短編小説の相談いちらん
短編小説
みんなが作った短編小説のコーナーだよ。※2024年9月30日までの投稿で受け付けを終了いたしました。
数日遅れのハッピーハロウィン
『来年はしようね!!絶対だよっ!』 あの日の約束、君は覚えてるかな。 去年、小6の秋。 幼馴染のユキトと私ミユは、毎年のようにしていたハロウィンパーティーをできずに、冬を迎えてしまった。 できなかった理由は、私とユキトが喧嘩中だったからだ。 うん、そうだった。よく覚えてる。 後日仲直りして、その時にハロパできなかったね、て話になって…それで約束したんだ。 でも結局、今年も無理だったな。 どうして無理だったかは、ちゃんと明確な理由がある。 10月31日木曜日は、紛れもなく、定期テストの真っ最中だったのだ。 さすがにパーティーなんて出来るはずもなく、10月が終わり、新しくめくられたカレンダーが少し、寂しかった。 11月1日。金曜日。2日に渡るテストを終え、どこか心ここに在らずの帰り道。 自販機で飲み物でも買ってくか…と立ち止まった駅のホームで、奇跡は起きた。 (ゆ、ユキトじゃない!?あれ!) そう、自販機の前に、ユキトが居るのだ! (チャ、チャンス…え、チャンス?なんの?…まあいっか。) 行くか。…でも、最近話せてないから、嫌われてでもしてたら… 「んもう!なんなの!別にどうでもいいじゃん!ユキトなんだから!」 そうだよ。何をビクビクしてんだ。 ユキトだよ。ただの幼馴染だよ。 (…よしっ!) 「…ユキト?」 「おわっ!…ミ、ミユ…え、な、なんで…」 (え、なんか凄い動転してない?) 「なんでって…ここ、帰り道だし」 「…そ、そう、だよな。わりぃ。どうしたんだろ俺…」 …もしかして、ほんとに嫌われたかな。 ズキッ あれ、なんで、嫌な気持ちになるんだろ……まあ考えてみれば、小さい頃から一緒にいる訳だし、やっぱ多少なりとも傷つく、よね。うん。 別に、そういうのじゃ… 「…ミユ」 「ひゃいっ!」 (……あ) 「っぷははははは!な、何今の、変な声、あ、ダメ、お腹痛いっ」 「っそ、そこまで笑わなくても!!」 (はっず!は、はずいっ!恥ずかしくて死ねるっ!!) 「………」 まあ確かに、変だったけどさ。そこまで笑う必要、ないんじゃないか?の意味を込めて、ねっとりとした視線をユキトに送る。 さすがに気がついたのか、段々笑いは収まってきた。 「わ、わり。お前と話したの久しぶりだったから、つい…てかめっちゃ顔赤いぞ。大丈夫か~?おいおいっ!」 「るっさい!ての!」 態度には少々、物申したいとこもあるけど、どうやら嫌われた訳じゃなさそうだ。 少しホッとしたのが表情に出ていないか心配になった。 「………」 「…な、なに」 ようやく笑いが収まったら今度は、じっと私の顔を見つめてくる。 (な、なんか、ついてる?私) 「……覚えてない、よな。さすがに」 「え?今なんて…」 珍しく小さい声で聞こえなかった。 「いや、なんでもない」 (……覚えてない、よね。さすがに) もう、テスト前に何回も考えたじゃないか。とっくに結果は出したはずなのに、まだ希望を持っている自分がいる。 …今なら、聞ける気がする。 でも、今聞いたら、なんて思われるだろうか。 もうハロウィンは終わったのに。 1年前のこと言われても、まだそんなこと覚えてたのか…て、言われるだろうか。 (…どうしよう。) さっきまでの会話が嘘みたいに、沈黙が続く。 …ガコン 長い静けさを破ったのは、自販機の音だった。 (…あれ?自分の分、さっき買ってたよね) 「また買うの?」 「…欲しい?」 「……え」 (どゆこと?) 「…欲しかったら、言って。合言葉」 (え、それって…) 考えすぎか?さすがに。 「…はやく」 でもやっぱ、それしか浮かばない。 (…もう!なるようになれっ!) 「トリック・オア・トリート……?」 「……っ!」 不意をつかれたように、ユキトは目を見開く。 (え、ビンゴ?) 「…ほれっ」 手でキャッチした缶ジュースが、冷たくて気持ちいい。 ビンゴだ。 それって、さ。 (覚えて、たんだ……!!) 嬉しい。 「…ふっ」 「…はっ」 2人同時に笑がこぼれる。 「「ハッピーハロウィン」」 「お菓子じゃなくて、ジュースだけどね」 「るっせー!仕方ねーだろ!」 「あははっ」 忘れられない、ハロウィンパーティーだった。 ◆◇◆ ※曜日が今年と違うのは、ご了承ください
返して。
『ほんっと、死ねばいいのに』 その言葉が全ての、始まりだった。 「ねぇ、真城さん聞いた?」 「なにが?」 「雪原小鈴のこと」 「…なにも」 「大変なの!今朝ね、学校の中庭で」 『雪原の死体が、見つかったんだって』 __え 「しかも自殺だって!ヤバくない?」 言葉が、出なかった。 自殺、じさつ、じ、さつ、ジサツ… やがて教室がザワついてきたけど、ぼやけていて何も見えなかった。 ただ、私の心臓の音だけが、クリアに頭の中に響いている。 そんな、私は…… 「ホームルーム始めるぞー」 そこから先のことは、もう覚えていない。 ただ1つわかることは、昨日まで1日だって欠かさず埋まっていた雪原の机が、今日は空だったという、事実だけ。 クラスメイトの視線が、一斉にこちらに注がれる。 簡単な話。 こんなことになった原因は、 _私だ。 私はもっと、まともな人間だった。 親の期待が凄くて、その期待に答えようと必死に努力して、なんとか成績をキープして。 でも頑張っても、頑張っても、親は褒めてくれなかった。 このくらい当然だ、と毎回言われた。 どうしてもっと上へ行けないんだ、と言われた時もあった。 みんなが遊んでるとき、私は勉強して。 