短編小説の相談いちらん

短編小説

みんなが作った短編小説のコーナーだよ。※2024年9月30日までの投稿で受け付けを終了いたしました。

短編小説みんなの答え:2

知り合いのおじさん

俺が子供の時の話するわ。 ある日俺は学校が終わり塾も終わり帰ってた。 まあ、小学校で夏だったし6時に帰っても全然明るいわけね? そうして帰り道歩いてたの。歩いてたら向こう側から来た顔見知りのおじさんがペコって会釈するの。 だから俺も知ってる人だったし笑って会釈した。 それからちょっと考えてた。 何でかって言うと知ってるはずの人なのに顔も名前も思い出せなかったから。 で、数歩 歩いて思い出したのね? その人は最近夢の中で合っていた”現実には存在してない人”なわけ。 怖くなって後ろ振り返ったらそのおじさんはいなかった。 ここは一本道で抜けられるはずないのに...

短編小説みんなの答え:6

平和の鐘(注:超長いです)

テストが一旦終わったので、久しぶりに小説を書いてみました。では、どうぞ! 20XX年、新たに戦争が始まった、ということを、ニュースの速報で知った。突然の知らせだった。 耳を疑った。日本は戦争をしないと決めていたのに、急遽その法律は撤廃されたらしい。 嫌だ。戦争なんて嫌だ。前にもたくさんの人が、罪のない命が失われたのに、それでも懲りずに争うの?そんなの絶対に間違っている。止めなきゃ―――! ある方法を思いついた私は、急いでクラスメイトを全員呼んだ。 戦争を止めたい。みんなも考えは同じだった。なら私たちにできることは何? 忘れられた記憶を、呼び戻すこと。平和への強い願いを、できるだけ多くの人に届けること。無駄かもしれないが、やってみなくては。 あれから数日。私たちは教会にやってきた。部屋の隅にスマホをセットして、並ぶ。 準備は整った。ピアノの音に合わせて、私たちは静かに息を吸った。 去年、合唱コンクールで歌った、あの曲―――。 そう、語り継ぐのだ。戦争の悲劇を。 飢えや病気、攻撃に倒れた兵士。奪われた人々の日常。そして、身勝手な戦争に奪われた、たくさんの尊い命。二度と繰り返してはならないと。 ねえ、本当に、戦争以外の道はないの?勝って賠償金もらえれば、命を犠牲にしていいの?そうまでして得た利益に、一体何の価値があるの? それらの答えを知るために、正しい答えを導くために、私たちは歌っている。 奇跡は私たちがつくるんだ。日本人とか外国人とか関係なく、ひとつの命として、国境をこえてつながるんだ。 ――平和の鐘は 君の胸に響くよ―― 歌いながら私たちは涙を流していた。演技じゃなく、心から。駆け込んできた警官たちも、野次馬も、言葉がわからないはずの外国の人々も、声を出さずに涙を流していた。私たちを止めようとするものは一人もいなかった。 ここにいる人だけじゃない。ネットに生配信した動画で、世界中の人々に、鐘の音を響かせる。私たち自身が平和の鐘となって、この世界をつなぐんだ。 以上です、読んで下さりありがとうございました!

短編小説みんなの答え:1

久しぶり投稿!! 「化け狸と少女」

ある村では、一匹の化け狸が大層悪事を働いていると噂になっていた。その噂の化け狸は、今日も男に化け葉っぱの偽の金を使い食料を調達していた。「酒一つと…おや?」狸の目に入ったのは、金平糖が入った包み。「あと、これ一つ」金平糖も一緒に買い店を出る。少し離れた所で変化を解くと、店員が握る金は葉っぱに変わってしまっていた。「こらーー!!この悪狸ー!!」店から怒声が響く。「大成功」半分変化を解き、狸耳と尻尾が生えた男は、こっそり呟いた。帰ろうとすると、道に一人の少女が。涙を流してうずくまっている。いつもなら通りすぎて行くが、今日は出来なかった。声を掛けるが少女は泣き止まない。男は何かを思いだし小さな包みを取り出す。「ねえお嬢ちゃん、これ、好きかな?」一粒口に含ませてやる。「甘い」「…だろ?」本当は自分で全部食べるつもりだったが、少女の笑顔を見ているとどうでもよくなっていた。「お兄さん、ありがとう…!お名前は…?」「俺はただの泥棒さ、じゃあな」変化が解けそうだったので足早に帰る。でも少女の笑顔は頭からずっと離れなかった。その時、男から狸の耳と尻尾が生えていたことは、少女しか知らない。

短編小説みんなの答え:19

俺の好きな人=愛の神

ふと見ると、好きな人がこちらに向かって弓を引いていて。 え?と思った瞬間に、矢が放たれた。 「はっ?」 シュンッと飛んで来る矢をなんとか避けて、 「待って、なにしてんの??」 彼女にそう問い掛ける。 すると彼女の顔がサアッと青くなって。 「あっ、え、待てこら!!」 彼女が一目散に逃げ出した。 彼女の足で俺から逃げきれるわけがなく、会社の非常階段で彼女を問い詰める。 「で、なんなのあの弓矢は。俺を殺すにしても古代的過ぎるでしょ」 「いやぁ~その…え~と」 黒目をウロウロさせながら、彼女が言葉を探している。 「適当に言い逃れようと思っても無駄。お前は嘘つくの苦手だから」 「あ、もう、おっしゃる通りで…」 はは、と笑いながらもまだ逃げようとしている彼女の手を、しっかり掴む。 「…で?野々村」 目に力をこめて、最大級の威圧をかける。ののむら、とは彼女の苗字である。 「いや、あの弓矢は普通の人には見えないし、害無いもん…!それにあれが仕事なんだからしょうがないじゃん!」 彼女の返事はよくわからなかった。見えない?害無い?それに、仕事って言った? 何一つ理解できなくて、彼女に聞く。 「ちゃんと説明してくれる?てか、しろ」 「命令やめて!」 そんなこと言える立場なの?という意味を込めて見つめると、うぐぅ…と言って彼女は説明を始めた。 彼女によると、彼女はいわゆるキューピッドだそうで。 キューピッドというものは、普段は一般人として生活をしているらしい。 そして、矢を放っていたのは俺を恋に落とすためで。 「増田と俺を?はぁ?」 ますだ、というのは経理部の女性だ。俺と野々村と増田は同期。 増田とは、同期会でちょっと話したことがあるくらい。好きな食べ物はおろか、下の名前すらあやふやな増田と俺を、くっつけようとしていた? 「だ、だってそういう運命なんだもん…しょうがないじゃん…」 しょうがないじゃん、は彼女の口癖だ。 「しょうがなくないから。俺好きな人いるの。やめて?」 お前だし、ということは伏せて言う。 彼女は目を開いて眉を寄せた後、少し口角をあげて 「え…あ、そうなんだ」 と言った。 (…なんで笑ってんだよ) なに?俺に好きな人がいれば、自分の仕事が減りでもするわけ? 俺が自分以外を好きでも、なんとも思わないの? …完全に脈無しなのかよ。 そう悔しくなって。そうしたら。 (もう良いや) そんな気持ちに、なってしまって。 「俺の好きな人、お前だったんだけど。もう諦めるわ」 「えっ」 「矢、うてば?別に俺、もう増田のこと好きになっても」 「待って!!」 好きになっても良いよ、と、最後まで言わせてもらえなかった。 いつの間にか離していた手を、また彼女に掴まれる。 「さ、坂山、好きな人、わたし、なの?」 さかやま、と俺の名前を呼び、たどたどしく質問してくる。 今さら?自分に気があるって思ったら引き止めるの? 俺の気持ち、考えてくれないんだ? 自然と眉がよって、涙が出そうになるのがわかる。 「別に?もう冷めた」 あくまで冷たく、俺の口は嘘を吐き出す。 すると彼女は悲しげに目を見開いて、なんだよその顔と思っていると、彼女は口を開いた。 「ごめん、あのね。…私も坂山のこと好きで」 え? 「増田さんと両想いにするの、嫌だった。でも私、人間じゃないし、しょうがないから…っ」 「待って」 今度は俺が、彼女の言葉を遮る。 今なんて言った? 俺のこと好きだったのに、キューピッドだからって? …しょうがないじゃん、って? なんだよそれ。 (冗談じゃねぇよ) 愛の神だろうが、関係ない。 例え矢で射抜かれようと、俺はお前を。 「愛してる」 そう囁きながら彼女を抱きしめる。 「もっと早く言えば良かった。ごめんな」 そう謝ってしばらくして、彼女が鼻をすすっていることに気がつく。 「え、泣いて…」 「わたし、キューピッドだよ?人間じゃ、ない、んだよ?」 良いの? そう問われて。 当たり前じゃんと思いながら。 「だって好きになっちゃったからさ」 しょうがないじゃん? そう言って俺は、こぼれ落ちる彼女の涙を掬った。 END 読んでくださりありがとうございます!長めですが、楽しんでいただけたら幸いです。 臣です。おみ、と読みます。私に対して、キューピッドは仕事をしてくれないようで…好きな人ができないのは、しょうがないですね!(笑) 最近勢いで書くことが多く…クオ低めで申し訳ないです。 感想やアドバイス、お待ちしています。喜んで読みます! ※自分がされて嫌なこと・悲しいことは、絶対にしないでください。

