短編小説の相談いちらん
短編小説
みんなが作った短編小説のコーナーだよ。※2024年9月30日までの投稿で受け付けを終了いたしました。
一本の木
ある野原に一本の木があった。 その木は細く、弱々しかった。今の私のようだ。 その木は1000年も生きているそうだが、私はもう生きる希望すらない。 その木は元気がないにも関わらず、春夏秋冬姿を変え続けている。いいな。私は姿を変えても変われない。 その木は、いつも一人で悲しんでいるようだ。私はもう悲しみなんて感じられない。 変だなぁ。この木と一緒にいるとなぜか感情が戻ってくるんだ。 不思議だなぁ。なんでこの木みたいに素晴らしい人が追い詰められなきゃならないんだろ。 やっぱりなぁ。人間は自然と共にいた方が落ち着くのかな。 スマホの点滴受けてないで。女らしさ、男らしさとか捨てて。 心の声を聞けばいいんじゃないか。 そういうことを、自然が教えてくれるんだよ。 自然がある意味ってそういうことじゃない? 絶対に自然は、君の声を聞いてくれる。
幸せは、いつもそばに。
和也が靴箱を開ける。 「またかぁ」 十枚くらいのラブレターが落ちた。 教室に入り、席に座る。和也はある女の子を見つめた。 「よっ!」 「びっくりしたー。やめろよ涼太」 「へへ。ごめんごめん」 「てかさ、お前、美波ちゃんのこと好きだろ!」 「さっきめっちゃ見てたし。美波ちゃんのこと」 「べっ、別に。そんなこと思ってね~し!」 「お前はモテモテだし、いいよな」 「俺はモテるのが嫌なんだよ!モテたいからモテようとしてるわけじゃね~し」 涼太は俺の親友。 涼太のすべて言う通り、俺は何もしてないのにモテるし、美波のことが好きだ。 けど、涼太は美波ととても仲が良い。 そんな二人を見ていると、美波は涼太のことが好きなんだと思えてくる。 ある日、俺は美波と日直をやることになった。 だか、美波は日直の仕事を忘れ、誰もいない教室で美波は言った。 「ごめん!日直の仕事忘れてた。全部一人で任せちゃってごめんね...」 「俺は許さないからな!」 「じゃあどうやったら許してくれるの?」 「...。俺と付き合って、好きになってくれば...許す」 どうせ無理か。 涼太と美波は両思いっぽい。 ラブレターを毎日もらって、女の子にもキャーキャー言われてるやつが何言ってんだ...。 「いいよっ」 「えっ」 「でもその代わり、ちゃーんと許してね」 「ああ、もちろんだ」 涼太も、心から付き合ったことを喜んでくれた。 俺には最高の親友がいて、隣に好きな人がいる。 こんな幸せになったのは、はじめてだ。
【私はあなたの所有物じゃない。】
「頑張って」とか「もっとできる」じゃなくて、 『頑張ったね』って、その一言がほしい。 それだけで、今の私は救われると思うから。 // 「何?この点数。」 「ごめんなさい..。」 私は冬翠(トウスイ) しう。 勉強が本当に苦手で、どれだけ勉強してもテストで50点を上回ることが絶対にない。 今年も..最高点数は国語の39点、最低点数は理科の.. 「3点..しう、ほんとに努力しなさいよ?そろそろ。」 「...ッ」 努力しなさい、そんな言葉が私の心に突き刺さる。 「私だってッ...」 言葉が詰まる。 自分の意見を伝えることもできない。 「しう?あなたは、ちゃんと医大に行って、医者になるの。」 「..はい、ごめんなさい、お母さん。」 本当は行きたくないのに、 なりたいものも..ちゃんとあるのに。 嫌だって、..言えなくて。 // 「しうッ!!いい加減にしなさいよッ!?」 「ッッはい、..ごめんなさい..ごめんなさい..!!」 あれ..頑張ったんだけど。 49点だよ..?成長したんだけどな..。 「こんな点数じゃ医者になれないわよ?」 「はい..。」 「あなたが医者になって、私たちを養わないといけないのに..。」 また、医者..医者。 私はッ..!!さぁ..、 「デザイナーに..ッ」 「何??」 言いたいけど、怖くて。 「..ううん、ごめんなさい、もっと頑張るから..。」 また隠す。 どうせ、言ってもわかってもらえないから。 // 「親に管理されてる人生って..なんも楽しくないなぁ..。」 もっと、遊んで、友達作って、甘い恋をして、..思い出もたくさんほしかった。 もう高校生なんだよ? もう戻れないんだよ? 一度きりなのに...。 「全部全部ッ!!親に言われるまんま..!!!」 窓の外に向かって叫びつける。 「デザイナーなんて、夢のまた夢だよ..。」 『それでいいの?しうちゃん。』 『私だったら、言い返すなあ、お前の人生じゃねぇよ!!って、』 頭の中に疎遠になった、たった一人の友達の声が浮かび上がる。 ..もう7年も会えてないっけ。 それにしても、 「来愛(ライア)らしいなぁ..私の声届いちゃった?」 冗談交じりでいってみる。 もう来愛の声が聞こえてくることはなかったけど。 「言い返すまで話しかけるなって?..ほんと来愛らしい、」 小さく笑って、私は深呼吸をした。 もう、絶対親に支配なんてされないって。 // 「しう!!何してたの!?ぼーっとしてる時間があるなら医大に入るための勉強を...」 「..ッ嫌!!!もう無理ッ!!!」 精一杯の声をあげて抵抗する。 お母さんは目を見開いて、びっくりしている。 「しう..ッ?しうよね?」 「もう嫌なの..、ほんとは医大とか行きたくないの..ッッ」 涙があふれてくるのなんて気にせず喋り続ける。 「そう..なの..」 「デザイナー、デザイナーになりたいのッ!!」 否定される覚悟はもう十分にある。 だって、親は私のことなんて.. 「..言ってくれて、ありがとう..しう。」 「....え?」 お母さんに抱きしめられる。 「ごめんね..」 お母さんは、子供の愛し方がよくわからなかったんだって。 お母さんが小さいころはこうやって、子供の道は親が決めてあげることが、 一番子育てで大事って..、言われていたらしい。 そんな話を聞くと、すこし悲しくなる。 「お母さんっ!私、お母さんの『子供』だよ..!!」 【私はあなたの所有物じゃない。】
不登校は悪いことじゃない!