みんなが寝てる時も、私は勉強してた。 それでも、誰も、何も、認めてくれない。 やがて、私の心と現実の世界の間には、分厚くて荒い、大きなすりガラスが置かれた。 成績が下がれば、失望される。誰も私を見てくれなくなる。 ぼやけた世界に目を凝らして、私は必死に勉強した。 …大丈夫。今までだって私はやってきた。今までと同じ。私はできる。 分厚いガラス越しだってことに、気づいていなかった。 そんなとき、あいつがやってきた。 雪原小鈴。気さくな人柄と明るい笑顔で、彼女はすぐクラスに馴染んだ。 正直、私はあまり彼女のことが好きではなかった。彼女は馬鹿だった。成績も悪いし、理解能力もない。 でもその性格のおかげで、彼女の周りにはいつも人が集まっている。 なんにも努力してないくせに、馬鹿なのに…いや、馬鹿だから。彼女はよく褒められていた。 大したことじゃないのに、当たり前のことなのに、彼女がすると凄いと言う。 その何倍も上のことも、私がすると当たり前だと言う。 簡単に笑顔を向けて貰える彼女の事が、私は凄く憎らしかった。 「…雪原さん、これぐらい当然にわからないと、大変だと思うけど」 ある日、私と彼女は同じ班になった。 数学の時間、問題を教え合うという班活動のとき、私はそう言った。 応用問題の基礎の基礎の段階で、彼女は全く理解できていなかった。 特に他意はなかった。これが分かっていないと説明の仕様がない。これから先だって絶対大変だ。 「なんでも出来て、いいね。真城さんは」 「…え?」 当たり前だろう。このくらい。 「特に努力しなくても出来る真城さんとは違って、私は勉強しないとわかんないの…これでも頑張ってるんだよ、私だって」 「……………」 は …努力してない、だって? …これでも頑張ってる、だって? 私がどれだけ死ぬ気で勉強してきたと思ってんだ。 あんたはそんな気で努力したことがあるのか? 1点でも稼ごうと寝る間も惜しんで教科書をめくっていたか? ご飯とお風呂と睡眠以外の時間を、勉強に費やしていたか? 私を、今までの努力を、苦労を、全部、侮辱された気分だった。 (…ふざけるな) ガラスが黒く染まっていった。 それから何日かがすぎた。 私以外にも、雪原のことを悪く思う人はいたようで、その人たちと寄って集って陰口を叩いていた。 本人にも絶対聞こえていただろうけど、学校には毎日来ていたし、先生にも何も言われなかった。 成績優秀な優等生の私に対して、何も言えないようだった。 だから、調子に乗っていたのかもしれない。 別に虐めているわけじゃない。 ただ自分の思ったことを共有しているだけ。 事実を言っているだけ。 一線を超えたらもう、それは立派な犯罪なんだってことにも気づかずに。 私は愚かだった。 「ほんっと、死ねばいいのに」 「あはははっ!ほんとそれ!!」 翌日、雪原小鈴は、死んだ。 「返してっ!こっちゃんを返してっ!!私の親友を返してえぇぇえっ!!!」 「………」 「お前のせいでこっちゃんは死んだんだ!!お前も死ね!!死んで償えっ!!!」 …どうして、こうなった。 こんなはずじゃ、なかったのに。 違う。私は、私は……っ
泡沫の人魚姫症候群
沈む。ここがどこかわからない。ただただ沈む。ふと、冷たく硬い感触がした。すると私は泡沫の如く消えてしまった。 「…さん、日和(ひより)さん。」 「…小雪?」 目が覚める。どうやら寝てしまったようだ。前の席の小雪が起こしてくれた。 「良かった、二度と目覚めないのかと思いましたよ。なんだか苦しそうでしたよ?どんな夢だったんですか?」 「えっと…沈んでる夢。というか、また敬語なってるよ。タメ語でいいって言ってんじゃん。」 と私は小雪にデコピンをくらわす。 「いでっ!え、あ、すいません!」 とおどおどしながら小雪はまた前を向いてしまった。唐突だが、私は小雪が好きだ。いつもはおどおどしてて、なんか目立たない。しかもちょっとドジ。でも、私は知っている。小雪はみんなの気づかないところで頑張っている。私はそこに惚れたのだ。 キーンコーンカーンコーンっとチャイムが鳴り、先生が入ってくる。挨拶をし、席に着くと眠気が私を襲った。 (あ、あれ?なんだかとても、眠くな…る…) と、私は眠ってしまった。 沈む。まただ。またこの夢。すると、声が聞こえてきた。 「こんにちは。僕は魔女。早速だけど、君は奇病にかかっている。その名も、泡沫の人魚姫症候群さ。」 声を出そうとする。が、声が出なかった。幸い、視覚はある。その魔女と名乗るものは、足がなく、魚の尾鰭のようだった。これを例えるならまるで…人魚姫に出てきた魔女だ。魔女は、本を開いている。 「ごめんねぇ。僕、奇病は専門外なんだー。えっとこの病気は君、片想いをしているだろう?その人に、想いを告げ、両想いにならなければ君は泡になってこの世にいた存在自体が消えてしまう。タイムリミットは3日。ただ、これにはもう一つ回避方法があるんだ。それはね…片想い相手が死ぬこと。」 私はこの言葉に耳を疑う。小雪が死ぬと私が助かる?ダメだ。想いを告げてしまおう。 「ジャッジャッジャァーン!君にいいこと教えてあげる!明日、古守小雪は死ぬ。」 …は?小雪が、死ぬ?口が動けば、私は絶望の嗚咽が漏れていただろう。 「じゃあねぇ~。まあ、明日古守小雪が死ねば、君は来ないだろうけれども。」 と言い残し魔女は消えてしまった。私はいつのまにかこの空間の底に来ていて、またあの時の冷たく、硬い感触が感じられた。 「氷室!起きろ氷室!授業中だぞ。」 と先生が私のことを起こす。微かに笑い声がくすくすと聞こえる。私はショックで何も声が出なかった。 次の日の朝。私は小雪の家に行く。