瞬だ。 このまま、ノエルとの記憶を消し去り、時を戻したかった。 私はふらふらとした足取りでリビングに戻る。 そして、ある手紙を読んだ。 『最近疲れてるよね。料理には慣れていないけれど、朝ごはんつくろうと思って。材料を買ってくるので、少し出かけます。』 丁寧な字で、机の上に置いてあるメモ用紙にはそう書いてあった。 そういえば、ノエルはコートを着ていた。 これから出かけるつもりだったのだろう。 コーヒーは、ノエルがつくったもので、マグカップを割ってしまったので、急いでハンカチでふこうとした。 先にコーヒーを入れると、コーヒーは冷めてしまう。 だが慣れないノエルにわかるはずがない、教えなかったから。 わたしは、ノエルに形見の話をしていなかった。 大切なものなど、わかるはずないだろう。 ぽた、ぽたとゆっくりと涙が流れる。 ノエルが完成した時の涙じゃない。 心の底から後悔した時の涙だ。 「うわあああああ」 後悔しても、もう遅い。 私は現実を知り、泣き叫ぶ事しか出来なかった。 こんなはずじゃない。 こんなのじゃない。 けれども現実は残酷だ。
大人な私と子供なココロ
「あ、玲花様よ!」 「お美しいわ~!」 「みなさま、おはようございます。今日もよろしくお願いいたします」 「「きゃーっ!!」」 ふふふ………。 「気分悪いわっ!!」 えー…。私、超お金持ち学校の海空学院に通う、夏目玲花です。 一見私は大人、美人、美しい。これがペンネーム。だけど心は…。 『庶民』!!! 愛ラブお金、愛ラブマネー!!でも、学校ではこれを我慢して、なんとかいきのびています。 そして、私が唯一「素」でいられるトイr…お手洗いで、叫んでいます。 そして、私はなぜか……、大人っぽいものが好きと誤解されています!! なぁぜなぁz……ちがう、なんでなのでしょうか? 別にアニメ好きでもええじゃn…良いじゃないですか。ヲタでも良いじゃないですか。 あー…それと、もう一つあった。 「きゃー!!奏様ですよ!」 「ハァ、n… 朝からありがとうっ!あは、みんな元気だねぇ」 「ねぇ、奏様と玲花様って、両家同士、婚約してるらしいわよ!しかも、学校では接点ないけど、ここ以外ではめっちゃ仲良いとか!」 ……ちがーーーーう!! 奏?あ、小野奏か! 小野奏。私のいえと仲がいい。それで……こんな噂が……。地獄じゃん……。 ークラスにて。 「ねぇ、夏目玲花いる?」 え。 「か、奏様!?え、えぇ…。玲花様!」 「はい、なんでしょうか…」 「ちょっときて欲しいんだけど」 ……え。 は? 「いy」 「じゃ、行くか。お前ら、着いてくんなよ」 ーーきゃー!!!! ー屋上にて。 「な、なんですか?」 「ふぅ…。俺とお前が、婚約してるっていう噂が立っているのは知っているか」 「あ、はい」 「その噂が立った弁償として、お前と婚約したい」 はぁぁっ!?!? 「なんで、ですかぁ?」 「本性出せ。お前が叫んでりできるのは知っている」 ー「気分悪いわっ!!」 ど、動画!?これ、いつのまに…!? 「これを流されたくなけりゃ、婚約することだな」 「う、うぐっ……!わ、わかりましたよ!婚約すればいいんですよね!?」 「じゃぁ、ここから婚約したって叫べ」 「私と奏は、婚約しましたーーー!!!」 ーザワッ… 「婚約?」「玲花様?」「でもあんな大声出さないよね…」「見に行きましょう」 ーパタパタパタパタ…… き、きてる!? 「隠れよう」 「ひゃっ!?」 う、腕掴まれて、強く押された!? ぎゅっ…… な、なななっ!? 目を開けると、小野くんの顔がすぐ近くにあった。 「しー………」 「ひゃっ…むぐ」 「静かに。きてる」 「う……っ」 ーー「確かにここにいたよな?」