短編小説みんなの答え:6

夏よ、走れ。 【読んでくれませんか?】

「頑張れ頑張れ!みわちゃん!!ファイトだファイトだ!みわちゃん!!」 「うおぉぉぉ!!」 私は走る。夏のリレーに向けて。 小学校では毎年行われる夏のリレー。 赤組、白組に分かれる。今年は赤組に入ることになった。 「ねえねえ、みわちゃん!もう私たち6年生だから、夏のリレーは今年で最後だねー。てか、みわちゃんって足速いよねー」 ギンギラひかる太陽が地面を照らしている中で、緑色の地面の校庭を歩いている最中、クラスの人気者の加奈(かな)ちゃんに話しかけられた。 「そんなことないよ。私、全然足速くないし」 そんなことを言いつつ、走ることだけは誰よりも自信がある。 今日だって、50メートル走のタイムは6秒だったし。 「ほんと、みわちゃんはいいなー みわちゃんは足が早いから、体育の時はみんながみわちゃんのところに集まるじゃん ずるいよー」 私が人気者になれるのは体育の時間だけ。他の時間は、いつも加奈ちゃんが人気者。 「加奈ちゃんの方が人気者だよ」 「えー?そう?やっぱ私って人気者なのかなー まぁ?みわちゃんは陰キャっぽいもんねー やっぱ私だけが!人気者なんだねー」 加奈の笑い方がいつもと違った。少し私を下に見るような感じだ。 「う、うん…」 陰キャっぽいって言われて、傷ついた。でも、反論してはいけない。加奈ちゃんの周りにいる人たちに、怒られてしまう。 もう、加奈ちゃんとは関わらないでおこう… 「おはようございます。」 ある日の朝、私はいつものように教室に入る。 1時間目は体育だなー。 そんなことを考えながら、机に向かう。 ??? 机が汚い。マッキーのようなペンで、「消えろ」とか、「あんたなんかマジいらない」と書いてある。 なんで??? 今まではみんな応援してくれて、体育の時だけだけど人気者だったし、私に優しく接してくれていたのに… どうして??? 目から自然に涙が溢れる。 視界が揺れる。 ポツリと体育着に滴が落ちた。 「ふふっ」 後ろから、笑い声が聞こえる。 虐められてる?? 「よーい!ドン!!」 涙のあとは消えて、というか必死に消して、体育の時間を迎えた。今日も50メートル走だ。 次々と私の番が近づいていく。 ドク ドク ドク 怖い。心臓が悲鳴を上げている。 どうしよう… 「よーい!ドン!!」 順番が回ってきてしまった私は、頑張ってスタートを切った。 思うように走れない。 あれ…また視界が揺れている… 怖い。また、机に落書きされるのではないか。 怖い。傷つく言葉を、言われるのではないか。 もっと視界が見えづらくなる。 大丈夫。大丈夫。 嘘を吐いて、繰り返した。 キーンコーンカーンコーン コーンカーンキーンコーン 6時間目が終わった。 もう学校を出られる。 とたとた、と歩く私。私の足は、どこかへ向かっていた。家でもない、どこかへ。 1時間ほど歩いて、着いた場所。そこは、私が住んでいる街全体が見える丘だった。丘と言っても、とても低い丘。 ゆっくり斜面を登って頂上にたどり着くと、綺麗な街が見えた。 「あれが、私の住んでいる街…」 思わず、こぼれた。 色とりどりの屋根の色が、とても綺麗だ。 土の上に、体育座りをする。 「みわ!!」 ふと、後ろを振り向く。そこに立っていたのは、親友の優香(ゆうか)だった。 「どうしたの…?」 「朝、みわの机に落書きされてたでしょ!心配になってたんだけど話しかけられなくて…帰り、みわの後ろ、着いて来ちゃった」 ハアハアと息を荒らしながら言う優香。そんなに心配しなくてもいいのに… 「ちょっとごめん」 優香はそう言って私の隣に座った。 「大丈夫なの?」 優香は親のように聞いてくる。 「だ、大丈夫だから…」 どうしてだろう。目が熱い。 「私、力になるから…!」 そう言いながら抱きしめる優香。 目から一粒、涙が溢れる。 「ありがと…」 優香はハンカチを差し出してくれた。 「抱え込まないで。一緒に戦おう。」 「うん」と衝動的に答えてしまう。 「じゃあ、また明日!塾に行かなくちゃいけないからさ。」 速く家に帰らないといけなかったのに、ここに来てくれたんだ、と思うと、頬の川は海になってしまった。 次の日。 もう、4時間目だ。 夏のリレーに向けて、今日も50メートル走。 順番が近づいていく。 でも、怖くない。 私には味方がいる。 「よーい!ドン!」 私は勢いよく駆け抜けた。 世界が変わった。 私はズンズン走った。未来に向けて、ズンズンと。 今年の夏はいつもとは違う。 夏よ、走れ。