小雪の家は私の通学路にあるので、一緒に行くことが可能だった。小雪の家のチャイムを押す。 「はーい。って日和さん?」 「ごめんねいきなり。一緒に登校したくってさ。」 「いいですよ。僕も一緒に行きたかったところなので。今、おりますね。」 数分後、小雪が扉を開け、出てきた。小雪は特に何も変わらず、いつも通りだった。小雪がいつ死んでしまうかわからない状況。私は緊張感で背筋がピリピリした。 交差点。小雪が半分渡ったところで、私は口を開く。 「小雪、あのね…私…」 「なんですか?」 と、小雪が立ち止まる。すると、ふと視覚に入ってきた車が小雪の方に走ってきているのがわかった。 (居眠り運転っ!?) 「小雪っ!」 と私は走り出し、小雪を押す。次の瞬間ドンっという鈍い音が聞こえたかと思えば、今まで感じたことないぐらいの痛みが全身に走る。 自分の体が冷たくなるのと同時に紅色の体液の生暖かさが感じられて、気が遠くなる。 「こ、ゆき、私は…こゆきのこ、とが、す…」 とここで意識が途絶えた。最期に見えたのは、小雪の顔だった。 沈む。ただただ沈む。あの魔女の声が聞こえてきた。 「はぁ、人間って愚か。あのまま古守小雪を殺せば良かったのに。」 今は、口が動く。私は笑みを浮かべて、魔女に言い返す。 「はは。だよね。私も愚かだと思うよ。でもね、ぜんっぜん後悔はしていないの。この選択に。まあさ、想いを伝えられなかった少し後悔してるけど。」 すると魔女は呆れたように、 「はぁ…。これは人間がおかしいのか。それとも氷室日和という人間がおかしいのか。どっちにしろ、僕の理解に欠けるね。」 と言い、消えていってしまった。 「…小雪ごめんね。私先に逝くけど、小雪は幸せに生きてね。」 また冷たく、硬い感触がした。そして、泡沫の如く消えていった。
ハツコイ天気予報
「きょうは、晴れのち雨です。 お出掛けの際は傘を持っていったほうがいいです」 きょうーは雨かぁ。 風郷 星羅14歳 「やっば!時間!!遅刻じゃん!!」 はぁっはぁっ…っ! 「なっちゃん!なっちゃんも遅刻!?」 桜井 夏希。私の親友です。 「い、急ご!!なっちゃん!」 たったったっ!!! がららららっ!! 「セーフ!!!」 「セイラちゃん!セーフ!セーフ」 「ほら、着席着席。今日は転校生が来た」 「あ。じゃあね。」 転校生?今時期誰だろう? 「こんにちは。愛知県からやってきた。 相川 律です。よろしくお願いします」 「あ~…席は…あ。風郷の隣で。」 「はい。分かりました」 私の隣だと!? 窓際の一番後ろの端っこで、平和なのに 隣が来るなんてぇぇぇ!! 「よろしくね。風郷…セイラさん」 「あ……うん。セイラでいいよ…」 「セイラ。よろしく。」 「よろしくお願いします。」 「律はなんで転校してきたの?」 「ん?あぁ。親の転勤で、」 「そっかぁ…私も、4年生の頃親の転勤でここに来たんだ」 「そうなんだ」 私は律と仲良くなった でも、律はスポーツ万能頭に顔良し! まさにハイスペック!! 恨むように私を見る女子も少しずつ増えていった がしゃんっ! 「きゃっ!」 「っ……いった…」 「ねぇ。星羅さん。ちょぉっとしたお願い事だから 聞いてくれない?」 「なんなんですか?貴方達。お願い事って?」 学年のリーダー的存在で元お嬢様学校に通うほどの 美を持つ。その名は祐華 「私ね、律くんのことが気になってるんだけどぉ あなた、目障りなのよ。こぉんなに可愛い私は 律くんと釣り合うかもだけど…… ふふ…あなたみたいな地味な女子…律くんには合わないは」 「合わないとか知らないです。というかどうでもいいです… 律が好きなら好きにしたらいいじゃ無いですか!」 「…!!私に口答えするの!?…ふふふ…… まぁ、いいわ。貴方みたいな子にはお仕置きが必要みたいね!!!!」 手を上にあげ私の方にばっと下げた 「キャァッ!」 …………? 当たらない? そっと、目を開けた 「どうして……」 律がいました 「り、律くん!ど、ど、どうしたの?こんな場所で」 透き通ったような黒い目は 誰かを必死に守る盲導犬の様な目つきだった 「祐華さん。君が僕に対する気持ちは知らないけど この子を傷つけるのは許さないから」 「っ!!……もぅ!いいわ!」 だっと走ってった 「ありがとう…」 「いや、いいんだ。……星羅さん… 僕と、付き合ってもらえないかな?」 「はい!」 『このあとの天気は、ハツコイのち、晴れ 虹もかかってとても綺麗なハツコイとなるでしょう』 あとがき こんにちは。レナです 悪女系の女子ってぉとかぁとかぃとか 小さい文字を使うといいんですねぇ~ あ!私も使ってた それでは、引き続き小説を拝見していただくと幸いです。
お菓子についていた手紙(ハロウィン)
ピロン スマホの通知の音だ。 俺は、お菓子片手にドアで立っていた。 毎年、ハロウィンの日には幼馴染で俺の初恋の人、みくが「トリックオアトリート!」と元気にこの家に来る。 今年も来るだろうと待っていたのに来ない。そんなことを考えていたときだった。 スマホを開くと、それはLINEの通知であると分かる。 LINEを確認すると、みくから、「今年は私からお菓子をあげたいから、私の家に来てね。」と書いてあった。 「せっかくお菓子を用意したのに」と思い、みくの家に行く。 「トリックorトリート」と言うとみくがお菓子をくれる。 「絶っっっっ対に中見てね!?絶対だからね!食べなくてもいいから中は見てね!?」と言い、ドアを閉めていった。 「なんでだろう」と思いながら家に帰った。 中を見ると手紙が入っていた。 その手紙には「たくみへ 好きです。」と書かれていた。 俺は慌てて外へ出る。 どこへ行くかって?決まってるだろ。みくの家だ。 みくの家のドアを開ける。 「みく! 手紙の返事だ。 俺もっっっ……みくが好きだ。」 みくは、自然と引き締まっていた頬を緩める。 そして、「よかったぁ……………」と呟く。 この日から、俺らのカップル生活が始まった。