私はるな。中学2年生。私は友達関係のことで小学5年生のときに不登校になってしまった。 きっかけは些細なことだった。 ある日、、、 「るなー!今日放課後うちにきて一緒にあそぼーよ!!」「ごめーん!今日塾なんだ、」 「えー!まー塾休めば?」「そういうわけには、、、今日大事なテストだから、、、まあせいらの気持ちは受け取るよ」「えーつまんないなーまあいいや!私はみゆと遊ぶから!!」 その日からだんだんと仲が良かったせいら、みゆの2人から無視されたり物を壊されたりするようになって、それと同時に私は友達がいなくなりクラスで孤立していって、不登校になってしまった。 せいらのせいで私は不登校になってしまったので、毎日毎日せいらのことを考えて復讐してやると思っている。 でも、私が不登校な限りは、せいらに復讐する機会はないので、早く学校に行けるようになりたいな、と思うばかりだ。 ある日、、、 私のお母さんから衝撃の一言を聞かされた。 「せいらちゃんがなくなったって」 嘘。私は喜びと驚きとが混ざった変な感情になった。あいつが死んでくれた。やっと。 でも、あんなに元気だったのに、という驚きもあった。 私はお母さんにせいらにいじめられて不登校になったということは言っていないので、 「そっか、、、」という悲しそうな表情を見せておいた。 しばらくすると、私はだんだんもう一度学校に行きたいという気持ちが強まって行き、今は保健室登校ができるようになったところだ。まだまだ道のりは長いが頑張ろうと思う! 終わり
私たちの出会い
こんにちは!初めまして!私、「鈴木るあ」と申します。高校1年生です。クラスの中心でもなくごく普通の高1です。 。・。・。・。・。・。・。・。・・。。・。・。・。・。・。 あ~あ、おなか減った~。そういえば、クラスの中心で運動も出来るし勉強も出来るし可愛い、野々中さん最近疲れてるように見えるな~。ま、関係ないか。よし!屋上行こ~、レッツゴー。・。・。 「ねえ!!!!ダメ!ダメだってば!」あれ?なんか声聞こえるな~。ガチャ。。えっ!! 「ちょ、野々中さん!!!何してんの???」 私は、人生初めての光景にパニクってしまった。だって野々中さんが屋上のフェンスをまたいでるんだもん!!なんかわかんないけど私は先に行動が出てしまった。まず先に、野々中さんを安全地帯に移動させなきゃ!「ねえ!やめて!私を止めないで!」野々中さんは暴れるけど、そんなの意味なし!。・。・。 とりあえず野々中さんを安全地帯に取り戻せた。。。。疲れた~。えーとまずは 「ねえ、野々中さんはどうしてさっきあんな行動をしたの?」とりあえず聞いてみる 「だって、だって、、、なんか私がよくモテるからってほかのクラスの女子が絶対股売ってるって悪口言い始めて、もうそれに耐えられなくて。」 「そうだったんだ」私は、こんなに完璧な子をいじめる人がいたなんて驚いた。 。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。・。 数ヶ月が過ぎ。。。 「おーい、るあちゃん、一緒にご飯食べようよ!」 「あっ!いいよ!行こ行こ!」 私たちはこの事件?をきっかけにとても仲良くなっている。今ではもう親友と言える人になっているけど。。。 読んでいただきありがとうございます! よければ読んだ感想、一言お願いします。 感想がなければ、読みました!みたいなコメントをよろしくお願いします!
