短編小説の相談いちらん
短編小説
みんなが作った短編小説のコーナーだよ。※2024年9月30日までの投稿で受け付けを終了いたしました。
「自分らしく生きる方法」by花江さん
人物紹介 花江さん・・・誰もが羨む完璧な存在。(女性) 執事くん(主人公)・・・花江さんの初の執事 女性・・・完璧な存在の花江さんを妬んできた人 その瞬間、花江さんはビンタされた。張り飛ばされた頬が赤くなっていた。 「このバカ!」 その場の空気が凍りついた。誰も今の状況を理解できていなかった。 「あんたなんか要らないのよ!バカ!どうせあたしはモブキャラ!! いっつもいっつもあんたが主人公なんでしょ!?どうして…。あんたなんか…あんたなんか誰も好きじゃないんだから! どうせ皆金目当てよ。誰も愛してなんかない!!」 彼女の目はカッと見開いていた。うっすら涙が浮かんでいるようにも見える。 花江さんはじっとその目を見ていた。 「こっ…この…しっ、死ね!!」 暴言を吐き続ける女性を前に僕は焦り、どうすればいいのか分からなかった。ただずっと汗の滲む拳を 握りしめていた。何をすればいいのか、全く分からない。 彼女は涙に埋もれて、顔には妬みがこれ以上無いぐらいに出ていた。眉間にはシワがよっていた。 僕が花江さんの方を見ると、花江さんは僕の頭に手を乗せ、耳元で 「大丈夫だよ、執事くん。」 と囁いた。僕は花江さんの目を見た。花江さんは女神のように優しく微笑んでいた。 花江さんは堂々と彼女の前に立ち、口を開いた。 「もうそれ以上感情を表に出すのはやめなさい。せっかくの顔が醜くなりますよ。」 花江さんは変わらず女神のような笑みを彼女に向ける。 「私は勇ましい勇者でも、かわいいヒロインでもない。私は私よ。 キャラなんていう曖昧なことばじゃ表せない。決して、誰かの思う通りには動かないわ。」 「違うじゃない!あなたは、お金持ちで、顔も良くて、頭も良くて性格もいい!!私なんかより性格もいい…。 いつでもみんなの期待通りの存在…誰もが羨む存在!!私たちとは違う世界の人間なの!!」 彼女が必死で罵倒しても、花江さんは動じない。 「私は長女だった。本当なら男が生まれてくるはずだったのに、私なんかが生まれてきてしまったの。 私は生まれた時から失敗作で、邪魔者扱いされてきたわ。なのに何も知らないみんなには羨まれ続けてきた。弱 い誰もいないところでずっとも泣いてたわ。だけど私は、もうそんなのに動じる暇はないって気づいたの。 みんなが私を冷たい目で見る中、一人で生きてきたの。みんながどうだろうと、私は私よ。あなたも強く生きなさい。」 花江さんの話を聞いた彼女は何も言えず、声が出ないようだった。 「じっ…じゃあ!こんなことで泣いている私は…私は…私はッ!」 彼女の目からはポロポロと涙が落ちていた。 「沢山泣きなさい。嘘泣きじゃなく、同情でもなく、苦しいから泣いているのよ。 自分に気付けたから泣いているの。今を誇れないと、何も進まないわ。」
彼方の君に告げる
「あれ、おきてる?」 そう言うと、そこにいた少女がゆっくりとふり返る。長い銀髪がゆれ、すき通った青色の瞳がこちらを向いた。 「あ!ひとくん!」 「ふしちゃん、どしたん?夜中ですよ~、よいこはねなさーい」 自分に気づき、ぱっと笑顔になるふしちゃんに俺は軽く笑いかける。 「あのね、お星様を見てたんだ、うーん、お星様って本当に綺麗だよね、人間が地球を捨てて宇宙に行っても。…ねぇひとくん、知ってる?生き物が命を無くした時、空に昇って、お星様になるんだって、わたしも、あんなに綺麗になれる時が来るのかな?」 少女はそれだけ言うと、閤に包まれた空に輝く幾千の星を見た。その身の丈に想応しくないことを言うのは、不死身である彼女が、気の遠くなるような時を生きていたからだろう。 「いやいや、何言ってるんですか?ふしちゃんが綺麗じゃなかったら、俺どうなんのよ」 大人びていて、どこか儚げなげで、それで尚あどけなさを感じる笑みは”化物”には勿体ない程美しかった。地球に残されたのも、もしかしたらわるくなかったかもしれない。”お星様”が俺が人間だった時よりもー層輝いているように見えたのは、都市の光達が消えたからなのだろうか。 「…ひとくんの方が綺麗だよ」 「あったりまえや。こちとら人類最高傑作のお顏ですからね」 自信ありげに言う俺に、すっと彼女は無表情になる。 「なんや?文句でもあるんか」 不服そうに見つめると、無言をつらぬいていたふしちゃんは、ぷっとふきだす。もとから冗談だった俺も笑顔を向ける。 あぁ、ずっとこれが続けばいいのに。 そんなこんなで長く話す内に、光が差してくるのを感じた。昇る太陽に目を細める、そしてまた今日がはじまった。俺は彼女とは違う、それでもずっと、今日を必死に生きていく。”ずっと”が存在しないことを解っていても。 ............ ”ずっと”が存在しないのは解っていた。ひとくんの体だと、この汚れた地球で長く居るのは難しいことも、解っていた。あの深紅の目が光るのはもう、見ることはできない。 「あ、お星様…」 こんな時も相変わらず綺麗な、空の光を見上げる。となりにいるものは返事をしない。いつものような、優しくどこか困ったような笑顔もむけてはくれない。うす茶髪の頭からは、本人が嫌っていた、人間じゃないない印である尖ったツノがのぞいていた。 「そっか、ひとくんはお星様になったんだ、綺麗だね…。よかった、これで自分の事好きになれたよね」 わたしは、わたしの心は汚かった。