短編小説みんなの答え:6

未来へ繋げる菜の花畑

 パパのところにいこう。  私は小さな娘に言った。菜々花はきょとんとした顔をして、こちらを見つめた。あの人譲りの猫のような大きな瞳と桜色の頬。その顔を見ると、どうしても彼のことを想ってしまう。  死のう。  そう思った。菜々花と一緒に。もう彼がいない世界は辛すぎるから。 「……菜々花ちゃん、パパのところ行こう」 「パパのところ?行きたい!」  菜々花の小さくてふにふにしている手を包み込む。暖かくなり始めた風が私のスカートを揺らす。 「悠祐……」  どれだけあなたを想っても、もう会えない。だから今から行くね……。菜々花と一緒に。  数年前のことだった。21歳の私は、幸せの絶頂にいた。今日は大好きな悠祐との久しぶりのデート。精一杯おしゃれをして家を出た。。悠祐に可愛いって言ってもらいたい。  集合時間の10分前、それなのにあなたはそこにいた。 「ごめん、待った?」 「俺が早く来すぎちゃっただけだよ」  悠祐はどこか幼い顔をしていた。猫のような大きな瞳と、桜色の頬。とてもかっこいい。 「今日は、清香をつれていきたいところがあるんだけど……」 「悠祐と一緒だったらどこでもいいよ!」  悠祐は行き先を言わずに電車に乗り込んだ。20分ほど電車に揺らされ、結構山奥へ入ってきた。 「ねえ、どこに行くつもりなの?」 「もう少しだから、ついてきて」  電車を降りてから、山の方へ歩いた。少しして、悠祐が私の目に大きな手を当ててきた。目隠し状態だ。 「え、なに?」 「大丈夫だから、ちょっとまってね」  手から伝わる彼の温度を感じながら、恐る恐る歩いていった。 「よし、もういいよ」  悠祐がそう言ったのは、結構歩いてからだった。目隠しがやっと解かれる。  その瞬間私は息をのんだ。そこは菜の花畑だった。 「ごめん、あんまり興味なかったかな?」  見とれて何も言わなかった私を不安に思ったのだろう。不安そうな彼を愛しく思いながら首を横に振った。 「すごい、綺麗だね。つれてきてくれてありがとう」  悠祐の手をとって、指を絡める。私、悠祐が好き。 「ねえ清香……」  悠祐は声のトーンをおとした。悠祐の大きな瞳が私をしっかりととらえる。 「結婚しよう」  心臓がどくんと鳴る。涙がこぼれた。 「え、ごめん!泣くほど嫌だった?」  おどおどする悠祐がおかしくて、少し吹き出しながら首を横に振る。 「うれしい」  やっと言えた。悠祐は私を抱き締める。私も抱き返した。幸せすぎて、幸せすぎて、たまらない。出会ってから6ヵ月。付き合って5ヵ月のスピード結婚。それでも良い。悠祐が大好き。それから少し菜の花畑を見つめてから、帰路についた。横断歩道に差し掛かったとき、幸せの絶頂にいた私たちは、気づかなかった。信号無視をしてこちらに突っ込んでくる大型トラックに。 「危ない!」  悠祐が気づいたときはもうトラックは私の目の前まで迫っていた。 「いやあぁっ」  耳をつんざく男が鳴り響く。トラックにひかれたはずなのに、なぜか私は尻餅をついただけだった。そしてひかれたのは……  悠祐だった。  悠祐が私を突き飛ばして助けてくれたのだと、時差で気づいた。 「悠祐っ!!」  腰の痛みなんて気にならなかった。血だらけの悠祐にかけよる。 「悠祐!悠祐!!」  悠祐はすぐに救急車で運ばれたが、  死んだ。  悠祐は、死んだ。  悠祐は私を守ってくれたのだとずっと思っていた。でも違った。悠祐が守ってくれたのは「私たち」だった。私のお腹の中に赤ちゃんがいることが分かったのだ。もちろん、悠祐がいない世の中で喜べないし、たった1人で子育てする自信がない。すぐに悠祐のあとを追おうと思った。でも、友達の支えもあって、私は無事、菜々花をこの世に産むことができた。  これが、私の過去だ。私は菜々花と一緒に死ぬつもりだった。しかし、その前にあの場所に行きたいと思った。電車で20くらい揺られ、それから少し歩いた。目的地の少し前になると私は菜々花の目に手をやり、目隠しをした。 「なあに?ママ」 「あと少しだから」  そして、ついたら菜々花の目隠しを解く。菜々花の顔がぱあっと明るくなった。ごめんね、ごめんね菜々花。これから未来を奪うことになって。  そのときだった。春風と共に彼の声が聞こえたんだ。 「頑張れ」  しかし、どこを見渡しても悠祐はいない。いるのは、菜々花だけ。でも悠祐はいないけど、菜々花がいる。それは、悠祐が最後に残してくれた宝物。  私にできることはあなたを忘れないことと、あなたが残してくれた小さな命を未来へ繋げること。もう死ぬなんて言わない。  優しい春風が「私たち」を包みんこだ。

短編小説みんなの答え:1

宇宙と彼方と月光バースデー

「宇宙(そら)!宇宙!」 煩く、俺の名前を呼ぶのは彼方(かなた)。彼方は、星やら月やら天文学的なことが好きな、俺の友達。 「なーに…。うるさぁい!」 俺は思わず大声で怒鳴ってしまう。だって、休日の早朝から自分の名前を呼ばれている。近所に聞こえて恥ずかしいし、とりあえず鬱陶しい。しかも今日は土曜日。まだ平日の疲れが取れてない。それに、今日は夜まで疲れを残したくないのだ。なぜかというと… 「宇宙ぁ。まだぁ?」 「はぁ…。星川広場で待ってて~。」 「オッケー!」 と彼方はいい、広場の方へ駆けていった。 『今日は、十五夜です。…』 テレビをつけると、ちょうどやっていた。そう、俺が疲れを残したくない理由。今日は十五夜。それを見るために、だ。まぁ、もちろん彼方と一緒だけだけど… 俺は、母親が残していった朝飯を急いでほうばる。支度をして、広場へと向かった。 「宇宙遅いよぉ~。」 「ん、悪りぃ。で、何かあったの?」 「えっと、今日一緒に月見るよね?話したいことがあるんだ。ただ、これだけ。じゃあ、また六星丘公園でね。」 「え、あ、ちょっ。」 …なんだか、いつもの彼方と違かった。真剣な、顔だった。困惑する感情ともう一つ、寂しさという感情があった。 「彼方、忘れたのかなぁ。俺、今日誕生日のこと…。」 そう、今日は十五夜であり、俺の誕生日でもあった。だから、最高の誕生日だろうなぁ。なんて仄かに考えていた。でも、親友に忘れられているかもしれない。ちょっと、切なくなった。 夜。上を見上げる。 「…きれーな月。」 望遠鏡を抱えて、丘へ駆けていった。 「おーい彼方。きたぞ。」 「おーす!宇宙。お昼前ぐらいぶり~。」 「で、話って何?」 俺が問うと、彼方は真剣な目になった。俺も、ビリビリと緊張感がする。彼方は深呼吸をすると、口を開いた。 「宇宙、まず誕生日、おめでとう。」 あぁ、忘れられてなかったという安心感。それと、“まず”という言葉に緊迫する。 「そして、僕ね…宇宙人なんだ?」 「は?」 唐突な言葉に、言葉が漏れる。宇宙人なんて、いるはずない。 「な、何言ってんだよ。かな…た…?」 彼方を見ると、触角が生えていた。まるで、宇宙人見たいな。 「えへへ、これで信じてくれた?いきなり、ごめんね。でも、今日言っておきたかったんだ。」 「なんで、そんなこと言うんだ?彼方…。まるで、今日が最後みたいな…。」 「宇宙は勘が鋭いね。正解。今日が最後だから、だから、宇宙に、最高の誕生日をあげる。」 そう、彼方がいうと、俺たちの体がふわふわと浮いた。 「うわっ。」 思わず、目を瞑る。すると、彼方が笑って言う。 「目開けて見てよ。すごいよ?」 目をゆっくり開いて見た。すると、ぱぁっと、明るい月が目にいっぱい広がる。 「わぁ…。」 眩しさと凄さに、声が出なくなる。横の彼方をふと見ると、すごく、切なそうな目をしていた。 「宇宙。2回目だけど、誕生日おめでとう。どう?嬉しい?」 「…うん。嬉しい。とっても嬉しい。でも、」 「でも?」 「彼方が居なくなるかもしれないって思うと、悲しい。なぁ彼方、明日も、その先も、ずっと、一緒にいられるよな?」 彼方は、また切なそうな目をする。 「かな…た…?」 彼方の名前を呼ぼうとしたら、なんだかふらっとめまいがする。その瞬間、目の前が真っ黒になった。 「さようなら。」 彼方の声が、かすかに聞こえた。 「ん、んん…?」 目が覚める。いつの間にか、家にいた。カーテンから、朝日が差し込む。 「…彼方。」 俺はすぐに着替える。朝飯も、食べずに、家の扉をバンッと開く。彼方の家まで、駆けていった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー どうも、(´・ω・)丸です。最後まで読んでいただきありがとうございます。最後、彼方はいたのか いなかったのか。それは、皆さんのご想像にお任せします。では、ご感想などお待ちしております。