夏休み
夏休みに入って少しした平日の昼、僕はとある歴史博物館に足を運んだ。 そこは僕が最近興味が湧いている幕末から明治時代にかけての展示物があるとのことだ。 外も暑いし、宿題ってことにも出来るし、ラッキー!なんて軽い気持ちだった様な気もするが、そこはおいといて。 博物館についてみると、こじんまりとしていて人はまばら。まぁこんなもんか…と思いつつ入館してみた。 すると入り口から数歩進んだところに、まさかの僕が歴史の教科書や資料集でみていたある人が描かれた絵があるではないか。 まさかな…いや、でも本物…⁉️ 怠惰な夏休み生活を送っていた俺は久しぶりに衝撃を受けた。 しばらくぼーっとその絵を見ていると、その絵の奥からささやく声がした気がした。 まさかな、気のせいだろうと、思ったその時、 「おーい、そこの君!」 「……。」 (…え、俺の事?!) なんとその絵が話しかけてきている…? どうやら少し疲れているようだ。 「だから、そこの君~!青い服の君だよ!」 (本当に話しかけられている!) 「ずっとここにいるからさ、暇なんだよ。君、僕と変わってくれない⁉️」 「え、えーとー…無理っす。宿題とかまだ終わってないんで。」 「宿題?そんなものこの時代にあるのか?大変だなぁ。でも、ここにいるといろんな人が僕を見て驚いたり感動してくれておもしろいぞ。」 「有名人ですもんね。さすが…。」 「でも動きたくても動けん!現代の日本はどうなんだい」 「まあー、普通に楽しいような…」 「おぉそうかぁ、いいなあ、いい時代なんだなあ。」 「……。」 「僕の時代は波乱の時代だったよ。生きていくのに必死だった。でも、その瞬間をとにかく大切に過ごしたよ。君もどうか、今いる場所で輝いてみてくれよ。」 「は、はい…。がんばります…。」 家に帰ってきて、さっきの出来事を反芻してみた。 あれは何だったんだろう。 今、この時代は平和か…? それは分からない。 ニュースでは毎日、他国の戦いの様子や現状が写しだされている。 でも、俺はこうしてコーラを飲みながらそれを見て、また、スマホをいじっている。平和…。 あの人は言っていた。 「今いる場所で輝いてみてくれ。」 とりあえず、この怠惰だと思っていた夏休みをもう少し変えてみようか。 なぜならあの人はその時代にその中できっと輝いていたから…。
ウサギのお面
ウサギのお面をつけた子が、ベンチに座ってた。 だれかと待ち合わせをしてる様子でもなく、日向ぼっこをしているのかと思った。 その子はお昼になってもベンチから離れず、 お昼ご飯はどうするのかと思った。 僕はただ散歩をしてた時に見かけただけだが、 午後もそこに行くことにした。 その子はまだ座ってた。 このまま夜まで座っているつもりなのかと、ゾッとした。 人見知りの僕は、得体のしれないようなこの子に声をかけるなど とてもじゃないけど無理だった。 だけど、どうしてもむずむずするから、言った。 なんで、ずっとそこに座ってるの。 するとその子は、すかさず答えた。 家出してるの。と。 その子はそのあともピクリとも動かずにベンチに座ってた。 僕に家出経験がないからなのか、ものすごくびっくりした。 そして、黙りこくった。 その子は夜になっても帰ろうとしなかった。 僕は、帰ったけれど。 次の日、ベンチにその子はいなかった。 でも、お面と手紙が落ちてて、 見ていいのか分からないまま僕は封筒を開いた。 書いてあるのは一言。 『ありがとう、じゃあね』 ただ、それだけ。 だれに対してなのか分からない。 僕かもしれないし、僕じゃないかもしれない。 だけど、不思議と心があったまって、 僕はお面を手にした。
人って。
生まれつき人見知り。そのおかげで、 友達なんかいない。僕にとっては当たり前。 そして僕は(人が怖い)のだ。 僕は女性の体。男性の心持ち。いわゆる、 性同一性障害だ。家族以外誰にも言ったことがない。こんな自分が嫌いだ。 小学六年生。僕は初めて恋をした。 「君。名前は?」 僕の名前も認知されていない。諦めたい。 でも。諦められない。その人が初めての、 (怖くない人) であったからだ。告白して振られても、 その子の名前は絶対覚えているだろう。 「あれ?あ。名前!思い出した!」 そんなわけない。なわけないな。 「優人(ゆうと)君でしょ!」 その時、心が開けたような気がした。 僕は、嬉しかったんだ。 「あれれ?違う?」 「あってるよ。」 良かった。認知されていた。それでも嬉しい。 「あのさ…。優人君。」 「ど、どうした?」 これはあの日から1ヶ月たった日。 人気で可愛いモテる女の子に 言われた言葉だった。 「大好き。」 「僕は、女性でも男性でも、ない。けど、」 「そんなの、関係ない!女子男子。 関係ないよ!それでも私は君のことが好き!」 そんな日は二度と来ることがない。 その返事は君ならどうするか…。
最高のスパイは空にいる