人によって勝手にも創られた心は氷の如く冷たく、温度を感じることはなかった。しかし、同じくこの星にとり残された、唯ーの生物には動いたのだった。いっしょにいればいる程、心は温かくなったんだ。 「ひとくん、空の上から見守ってくれてるよね、ー人じゃ、ないよね。だったら安心して、さみしくなんて、ないよ…」 動かなかったはずの心はゆれる。涙が頬を伝う。そして空の光にほほ笑みかけた。わたしは、わたしのこれからを笑顔で生きていく。それは、かつて”化物”と呼ばれた、不老不死実験の失敗作のおかげだ。ゴミと共に人間に捨てられた君からもらったものは、数えきれない程あったよ、きっとこれからも、旅人を導く北極星のように、朝をくれた太陽のように、わたしを支えて、心を明るく照らし続けてくれるだろう。だからさ…。 ずっとが存在しないのは解っている、 それでも、星になった化物に、大好きな、彼方の君に告げるーー 「ずっとずっと、忘れない。今まで、本当にありがとう、”ひと”くん」
[SF]理想郷を手に入れて。
青く澄み切った空にいつもの毎日がやってきた。きっとこれからも続く毎日がやってきた。 有象無象でごった返している駅のステーションに、朝日を反射した電車が止まった。流れに乗って私も電車内に入る。 いつもだったら電車内は席の争奪戦が、静寂の間に起こっているはずだった。かといって空いている席もない。 「…今日、日曜日か。」思ったことがぽつりと出てしまった。 電車でいろいろな場所へ旅することが、私のくだらない人生の唯一の楽しみだ。 そろそろ学校にも顔を出さなくては、出席率も足りなくなるし他の人に顔を合わせられなくなる。そう思うだけで体はどんどん重くなる。手すりにつかまって外を眺める至福の時間。颯爽と通り過ぎる私だけの世界。しらない世界へ足を踏み入れると、どうしても自分がちっぽけな存在に見える。それもまたいい、だけど惨めに思える。私はどこにでもいる人間の一人なんだと思い始めてしまう。(なんかもう嫌だな。辛いな。)幸福な毎日に飽き飽きして、飛び出してきた家。幸福だけが幸せじゃないんだ。 ため息をこぼしていると、長いトンネルに入った。視界が一瞬にして黒に塗りつぶされる。一瞬驚いたが、少し間を開けてからトンネルに入ったことに気づく。広大な世界が見えるまで待つ。ふと疑問を持った。(トンネルに入ったとして、異様に暗すぎないか?)そう思った瞬間だった。バッと視界に塗りつけられた黒が消えていった。まるで暗闇でつけたライターの光のように一瞬として。どこもさっきとは違わないはずだった。窓越しから見る空と雲は透明を帯び、黒く深い色の川と異様なコントラストにある。ここはどこだろう?ここは私の世界じゃない。知らない。そう思うと一瞬にして恐怖で体が覆われていくようだった。 電車が止まり、ステーションに降り立った。体が軽い、夢じゃない、体をつねってもいたくない。 世界が美しくて、淡い空気に溶けそうになる。こんなにきれいで、儚い物は見たことが無い。 まるで理想の世界だった。 私は不思議な感覚にとらわれた。もしここが理想の世界だとするなら、私はここで何をすればいいのだろうか?私は自分の望みを叶えることができるのだろうか?私はこの世界に居場所を見つけることができるのだろうか? そんなことを考えながら、ステーションから出てみた。すると、目に飛び込んできたのは、まるで絵本の中のような風景だった。緑豊かな草原に、色とりどりの花々が咲き乱れている。空には虹がかかり、小鳥たちがさえずっている。遠くには青々とした葉を茂らせる山がそびえている。近くには透き通った水を湛えた湖があり、そこには白鳥やカモが泳いでいる。人々は笑顔で挨拶を交わし、仲良く暮らしているようだった。 一瞬で不安なんてものを忘れた。 こんなに美しい世界があるなんて、信じられない。私はここで幸せになれると思った。 私は歩き始めた。この世界をもっと知りたいと思ったからだ。この世界にはどんな人や動物や物があるのだろうか?この世界にはどんな物語や歴史や文化があるのだろうか?この世界にはどんな秘密や驚きや冒険があるのだろうか? 私は歩き続けた。そして、その日から私の人生は変わり始めた。私はこの世界で出会った人々と友情を育み、愛を見つけ、夢を追い求めた。私はこの世界で学び、成長し、楽しみ、悩み、泣き、笑った。私はこの世界で自分自身を見つけた。 私は幸せだった。 とある医者「あぁ、あちらの世界へ入ってしまいましたな。」 とある一般人「また一人、あちらの世界の住人を増やしてしまったみたいだ。」 2XXX年、地球上では最新技術によって生み出された機器により、脳からの電気信号を五感に伝えることが可能となった。 その危機により、「理想の世界」に行くことが可能になった。 一般人「努力のない夢なんて無意味だろうに…。」 医者は問う。「どうしてそう思うのです?あちらの世界に行った人達は、みんな幸せなのです。」 一般人は不満げに言った。「幸せじゃないさ。それはただの妄想だ。現実から目を背けて、自分の都合のいい世界に逃げ込んでいるだけだよ。それが本当の幸せだと思ってるなら、あなたは医者として失格だよ。」 医者は冷静に言った。「私は医者として、人々の苦しみを和らげることが使命だと思っています。あちらの世界に行った人たちは、現実世界で苦しんでいた人たちです。貧困や病気や暴力や孤独に苦しんでいた人たちです。彼らにとって、現実世界は地獄でした。でも、あちらの世界では、彼らは自分の理想を叶えることができます。彼らは自分の価値を見出すことができます。彼らは自分の存在意義を感じることができます。それが幸せではないと言えますか?」 一般人は言葉に詰まった。「どちらの世界を選んでも、幸せになれるならいいんですよ。」そうして医者は、誰もいない世に歩き出した。