短編小説みんなの答え:10

アナタのためなら…(微ホラーかも)

『センパイ。もし…困ったことがあったらナナに言ってくださいね?どんな些細なことでもいいので。ナナ、センパイのためなら出来る限り頑張りますから』 最初は心強いと思っていたこの言葉は、悪魔の言葉へと変化した。もう、あの頃には戻れない。 遡るは、半年前。俺は部活の後輩であるナナという少女から告白を受けた。俺もナナが好きだったから、すぐにOKを出した。数日後にデートの約束もした。 初デートでは遊園地へ行き、その日は何事もなく楽しく過ごした。そして、帰り際にこんなことを言われた。 『センパイ。もし…困ったことがあったらナナに言ってくださいね?どんな些細なことでもいいので。ナナ、センパイのためなら出来る限り頑張りますから』 聞いたときは可愛い、としか思わなかった。だから、この言葉に込められた深い意味を考えずに 「ありがとう。何かあったらすぐに相談するよ。また遊ぼうな。」 と言った。ナナは嬉しそうな顔をして何度も手を振りながら帰った。 俺は言われた通り、何かあったらすぐにナナに話した。友達と喧嘩したり、親と喧嘩したり、近所のおじさんと喧嘩したり…反抗期の俺は何かと喧嘩することが多かった。ナナはどんなときもずっと真剣に聞いてくれた。 しかし、これが悪夢に変わっていくことをまだ知らなかった。 付き合って半年後。ナナが家に泊まりに来た時に、近所のおじさんと大喧嘩をした。殴られて、叩かれて、蹴られて…俺は怪我をした。ナナは何も言わずに手当てをしてくれた。 「ごめんな、怖い思いさせて…」 『大丈夫ですよ。でも…今日は帰ります』 ナナの瞳には色彩がなかった。なんだか不安になり、家まで送ろうとしたが怪我のせいで動けなかった。 その翌日…なんとおじさんが亡くなった。 金属バットで頭を殴られたらしい。 その時、ふと嫌な考えが頭をよぎった…が頭を振り、考えを消した。 放課後、ナナは看病しに家に来てくれた。俺は、恐る恐るナナに聞いてみた。 「おじさんの件、知ってるよな?ナナ、何か知ってる?」 『特に何も…』 「だよな…ごめん」 『それより…親御さんは?』 「父は仕事。母はお茶してるよ」 『え?』 「昔からそうだった。酷いんだよ。俺が熱出した時も俺を置いて遊びに行くし。まぁ俺はナナが居ればそれだけで…」 『…ふぅん』 「っ…!そ、それよりナナ…時間…」 『あ、本当だ…すみません。また来ます』 何故か急にナナが怖くなり、ナナを帰してしまった。 しかし夜になっても母が帰ってこない。怖くなり、気を紛らわすためにテレビをつけた。するとニュースがつき、殺人事件の話が出ていた。 「またかよ…この辺で最近多いし、怖いな…って…え?」 なんと、知ってる道が映った。そこは母がよく行くカフェから少し離れた道路だ。母は確か、今日もそのカフェへ行っていた。 俺はゾッとした。ニュースは容赦なく現実を突きつけ、実際の映像にて、母らしき人が刺された瞬間が映っていた。そして、その刺した女も見覚えがある…何時間か前に見た髪型、服装、体型だ… 身体中に寒気がした。まさか…まさかだけど…信じたくないけど…おじさんの事件も…今回の事件も… ナナが…? すると、携帯がなった。ナナからだ…俺は恐る恐る電話に出た。 『ナナはこれからもずっと…あなただけのために尽くします。出来る限り頑張ります。お代はナナとずーっと一緒に居ること、で良いですよ♪』 俺は言葉が出なかった。今になってあの日の言葉は恐ろしかったとわかった。だけど…気づいた時はもう遅かった。 『センパイは、ナナが守ります。さあ、次は誰にどんなことをしますか?』 「ナ、ナ…」 『ウフフ…もう後戻りなんてできませんからね♪次のターゲットはだあれ?ナナ、どんなことだってしますよ』 ナナは一呼吸置くと、こう呟いた。 『…アナタのためなら』