月。
綺麗な満月だ。墨を流したような夜空に浮かぶ、銀色の月。私は月を見るのが好きだ。------------- 私の名前は悠月。読み方は、ゆづきではなく、ゆつきだ。 変な名前だと思うかもしれないが、私は音が濁るゆづきよりも透き通ったゆつきの方が好きだ。 そんな私は名前に『月』が入っているせいか、小さい頃から月を見上げるのが大好きだった。痩せたり太ったりを繰り返している優しい笑顔のお月さま。引っ込み思案だった私にとって、同じ名前のお月さまはたった一人の友達だった。 少し大きくなって、お月さまは自分で光っているのではなく、太陽に照らされて光っているのだという事を知った。私はショックを受けた。あのお月さまの柔らかい光が、お月さまのものではないなんて!私は友達に相談した。 友達は正しい答えを教えてくれた。 「いいじゃない、太陽の光でも。暗い夜中は太陽の光はないから、その代わりに月は自分のやく目を果たしているんだよ。月も太陽の役に立っているんだ。自己主張がつよい太陽よりも、人の役に立つ思いやりのある月の方が、私は素敵だと思うな。」 自己主張よりも思いやり…? 私はそれから自分の名前がもっと好きになった。自己主張が苦手な私は自分はだめだと思いがちだったけれど、この名前の由来を思い出すと自己主張よりも大切なものが見えてくるからだ。 今日も私は月を見上げる。私を強くしてくれた月。私に自信をくれた月。 『ゆつき』。私はこの名前が大好きだ。 FIN ------ つむぎです。感想お願いします。
僕が好きなのは字だけじゃなくて
いつものように高校の門をくぐり、教室へ入る。自分の席へ向かう。“石井千佳(いしい ちか)”と書いたシールが貼ってある。 僕の名前だ。それから、読書中で隣の席に座っている少女の肩を驚かせないように優しく叩く。 髪をふわっとさせながら振り向かれた。それを確認してメモ用紙を見せる。 『おはよう』 それに気付き、相手も紙にペンを走らせる。 『おはよう!』 彼女_____といっても彼氏彼女といった関係ではない、…今はまだ。_____との出会いは、三ヶ月前の入学式の日。 教師が自己紹介を始め、生徒も席順に名前や趣味等を話していく。知り合いがいないから名前と顔を覚えなくては。 もうすぐ僕の番だ。体が強張る。 「次」 「えっと、石井千佳です。趣味は…音楽を聴いたり本を読んだり、です」 パラパラと拍手が起こる。人前で喋るのは嫌いだ。緊張で他の人の情報なんてほとんど忘れてしまったし。 次、と教師が言う前に、隣の席の少女は立った。 そして……黒板に文字を書いた。 『立川慧(たちかわ けい)です 音があまり聞こえないので筆談してくれると嬉しいです』 文字を消し、自分の椅子に座る。 『あなたの名前は何ですか?』 そう書いた紙を僕に見せ、首を傾げる。僕はいろいろな意味で少し動揺しながら、メモ用紙を出して 『石井千佳 千佳は“ちか”って読む 本が好き 立川さんよろしく』 と書いて見せる。 『ありがとう よろしく』 と彼女は嬉しそうな笑顔になった。 そんなことがあり、僕は慧と休み時間や放課後、たまに授業中に筆談で話すようになった。 “慧”と呼ぶのは彼女がそれでいいと伝えてきたからである。“立川さん”も“慧”も画数はほぼ同じでしょ、と。 そういう問題ではないと思うが断ることができなかったのだ。 放課後、僕が、筆談で話すのを気に入った、喋るの苦手だから。と伝えると、慧は複雑な表情をしていた。 彼女としては、逆に、声を使って会話したいのだそう。僕と反対だ。ペンで付け加える。 『訂正 慧と 筆談するの好き』 いくらか複雑度は下がったが、頭の上に“???”が見える。しばらく無言状態。いや、無言なのはもう当たり前だが。 少し経つと、 『私も千佳と筆談するの好き』 それは反則、自分の顔が赤くなったように感じるが確認する術がない。…よく考えたら僕の台詞も結構…顔が熱い。 『千佳の字が綺麗だから!』 可愛らしい字が乱れた。よく見たら彼女の顔も少し色づいている。照れているのか。かわいい。 また慧のペンが動いた。 『あと、メールとかも していい?』 え?今までの恥ずかしさで踏ん切りがついたのか、割と凄い要求を出してくる。 『夜寝るまで 外も暗いし何も聴こえなくて 怖いから』 …こっちは多分言い訳じゃない。初めて弱音を聞いたかもしれない。そりゃそうだ。僕だってそんなの怖い。 『うん分かった 慧が眠くなるまでずっとメールに付き合うよ』 黙ってアドレスを交換する。高校では初めての交換だ。 もちろん、他の人と交換する間柄になるようなコミュニケーション力がないので当然である。 スマホも筆談に使えるなぁ、と思いながらテストメール文章を打ち込む。 …自分の端末の初期通知音が鳴る。慧からのメール。 『テステス』 なんか可愛い。 すぐ後、慧のスマホが無音で震える。僕の体も少し震える。 画面を見た彼女は嬉しそうに、恥ずかしそうに笑って首を縦に振る。どうやら届いたようでほっとした。 今更ながら気づいたが、夜が怖いなら道路もなかなかに怖いだろう、と車が少なくなる道まで送る。 慧はスマホを取り出して手を振る。 『送ってくれてありがとう また明日』 『じゃあまた明日』 僕も手を振った。 テストメールの内容は___ ー終ー 拙い部分もあると思いますが読んでくださった方ありがとうございました!