“和風少女”
「夢月、あなたはもう普通の子じゃないのよ」 (え?どういうことだろう?) 私は稲藤夢月。(いねふじゆづき)私は言う通り、普通の子じゃない なぜかって?和風少女だからだよ。 和風少女…和風に振る舞い、和を感じとり世の中の人々に“和”を届ける。 私は古くから伝わる和族の一員である稲藤家の娘である。 私にはお姉さんが居る。祭莉(まつり)さんだ。 産まれる前から両親が私は和風少女だ! って言ってたんだってさ。 お姉さんも同じ和風少女だけどお姉さんはもう、 “少女”じゃないから。 “和の女性”と呼ばれて居るよ! だから、一緒ではないんだ! お母さんと呼んでいたのに今では母上だ。 こんなふうに母上が言ってきたから… 「今日から私の呼び名が変わるわよ。和風少女は 覚えなさいね。和風少女は皆、母の事は 母上と呼ぶのよ。さあ、お呼びなさい。」 と言ってきたんだ。 そして、やっと仕事が入った。 夏祭りの仕事だってさ。 えっと、踊り子?!なんて仕事が来ちゃってさぁ。どうしよ。 まあ、頑張るからいっか。 私には和の友達が居るよ。その名は… 原道和真だ。(はらみちかずま) 彼女と友達になったきっかけとしては…あんまりかな。 私は和風少女の仕事を受け入れてから5年目。 じゃ、またね。 3年後 私は3年前の夏祭りを見事に成功させた。 そして、優秀賞を受賞し、トップクラスの和女(わくじょ)にも入れた。 そして、ついに私も和の女性に入れる年齢に。 和の女性の中で代表生徒の5人の中に入れた。 たくさんいい事祭りで嬉しいな。 今後も和を大事に守って行こうと誓った私
じゃあ、また一年後。
今日は君がいる場所に行くよ。 ちゃんと挨拶もしたいしね。 「おはよ、元気?そろそろこっちは春が来るんだよ。そっちはどう?春はもう来てる?」 「…」 相変わらず君は無口。何も喋ってくれない。 そういうところがかっこいいって言うのかな。私には一匹狼じゃなくてオタクに見えるかも…w まあ、アイドル推してたしね。君は。 「今日はね~、君の好きなグループのキーホルダー買ってきたよ!赤くん、推しでしょ?」 そう話しかけても君は答えてくれない。 「…なんでよ……なんで返事してくれないの…?」 そしてポロリポロリと涙を地面にこぼす。 返事しないのにも訳があるんだもんね。 私の幼馴染兼大切な人、そして初恋の相手の「春詩 翔」(はるうた しょう)は 一年前に事故にあって亡くなった。今日がその日なのだ。事故にあった日。 胸が苦しくて。辛くて。悲しくてどんどん泣いて。もう気づいたときには家に帰ってた。助けもせずに。 「…一年後。ここに来てあげるから。待っといてよ!?」 「…わかった」 「え?」 一瞬、翔の幽霊が見えた気がした。それに声も聞こえた。気のせいかな。 でも…行こうかな。一年後はお供物をもっと豪華にしてあげるからね! それまで成仏せずに待っててよね。 《じゃあ、また一年後。》
短編「紅葉」
もう夕方か。こんな所にいると時間が早く過ぎる。 生きることに疲れてしまって、衝動的に少し遠い山に来てしまった。スマホと水しか持ってない。よく2日も生きてたな。 さっきまで雨が降っていたからか空にははっきりとした虹が見える。 夕暮れの空と紅い葉が重なり合う儚い姿を、僕の記憶に擦り付けて、忘れないようにと願う。 僕のスマホには通知がたくさん溜まっている。心配してくれているんだ。 初めて僕を認めてくれた気がして、頬に何か温かいものが伝った。 「…帰ろう。」 そう独り言を呟いて、僕は一歩を踏み出す。 僕の反対側には、もう一番星が輝いていた。 れらです!初投稿です…! クオリティが低い…そこはご愛嬌で またいつか投稿します!会える日を願って!
雨上がり三秒前。
「あ、雨。」 通り雨かな。あいにく、傘は持っていない。 『ねぇ』 どこかで呼ばれたような気がして、振り向いた。けど、後ろには雨の光景が広がっているだけだった。 『ここだよ』 やっぱり呼ばれている。あなたはどこなの? 『ぐいぐい』 手を引かれて、やっぱりそこにいるんだ、と思う。なぜだか、無性に会いたい。 『こっち、こっち。いいモノ、見せてあげるよ』 そうして、名もわからない子に手を引かれ、知らない公園に来ていた。 懐かしいような、懐かしくないような。そう、ふと思っていると、色々な声が聞こえた。 『こっちこっち!』 『おにごっこしようよ』 『ほら、すべっておいで』 『にげろにげろー!』 そして目の前にその光景が広がり始める。 子供が鬼ごっこしている光景。 滑り台を滑ろうとしている子。温かい目で子供を見守っているお母さん。 その光景を見ていると、心がぱっ、と明るくなるようだった。 すると目の前に小さな女の子が現れた。 『やっと、見えた?』 「...うん」 私がうなずくと、女の子はにっこり笑って消えていった。 女の子が消えたあと、私は見慣れた十字路に立っていた。 あの公園は、どこにもない。 すると、空が晴れてきた。 私は、雨上がりの空気を胸いっぱいに吸い込んで、家に向かう道を歩いた。 「あ、にじ。」 ----END---- どうでしたかぁ? 我ながら上出来だッ(*´σー`)エヘヘ というわけで、短編小説復帰お祝いで、一作目書かせていただきましたぁ 初めての短編小説。 感想、たぁーくさん、お待ちしていますッ!