「うん。ここから聞こえましたもの」 屋上倉庫で、私は小野くんとハグして隠れていましたっ…。 やばい、顔が、近いっ……。 「このままキスしようか?」 えっ!?なになに何もう! でも、奏、なら。 「し、してもいいけど……」 「! あ、っそ…。じゃ、するよ?」 ーちゅっ 「!!」 パタパタパタパタ… 「あいつら行ったな。じゃ、俺らも行こう」 ートスッ 「どした?大人な玲花様なら、これぐらい平気かと思ってた」 「こし、ぬけた……」 「はぁ…しゃーないなぁ」 今度はおんぶですか!? あれ。 奏、耳まで赤い。 もしかして、奏も照れてる? 「ふっ……」 「なんだよ」 「いや、弱点同じだなって」 「はぁ!?それはお前もだろ!?」 私は子供だ。 彼も子供だ。 ー五年後 ーゴーン、ゴーン 「もう子供じゃない」 「いや、まだ子供だよ」 「頑固だね」 「だって、ここで、恥ずかしがってるもん」 ーちゅ 「遅い」 「!!!」 大人だけど、子供なココロ。 私たちは、ずっとこれ。 この恋が、終わるまでーーー。
君のことを思い出したのは。
私はあのときなんで君のことを思い出せなかったんだろう。 私は、松永るり!12歳小学六年生! やっとこの日が来た。学校に行ける!久しぶりにみんなと会える! あのとき階段を走ってなければな…入院しなくて良かったのに。まあこの話はいいや!学校が近づいてくると緊張してきた。 なにか言われないといいけど…。私はドキドキしながらも靴を履き替え、教室の前まで行った。 ガラガラッ 「おっおはよう…」 「るりっ!久しぶりー!待ってたよー!」 そう言って真っ先に走ってきてくれたのは、私の親友の佐々木由香だ。 良かった。何も言われない。それからしばらく由香と話してると、もう一人の友達、飯田彩が来た。何を言うのかと思うとこういった。 「大ニュース!転校生が来るって!」 びっくりした。本当なのか彩に聞こうとしたとき先生が来た。 「はーい!みんな座ってー。今日は転校生を紹介するわよ!松本さーん!」 「はい。僕は松本ゆうきっていいます。よろしくお願いします。」 ん?松本ゆうき?聞いたことがあるぞ。どこでだっけなあ。 「うーん。席はどこにしようか?あっ!じゃあ、松永るりさんの隣でいい?」 「松永るり?」 「どうしたの?松本さん?」 「あっ、いえ。何でもありません。」 隣に松本くんが座った。松本くんの方を向いた途端、松本くんが話しかけてきた。 「るりっ!るりか!?俺のこと覚えてるか?」 は?なんのことかわからない。松本くんに会ったのは今日が初めて。 「あの…何を言ってるのかわからないです。あなたに会ったのは今日が初めてです。人違いじゃありませんか」 でも…なんか…いや、気のせいだよね! 「やっぱり覚えてないか…。階段から落ちたもんな…」 え?なんで知ってるの?今日来たんだよね?この学校に。なんで一ヶ月前のこと…っていうか記憶はあるし!覚えてないかって何よ! ーーー3ヶ月後ーーー :-*:-*:-*るり目線:-*:-*:-* あれから3ヶ月の月日が過ぎた。松本くん…いや、ゆうきとは、いつも席が近く、すぐ仲良くなった。 でも、明後日は卒業式。ゆうきとは家は近いけど中学は違う。4月から会えなくなるなんて悲しいな。 :-*:-*:-*ゆうき目線:-*:-*:-* はあ。最後まで思い出してくれなかったな。るり。俺達は幼馴染だということを…。小5までは連絡を取り合ってたのに。 春から中学違うのか。寂しいな。家は近くても、4月から会うのは難しくなるだろうな。明後日までに俺のこと思い出してくれるといいな。 ーーー10年後ーーー 私、松永るり!22歳会社員! 