短編小説みんなの答え:13

父からの『手紙』

愛永(あいな)「お父さんなんて大っ嫌い!もう一生顔も見たくない!」 あんな事を言って何年経ったのだろう… あの喧嘩から約4年…あの時から一度も父と話していない。 喧嘩の理由はというと…中学受験の為の勉強の時間が短いという理由だ。 平日5時間、休日10時間はしていた。 なのに父には 「もっと勉強しないと受からない。」 「短い」「休日15時間はできるだろ。」 そんな事ばかり言ってきた。 確かに今思えばもっと出来たかもしれない。 でもあの頃の限界が10時間だったから… そして私はストレスが溜まって父に言ってしまった。 それがきっかけで喧嘩が始まってもう4年も経ってしまった。 愛永『はぁ…今日こそは謝ろう…』 いつもそう思うが体が動かない… なんで?どうして?謝りたいのに…ごめんなさいって言いたいのに… 父と母が病院に行って4時間が経った。 実は最近父の様子がおかしかったのだ。 毎日しんどそうで… 愛永『まだかな…』 そう思っていると母が帰ってきた。 愛永「おかえり…お父さんは?」 母「お父さんね、癌なんだって…だから入院になったの。大した事ないとはないってお父さん笑って言ってたけど…」 愛永『え…』 私は頭が真っ白になった。 母「お見舞いに行って謝ったら~?お父さんも鬼じゃないんだから謝ったら許してくれるわよ。」 愛永「うん…考えとく」 そう言って自分の部屋に向かう。 ベッドに寝転がり、私と父が仲直りした時の事を思い浮かべてみる。 愛永『え、、どうして涙が。』 気がつくと私の目には涙で溢れていた。 愛永『お父さんの事…大好きだったのかな…お見舞いに何か作って持って行こうかな、』 そう思い私は父が大好きな野球のキーホルダーを作ることにした。 野球のボールにバッド。初めてフェルトで挑戦してみた結果、意外に可愛く作れた。 愛永『これ…喜んでくれるかな』 そう思いながら時計を見るともう11時。 愛永「やばっ!寝ないと。」 そして私は眠りについた。 そしてお見舞いに行く前日の事。 病院から電話がかかってきたそうだ。 「奥様ですか?旦那様がすごく危険な状態になっています。今から病院に来てもらうことは可能でしょうか?」 母はメイクもしないで家を飛び出し病院に向かった。 その日は私は部活があって病院に行けなかった。 母「貴方!」 そこには苦しそうにしている父の姿があった。 父「もう、無理かもしれん…今まで世話になった。これ、俺が死んだ時に愛永に渡してくれ。」 そう言って母に手紙を渡した。 母「えぇ…わかったわ。」 父「よろしくな…こんな俺だけど愛してくれてありがとう」 そして父は静かになり気づいた頃にはあの世に旅立っていた。 母「今までありがと…」 静まり返っている中私は病院からの電話を受け、早退して今病院に着いた。 愛永「お父さん!」 私は目の前に広がる光景に驚きが隠せなかった。 愛永「え、嘘でしょ…ねぇ、ホントなの…?」 母「愛永…これ。お父さんが貴方に書いた手紙。」 そう言って私に渡して母は病室を出た。 その手紙の封筒には震えた字で『愛永へ』 と、書いていた。 私は手紙を読み始める。 愛永へ この手紙を読んでいるということは俺がもう、あの世に飛び立ったということでしょう。 この約4年間。俺は毎日愛永の事で頭がいっぱいだった。 どう謝ろうか…どうしたら仲直りができるか… でも、こんな形でしか謝ることができなかった。 あの時は本当ごめんな。 話は変わるが、愛永の名前の由来知っているか? 愛するの『愛』に永遠の『永』。 愛されるの『愛』に永遠の『永』。 いろいろな人を永遠に愛し愛される人になって欲しいと思い付けた名前だ。 俺は凄く愛してた。 でも、こんな俺に愛されても愛永は嬉しくないだろうな。 本当にごめんな。こんな親で… そして、生まれてきてくれてありがとう。 そして数年後、かっこいい旦那さんを連れて、大人になったお前を俺に見せてくれ。 父より 手紙を読み終わった時手紙には涙が数滴垂れていた。 愛永「もっと早く謝ってれば…」 悔しさと後悔のあまり涙が止まらなかった。 愛永『こんな私を愛してくれてありがとう…』 そして数年後。 私は結婚し、旦那さんを連れて実家に帰った。実は夢を叶える為実家を離れていた。そして今、父との約束を守る為旦那さんを連れて帰ってきた。 私は仏壇の前に座る。 愛永『お父さん。私大人になったよ』 心の中で呟いた。 あの手紙は、あのキーホルダーと一緒にお守りとして毎日持ち歩いています。 父が見守ってくれている気がして…

短編小説みんなの答え:2

窓から見る満月

清潔感のある、真っ白な病室。窓には、満月が覗いていた。 目の前にいる彼女は、ぼんやりと満月を見ている。 急に不安になった。このまま彼女が、満月に吸い込まれてしまうのではないかと。 「満月、綺麗だね」 月を見たまま、彼女がそう呟いた。 「うん、そうだね」 僕は肯定することしかできなかった。 彼女と同じように、満月を見つめる。 「また一緒に、見れるかな」 彼女が振り替えって、僕を見た。その瞳には、涙があった。 彼女の手を握った。胸が苦しい。 「見れるよ、見よう。二人で」 もう遅くないんだ、先に逝ってしまうんだ。もうすぐで、彼女に触れられなくなってしまう。 出会いがあれば、別れがある。 そんなこと、知っていた。でも、いざ別れが来ると、とても苦しかった。 泣きたかった。でも、苦しいのは彼女の方だ。 「そうだよね。でも、今度は」 彼女が僕を抱き締めた。彼女の腕は枝のように細かった。 「窓越しじゃなくて、外で見たいな」

短編小説みんなの答え:1

最終電車

僕は俊介。山間にある村、静水村出身だ。今夜は、静水線が廃止されるので最終電車に乗る。 23:15、高坂駅 高坂市は、人口70万人のそこそこ大きな街だ。 今は静水線の起点であり、高坂市の中心駅の高坂駅にいる。 「まもなく、一番線に、静水行きの最終電車がまいります。白線の内側までお下がりください。 電車に乗り込む。 「次は、北高坂、北高坂です。」 23:25、北高坂駅 この辺りから田んぼが多くなってきた。 「次は、岡本、岡本です。」 23:37、岡本駅 岡本郡岡本町に入った。 田んぼと民家と町役場が立ち並んでいる。 「次は、坂田、坂田です。」 23:40、坂田駅 岡本郡坂田村に入った。 周辺風景は岡本駅と同じような感じだ。 「次は、北坂田、北坂田、静水登山事務所前です。」 ここから静水山に向かって電車は突っ走っていく。 23:55、北坂田(静水登山事務所前)駅 坂道の途中に駅がある。あとは森と数軒の建物があるくらいだ。 「次は、南静水、南静水です。」 24:00、南静水駅 日付が変わった。あと10分ほどすれば、静水駅だ。 ロープウェイの乗り場がある。この辺りに静水山の頂上がある。静水川の源流もこのあたりにある。南静水駅の周辺は景色が非常にいい。 実家もこのあたりだ。 「次は、終点、静水、静水です。」 「まもなく、終点、静水、静水です。車内にお忘れ物、特にお土産、貴重品、思い出などのお忘れ物がないよう、お降りの前に今一度ご確認ください。車内に不審物や、不審者を見かけましたら、駅係員または、乗務員までお知らせください。67年間、静水線をご利用いただき、ありがとうございました。」 24:12、静水駅 終点の静水駅だ。岡本郡静水村は静水山の中腹にある村だ。駅周辺は、商業施設や民家、村役場などが立ち並ぶ、中心部になっている。駅から少し歩いたら、谷川や登山道、森が見えてくる。 僕は電車を降りた。 僕の目からは、涙が出ていた、小さい頃から静水村の中心部や高坂に行く時にずっと静水線を使っていたからか。 今夜は、タクシーで実家に行こうと思う。 作者です。過疎化が進むと、路線廃止は避けられない出来事になってしまいますね。 情景が思い浮かぶように、情景を表す言葉をたくさん使ってみました。よろしければ、感想をお寄せください。