あなたのいる場所(微ホラーかも)
『たすけて』 真っ暗な部屋。悲しげな声に目が覚めた巫女の少女、ユキ。近くの窓から外をを見渡しても、霧に包まれてよく見えない。 『ここは…?』 『ようこそ、巫女の少女』 振り返ると、そこにはロウソクを持った女性が立っていた。彼女が一礼すると部屋がうっすら明るくなる。その照明は不気味で、ここから二度と出られないような不安に駆られる。ユキが怯えていると、女性は微笑みながら丁寧に言った。 『私はこの館の管理人。名を、ルリと申します。あなたをご案内いたします。…と、その前に。もう一人、迷い込んだ方が居るみたいですね』 ルリが後ろを振り向くと、つられてユキも振り向く。そこに居たのは、10歳くらいの少女だった。 『あなたもここに迷い込んだの?』 『う、うん…』 『そっか。私はメグ。よろしくね』 『巫女のユキです』 『(この館…なんだか、イケナイモノがすごく居る予感…もしかして、巫女の私が呼ばれた理由って……)』 『いいですか、お2人とも』 ルリの声に、二人が振り返る。 『館の中では、慎重に。特に、巫女の少女は気をつけてください。ここには沢山の方がいらっしゃいますが…殆どの方は、意思の疎通が出来ませんから』 『……!』 ルリの言葉に、ユキの背筋が凍る。メグも、ユキの後ろに隠れて震えている。 『…あの。ここはどこなんですか?』 『ご説明が遅れて申し訳ありません。ここは、呪われし館です』 『の、呪われし館…?』 『ええ。外に見える霧も、呪いの霧です。この館へ入ったら、二度と出られないと思った方が良いでしょう』 『……!!』 『…もう、かえれないの?』 『普通なら、です。しかし、今回は巫女の少女が居る。彼女次第で、出ることもできるでしょう。巫女の力で呪いを解くことが出来れば…』 『…ユキちゃん、頑張ろう!私、精一杯お手伝いするよ!』 『…うん。私に出来ることなら…!』 『絶対、帰ろうね!』 二人が会話をしていると、ルリの雰囲気が変わった。空気が重くなるのがユキにも伝わる。 『…カレンお嬢様。お客様をお連れしました』 『はーい』 ルリの呼びかけに、奥から女の子の声がする。足音もなく出てきたカレンという子は、中学生くらいの少女だ。 『いらっしゃい。今日からあなたも、私たちの家族だね』 『かぞ、く…?』 『ここには沢山の子達がいるんだけど、みーんな、私の家族なの♪』 『いや!私は自分のお家に帰りたいの!』 メグが強く言うと、カレンの雰囲気が一気に不気味になった。 『口答えする気?言うこと聞かない悪い子は…お仕置♪』 カレンの言葉に連動するように、家具が浮き始めた。電球が割れ、部屋が真っ暗になる。窓ガラスも割れ、雷が響く。 『…メグちゃん、逃げよう!』 ユキはメグの手を引き、この部屋から出る。長い廊下を走り、何とか別の部屋へ行った。 『ユキちゃん、あれ…!』 メグが指差す方を見ると、そこには幽霊らしきものが沢山居た。悲しげに浮いては、ユキに近づく。 『(この人たち、皆…あの子に囚われて…)』 ようやくユキは自分がここへ来た理由を自覚する。 『悲しき魂よ、還るべき場所へ…』 お祓いをすると、魂たちは優しい光を帯びて消える。 安心していると、後ろから拍手が聞こえた。振り返ると、ルリが居た。 『ユキさん、あなたに聞いていただきたいことがあるのです』 『あの子は、昔はここに住んでおられました。しかし、流行病で亡くなった。家族にも看取られず、愛に飢えて。だからか、いつまでもあの子は家族を欲しがりました。だから私は、彼らをここへを連れてきた。しかし、いつまでも満たされることはありませんでした。このままではあの子は幸せになれない。なので、あの子をここから解き放ってくれませんか?』 『…私に出来ることなら』 『そうしたら、呪いはとけるんだね!』 『何話してるの?』 不気味な声に振り返る三人。そこにはカレンが居た。 『またいたずら?なら…』 『お嬢様、落ち着いて』 ルリの声に止まるカレン。 『少し、旅に出るだけです。何も怖いことなんてありません』 『本当に?あなたも一緒?』 『…ええ。ですから、安心してください』 『…ユキさん。お願いします』 『…はい。カレンちゃんに、光あれ…』 目の前が光に包まれて真っ白になった。優しい光が、館全体を包む。 『…ううん…ここは…?』 真っ青な空の下。館も霧も、何も無い。 『…きっと、皆帰れたよね…』 ユキも、自分の家に帰る。皆が、幸せになれるように祈りながら… 『待って!置いていかないで!なんで…?呪いはとけたんじゃ?』 『…カレンお嬢様にかかった呪いは、です』 『…どういうこと?』 『…まだ気づいておられないのですか。あなたはもう、亡くなっているのです。もう元の家には帰れないのですよ』 『うそ…うそだ…』 『たすけて…たすけて…!』
願いの悪魔