今日は小学校時代の友だちと会うのだ。楽しみだなー!あっ!そろそろ時間だ!いかないと! 「おまたせ〜!」 「「もー!遅いよ。るりー!」」 「ごめん。由香、彩」 「いいよいいよ、どこ行く?」 「「カラオケ!!」」 「おっ奇遇だね!」 「だねっ!」 カラオケっ!カラオケっ! 「そーいえばるり、幼馴染いる?」 「いるけど…どうして?」 「いやー。ちょっと気になって。」 「で、誰なのかなあ?あなたの好きな人&幼馴染!」 そういえば、幼馴染いることは覚えてるけど誰かは覚えてなかったな。 ん?もしかして、ゆうき?だからあのとき覚えてるかっていったの?うそ。 なんで今まで思い出せなかったんだろう。ゆうきが私の幼馴染で、私はゆうきが好きだったってことを。
夏の日の夜
祭もとうとう終盤に差し掛かり、人々は次々と神社の石段に集まってきていた。 「私たちもそろそろ行く?」 りんご飴を頬張りながら、由奈がそう声を掛けてくる。それに頷くと、「わかった」の声と共に私は腕を引かれながら彼女の後ろを着いていった。そして人の少ないところを探し、彼女の横に腰を下ろす。 「楽しみだね、花火」 そう。この祭の最後には、打ち上げ花火がある。そのころには屋台も畳まれるため、皆がそれを見るために石段に集まるのだ。 「うん。楽しみ」 そう答える私は、由奈の方を見ることができなかった。嘘だからだ。今の私には、楽しみだなんて到底思えない。この祭が終わってしまえば、私は彼女と会えなくなってしまうのだから。嫌だった。祭が終わって、静けさと共に別れが訪れる。それがどんなに寂しくて、どんなに辛いか。私にはきっと耐えられない。それならいっそ、時間が止まってしまえばいい。そうとさえ思えた。 しかしそんな思考は、由奈の発した言葉によって遮られる。 「元気ないじゃん。どうしたの?」 思わず緊張が走る。どうにか言い訳のできないものか。すこしの逡巡の後、私は口を開いた。 「実は、お腹が痛くなってきちゃって!」 少しの笑いと共にそう嘘の弁明するが、由奈の目は真剣だった。 「嘘。私にはわかるよ。絶対嘘吐いてる」 それから彼女は「本当のことを言って」と詰めてくる。私はなんとか躱そうとしたが、やはり幼馴染の力は凄いようで。 「由奈と会えなくなるの、寂しいんだ」 結局、言ってしまった。呆れられるだろうか。そう思って地面に視線を落とす。しかし次の瞬間、私は暖かさに包まれていた。由奈に抱きしめられたのだ。 「私だって寂しいよ。音羽は私の親友だもん」 気付いた時には、涙が溢れていた。それは由奈も同じだったようで、彼女の口から嗚咽が漏れる。 そんな二人を、花火の音が包み込んだ。私は生涯、この夏の日の夜を忘れることはないだろう。
父親心
俺はしがないサラリーマンだが嫁も子宝にも恵まれ日々幸せを感じていた。そんな幸せが壊れたのは半年前、娘のサナがすい臓がんになったころからだろう。その時に俺は壊れアルコール中毒になってしまった。なので嫁は愛想をつかし家を出て行った。。俺とサナをおいて。 今日はサナの入院している病院にお見舞いへ行った。医者の治療もむなしくサナの体調は悪くなる一方だった。実はサナは癌が見つかったタイミングで余命8か月と宣告を受けていた。最初こそずっと泣いていたサナは今はもうあきらめたのか大量の手紙を書いている。 「サナ、新しい便せん買ってきたぞ」 「ありがとう。書いた手紙は全部あそこの紙袋に入れてあるから私が死んだら全員に配ってね。」 「…きっとサナは良く」 「約束だよ」 俺の言葉もかき消してサナはそう言った。 「ああ。約束だ」 「ありがとうお父さん。大好き。」 それが娘の最後の言葉だった。 