俺はスパイだ。こんなこと、言っていいのかわからないが、とりあえず言っておく。 俺が住んでいた国は別の国と戦争していた。だから俺はスパイ育成学園に入らされた。嫌だったが仕方がなかった。そして俺はスパイになり、ミッションをこなしていった。 《ミッション成功。ご苦労であった。ソライロ。》 ソライロ…俺のコードネームだ。なんでこんなコードネームにしたかって?それは… 昔、戦争が起こる前の出来事だった。俺は父さんと一緒に散歩に行った。その時の空が綺麗だったからだ。しかし、戦争が起こってから父さんは…亡くなった。 まぁそれよりもミッションが終わったから帰ろう。 「ウェーん!」 チッ。なんなんだよ。子供が。俺は助けに向かった。 「ありがとう!おじちゃん!」 「まっまあな。」 おじちゃんと言われたことにショックを受けながら、ベンチに座っていた。隣にはハンバーガーを食べている。ちなみにこいつはさっき泣いてたやつだ。腹が減っていたようだ。 「これすごく美味しい!」 「これ食ったら帰れよ。」 少年は食べる手を休めていった。 「帰る場所ない。」 少年は言った。はあ?何言ってんだ? 「僕、逃げてきたの。」 はあ?俺はもっとイライラした。 「なんだよ?何から逃げてきたんだ?」 少年は悲しそうに言った。 「なんかスパイの学校に入るんだって。それが嫌だったから…」 俺はなんか思わず言ってしまった。 「俺の家に来い。」 俺の家は国から保護されている。見つかることはない。 「うわー!ひろーい!」 騒ぐな!この日から俺の家は賑やかになった。 それから2人で暮らしていった。子供の名前はミライと言った。それに俺もスパイとしてしてはいけないもの…本名を話した。もちろん自分がスパイだということも。俺もミライもお互いに家族だと思っていた。 ある日のことだった。俺の家にある手紙が来た。 〈スパイ育成学園 入学について〉 俺は怖くなった。ミライのことがバレている。このままだと… 「どうしたの?」 俺は覚悟を決めた。 「わりい。ちょっと出かけてくる。」 僕は大人になった。スパイの学園に入りたくなかった僕をあるスパイが助けてくれた。それから一緒に暮らした。しかしある日のこと、バレてしまった。 だからそのスパイは、スパイの学園を壊しに行った。僕のために…その時、そのスパイは撃たれてしまった。しかし、そのおかげで僕が大人になった時、戦争はなくなった。あいつがいたから、僕は今いる。そのスパイの名は… ソライロ…いやイロハだ。 イロハがいるから今がある。僕、ミライは今ちゃんと未来を見ている。イロハ…見ている? 僕は空色に染まった空を見上げた。 イロハ、君は最高のスパイだ。
鈍感な私
あっ、よろしくお願いします。 えっと、長さはこのくらいで! ふふ。 私の元カレ…好きな人が好きな髪型ができるようにしたいんです! 私の元カレは、背が高くて。かっこよくて。 私の赤面を見ると笑ってくれました。 あっ、私から告白しました。 そして約3ヶ月付き合いました。 でも、その後フラれました。 その人の友達が私を好きになったから。 嘘だと思ったけど、本当に告られました。 あっ、ふりました。 私…復縁したいです。 ずっと好きです。ーあっ、シャンプー? ードライヤーねっ?…ん?続き? 私、大学生で、あの人と同じ大学なんです。 え?そうです!L大です! …フラれてから気まずくて話してません。 あの、あなた…付き合ってます? 元カノが好き? 一緒ですね!しかも同い年! 私の元カレも、美容師目指してるんです。 アルバイトしてるのかなー? え?その元カノは、可愛くて優しくて鈍感!? じゃあ、告白大変でした? えっ?違う?あなたが、フッた? 友達のため…?優しいですね! あっ、終わり? ありがとうございました! えっ?まだ気づかないか?何に? ーえ…?私がその元カノ? ということは…!? …ありがとう。これからよろしく!
友情とは一体なんだろう
リンは友達関係について悩んでいた リンには小学校低学年の頃から仲のいい友だちサクラちゃんがいる。 サクラちゃんは、いつも挨拶してくれるし、たくさん話していられる。 移動教室だって休み時間だってどんなときも一緒にいた。 野外学習も同じ班で過ごした。 リンたちは小学校6年生なった。 リンは 「もう来年は中学生か。6年生なったし勉強頑張ろう」 こう思い、 それからは本や動画いろんなもので調べて、 文房具やノートの取り方、 自分にあったものを見つけて、 それから勉強が楽しくなった。 成績も良くなった。 放課後には友だちと遊んだり、毎日充実した日を過ごしていた。 だが、そんなリンには悩みがあった。 ある日の休み時間、 リンは図書室から帰ってきて、 本を読もうとしていた時、 机の上においておいた国語のノートがないことに気づいた。 机の中、ロッカー、どこを探しても見つからない 「あれ?家に忘れてきちゃったかな? さっき机の上においたはずなのに」 そう思っていた時、 教室の端には、 リンのノートを持った笑顔なサクラちゃんがいた。 「とりにおいでぇー。こっちだよー」 返してと言っても逃げるサクラ。 ある日は筆箱の中を勝手に見たり。 