短編小説みんなの答え:4

【短編小説】【恋愛】 冷徹令嬢の恋は叶わない

「…よろしく」 中2最初の席替えで隣になった四条姫鞠(しじょうひまり)はぶっきらぼうにそう言った。 氷のように冷たい性格から、姫鞠には『冷徹令嬢』というイメージがある。 彼女は大手企業の社長の娘、すなわち令嬢である。 俺、雨宮蒼(あめみやあおい)は彼女に一目惚れをした。 姫鞠は、テストでは常に学年1位、運動神経もトップクラス、成績はオール5という優等生。 しかも、美しい。 そこらの男子なら、姫鞠が瞬き一つするだけで彼女の虜になってしまうだろう。 今までに彼女に告白した沢山の男子たちがいるが、全員振られている。 彼らは、こう言われたそうだ。 「私、『恋』とか、出来ませんので」 意味は、誰もわからない…… 「うわ、今日日直かよ…」 朝、俺は思わず声を出してしまった。 …急に独り言言ってる、ヤバイ奴だと思われてないといいが。 姫鞠も日直のようだ。 さて、花に水遣りするか…と思うと、既に土が湿っていた。 急に、後ろから声をかけられた。 「雨宮君」 俺は一瞬ビクッとしたが、平静を保って振り向いた。 「水遣り、私がやっておきました。あと、黒板消しと、机の整頓も終わってます。 放課後も、雨宮君は先に帰ってくれて構いません」 親切なのか、嫌味なのかわからない言葉だ。 「俺も日直だから、放課後一緒にやるよ」 俺は言ったが、姫鞠は無視をして、離れていった。 「ちょっと雨宮君!全然出来ていませんよ!ちゃんとやりなさい」 「やってるっての!」 放課後、軽く喧嘩になっているが、それどころではない。 実は、この時告白をしようと思っているのだ。 振られる予感しかしないが…… 「な、なぁ四条」 彼女はぎろりと睨んだ。俺は弱さを見せないよう、しっかりと話した。 「実は俺、四条の事が……す、好きで…」 彼女は辛そうな顔をして口を開いた。 「…何度も言っているから、もう雨宮君も知っていると思ったのだけれど…。 私、『恋』出来ませんので。諦めてください」 俺はとっさに口を開いた。 「…何でだよ!何で、恋が出来ないって全員に言ってるんだ? 理由が、なんかあるんだろ?教えてくれ!」 彼女ははぁ、とため息をつくと、静かに話し始めた。 「私、中学を卒業したら海外の高校に行くって、決まってるんです。 きっと、もうこの日本に帰ってくる事はありません。 …お母様とお父様の決め事に逆らう事は出来ないのです。 そして、海外で高校、大学を卒業した後は、決められた男の人と結婚します。 ……私の意思なんて、どこにも入っていませんよ。全ては親の判断です。 私…本当は………ぐすっ」 姫鞠は溢れた涙を必死に拭いながら続けた。 「本当は、『恋』したかった…。私は、雨宮蒼の事が大好きなんです。 でもそれは……絶対に叶わない『恋』だから、少しでも君の事を忘れるために突き放してた。 私のわがままで、君が嫌な思いをしていたらごめんなさい… だけど、私の運命だけは、どうしても変えられないの…」 俺も泣いた。 俺たちは黄昏時の教室で二人、抱き合って泣き続けた。 あれから1年以上経った。 中学を卒業し、姫鞠は飛行機に乗って旅立つ時が来た。 俺と姫鞠は、空港で最後の挨拶を交わす。 「今までありがとう、蒼君。私の事、忘れないで」 「こちらこそだ、姫鞠。……婚約者と、どうかお幸せに」 俺と姫鞠は、お互いが愛用していたシャープペンシルを交換した。 これで、忘れる事はないだろう。 姫鞠は、最近やっと見せるようになった笑顔で言った。 「もう、行かないと。さようなら……『蒼』」 初めて彼女は『蒼』と呼んでくれた。 俺の目から、また涙が溢れた。 彼女はくるりと背を向けて、歩いていった。 彼女も泣いていた。 彼女の歩く道にぽたぽたと、涙が一滴一滴落ちていく。 俺は、姫鞠の姿が見えなくなってもなお、ずっと手を振り続けた。 end 読んでくださってありがとうございました! ニックネーム変えました。 結ばれたけど結ばれない(?)お話を書いてみました。 おかしなところがあるかもしれません… 温かい目で見てください(^^;; 感想、もし良ければコメントしてください!

短編小説みんなの答え:1

二人で不幸になるくらいなら、なんて。

暎太、そんな、なんで? 酷いよ、私をおいてゆくなんて。 ピピピ 無機質な目覚まし時計の音が静かな部屋に響く。 その音で夢から意識が現実へとゆっくりと戻された。 眠さで下がってゆく瞼を無理やりこじ開け、今日の予定を思い出した。 「ふぁー」 大きく伸びをして、「あぁ、そっか。今日はレストランだっけ」なんて誰もいない部屋でぽつりとこぼした独り言には勿論だが、誰も返してはくれない。 今日は彼氏の暎太との久しぶりのデート。 楽しみすぎて、口角が意識せずとも上がってくゆく。 彼にしては珍しくお高いレストランの予約をしてくれたそうだ。 付き合い始めてもう4年だから、プロポーズなんかだったりして。 「うふふ」 思わず笑みが溢れてしまった。 この日のためだけに買った黒いレースの上品なワンピース。 着てみれば、いつもの私より自信を持てる気がする。 いつもより少しメイクも濃くしてみたり。 最後に真っ赤のリップを唇にほんのりと色づければ完成だ。 高いヒールを履いて、待ち合わせのレストランへと向かった。 キラキラと輝く街。 綺麗だな、なんて少しだけ考えてみたりしては、あぁ私、浮かれてるなぁ、なんて客観的に思う。 いつの間にかついたレストランは余りに煌めいて、眩しいくらいだ。 「あっ。暎太」 彼の名前を呼ぶと、眩しい笑顔で「おお!久しぶり」なんて返してくれた。 そう言えば、彼って次期社長だもんね。 このキラキラとした雰囲気がやけに似合う理由は直ぐにでた。 食事をとり、最後のデザートを食べている時だった。 彼が真面目に「なぁ、百合」と話し始めたために「ん?どうしたの」と、白々しい返事をすると「もう、俺たち4年も付き合ってるじゃんか」という言葉に確信を得た。 ドキドキと高鳴る鼓動。 やけに静かな空間。  煌めく星達。 「俺と別れてほしい」 そんな馬鹿げた言葉が耳を貫いた。 言葉を呑み込むにはかなり時間がかかってしまった。 「え?…な、なんで?」 私の慌てた声が響く。 それに対して冷静に「他に好きな人できたんだ」と返される。 怒りなんてものよりも、驚く程の悲しみと切なさと疑問しか浮かばなかった。 レストランを思わず出て走り出し、キラキラと輝く街を横目に人の目を気にせずに涙が零れてゆくのを感じた。 星達さえも、今の私を嘲笑っているようにさえ感じる。 大好きだったのに。 「くそ…」 彼女のいなくなったレストランに俺の声だけが響いた。 俺だって彼女の事を愛していた。 でも仕方なかった、仕方なかったんだ。 このままじゃ彼女の悲しむ様子が目に浮かぶ。 こんな俺とじゃ、最初から駄目だったんだろう。 「二人で不幸になるより、一人で不幸になる方がいいわ。」マリリン・モンローの言葉だ。 今じゃ、この言葉の意味が痛いほどによくわかる。 他の人と幸せになってくれよ。 俺はあと、少ししかないから。 彼女を諦めることは、俺にはできないかもしれない。  だけど、彼女の幸せを願うくらい許してくれ。 な?最低な神様。 星達がキラキラと輝く。 そんな星達さえも、今の俺を嘲笑っているようにさえ感じる。     暎太、そんな、なんで?  酷いよ、私をおいてゆくなんて。 私をおいて死んじゃうなんて。 最後まで、素敵すぎるじゃん。 大好きだよ、愛してた。 でも、彼はもう戻らない。 END 皆さん、こんにちは!しゅがーです!!! 最近、失恋にハマってて、失恋系しか書いてないのだがw 少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。 感想やアドバイスお待ちしています!