「お願い、お願い。」 願いの悪魔は、この言葉を好み、召喚した者の魂を引き換えに一ヶ月の間、夢のような世界を披露してくれる。 だが、それも芝居_____ これは、ある願いの悪魔のお話____ 「クク、今日も亡者のように叫んでおる、貪欲な人間どもめが。ヒヒッ!今日は誰を喰らってやろうかのう。」 願いの悪魔が見下ろした先に、一人の少女が目に入った。 「クク、今夜の糧はあやつじゃ。しっかりと後悔するがいい。」 シュンッ 悪魔は少女に召喚され、願いを聞いた。 「あ、悪魔…!!本当に、召喚できた…!!」 「さて、貴様がわしを呼んだんじゃな?して汝、何を望む。」 「不治の病にかかってしまった私の家族を、助けてください…!!」 「…なぬ?」 悪魔は疑問に思った。「なぜ悪魔を召喚したのか」と。 「…なぜ悪魔を召喚しおった?」 「もう、何年間も不治の病に家族がかかっており、私も辛いのです。だから、貴方様を召喚しました。」 「(意味がわからぬ。なぜ、魂を渡そうとする?なぜ、自分も幸せになろうと考えない?)」 悪魔は疑問に思った。 「…よかろう、その望み、叶えてくれる。」 「あ、ありがとうございます!!」 (なぜじゃ…なぜ、家族を助けるために、自分の魂を売る?) 「これが、私の家族です。」 「ふむ…」 悪魔は手を翳し、呪文を唱えた。すると… ファァァ… 「え…?ここは…私たちは…」 「(ん…?)」 「お母さん、お父さん…!!リ、リエルー!!!」 「え?お姉ちゃん、誰…?」 「(おかしいぞ…)」 (なぜ、誰もこの少女のことを覚えていない?) 「貴様、なぜ家族を助けるのに命を払ったのじゃ?」 「だって…不治の病、加えて記憶喪失、これが不治の病の正体なんです。家族に忘れらてしまったら、もう何も残りませんから。…学校も嫌だし、働いても惨めにされるだけ。しかも、自分の家族を差別してくる…もう、生きてる価値なんて、どこにもないんです。」 「…そうか、それは悲しいことじゃ。」 「ありがとうございます、悪魔…様…」 フワッ 彼女は光となって消え去った。 「…こんな綺麗なものは、わしが手出しするものじゃないな…」 そう言った途端に、彼女の「光」は天へ駆けて行った____ ______________ こんちゃーーー月那ですーーーー 見てくれてありがとうございます本当に では
この人生,この世界。
私は,この人生というものがつまらないと感じている。 学校にいけば,いじめられ,先生にも相手にされず,家では,私に対する暴言や暴カの嵐。 「死にたい」そう思って何回も屋上に行ったが,何かやり残したようなきがして,最後の-歩が踏み出せなかった。 そんなある日。ゴミ箱にすてられていたボロボロになった弁当箱をかかえていたら,目の前にすっと何かが現れた。 購買のパンだった。誰かと思って後ろを見れば,おとなしくてかわいらしい木島ユズちゃんだった。 私が「何?」と聞けば,木島ユズはあたりまえのように,「お弁当」と私の弁当箱を指さして言った。 ああ。たまにいる良い子ちゃんか、そう思っていらない。と言おうとしたら,むりやりおしつけてどこかにいった。 少し困ったが、お昼に困っていたのでありがたくいただくことにした。それからというもの,木島ユズは何回も私にやさしくしてくれた。 私はだんだんと木島ユズに心を開いていった。 ある日のことだ。 ユズがいじめられていた。 理由は、私にやさしくしていたのがムカついたから。 ムチャクチャだ。さすがに頭にきた私は,いじめていたやつらをぶんなぐってしまった。先生にめちゃくちゃしかられた。 それでもユズはこんな私のことをかっこいいと言ってくれた。 でも,コズへのいじめは続いていた。後から思えばなぜそのことにきずけなかったのか。 ユズはたえられなかったのか、屋上からとびおり自殺した。 悲しくてくやしくてなみだが止まらなかった。私がユズにどれくらい心を開いていたか、初めて知った。 ユズがいない世界なんて、、、悪いやつは生き,ユズのような良き者は死ぬ... こんな世界おかしくないか?
キンモクセイ
なんとなく、惹かれた。 アスファルトの道路のそばで咲く、キンモクセイ。 いい匂いに誘われたのか、小さな花の可憐さに誘われたのか、そこはよくわからないけれど。 無心で眺めていると、気が付いたら隣には女の子が立っていて。 「ふふっ、やっぱりきれいだよね、キンモクセイって。」 話しかけられた。 「うん、」 ちょっと取り乱して曖昧な返事を返す。 その女の子はオレンジのワンピースを着た、可憐、この言葉が一番似合う女の子だった。 それからしばらくは2人でキンモクセイを眺めていた。 「もっときれいなとこ、知ってるけど来る?」 「え?、、、うん、行きたい」 こんな花に興味なんて持ったことなかったのに。なぜかその時だけ気になっていた。 君に導かれていった先は、川沿いの公園。 キンモクセイが大量に咲き誇っていて、一帯にいい匂いが広がる。 大きく深呼吸していると、隣からも息を吸う音が聞こえて、何故かうれしくなった。 次の日も、その次の日も、道路のそばで待ち合わせて、君と2人で町中のキンモクセイを回った。 君は変わらないオレンジのワンピース、僕もほとんど変わらないTシャツとジーパンで。 でも、ある日突然君は来なくなった。焦って右往左往していると、あるポスターが目に入った。 「行方不明女児捜索中」その特徴、写真すべてが君にぴったり当てはまって。怖かった。 逃げ出してしまっていた。そんな情けない僕を見ていた道路沿いのキンモクセイは、もうほとんど花が落ちていた。 もう今になればあんな日々なんて古い記憶でしかなくて、ほんとにあったのか、今となってはもう謎になっている。 もしかしたら、あの子はキンモクセイの妖精で、幻覚だった。そんな説も浮かんでは消えていく。 でも、きっといつになっても思い出すだろう。 キンモクセイとともにしっかりと刻み付けられた、君の横顔、君の吐息、君の笑顔。 そして今年も変わらず咲き誇る道路沿いのキンモクセイを見に行く。 もしかしたら君がいるかもしれないと信じ続けて。 小6の時から何となく考えてた話です。ぜひぜひ感想くださーい!!