その時はまだ遊び気分だった。 ある日席替えがあった。 私はサクラと近くになれて嬉しかった。 嬉しかったときは長くは続かなかった。 国語の時間にお互いの作文を読み合う時間があった。 私はサクラとペアだった。 お互いのノートを交換した時、私は「はっ」とした。 「私のノートと同じだ」 ノートの取り方、考え、そして作文まで、 サクラのノートに書いてあるのは全部リンと同じだった。 けど、字はサクラの字だ。 そこでリンは様々な出来事が思い出された。 「靴おそろいだね!」 「そのペン私も持ってるよ」 「テストの順位3位だったでしょ?」 「リンの家ってここでしょ?」 サクラと私には共通点が増えていき、 サクラは私が教えてないことまで知っている まるで 「ストーカー」 のようだった。 その日からサクラが信じられなかった。 実はなにかされてるのではないかと、サクラだけではなく周りの人も信じられなくなった。 それからリンは毎日こう考えるようになった 『友情とは一体なんだろう』
ロスタイム・リグレット
「私たち、いつ死ぬんだろう?」 眠れない日は天井の格子模様がいつになく不気味に感じられる。 眠れないのは彼女も一緒なのだろう。そんな話題を口に出しながらどうしてけらけらと笑っていられるのか、私にはわからない。 「いつ、って。そんなの分かんないけど」 大気汚染が原因で生まれつき重い病気を患った子供が多く生まれていたのは、10年以上も前の話だ。 最近は環境破壊も減っていると数日前の新聞には書いてあった。でも今がいくら良くなったからといって当時の被害者が未だ苦しみ続けている事実は何も変わらない。私も彼女も、そのうちの1人だ。 ここは専用入院棟。忘れられた被害者の牢獄で、私たちは外の世界を知らない籠の中の小鳥。 手首に巻かれたバンドの色がもう余命は長くないことを教えてくれる。私のバンドも彼女のバンドも「もう治療の見込みがない」の真っ赤。だから彼女は私に尋ねた。いつ死ぬのかと、迫り来る未来を言語化して。 …もうすぐ死ぬんじゃないの。 そんな言葉を飲み込み目を固く閉じる。病を患った肺が痛い。彼女が自虐的なのかなんなのか知らないけどさ。 「私は、死にたくないな」 *** 窓の外の世界では恋愛小説ブームがきているらしい。 私はこの間賞を取った本を読んでいた。彼女のおすすめだ。 重い肺病の主人公と、心臓疾患を持った隣のベッドの人。2人は話すうちどんどん惹かれあっていく。主人公は告白しようと決意するも次の日起きたらその人は亡くなっていた。棚の中には主人公への愛を伝える手紙と自分が死んだらその肺を主人公に移植してほしいという書類が残っていて、主人公だけが元気になって生きていく。どうしようもない後悔の中で。 簡単に説明すればそういう話だ。 つまらなくはなかった。綺麗な情景描写や緻密に描かれた心情。だからこそ御伽噺じみているフィクション・ストーリー。 世界はそんなに甘くない。死は唐突に訪れて、大切な人に愛を伝える暇なんて死んだ人は貰えない。 都合が良過ぎて夢を見たくなってしまうよ。 「私、この本嫌いだ」 「…ふは」 それを聞いて、彼女は思わず、と言ったように笑みをこぼした。 「それ、涙声で言われても、説得力ないなぁ」 *** その日は本当に突拍子もなく訪れる。朝、騒がしいたくさんの声で目が覚めた。 「あの、何かありましたか?」 眠い目を擦って自分達と少ししか歳の違わない主治医に尋ねる。 「何の予兆もなかったのか?」 「何が…?」 主治医は眉根を寄せて息を吐くと、すっとかがみ込んで、私と同じ目線で、話をした。 朝早くにナースコールが鳴り、押したのは彼女だったこと。彼女は今重篤状態にあること。おそらくもう助からないこと。辛うじてある意識の中でずっと私の名前を呼んでいること。 「連れていって。あの子に会いたい…どうせ私も長くはないんでしょ?」 私が思わずそう口に出せば主治医は少し悩んだ素振りを見せたけど、ため息ひとつ、私を抱き上げた。 年齢はそんなに変わらなくとも男女の差はあるしずっと入院していれば体格差だって圧倒的だ。 「…ありがとう」 下唇をきつく噛んだら、薬の副作用で弱った皮膚からは血の味がする。 緊急治療室のランプは色褪せているはずなのに、私たちの腕のバンドよりも赤かった。 裸足のまま治療室の床に下ろされて、ぱたぱたとベッドに駆け寄る。 「…話しかけても平気なの?」 「それを望んでいるからお前はここに来たんだろ」 何を話せばいいのかわからずに戸惑っているうちに彼女が薄く目を開いた。 「…来てくれたんだ」 「!」 「いいの。…あのね、私、君にあやまらなきゃ」 「…何を…?」 「何年も前、おやつのプリンを君の分まで食べちゃったこと。それに、君のぬいぐるみの毛をちぎっちゃったこと。君のことを不意打ちで驚かせて遊んじゃったこと」 「いまさら、そんなこと?」 涙で視界が滲む。何年も前から、生まれた時から、一緒だった、他人の私たち。 私だってあやまりたいことがいっぱいあったのに。 「それと…あの小説を書いたのが、私ってこと。隠すつもりじゃなかったけど。君はあれが嫌いって言ったから、言い出せなくて、」 私は言葉に詰まる。「先生、」彼女が主治医を呼んだ。 「棚の一番上の段。最期の我儘くらい許してよ」 *** 棚の中には手紙。愛の手紙、私への臓器移植の書類と一緒に。 …最期の時。彼女の目は既に失明状態だったそうだ。 だから「いつ死ぬんだろう」。皮肉でもなく、彼女にはバンドの色が見えていなかっただけ。 どうやって生きろというのだろう。お揃いの赤いバンドすら、私にはもう、ありはしないのに。 告白すればよかった、と。涙すら枯れて、後悔だけが渦巻いていた。