少しずつ、遡る。【短編小説】
僕は、君の近くを歩いている。 幸せな気分だ。 だけど、君はどこか暗い顔をしている。何か、僕の方を気にしている様な仕草だ。 彼女に何かあったのだろうか。 思い出してみる。 まず先ほどの行動、彼女は交番に立ち寄っていた。おそらく、落とし物を尋ねたのだろう。 しばらく交番に入っていて、僕は外で待ち続けるのが辛かったので、近くの書店で時間を潰していた。 その後、彼女は明るい表情で交番から出てきたので、落とし物は見つかった、ということだろう。 交番から出てきてしばらくしてから暗い表情になったので、この交番関係の出来事は彼女の悩みではないと思われる。 その前の行動。彼女は人気ファストフード店で「照り焼きチーズハンバーガー」を注文していた。 彼女の好きな物は「照り焼き」そして「チーズ」だということを誰かから聞いた。 つまりこれも彼女の悩みとは無関係だろう。 何か彼女にあったのか。昨日...は特に何もないはず。一昨日...はそうだ、重大な出来事があった。 僕は彼女に告白をした。だが、振られてしまったのだ。 本当に悲しかった。でも、諦めきれなかった。彼女は僕を何とも思っていないだろう。でも、僕は君に、本気で恋をしてしまったんだ。 だから僕は、彼女を追いかけ続けることにした。彼女に、僕を認めてもらうために。 彼女は後ろの方に隠れている僕の方を見る。大丈夫。僕の存在には気づいていないはずだ。 彼女は走り出す。僕は焦って追いかけるが、見失ってしまう。 大丈夫。こんな時の為に、彼女にGPSを付けておいた。 彼女は先ほどの交番に居るようだ。追いかけよう。 絶対に、諦めない。 終わりです。 どうも、鈴木爆撃機です。最後まで読んでいただき、ありがとうございます! 先日はハロウィンで、それに関係した短編小説を書こうとしたんですが、アイデアが出なかったのでこういう短編小説になりました。 どうでしょうか。面白かったですか? 感想待っています!
(ホラー)おまじない
ああ、今日もライバルの美咲に勝てなかった・・明日こそ、彼氏の健を取り戻すんだから! 私は紅香。実は前、美咲に私の彼氏の健を取られた。だからいつか絶対に、取り返してやるんだから! 「美咲に勝つためには・・そうだ!」 私はスマホを持つと、スマホの電源を入れた。 「ええと、彼氏を取り戻すおまじない・・検索っと。」 そしたらたくさんのおまじないが出てきた。 「うわあ、いっぱいある・・あ、これよさそう!」 私は『叶うこと間違いなし!彼氏を取り戻すおまじない紹介』というところを押した。 「何これ、いいじゃん!ええ、用意するものスマホだけ!?今すぐやらないと!」 どんなのかというと、まずはスマホの電源を切って、『彼氏の◯◯(彼氏の名前)を、◯◯(自分の彼氏を取った人の名前)から取り戻してください。』と言うと、次の日に、彼氏が自分の彼氏に戻る、というもの。 「彼氏の健を、美咲から取り戻してください。」 これでOK。でも本当に叶うのかなあ・・ そして次の日。 健が私のところに来た。 「な、に・・健・・」 「俺、やっぱり紅香と付き合いたいんだ!」 「でも美咲の方がいいって言ってじゃない・・」 「いや、紅香がいいんだ!ダメ?」 「ううん。いいよ!私も健のこと好きだったんだ。」 やったー!あのおまじないすごい! 私は嬉しすぎて帰りもルンルンだった。 「ああ、もう本当、幸せ・・」 そうつぶやいた時だった。スピードを出したバイクが、こっちに来た。私は逃げたいのに、足が固まって逃げられない。 「え、うそ・・どういうこと?足が・・動かない・・いや・・来ないで・・」 ブシャーーーーーー!私はひかれた。そして私が持っていて、ひかれた時の落ちたスマホにはこう書いてあった。 『注意 このおまじないをすると、死にますので、ご注意ください。』 ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・ アンニョンハセヨ!初音です!もと海ちゃんだよ! 最後まで読んでくれてありがとうございます!コメントもよろしくお願いします! じゃアンニョン♪
好きな人、
この気持ちは何だろう 苦しいけど 苦しくない この気持ちは何だろう 痛いけど 痛くない この気持ちは… 「わっ!!」 『うわあああ!?』 「びっくりした?」 『びっくりしたわ!突然やめろよおw』 「ごめんごめんw何かすっごく真剣にやってたからw」 危ない…すぐに隠せたから良かったけど。見られなくて良かった…。 僕には今、好きな子がいる。さっき書いていたのはその子に向けたポエ……詩だ。そしてその子は先程僕を驚かせて来たやんちゃっ子だ。 「ねえねえ、何してたの!?」 『えっ?なんのこと?』 すごく元気に、僕がやっていた事を聞いてくる彼女にも好きな人がいるのだと、風の噂で聞いたことがある。だから僕は既に失恋しているわけだが。だからこそ僕の思いは書き綴って、そしてしまっておくんだ。誰にも見られない所に。 「ねえ、昼休みさ、時間ある?」 『え…?あ、あるよ。大…丈夫』 突然聞かれて一瞬どぎまぎしてしまった。男子なのに…格好悪いな。 _________昼休み… 誰もいない音楽室に呼ばれた。彼女は合唱部だから練習に付き合ってほしい…とかかな。僕、ピアノやってるから… 「あのさ!」 『な、なに?』 大きな声で呼ばれて少し驚いた。 「付き合ってよ!」 つ…付き合って?やっぱ、合唱の練習に付き合ってってことだよな… 『いいよ、楽譜見せて?』 「いや、あのね、そうじゃなくて…」 『そうじゃない…?』 「付き合ってって。」 一瞬理解出来なかった。けど理解した瞬間に僕は頭が真っ白になって、僕の顔が真っ赤に火照っていくのが分かった。 まさか、彼女が好きな人って… ________おしまい。