サナが亡くなってから1か月後、一区切りついてサナが生前残した手紙に手を付けた。サナと約束したんだ。絶対に全部配ってやる。 2か月後、サナが残した100通近くに上る手紙は残り2つになった。俺宛と俺の嫁宛。俺はたかをくくり始めて俺自身の手紙を開いた。 前半部分は俺への感謝と好きというメッセージが残されていた。この時点で俺の涙腺は崩壊し涙でサナの文字が滲んでいた。 お父さん。ごめんね。私のせいでお母さんがいなくなっちゃたんだもん。迷惑かけてごめんなさい。 後半部分にはそんな俺への謝罪のメッセージが綴られていた。サナが1番辛かったはずなのに俺の方こそごめんな。 良かったらお母さんと仲直りしてね。天国から応援してる。 素敵なお父さんの娘、サナより 最後はそんな風に締めくくられていた。俺は泣いた、泣いて泣いて泣きまくった。そこで決心した。 「絶対嫁に会いに行く」 そう決心してから9か月後。サナの命日に嫁に会えた。 「ようやく会う気になってくれたか。サヤカ」 「無駄話はいいから要件さっさと行って」 やっぱり俺はまだ嫁に酒癖の悪い最悪な夫として見られてるな。俺はサナの手紙を渡した。サヤカは震える手で手紙を読んでいたが徐々に涙がこぼれてきていた。 「サナ。本当に、私こそごめん。もう許してはくれないかもだけど。私はあなたの母でよかった。」 そういったサヤカは俺の胸に抱き着いて声をあげて泣いていた。 「あなたも見捨ててごめん。私、辛くて逃げた。本当にごめん。」 俺はいつまでもサナがいる青空を見つめていた。 END あとがき 今回は娘をなくした父親が主人公。ちなみに皆さん、サナちゃんはどれくらいの年の子に見えますか?私的には11歳くらいを想定していたけどだいぶ幼そうになっちゃった…皆さん、サナちゃんについてどう思ったかよかったら教えてねー。さて!読んでいただきありがとうございました。この話を読んでくれた人のもとに幸せが訪れますように。
君の心
街の灯りが 煌めく夜空 君と歩く この道は いつも ドキドキが止まらない 君の隣にいるだけで 最高に幸せなんだ 言葉にできない 気持ち 全部 君に伝えたい でも いつも 勇気が出ない 遠くから 君を見てるだけ もう迷わない このままじゃダメだ 君に届くまで 体当たりで 行くよ 君の心 掴みたい その瞳に映る 僕だけの笑顔を 見せてほしい 君の心 触れたい その温もりに 包まれたい 君を愛してる 伝えたい ずっと ずっと そばにいたいよ 君だけを 愛してる 君と出会って 世界が変わった 灰色だった毎日が 色鮮やかに 輝き出したんだ 君の笑顔が 僕の希望 君の声が 僕の宝物 君なしじゃ 生きていけない そう思わせてくれるんだ もう迷わない このままじゃダメだ 君に届くまで 体当たりで 行くよ 君の心 掴みたい その瞳に映る 僕だけの笑顔を 見せてほしい 君の心 触れたい その温もりに 包まれたい 君を愛してる 伝えたい ずっと ずっと そばにいたいよ 君だけを 愛してる
花火
今日の夜、花火大会があるらしい。 花火と言えばアイツだな。 俺は急いでアイツのいる病院に走った。 「きてくれたんだ」かれた声で言う 「見るって約束したことおぼえてねぇのかよ」「ごめん(笑)でも…」 「なんだよ?」 「なんでもないよ…」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 私は片思いをしている。何時もお見舞いに来るあのこに。忘れたふりをしてとぼける。これも作戦。 でもその恋はかないそうにないね。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 心電図の音が鳴り響いた。 病室からは少年の泣き叫ぶ声が聞こえた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