化け猫と兎
「あっははw海斗のやつやっぱおもろいなw」 「さっすが海斗!みんなの人気者ー!」 「そうか?w」 俺の名は海斗。陽キャの方に部類すると思う。でも僕は隠している秘密があった。 「よっと。やっと帰ってこれたやっとこれで開放されるー!」 実は俺…いや…私は女の子なのだ! いわゆる「男の娘」の逆バージョンだと思う…わかんないけど。実の本名も「優愛(ゆあ)」だ 私が男に化けてる理由は、好きな子が女の子なのだ! 彼女の名前は理央!私の昔からの幼なじみだ!学校でも文武両道!モテモテの子だ! 私は訳あって昔から男に化けてる。それが嫌で嫌で嫌で嫌で、幼稚園の頃から可愛かった理央に憧れたと同時に好きになっていた! でも、女同士の恋なんて叶うはずない。だから絶賛困り中!どうしよう…。 そう悩みながら学校へ向かっていると 「やっほーかいちゃん!」 「うわぁぁぁ!」 幼なじみの理央だ。今日もかわいい! 「速く学校行こうよ!」 「お、おう!行こうぜ!」 そうして俺たちは学校に向かった ーーーーーーー数日後ーーーーーーーー 「海斗は好きな人いんのかよ?」 「いるけど教えねーよ」 「マジ?いるの!?」 「教えろよー!」 「えーっやだよ。普通には恥ずいし」 「なんてな!お前の好きな人しってるよ」 「いつバレたし」 「親友は態度でわかりますぅー」 「マジカ。なら言ってみろよ」 親友は耳元でこういった 「理央だろ」 「…バレたか」 「あったり!」 「バカ!大声で叫ぶな!バレるだろ!」 「めんごめんごw」 「謝る気ないだろ!!!!!!」 「そろそろ告ったら?」 「明日告るつもり」 「頑張れよ!こっちは本気で応援してるからな!」 「お、おう」 ーーーーーーー次の日ーーーーーーーー 「どうしたの?急に呼び出して?」 俺たちは公園で待ち合わせをしていた。ここは昔から理央と遊んでいた公園だ。 「実は言いたいことがある」 「?」 「実は俺…理央のことが好きだ!」 「…え?」 「だから付き合ってほしい」 俺は言い切った。 「…優愛ちゃんだよね」 「!?なんで知ってるの?」 頭が真っ白になった。一番バレたくない人にバレた。 「隠せてると思った?」 「は?は?いつから知ってた?」 「初めてあった頃からだよ」 「へっ?」 どういうことか分からなかった。 「昔から優愛は嘘をつく時目を逸らす。それでわかった。」 「でっでも、理央は私が男に化けてる時にしか合わなかったじゃん!」 「信じられないかもだけど聞いて!私はまだ、3歳の頃の記憶があるの!」 そこで私はすべてを悟った。そう私達があったのは3歳、幼稚園に入ったのは4歳だ。理央とは2歳からふれあいがあったと聞いたつまり…私の女の子の姿を知っているということだ。最悪だ... 「分かったでしょ」 「うん…騙しててごめん…」 その後、しばらくの沈黙が流れた 「…返事のことだけど…」 「ごめんね!さっきのは忘れt」 「いいよ」 「えっ」 「だからいいよ」 「マジで?」 「マジで」 まじでと頭がずっと叫んでる 「その代わり」 「その代わり?」 「…やっぱいいや。元々優愛は好きだったし」 「ありがとう!」 私は嬉しさで頭がいっぱいだった! その嬉しさのまま理央に別れを告げ家まで帰った! ーーーーーーーー1年後ーーーーーーーー 「海斗実はね」 「おう」 今は高3。俺は理央と学校の屋上にいた。 今は学校だから俺モードだ。 「私、あの有名な〇〇大学から推薦が来たの」 「すげーじゃん」 「でもね、そうしたら、海斗のもとから離れないといけないの」 「えっ」 そうだ。〇〇大学は俺らの街から、すごい遠くにある。そのことだろう。でも俺は言うことが決まっていた。 「行けばいーじゃん」 「それじゃ海斗と」 「俺は金ためてそっちに行く」 「えっ?」 「それまで俺のこと忘れるな」 俺…いや私は理央の夢を応援するのが使命だった。 「約束な」 「うん!約束」 彼女は泣きそうになっていた。 「なら、親に報告してくる!バイバイ!」 そう言い彼女は屋上を後した。 「…クソ。泣きたいのはこっちだっつーの」 俺は小声でそう言い屋上に残った。 ーーーーー卒業式の一週間後ーーーーー 今は駅にいる。新幹線で行くらしい 今回は私モードで来ていた 「久しぶりに見たなー。優愛の女子服姿」 「ちょっと恥ずい」 「な~にwかわいいからいいじゃんw」 「わっ笑うなー(怒)」 そんなことをしていたらあと3分で新幹線が来てしまう。ここでお別れだ。 「約束守れよ」 「うんっ!」 そして理央は抱きついてきた 「おっおい!」 そして耳もとで 「大好き」 と言った 「バイバイ!」 「バイバイ。」 そして彼女は人混みの中に消えていった… 「私も大好きだよ」 私はそうつぶやき帰路についた。end
星空【短編小説】