短編小説みんなの答え:18

鉄格子の向こう側

私は監禁されている。 一年前、店で売られていた私を買ったのが監禁犯だ。 私は嬉しかった。手に入れる事の出来ない自由を、想像でしかなかった世界を見る事が出来ると思っていた。 だが違った。 青空もなく、空を飛ぶ鳥も居なく、鉄格子の先にある景色は散らかされた部屋だけだ。 寂しいとか、逃げ出したいという感情はすでに失く、部屋の窓の先にある景色を眺めながら毎日を過ごした。 ある日の朝、私は死んだ。 青空に駆けて行く自分を想像しながら、私は息絶えた。 ────────────── ───────・・・ 「ママー」 「ん?どうしたのユミちゃん」 「ハムちゃんがね、動かないの。」 「え!?」 私は慌てて自分の部屋に居るハムスターを見に行った。 家族の一員であるハムスターのハムちゃんが、眠ったように死んでいた。

短編小説みんなの答え:4

蒼く晴れた空

いつもよりも曇っている空。いつか、蒼く晴れる日まで―― 私、朝霞 夏鈴(あさか かりん)。体が弱い私は、お母さんに「皆の真似をしなくて良いの。夏鈴のペースでやれば良いの。」って言われてきた。小さい頃はその言葉が救いになっていた。けど!今は違う。その言葉が私を締め付けている。小さい頃から仲が良い幼なじみの、今泉 優羽李(いまいずみ ゆうり)。この前からずっとやりたかった、ダンス教室に、二人で通い始めた。そこで友達になった、小早川 雫石(こはやがわ しずく)。ダンスが結構上手で、明るい。でもある日、少し体調がわるかったけど、新しい振り付けをするって、聞いていたからダンスに行った。すると、 「夏鈴ちゃんっっ!体調悪いの?だったら、突っ立ってないで、端に行っててくれないっ!?」 雫石ちゃんの声にビックリした私はフラッとしてしまった。けれど、私の体を優羽李が支えて、 「夏鈴は体が弱いのっ!でもダンスをちゃんとやってる!雫石ちゃんは知らないだろうけど、何回か入院もしたことある!でも、ダンスがやりたいから、上手くなりたいから、練習に来てる!それの何が悪いのっっ!」 と、早口で一気に喋った優羽李が肩で息をしている。 「その事は誰も何も行ってないじゃん!体調悪いのに何で練習に来てるか聞いてるのっ!」 (何それっ!私の体調が悪いのは事実。でも、そんな言い方するなんて!) ふらつく体を両足で何とか支えて、優羽李が手を離した瞬間、 「何それっ!?そんな言い方あり?私は確かに体が弱い。でも!だからってだからって!うぅ~ぅ」 泣きたい訳じゃない。むしろ泣きたくないっ!気持ちを奮い立たせて、言った 「私は、好きで体が弱くなったんじゃない!なのに、そんな言い方しないでっっっ!!」 ―――その後の記憶がない。私は倒れて病院に搬送されたそう。1週間入院することになった。毎日、学校が終わったら、お見舞いに来てくれる、親友に我ながら感動する。でも、私に、新たな’’新友’’が加わった。雫石も毎日来てくれる。雫石の明るい笑顔が元気をくれる。そして、、、 「優羽李ちゃんたちの真似をしなくても夏鈴のペースでやれば良いのに、、、」何て言ってるお母さんがいる。自分のペースで、、、か。 ――窓から空を見上げると、蒼く明るい空が、どこまでも広がっていた 【あとがき】 こんにちは!~♪mia♪~です! ここまで読んでくださりありがとうございます! 体が弱い夏鈴は無理をして喧嘩をしてしまいました。自分みたいな~~じゃない人にはわからないっ!てことありますか?私はあります(笑)!そんな人が、このお話を読んで少しでも楽になってくれると嬉しいです♪ アドバイスなどがあったら教えてくれると嬉しいです♪ 長文失礼しました。

短編小説みんなの答え:3

うさぎと私、ねこと親友

作ーレナー。 私、宇佐見 由奈! 今は16歳!みんなからは、子供っぽいって言われてるけど 私!16歳ですよ!、そんな私は、うさぎが大好き! 名前がうさみだからかなぁ? 「莉紗ちゃん!おはよぉ!」 この子は、大親友の、猫又 莉紗ちゃん! この子も名前の通り、猫が大好き! 「由奈!おはよう!!ねぇ、聞いて聞いて! 今日ね!野良猫にあって、遊んでたらちょっとだけ、 なついてくれたんだよ!!」 「そうなの!?野良猫!?私も、野兎とか見てみたいなぁ…」 「なら今度探しに行く?」 「うん!」 次の週の休みの日、私は森へ、莉紗ちゃんと出かけた。 「のぉうさぎ!のぉうっさぎ!』 「そんな簡単には見つからないよ!」 「がさささっ」 「?がさっ?もしかして!?うさぎ!?」 「そうかも!」 「う、う、うさぎだぁ!真っ白でかわいぃ……あれ?背中のあたりに……ハートマーク!」 「ほんとだ!あっ!寄ってきた」 「うわぁ!もっふもふなついてくれた……」 「わたし、お持ち帰りする」 「えぇ!?由奈飼えるの!?』 「うん!うさたんの飼い方は知ってるよ」 かさっ 「みみゃぁ………」 「ね、猫!!」 「かわいい!かわいい!かわいいいい!!!!」 「私もお持ち帰りする!」 「名前、何にしよっか?」 「「あ!」」 「「三つ葉と四つ葉なんてどう?」」 「息ぴったり!なら、このうさたんは、みつばたん」 「私のねこたんはよつばちゃん」 「しあわせになってにゃん!」 その日から、みつばとよつばが来てから私たちの身の回りには、たっくさんの良い事が起こりました。 「莉紗ちゃんと、由奈ちゃん。最近調子良いね なんかあった?彼氏できた?」 「ううん!私たちが飼ってるみつばとよつばはね!幸運を呼ぶ動物なんだよ!」 「………なにそれ?でも、楽しそうで! 私もあってみたいな、みつばちゃんとよつばちゃん!」 「「あっはははは!!!!」」