雨宿りの初恋。
「あー!電車に乗り遅れるぅ!」 大慌てで改札口を抜けて電車に乗る。 私は相瀬未來(あいせ みく)。私立の高校に通ってる高校1年生。 今は通学中。スマホを見てて乗車時間を忘れてた。 今日は電車がすいている。イスに座った私は今話題の恋占いのアプリをやっている。結果はクール系男子と相性が良いって。正直、信じられないけどね。 気がつくと、電車は学校前の駅に着いていた。駅を出て、私は学校までのレンガ道を歩く。 学校に着き、教室に行くとちょうどチャイムが鳴った。気が付くと、あっという間に授業が終わった。 休み時間に、 「ねぇ、1年の転入生知ってる?」 「勿論!めっちゃイケメンだった!」 なんて、そんな声が聞こえる。実は、転入生が来た。凄くイケメンらしい。 なんだかんだで学校が終わり、電車で家の近くの駅まで帰る。 商店街を歩いていると、突然、雨が降ってきた。 「嘘!?傘ない…あっ、あそこの公園のベンチ…屋根あるからあそこに…!!」 私は急いで屋根のあるベンチまで走った。だけど、ベンチに着いた時には髪や制服が濡れていた。 「あー、どうしよう…しばらく止みそうにないし…」 そう独り言を言ってたら、 「…あんたも、雨宿りか。」 誰かの声が聞こえた。男性の声だ。 「あ、ハイ…。傘なくって……」 その人に答えたけど、途中で黙った。だって、美形だもん!よく見ると、私の通う学校の制服を着ていた。ネクタイが高1の模様だし、同級生なのは確か。でも、見かけたことが無い。 サッ。 「そのままだと風邪を引く。これで温まってろ。」 そう言って私に彼が着ていた上着をかけてくれた。 「あの…あなた、名前は?」 思わず、彼に尋ねてみた。 「…俺は侑珀蕾(うはく らい)。今日、この街に引っ越してきた。」 そう言って蕾と名乗った彼は雨が上がると上着を私にかけたまま、去っていった。 その瞬間、私は彼に恋をしたと実感した。 ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ どーも。ジョジョ好きです。 今回は恋愛系にしました。 どうでしたか?
崖を渡る方法
3歩進んで、2歩下がる。 なんで下がるのって? 無駄じゃんって? 2歩進めよって? 無理だよ。 だって4歩目は、崖なんだもの。 踏み出せば、落ちてしまうもの。 挑戦してみろって、人は言うけれど。 落ちて、落ちて、傷ついて。 傷ついて、傷ついて、ボロボロになって。 いっそ落ちることを望むようになったら、どうしてくれるの? ボロボロになっても、誰も気がついてはくれないのに。 ボロボロになる勇気なんて、あいにく私は持ち合わせてないよ? だから私は2歩下がるの。 あるいは3歩。 あるいは止まって。 その間に、橋がかかるのを待つの。 この世界にいるのは、私だけじゃないから。 みんなだって、崖の向こう側に行きたいから。 誰かに助けてもらえば良いの。 橋がかかったら、怖がる誰かの手を引いてあげて。 一緒に渡れば良いの。 助けてもらえば良いの。 そのお返しに、誰かを助けてあげれば良いのだから。 独りでボロボロになる必要なんてない。 無理に進む必要だってない。 怖いなら、一緒に立ち止まって。 橋がかかったら、一緒に渡るって。 小指を絡めて、約束しよう。 END 読んでくださりありがとうございます!楽しんでいただけたら幸いです。 臣です。おみ、と読みます。今回は私のモットーのようなものを書きました。誰かの心に残れば、とても嬉しく思います。 最近いよいよ投稿頻度が気まぐれで…無理しないでーという言葉に甘えてます、すみません(笑)こんなゆるい作者ですが、よかったら見守ってやってくださいませ。 感想やアドバイス、お待ちしています。喜んで読みます! ※自分がされて嫌なこと・悲しいことは、絶対にしないでください。
カタオモイ
カタオモイ たな・作 あなたがいるせいで授業に集中できないよ 2つ隣の教室であなたは何をしているの? 私のことなんかこれっぽっちも頭になくて きっと仲の良いクラスメイトとアオハルしてるんだろう あと2年生まれるのが早ければあなたと一緒に 歌えた あと2年生まれるのが早ければあなたと一緒に 踊れた あと2年生まれるのが早ければあなたと一緒に 卒業できた はずなのに 私は何を…………しているんだろう あなたにちっとも近づけなくて 全然話しかけられなくて でも好きなんだよ 涙が溢れるほど好きなんだよ 話すことすら出来ないことが悔しいよ 名前を呼ぶことすらできないのが悔しいよ 遠くから楽しそうに話してるあなたを眺めることしか出来ない自分が大っ嫌い これからいっぱい話せるんじゃないかとか期待しちゃう自分が大っ嫌い 出会えただけで幸せだったんだ ありがとう さようなら