偶然な出会い
「好きです!付き合ってください!」 私は百合。最近引っ越したばかりの町で、恋に出会った。 その子のなまえは、陽太。明るくて優しい彼に、一目惚れした。 そんな陽太に今、告白をしている。 「…百合」 「ハイッ」思わず返事をする。OKなのだろうか、 「ごめんっ!俺好きな子がいるんだ。ここ10年会ってない子だけど」 頭が真っ白になった、(そんな…) すると突然、その子のことを話し出した。 陽太が5歳の時の,花火大会が出会だった。その子が迷子になり、テントにいた時にあったらしい。 泣き虫だけれど優しい子だったと言う。 そのとき、百合はとてもびっくりとした。自分の言った花火大会でテントで話した子は、百合だったのだ。 「ハハハ、なんでこんなこと言ったんだろ俺。ごめんなってん?」 「あのさ、陽太。その陽太の好きな子ってもしかしたら…」 陽太が息をのむ。 「私かもしれない!!」 知らないうちに泣いていた。「ハハッ。その泣き方は、そうみたいだな。百合、付き合おう」 こんな偶然な出会いが、恋になるなんて!! そして、陽太の胸で泣いた。
「 」
人間って都合の良い生き物。 表では自分が良いように見せ 裏では自分だけ得すれば良いと思っている。 すぐに気が変わるし すぐに怒ったりする。 いじめをして楽しみ いじめを受けて悲しんでいる人もいる。 そんなことを笑って見てる自分がいる。 嫌なことがあったとき 泣いて悲しんで 裏で愚痴を言う自分がいる。 平和を望み 戦争をして 罪のない人々が犠牲になり 他人事だと思っている自分がいる。 恵まれている家庭もあれば 貧しい家庭もある。 そんな人達を平気で差別する自分がいる。 黒人もいれば白人もいて 男もいれば女もいて 色々な人がいて個性豊かで良いことだけど 見て見ぬふりするのはちょっと違う。 だけど 「人間って都合がいい」 なんて言ってる自分も人間。
禁断の恋とヒトリゴト
英語の先生で、担任でもある先生に、恋をした。まだ学校に来て二年目で。でも、その先生は、出会ったときにはもう、左手の薬指に指輪をしていて。叶わない恋だと分っていた。分っていながらも、この気持ちを抑えきれなかった。ただひたすらに辛かった。休み時間ごとに先生に話しかけに行っても、左手の薬指に嵌っているそればかりに目が行って。英語の分割授業、先生の担当になれるといいな、とか考えて。先生の近くにいられると思って、珍しくHR委員に立候補したり。それで、HRの担当が先生の日は、ちょっと楽しみに学校に来たり。でも、授業で「under」と「on」の違いを説明するときに叩いた黒板からは、叩いた音に混じって、金属の音が現実を突きつけてきて。私のスマホの検索履歴には、「先生に恋をした」「先生に恋 中学生」といった文言ばかり。先生に意識されるために、喋ることも覚えることも苦手なのに、校内で行われた英語弁論大会にも出場した。周りからは「珍しいね、頑張って」と言われた。でも結局入賞にすら届かなくて。いっつも空回りしてばっかり。先生、大好きです。でも、この想い、届きませんよね。悔しくて何度も涙を飲み込んだ。本当に好きなんです。この想い、どうしたら良いですか?私、先生の一番になりたいです。あぁ、でも、無理かぁ。いつも私の上に誰かがいた。いつも出遅れた。いつも下だった。結局、私ってそういう人種なんだ。そんな風に自己嫌悪に陥っていた私を救ってくれたのも先生。「そんなことない、努力が中々結果に現れないだけだよ。人一倍努力してるのは知ってる。見えないところですごく気を遣ってるのも知ってる。貴方なしじゃ、この学年は成り立たない。だからそんな風に自分を卑下しないで。」もう、そんなこと、言われたら、この気持ち、抑えられません…。お願いです先生、もう私に優しくしないでください。でも私のこと、嫌いにならないでください、、