短編小説みんなの答え:2

ある束の間の休息

「じゃあね~留衣!約束、忘れないでね!」「はいはい、またね~」 友達ともう何回目かも判らない別れを交わし帰路に着く。 偶然部活が無くて友達と遊ぶ約束をしているから家に居るのはほんの束の間である。 長い授業をろくに効かないエアコンしか冷房器具がない教室で終えて制服はビショビショだ。 ガチャ 鍵を開けた瞬間、ドアの前に熱気が立ち込めた。 「…あっつ……」 親の帰りは遅い。 一人っ子。 ペットも居ない。 そんな家に私が帰ってきた時にエアコンなど付いているはずも無く、鞄をベッドの上に放り投げ冷房のボタンを押す。 「レイボウ 24.5°デ ウンテンヲ カイシシマス」 冷たい機械音声が私の帰りを待っていたかのように食い気味に答える。 ゴォォォォ エアコンの風の前に立つ私に冷たい風が吹き付ける。 (あ…そう言えばゼリーあったな…) 脳裏に浮かぶのは昨日寝る直前の記憶。 『留衣ちゃんただいまぁ!ごめんねぇ遅くなっちゃって~お土産に留衣ちゃんの好きなゼリー買って来といたから明日食べてね!お休みなさい!』 綺麗にした化粧も、セットした髪も崩れた母さんが帰って来たのは丁度12時頃。 愛用している香水の匂いが部屋に充満してあまり寝付けなかったのを同時に思い出した。 少し胸を高鳴らせながら冷蔵庫を開ける。冷房の直撃範囲から外れて少し暑いが冷蔵庫の冷気に満たされた狭いキッチンは心地良かった。 (オレンジ…ブドウ…イチゴ…メロン…マンゴー…マスカット…ラ・フランス…) 見るからに高級そうなゼリーは母さんと私という家族構成よりは全然多かった。 一番最初に目に付いたイチゴのゼリーを無造作に取り、スプーンも隣の台から取る。 カチャカチャガチャガチャ 金属同士が擦れる音に思わず顔を顰める。 側から見たら不機嫌とも言える顔でスプーンを台から出し、冷房直撃の特等席に座った。 ぷちっ ゼリーの蓋が開き苺の香りが部屋全体に漂う。 顔に飛んだゼリーの汁を拭い、柔らかなゼリーにスプーンを入れ、掬う。 スプーンの上に乗った赤い物体はまるでルビーの様に輝いていた。 口に入れてゆっくり食す。 予想通りの高級な味で、思わず顔が綻ぶ。 スプーンに映る自分のだらしない顔に上がった口角を戻す。 (あり得ないんだけど…) 家では笑わないようにしてたのに食べ物如きで笑ってしまうなんて不覚だ。 1人で笑うと虚しくなるから。 『留衣ちゃんは1人じゃないよ。お父さんがいつも見てくれてるからね!』 母さんが昔から言っていた言葉が脳内に木霊する。 (そう言えば…) 仏壇のある部屋の扉を開けると埃が舞った。母さんも忙しそうだから最近誰も出入りしていなかったのだろう。 父さんの仏壇に手を合わせる。心を鎮めて… 父さん…私達は元気でやってるよ。母さんは最近帰りが遅いから体を壊さないから心配です。夢にでも出てやってよ。 最近合掌して無くてごめん。 これからは出来るだけやるようにするね。 心の中で唱え立ち上がる。日光に反射する埃はなんだか綺麗だ。 さぁ、持ち物の準備をしよう。 あと10分も無いんだから。 薄い上着を羽織り、バックを肩に掛け、お気に入りの靴を履きドアを開ける。 眩い陽に照らされて鍵を閉めて走り出した。 今日は!詩音です! 見てくれて有難うございます! コメントくれると飛んで喜びます!改善点、質問、良いところ(ある?)くれると飛んで喜びます~ 辛口・タメ口OKです! コメントが沢山ついてて嬉しいです!全部嬉しく、楽しく見てます! これからも私の作品を宜しくお願いします!

短編小説みんなの答え:1

秋という季節

サクサクサク。私は秋の枯れ葉を踏みしめ、さらに奥へと進む。サクサク。 ーふぅ、この音、いつまで聞いても飽きない。サクサク。 思わず笑みがこぼれる。ーついた。 お湯を沸かしながら、ポットにドリップコーヒーを手際よくセットする。持ってきたバッグからホットケーキミックスとタッパーに入れた卵、魔法瓶に入った牛乳を取り出す。 本棚を改造した戸棚に、持ってきたホットケーキミックスをいれ、前に持ってきたものを代わりに取り出す。たなの横の長机にそれらを置く。さらに戸棚の左側から、ボウルとはしを取り出す。 ボウルにホットケーキミックス、卵と牛乳をいれ、はしでよく混ぜ合わせる。泡立て器だとかさばるから、いつもはしケースにはしを入れて持ってきている。ボンベ式の卓上コンロで熱したフライパンを濡れ雑巾で少し冷やし、生地をそそぎ、中火で熱する。 プツプツしてきたら裏返す。いい匂いが辺りに満ちる。ーいい感じ。 お湯が沸騰してきたので、日光充電の電気ポットのスイッチを切り、ポットにお湯をそそぐ。こちらもまた、コーヒーの香ばしく、何とも言えないいい匂いが広がる。私はお気に入りの歌を口ずさみ、フライパンの様子を見ながらホットケーキを数枚焼く。 材料を使い果たした頃に、コーヒーは丁度良い温度になっている。 お皿を一枚戸棚から取りだし、次々にホットケーキを乗せていく。バッグから100均で買った小さめの瓶を出す。瓶には、お母さん特製のブルーベリージャムが詰まっている。これがまた絶品。 マグカップにそそいだコーヒーとホットケーキを木の丸テーブルにうつし、木製の椅子に座る。 「はぁーーーー……」 思わずため息が漏れた。コーヒーを一口飲む。おいしい。ホットケーキの横の空いているところにジャムを取り、早速、いただく。 私は秋音。高校一年。 ここは、森の中の小屋。 森を散策していたときに見つけ、割と綺麗だったので誰かすんでいるのかと思って覗いてみたが、人はいなかった。それから数日間通ったが、人はいない。そこで私は小屋の中に入り、歩き回ってみることにした。 「お邪魔しまーす……」 靴を脱いで上がる。床には少し埃が積もっていた。そこで卓上コンロを見つけ、丸テーブルも見つけた。 そこから私はもう何年も使っていない本棚を持ってきたり、椅子を作ってみたりした。椅子を作るとき、中学の時、技術の授業真面目に受けておいてよかったな、と思った。 毎週土曜日にここに来て、掃除をしたりお菓子を作ったりしている。 ここでのひとときがとても安らぐ。 「さて、と。」 私は残ったホットケーキをラップに包み、ジャムと一緒にバッグに入れた。魔法瓶にポットのコーヒーをいれる。今日、意図的に多く入れた牛乳と一緒になって、おいしそうだ。一口、飲んでみる。これもこれでおいしい。魔法瓶もバッグに詰め、小屋からでる。 それから私は森の中を歩く。これがいつもの日課。十分ほど歩いたら、小屋があるところみたいな、ひらけた丘に出た。下を見たら知らない町があった。ー今日はここ。 レジャーシートを敷き、持ってきたコーヒー牛乳とホットケーキをほおばる。 まもなくお腹一杯になり、レジャーシートに横になる。わたしの真上には秋の、空気が綺麗なすみきった青空があった。 私はこの季節が一番好きだ。目を閉じる。 私には、夢があるー コーヒーとホットケーキの焼ける匂いが辺りに満ちている。ー急がなくちゃ。店内は落ち着いた雰囲気だ。数人の客が談笑している声が耳に心地よい。 ーチリンチリーン 「いらっしゃいませ!」 私は顔を上げ、ニコニコしながら挨拶する。 あの、懐かしい改装した小屋でー ここまで読んでくれて、有難うございます。 誤字、脱字等あったら何なりと教えてください。

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