俺はアイツと夜空の話をした。俺は月に向かって手を伸ばす。 色々忘れたなポロポロ会いたいよポロポロ俺は流れ星が流れた事を目にする *** 「ねねー」 彼女は俺に向けて本を見せてきた。 「この星さ綺麗じゃない?しかも」 俺はウンウンと頷くだけ。 彼女は星野源 きき 余命後1年だ。 「私の死ぬ時に流れ星になるんだってー!」 「なんでの笑い気味なの?」 「だってー!星綺麗じゃん!?ね!?」 「は、はぁ?」 そんな事を言っていた彼女は明日眠りについた。 まだ一年たってないのに。 「はいバラ」 (うわ~綺麗!!) 「!」 (これ昼でも夜空だーー!) 「なんで死んだの?」 ついつい言ってしまった。シーンとした誰もいない病室で、 (え?だって君が新しい星を見つけるために?) 「なんで、なんで!?」 (エヘヘ。ねぇ知ってる命って) 『生きて年取って死んで。そんなん誰でもある事。生きている中で嘘をつくのも人生。趣味も見つけるのも人生。もう私生きてられないみたい。』 目の前に彼女がいた。 「今までありがとう!」 「カイトーー!行くよ!」 「うんお母さんポロポロ!!」 (バイバイカイト星を見てね!!) 一年後 そして俺は彼女が言ってた星を見た。 見た後病院へ行った。 「すみません501号室って言っていいですか?」 「今は人はいませんが、いいですよ!!」 「ありがとうございます!」 (カイト来たんだー!) 「うん!」 (星どうだった?) 「綺麗だった!」 (私も見た!!) と話し合い。 が終わった。 *** 俺は死ぬ日が来た。75歳と言う長ーい人生。 毎年彼女に会いに病院へ行った。 「!」 俺は今気づいた彼女と同じ病室の501号室だと。 (__ト!カイト!毎年話をしてくれてありがとう!そしておやすみなさい) ピピピピピーーーとなった 「死んだのか俺」 「ずっと一緒だよカイト!」 「うん!」 俺と彼女は長ーい長ーい話をした。 OWARI
変わっていく夜空の恋
私の恋。暗くて美しい恋心。 私は空。夜(よる)君が好きだ。なんか、BBQ行こうよって誘われた。いやな予感。ぞわぞわする。けど、わくわくもある。 「よ!行こうよ車乗って!」 私は車に入り込んだ。 そこは、何百万もする、貸し切りキャンプだった。 その一日はすぐ終わり、夜空へと変わっていく。 「夜空がキレイだね。まるで、ぼくと空ちゃんみたい。」 「え?」 何もかもが空っぽになった。 まるで死んだみたいだ。 「君のさ、好きな人っている?」 「お、教えれない。」 ...こ、凍えてきた。大好きって言えないし。 「ぼくわね、君が好き。」 「付き合ってくれないかな?」 断るわけない。 「いいよ私も好き。」 「ん」 ハグで、んって声が出た。 夜空が美しい中の美しい恋。
奏でよう
歌なんて嫌いだ。 お父さんを傷つけて。お母さんを傷つけて。 本当に、最低だ。 ____宇田遥(うたはるか)、13歳。歌手活動を続けて7年。 お父さんとお母さんが人気歌手だったため、影響を受けて6歳の時にデビューした。 だが今年中学校に入ったため仕事をするのが難しく、活動休止中だ。 まぁ、活動休止した理由はそれだけじゃないけど… …10歳の時、学校から帰ったら母が倒れていた。次の日、仕事から帰ってきた父も倒れた。 ふたりとも、ストレスで倒れてしまったのだ。 お父さんとお母さんが倒れた理由になっている歌うこと。そんな歌が嫌いだ。 …って、思いたい。 なーんて語っている間に、2限目終了。3限目は…音楽。 音楽の時は必ずサボる。歌なんて習いたくない。 屋上に行く。随分自然の多い学校のため、車の音などもなく、静かだ。 …でも、なぜだろう。どこからかギターの音がする。 このリズムは…ああ、あの曲か。 ギターなのに、弾むような音。元気なリズム。 ああ、歌は嫌いなのに。 ふいに歌いたくなって、目を閉じてギターの音色に集中する。 そうして、口を開いて歌い出した。 「ーーーーー♪」 …なんでだろう。なんか、すごく、 楽しい! 「♪ーーーーー~!」 …歌い終えて。拍手と一緒に、ほわんとした声が話しかけてきた。 「きみ、すごいねぇ。歌う仕事とかしてるのぉ?」 振り向くと、そこにいたのは。 「…えっえ、聞いてたの!?」 「そりゃあ、ギター弾いてたのぼくだもん」 なんだっけ。確か同じクラスの奏透(そうすけ)くん。 ギターやってるんだなぁ。…いや、それより 「…私のこと、知らないの…?」 だって私は、デビュー直後「遥かな声のある歌姫」と言われてテレビにもたくさん出た。 「へぇ?なんのことぉ?」 「……」 …本当に、知らないんだ。 「きみの歌声、普段歌わないのがもったいないくらい綺麗だね」 …綺麗、か。現役の時にたくさん言われた言葉。 「どうせお世辞でしょ。私は1人で歌いたいの。どこか行って」 「…わかった。じゃあ… 扉の裏で、ギター弾いてるから」 …え? 「ぼくね。きみと音を奏でるのがたのしかった。だからもう一回やらせて」 そんな彼から、ほんのりとした優しさを感じた。
『恋する乙女の優しい嘘。』