ユメゴコロ
私は、佐々木ユメ。今日もいつものように夜勤なので、今は勤務先のコンビニに歩いて向かっています。 __ただ、今日はいつもと違います。 今日は、新しい子が来るようで、私にとって初めての後輩なのでとてもわくわくしています。 女の子って聞いたから、仲良くしたいなぁ。 そんなことを考えていたらあっという間にコンビニに着きました。 「こんばんは!」と声をかけてスタッフルームにいくと店長と、小柄な女の子がいました。私も背は小さい方なので、この子はかなり小さいんじゃないでしょうか。 「あ、はじめまして!新人の久保田ココロです!ユメ先輩、ですよね?店長さんから話は聞いてます!」 「うん!はじめまして。ココロちゃん、よろしくね」 とても可愛い子で、思わず「ココロちゃん可愛いね!」と言ってしまいました。ココロちゃんは20歳で、私と同い年でした。 ココロちゃんはにこっと笑って照れた様子を見せました。 店長と私とココロちゃんで、今日は夜勤をしました。ココロちゃんは覚えが早く、とてもいい子でした。 店長が「あとは僕がやるから、2人はもう帰っていいよ」と言うので、私とココロちゃんは帰ることに。なんと帰り道がいっしょで、私の住むアパートの隣のマンションにココロちゃんは住んでいたのです。 帰り道にいろいろな話をして、これからココロちゃんの家で宅飲みをすることにしました。そしてココロちゃんの部屋に行くと、私は目の前の出来事に体が動かなくなってしまいました。 ココロちゃんの部屋には__ たくさんの幽霊がいました。お姉さん幽霊に子供幽霊。動物の幽霊もいました。 ユメ「ココロちゃん…この人たちって……」 ココロ「先輩、黙っていてごめんなさい。私の家族です。先輩、幽霊は平気でしたか。」 ユメ「あ、うん。私、オカルトとか結構好きだし。でもこんなたくさんの人たちどうしたの?」 ココロ「体質だと思うんですけど、孤独な幽霊さんたちが寄ってきてしまうんですよね。でも皆さんいい人たちなので安心してください!」 確かに幽霊たちはにこにこしながら「いらっしゃい」と私を迎え入れてくれたのです。 私はココロちゃんや幽霊さんたちと朝まで楽しくおしゃべりをしました。 私はココロちゃんたちと仲良くなり、ほぼ毎日遊びました。 ココロちゃんはある時には孤独で苦しかったそうです。 でも、いつからか幽霊さんたちが心の支えになってくれて、私とも友達になれて、今はとても幸せだと嬉しそうに話しました。 いつまでも私たちが笑って過ごせますように。
名前
名前。それは初めて親からもらう最高のプレゼント 今日の宿題は自分の名前の由来を親に聞いてきてノートにまとめること。他の子は、宿題がそれだけなんて!と 大喜びしているが、私は嬉しくない。むしろ嫌だ。 自分の名前はとても珍しい名前、いわゆるキラキラネームだ。自分の名前が大嫌い。友達にも下の名前で呼ばないでっていってる。大人になったら名前を変えるつもりだ。そして、人生を変えてみせる。 憂鬱な気持ちのまま帰路につく。帰ったら母がいつも嬉しそうに迎えてくれる。 おかえり!と 私は嫌なことは早く終わらせようと思い、母に名前の由来、意味を聞いた。すると帰ってきたのは以外な言葉だった。 「明日になったら教えてあげるから、今日は早く寝てね」 うん、としか言えないままいつもより1時間30分ほど早くベッドに潜り込んだ。夕食の時も名前の由来のことで頭がいっぱいだった。 「笑真心、笑真心。起きて。」 母の言葉で目が覚める 名前の由来教えてあげると言われ、飛び起きた。 「あのね、笑真心。あなたの名前の意味は、心の底から人生を楽しんでほしいっていう意味なの。本当に心から笑ってほしいっていう意味なんだよ。」 「わかった母さん、あとで行くからリビングに行ってて。」 無理やり母を部屋から出し、一人ぽつんと泣いた。 (なんでこんなに自分の名前をきらってたんだろう。友達にも母さんにも迷惑かけてた、) たくさん泣いてなみだをタオルで拭って下に降りた。 「おはよう!母さん。」 私は心からの笑顔で母さんと友達に笑いかけた。 最後まで読んでくれて本当にありがとうございます!感想ぜひお持ちしてます! 年下年上タメ口も全然オッケーです!辛口はやめてほしいです、、。 読んでくれてほんとーにありがとう!バイバイ☆ (ちなみにこの子の名前はニコニコの「にこ」ちゃんです!)