「Blank schedule book」
『君たちに会う為なら 私はきっと笑顔でいるから…』 “これは、些細な喧嘩から始まった 残酷かつ最悪な出来事” 中学2年生の秋、仲のいい4人と 些細なことで喧嘩してしまった。 そして、私を残して4人は どこかへ行ってしまった…。 「華紅蘭さん、別荘ってどこにあるんですか」 もう随分薄暗い森の中を進んでいる。 華紅蘭「もう少しよ、確かじいやがいるはずだから」 実蕾「…櫻(さくら)さん 置いてきて良かったんでしょうか…。」 茉莉「そうよね…」 優「いいの!」 茉莉「でも…」 優「あっ!見えてきた」 そこは、煉瓦造りの洋風な別荘だった…。 〘ガチャガチャッ〙 華紅蘭さんが別荘の扉の鍵を開けようとする。 華紅蘭「…あれ?」 華紅蘭さんが一瞬不思議そうな顔をしたのを 私達は見逃さなかった。 実・優・茉「どうしたんですか?」 私達は華紅蘭さんに声をかけた。 華紅蘭「…開いてるの。鍵…。」 優「え…。」 華紅蘭「…とりあえず中入りましょ。じいやがいるはずよ」 実・優・茉「……はい」 ?〘ゴトッ〙 ?〘トンットンッ〙 華紅蘭「じっ、じいや。いるの?」 華紅蘭さんが音のするキッチンの方を覗く ?「クックックッ」 そこには、ニタっと不気味な笑みを浮かべた 見知らぬ男が立っていた。 私達は、それで察した 《殺す気だ》 そいつの目は、人の目では無かった。 ハイライトの入っていない瞳 人を殺すことが心地良いとまで思っている獣の目。 そういえばこの男の顔をどこかで見たことがある…。 未解決連続殺人事件の『指名手配犯』だ! キッチンの向こうに無数の赤黒い血が見えた きっとじいやさんを殺した跡だろう。 私達は、恐怖を感じバラバラに隠れた。 〘ヒタッヒタッ〙 足音がだんだん近くなる。 「どぉーこぉーかぁーなぁー」 私達は、近い場所に隠れている。 きっとすぐ見つかるだろう。 「みぃーんないたぁー!」 ニタァっと笑った後に 刃物を振り翳した。 私達は、殺られてしまった…。 その跡には 白かったはずのカーペットが 赤黒い明らかに人の血液で 今現在も 真紅に染まっている…。 それは、10年前の話…。 From ー櫻ー ここからは、今の話。 24歳になった相田櫻は かつて華紅蘭の別荘だった所に来た。 「皆、来たよ…」 彼女は、かつてキッチンだった場所に 持ってきた花束を置いた。 あの後、この別荘は火事が起き 燃えてしまったから『かつて』なのだ。 もう、『優・実蕾・茉莉・華紅蘭』の4人は 息を吹き返すことはない。 それでも、10年前の犯人は 事件の後すぐに逮捕されて 死刑判決が下され、実行された。 親友を全員失った彼女は もう笑うことは無かった…。 でも、彼女の周りには 今も4人がいて守っていることを 彼女…櫻は知っている…。 「優ちゃん、実蕾、茉莉さん、華紅蘭さん」 「ありがとう…。」 櫻は、涙で満杯な瞳で 無理矢理笑顔を作った。 手に入れた物より 失った物のほうが多いのは きっとこの涙が流れているせい。 ただ笑う、そこにいる皆 それは既にいない証拠だから。 写真の笑顔すら曖昧で 前に向ける笑顔、ひたむきさを感じずに。 もう、一人。 そう、隣にいて。 真っ直ぐ進める合図くれるなら。 私はきっと、歩き始めるから…。 元ミライの ハルカです(ΦωΦ) 「Blank Schedule Book」 いかがだったでしょうか? 空白のスケジュール帳という意味です。
トリック オア・・・
部屋のドアを開け、固まる俺。 目の前の光景に、脳が理解を拒んでいる。 ・・・血糊まみれのジェイソンマスクを被り、ハチャメチャにでかいショットガンを担いだ彼女が、仁王立ちして俺を待ち受けていた。 彼女はドスの効いた声で言う。 『トリック オア バイオレンス。さあ、菓子を渡してもらおうか?』 震える手で、帰り道に購入していた彼女が好きなメーカーのチョコレートを差し出す俺。聞いてねぇ、聞いてねぇぞこんなの!! 『・・・命拾いしたな』 お菓子を受け取り、ハードボイルド・彼女は部屋を出ていく。 隣室のドアがパタン、と閉まった途端、中から彼女の大爆笑が聞こえてきた。 あいっつ・・・許さん!!勢いよくバン、とドアを開ける。床にのたうち回って笑う彼女と、バッチリ目が合った。 『んふふっ!ビビった!?ビビった!?あーはははっ!』 バタバタゴロゴロしながら、涙を浮かべて大爆笑する彼女。 そんな彼女を見ていたら、つられて俺まで笑えてきて。二人で転がり回りながら大笑いした。 大好きな彼女が隣にいる、最高のハロウィーン。 ・・・いたずらを仕掛けられた事は、多目に見てやるか。 そんな、幸せなハロウィーンの翌日。俺達が腹筋を痛めた事は言うまでもない・・・
最低で最高なあなた