恋する乙女とメガネくん
「やっぱ舞香さん美しい…」 「まさに高嶺の花というか、そんな感じだよな…女神…」 「けど舞香さん…」 「あの地味な、田代誠のことが好きなんだよな」 「おはよう、誠くん」 「おはようございます。戸城さん」 誠は舞香の前の席だ 舞香にとって、好きな人が前の席だなんてのはとんだご褒美だ 「そういえば…誠くんはいつもメガネかけてるけど、視力悪いの?」 「まあ、そうです」 ああ、誠は今日も可愛い 舞香はとてつもなくイタズラしたい欲求に駆られた 「ほいっ」 「あっ、ちょ」 つい出来心でメガネをとってみたところ、 舞香の体に衝撃が走った 「やめてくださいよ、外したらほんとに何にも見えないんですから…」 か、かわいい!!! 「かわいい…」 「はっ、え…?」 「あっ」 つい口から漏れてしまった声を押さえるに口を押さえた が、時すでに遅し 誠も舞香も、目を逸らし真っ赤になって固まっていた 授業中 舞香はとても悩んでいた そう、それはそれは悩んでいた 数学なんか必要ないだろう、なぜ学ぶのだろう 「わからないんですか?」 前を向くと、誠がくるっとこちらに振り向いているではないか 「わからないわ。教えてくれる?」 「仕方ないですね。ここはこうで…」 説明する姿がなんとも愛おしい 「で、ここは…って、聞いてます?」 「えっと…最初からお願いできるかしら」 「はあ…貴方って人は…」 体育の授業 ダンス、しかも男女ペアだなんて 苦痛と喜びが入り混じる授業 舞香にとってはどうだろうか 「私がペアでほんとにいいの?」 「まあ、組む人いませんし…」 もちろん、天国である 手を繋いで、曲に合わせて踊って… …だが、舞香はそれどころではなかった なぜなら、誠はぱっと見普通に踊っているが、 ずっと目を逸らしているわ耳は赤いわで可愛すぎるからだ もう一生こうしていたい…そう思った 昼休み いつもご飯を食べる友達が休み =死を意味する だが舞香にとっては好都合でもある 誠をご飯を一緒に食べようと誘う理由ができるから 「誠くん、私今日一緒に食べる人いなくて… 良かったら一緒に食べない?」 「構いませんが…僕でいいんですか?」 「ええ、逆に誠くんじゃなきゃ…いや、なんでもないわ」 「そうですか」 一緒に食べる権利を勝ち取ったはいいものの 照れてるのがバレないようにしてるが故にうまく話ができない 「その…」 「戸城さんは、恋愛とか、興味あるん、ですか」 !?!?!?!? 激アツだ、これはやばいぞ、激アツすぎる 「んー、そうね…」 私は… 「逆に、誠くんは?」 だああああもう私のバカ!今告白チャンスだったでしょうに!! 悶絶しながらも平静を装い、とりあえず誠に質問を投げかける 「僕は…別に、興味ないわけじゃないです」 「じゃあ、好きな人いるの?」 「…いますけど」 NOOOOOOOOO!! これはどうなの!?両思いなの!?片想いなの!?!? 「ほら、チャイムなっちゃいますよ。早く食べましょう」 「え、ええ。そうね」 「…そういや、田代も舞香さんのこと好きなんだってさ」 「は?両思いかよ!羨まし」 「じゃあなんで付き合わねぇんだよ」 「さあ。まああの関係だからこそいいのかもな」 せかせかとお弁当を頬張る二人を、 クラスメイトはのんびりと見守っていた