告白。
私は大空咲楽(おおぞらさら)中学3年生。私には好きな人がいる。その人はイケメンで、お金持ちで、背が高くて、、、他にもいい所がいっぱいある。好きな人の名前は太佐朝陽(おおさあさひ)そして今日告白しようと思う。あさひくんがOKしなくても私はあさひくんのことが好き 今日の4限目は数学の時間。告白する時間は今日の放課後。授業のことなんてどうでもいい。 5限目になった。国語の時間。告白まであとちょっと。 先生「ここを大空。答えてみろ」「あっわかりません。」先生「はぁじゃあ、、、、」 こうして5限目が終わった。 そしてついに放課後。告白する時間だ。あさひくんはもう体育館裏に呼んでいる。そして、、 「あさひくん。私と付き合ってください!!」 「、、、、、、ニコッ、いいよ(*^^*)」「ほんとですか?」 7年後。 オギャ~オギャ~ 「生まれたよ!さら!」「良かった、、、あさひありがとう。」「いいんだよ」 「名前どうするの?」「もう決めてるよ!太佐優笑(おおさゆうみ)優しく、笑い合う人生になって欲しいという意味だよ!」「いい意味だね」 「ほら!パパとママ頑張らないと!」「そうだね」「「えいえいおーー」」 こんにちは!りんごまんじゅうです!恋愛系小説を書いてみました。良ければ感想、アドバイスを書いてください。ここまで見てくれてありがとうございました。
キミのために
俺は先祖代々霊媒師。でもやめようかなー。っておもってる。霊が見えるといいことねぇし。 でもこんな俺にも片思いの子がいたんだが事故でなくなった。今日も和室でごろんとしていると片思いの相手伊織がいた。 「…伊織…?」 「あ、結羽君。」 「あのね、私なんか思い残したことあったらしくて…神様がここに言ったらわかる。っていわれて…!」 「へぇ。」 「ここ誰の家?」 「ここは俺ん家。」 「へぇ。」 あ、こういうときにじいちゃんが使えっていってた薬とってくるか。 うーんと、あぁ。あった。 「結羽君、なにそれ。」 「あぁ、これは忘れた記おくを思い出す薬。」 「へぇ。飲んでいい?」 「伊織が飲むために持ってきた。」 数十分後 「う、ぅうぅぅぅ…!」 「は?伊織大丈夫か!」 「うん、なんか思い出したの。」 「なにが…?」 「あのね、私。結羽君のこと好きだったみたい。」 「は…?」 「私が事故に遭った日、私は結羽君に告白しようとしていたらしい。」 「え…?」 「あのね、私は、ずっと結羽のこと好きでした!」 「…俺も伊織のこと好きだ!」 俺は知らないうちに伊織にキスをしていた。 「…感しょくねぇな。」 「そりゃそうだよ。私ゆうれいだもん。」 「ねぇ、結羽って霊媒師なんでしょ。」 「あぁ、」 「じゃあさ、私を天国に連れていって。」 「え…。」 「それじゃあ、私ずっと結羽のこと気にしながらいないといけないんだよ。」 「あぁ。」 じいちゃんととおさんに教えてもらったように…。 このぐらいで終わっただろうの時伊織の声が聞こえた 「結羽、じゃあね。」 …。今日から教えてもらおっかな。 「とおさん!教えてくれ!」 「なんだー?結羽?急に目覚めたのか?いいぞ。教えてやろう。」 よし、決めた。俺の夢は霊媒師。早く一人前になって伊織をうれしくするぞ。 キミのために……!
あの子の笑顔の意味
いつも笑顔で、キラキラなあの子。 それに比べて僕は、笑えていない。 僕は楽(らく)。小学6年生だ。 最近、あの子が気になる。 「楽、おはよ!」 「おはよう…」 この子は咲(えみ)ちゃん。僕の隣の席の子。 咲ちゃんはいつでも笑顔を絶やさない。 そんな咲ちゃんに比べて、僕は全然笑えてない。 みんな笑っている内容が、くだらなく感じでしまう。 どうしても…笑いたくても、笑えないから。 だから、いつでも笑える咲ちゃんに憧れている。 「いい加減にしてください!このクラスは本当に…」 …今、絶賛クラス中説教中。もちろん、何もやってない人も含めて。 隣をふと見ると、咲ちゃんが震えていた。 顔は髪の毛で隠れて見えない。でも…きっと笑ってない。 (…咲、ちゃん…?) あの説教から、咲ちゃん…元気がない。 「…咲ちゃん、元気ないよね、どうしたの?」 声をかけても、返事が返ってこない。ただ聞こえてきたのは…泣いている声。 「咲ちゃん?大丈夫?」 「…楽…、…いや、何でも、ないから…っ」 「何でもなくない!どうしたの?」 「…私…笑えてないよね、今」 「え?うん…泣いてるよ」 「だよね…私…っ、笑ってないといけないのに」 「…?なんで」 「私の家ね…仲が悪いの。だから、私が笑って、みんなを元気にさせないといけないの」 (…意外…咲ちゃんち、家族仲悪いんだな…) 「私が笑えなかったら、家族が完全に崩壊しそうで…っ」 今きっと、咲ちゃんは追い込まれているんだ。さっきの説教が家の空気に似ていたんだ。 「…今は、笑わなくていいんだよ」 「何でよ…私が笑わないと…」 「何で自分のおかげで家族仲がいいみたいな言い方するの?」 「…っ、ご、ごめん、なさい…」 「謝るんじゃないよ。もっと自分を大事にしなよ。寂しい時は寂しいって、ちゃんと言って」 「…でも…私、私…」 「実際どうなの?寂しいの?その涙は、何の涙なの?」 「…本当は…すごく、苦しいよ。寂しい…っ」 「…よく言えたね、咲ちゃん。…今は、泣いていいから。ほら、遠慮しないで」 「っ…あり、がとう…私、ずっと…」 「うん、うん。今はいいんだよ。好きなだけ泣きな」