本当にあなたは、"最低"です。 何なのかな。あなたは。 私の目の前に突然現れて。 『私と仲良くしたい』なんて、笑顔で言い出して。 そして、私に『仲良くしてくれるの?』なんて言わせて。 その時の私は、まだ夢見心地で。あなたの正体にも気付いていなかった。 本当に何なんだろう。 あれほど私が悩んでいた、いじめを一日で解決しちゃうなんてさ。 人気者とカースト最下位の差を見せつけられた気がした。 だってさ。 『ごめんなさい。本当にごめんなさい。助けてください。』 こう言っても、止めてもらえなかったのに。 『何やってんの?』 その一言で、解決するのはズルいよ。 ずるいし、悔しいし、何より嬉しかった。 そんな感情を持っていた自分を聞いて呆れる。 だって。 君は本当の"最低な奴"だったんだから。 「ねえ。君って幼なじみいるよね。」 その一言が地獄の始まりだった。 「今度会うの?なら私も行っていいかな?」 人気者であり、私を救ってくれたあなたに、「無理」なんて言える訳もない。 そこからの私のキューピッドぶりは、まるであなたの奴隷みたいだった。 デートの場所、日程まで私に任せっきりになってさ。 「今日、○君と会うために場所すっごい考えたんだよっ」 そうあなたが言ってたときに、私はようやく気付いたんだ。 "私は利用されてた"と。 数日後に来たLINEでそれが分かった。 『君の幼なじみと付き合うことになったんだ!キューピッドお疲れ様~』。 だから、私は今も君の奴隷です。 好きだった幼なじみも取られて、私の学園ライフも奪われて。 いつしか、私は『取り巻き』とか呼ばれるようになって。 本当にあなたは最低です。 …でも。 あなたは、"最高"でもあります。 いじめられながらも、気楽に生きてた私の人生に、スパイスを与えてくれた。 だから、私は"人生の厳しさ"をこうして学んでるんです。 ありがとう。私の前に現れてくれて。 だけど…。 もう、いいかな。 うん、もう居なくなってよ。 料理だってそうでしょ? 甘すぎても駄目だけど、スパイスが多過ぎたって駄目。 だからさ……。 『私の人生からもう消えてください。』 あなたは、最低で最高な人だから____。END どうも、作者のゆにと申します。 更新がまたまた、遅れましたm(__)m 今回は「バトエン」がテーマのお話で、バトエン好きの方もそうでない方も楽しんでくれたら幸いです♪ 感想等あれば、コメント頂けると嬉しいです♪ コメントくれた方の小説は、読むようにしています。 では~。
操り人形は繋がれている。
操られて、もう何年たったことか。 毎日がくすんで見え始めた。 「貴方たちの仰せのままに」 これが私の心。頭を回り続ける言葉。 手を紐で繋がれ、足を吊り下げられて。 今日も私は生きている。 ある日のこと。 優しい瞳をした、あったかい太陽の様な君が現れた。 急に眼に入った太陽に、最初は困惑した。 ずっと夜だったのに。 急に昼間が訪れた。 でも、次第に私と君は仲良くなった。 そして─── 君は、私に手を差し伸べた。 「僕と一緒に、外に出よう」って言って。 一瞬、この手と私の手を繋げば、糸は解けるんじゃないかと思った。 でも、駄目なんだ。 私の手にはすでに、冷たい紐が絡んでいる。 もう、何も繋げない。解けない。触れない。 私は諦める。 「君たちの、仰せのままに。」 ─────────あとがき───────── 夜です。 衝動書きでした。 好きなゲームでマリオネットを題材にしたイベントをやってたんで…つい…() よかったら感想を書いてくれたらうれしいです。 アドバイスとかも是非。私はこんな風に書いてるよ!とかもどうぞ。 ちなみに私の好きなゲームを当てられた人にはとりあえず拍手を送ります。パチパチパチ では。 by夜@米民
振られに、来たよ。
俺には好きな人がいる。 だけど、その衣舞にも、好きな人がいるらしい。 「はぁー…マジで俺勘違いしてたんか…」 俺はてっきり、衣舞も自分のことが好きなんじゃないかと思っていた。 だって、今日も… 「藍翔?」 「え?衣舞、な、なな、何の用かな?」 ビビったわー。 「いや、特に用なんて無いけど…、もう暗いし、一緒に帰らない?」 「あーうん、いいよ。」 そろそろ衣舞のこと、諦めないとな。 「ねぇ、藍翔、私、叶わない恋してるんだ。」 「え?恋に叶わないなんてないよ。頑張って告白すれば何か変わるかもじゃん。」 あっ、俺も叶わない恋なんか。 「だって、その人、好きな人いるもん。」 「じゃあ俺の好きな人も、好きな人いるよ?」 「だよねぇ。やっぱそうだよね。」 「え?何が?」 「ううん、何にもないよ。」 「よし、なぁ衣舞、告白しろ。」 「え、何その上から目線。」 「いや、もし振られても諦めつくだろ?なら、告白して振られた方が後悔しないと思うよ?」 「そっか、分かった。私、今から告白してくる。」 「うん!行ってらっしゃい。また明日ね!」 「うん、バイバイ!」 もし、それが俺だったら、泣いて喜ぶんだろうな。 すると、衣舞が戻って来た。 「え、衣舞?どうかした?」 「藍翔、好きです。振られに、戻って来たよ。」 目が赤いのが、分かった。泣きながら戻って来たのだろう。 「俺、俺、も…」 「早く、私を、振って。」 俺は衣舞に抱きついた。 「俺の好きな人って、衣舞だよ?馬鹿なん?」 「え、マジ?マジ?マジ?」 「うん、マジ。」