おばあちゃんの話
私にはおばあちゃんが一人いるんです。 おばあちゃんはもう高齢で自由に外を歩き回ることができないんですが、その分私にいろいろなお話を聞かせてくれるんですよ。 例えば、料理の話、昔のおばあちゃんの話、怪談話…… どれも聞いて家飽きないような話ばっかり引き出してくれるんです。 なので私はおばあちゃんの家に行くのが大好きなんです。 そこで、昨日またおばあちゃんの家にいったんです。 ワクワクしながら高級そうな重苦しい気のドアを開けたのを覚えています。 いつものようにリビングへ案内してもらうと、私は「早くお話頂戴!」と言いました。 おばあちゃんは、ふかふかのソファーに体を静めながら、いつものようににっこりしながら話してくれました。 「これはね、私がまだ15のころなんだけどねぇ」 ――私の家の前には100年は続くという老舗の旅館があった。 戦争で半分は焼け落ちてしまったというその建物はそれを感じさせないくらいには異様な圧を放っていた。 その旅館の売りは何といっても温泉と近くの海からとれる新鮮な魚。 私はよく遊びに行って、泊まったり、ご飯を食べたりしていた。 その旅館の料理は絶品だったから、私は晩御飯を楽しみにしていた。 先に温泉に入るために建付けの悪い扉を開けると、早い時間だから一人も人はいなかった。 その方が温泉にゆっくり入れるから良いか、と思いながらちょうどいい温度に温まったお湯に足をつけた。 しばらくすると、一人の女の人が温泉に入ってきた。 私はちょっと寝そうになっていたから少しだけその女の人に感謝した。 しばらくの間私と女の人は無言でいた。 すると女の人は暇になったのか私の近くに寄ってきて、すとん、と座った。 世間話でもするのかな、と思っていた私は次の瞬間、女の人の口から紡ぎ出てきた言葉にびっくりした。 「お嬢さん、ここの旅館の噂、って知っていらして?」 「噂?」 「ええ、知らないですか。ならば、お母さんとかに話してあげるといいでしょう。 ――この旅館ですが、実は一度、火事になってしまったのです。 盗みに入った泥棒がやったのか、はたまたお偉いさんの煙草の不始末かはわかりませんが、それのせいでその旅館にいたものは皆なくなってしまったのです。 そのとき、5つくらいの女の子がいました。 母親と同じ色の着物を着て、何となくでも良い家の出だとわかりました。 女の子は泣きわめきながら‶それ″にしがみついていました。 ……焼け死んだお母さんの亡骸です。 5歳の少女にはそんなことも分からなかったんでしょう。 ただただ迫りくる炎に泣きわめいていました。 その時、一人の男がやってきて女の子に水をかぶせました。 台所にあった水です。 そうしてその男はその少女を小脇に抱え、逃げ出そうとしたのです。 生き残っているものは数少なく、残ったものは皆台所あたりに集まっているようでした。 男は必死に走ってようやく台所につきました。 ようやく生き残った者はホッとすると、裏口から避難しようとしました。 ですが、大人はなんて馬鹿なものでしょう。 いくら燃えていないからと言って台所に避難するには危険すぎます。 予想通り、台所には油やらなんやらが多い。 すぐに周りの人を巻き込んで、全滅させてしまったのです。 以降、幼くして亡くなったその少女は恨みを募らせ、この旅館にとりついたそうです…… はい、これでおしまい」 パン、パンと手を二回打つと、女の人は話を終わらせました。 でも私には疑問が残りました。 「でも、「全滅した」といっていたのでこの話を知っている人は誰もいないはずです。伝えられるわけありません。でも、なぜあなたはその話を知っていたのですか?」 女の人はにっこりとしたまま何も答えませんでした。 そこで思い出したのです。 この女の人が入ってくるとき、何も音がしなかった。 あの建付けの悪いドアを開けるには音の一つや二つするものなのに…… じゃあ、あの女の人は? 私がそう思って横を向いたとき、女の人の姿はなかった。 お湯が揺れた気配もなかった。 私はぞっとしてしばらく動くことができなかった―――――」 おばあちゃんはにっこりしたままでいた。 私は背筋がぞくっとして急激に寒くなってきた。 ……やっぱり、おばあちゃんは話が上手だ。