「近藤なのはさん。僕と付き合ってください!」 「・・・え!?」 木村大陽に言われたのは突然のことだった。 木村大陽。彼はクラス、いや学年1位のイケメンで、勉強もスポーツも完璧だ。 そんな彼に私は告白された。 私はとっさに、 「わ、私で良ければ、お願いします!」 「良かったぁ。」 ヘニャヘニャと彼は座り込んだ。 でもこの時、「うれしい」と思ってたのは私だけだったのかもしれない。 親友の真梨乃にそのことを報告した。すると、 「おー!ついになのにも彼氏ができたかぁ…良かったねぇ~」 「ありがと真梨乃。」 「あ!そーだ!wデートしない?」 真梨乃にも彼氏がいる。 白里大輝。大陽くんの親友で、大陽くんと同じくスポーツも勉強もできる。 こんな彼をゲットするなんて真梨乃はやっぱすごい。 「私はいいよ!大陽くんに聞いてみるね!」 「大陽くん!今度wデートしない?」 「ん?だれと?」 「大輝くんと真梨乃!」 「ん。いくよ」 「ほんと?やったー!」 デート当日。 「きゃー!でっかいねぇ」 「真梨乃はしゃぎずぎw」 「喉乾いた~!飲み物買ってくる!何がいい?」 「じゃ俺も…」 「俺も行くよ!」と大輝くんが言った。 「お、じゃ一緒に行こぉ!」 私はここで何かを確信した。 「ねぇねぇ大陽くん。私のことスキ?」 「え?好きだよ?」 「嘘つかなくていい。真梨乃がスキなんだよね?大陽くん。」 「え!?わかってたの…?」 「わかっちゃった。」 「もしかして、わかった上で俺と付き合ったの?」 「うん。大陽くんバレバレ。」 「…そのとおり。ほんとごめん。俺マジで最低なことをした。」 「俺はもとから真梨乃ちゃんがスキだった。でも、いつのまにか大輝が付き合ってた。」 「俺焦っちゃって。とりあえず仲良くなるためだけに、なのはちゃんを利用してた。」 「本当にごめんなさい。」 「…もういいよ。でも、今日でわかったでしょ。2人のラブラブさ。」 「うん。」 「ならいいよ。別れようね。」 「バイバイ大陽くん。」 私は背中を向けて帰っていった。 大陽くんには私がこの瞬間かっこよくなったのかもしれない。 「元からわかってた?なわけないじゃん…」 「期待しちゃった私が馬鹿?」 あーぁ。今度こそ本物かと思ってたのに。 真梨乃はモテる。私はいつも一緒にいる。そして私は利用される。 いつものことなのに毎回涙が止まらない。 「神様。私にも本物の恋をさせてください。」 そう空に願い、私はまた歩き出した。 -END- どうでした?感想いっぱい待ってまーす!
初めての甘い蜜
レモンサワー、初めての短編小説です。ではどうぞ! 「ねえ、欲しいものある?」佳奈は僕に聞いた。「いや?特に何も」と僕は答えた。特に仲かが良いわけでもなく、幼なじみでもない。「ふーん」と佳奈は言い、最後に、「二人で図書館行こ」と言い、去っていった。何故だろう、心がふわふわする。 ドキドキして、学校の授業も聞けなかった。先生に、「たるんでいるぞ!」言われたけど、注なんか聞きもしなかった。 友達の翔に「さっきからどうしたんだよ」なんか言われた。「いや?別に」と答えた。「まあいいや。そだ!今日遊ぶ?」 翔は聞いた。僕「今日は予定があって…」翔「どうした?もしかしてデートか?」僕「ち、ちげーし!」翔「顔真っ赤になってるじゃんw」「まあいいや」と言って翔は去った。 -放課後- 約束の時間になっても佳奈は来ない。僕「あいつ、来ねーのかな」と言うと駅から佳奈が出てくる。僕「おっ、やっと来た」 佳奈「ごめん!スマホやってたら…」僕「まあいいや、行こうぜ!」初めに図書館に行った。本を読んで、あれがああだのこうだのいって1時間経った。次にクレープ屋。流行りのやつを二つ買った。佳奈はすぐ食べたが、僕は食べなかった。 ふと時計を見ると、かなりの時間が経っていた。佳奈「最後にカラオケ行こ?」と言った。僕は軽くOKした。 30分歌ったところで、佳奈が言った。「あと…私の付き合ってください!」ラブレターまで用意してある。何故下駄箱に入れなかったんだよと思った。僕「喜んで」数秒の沈黙が重なった。そして佳奈が「帰ろ」と言った。カラオケ屋を出た僕たちは、手を繋ぎ帰って行った。 -終- ありがとうございました。かなり長文になっていまいすいません 楽しんでいただけたでしょうか?初めての短編小説なので、多くの人に見られてもらえると嬉しいです。 では、いつか会うにまで
桜並木に現れる狐の女の子(長文)
病室のドアをガチャっと開けた 鈴木里歌(すずきりか)は窓を見つめている。 俺の存在に気づいたのか、里歌は振り返って俺を見た。 「あっ!空くん!来てくれたんだね。」 里歌の目が少し潤んでいる。 「里歌、はい。」 「え?なんだろー?!」 里歌が片腕を伸ばす。細い腕だった。 たくさんの点滴がつながっている。 「えっ!クラスのみんなからの手紙だ、、!」 里歌の声が震えている。 「帰りたいよ、みんなに会いたい。会いたかっ、、」 「会えるさ!!」 俺は里歌の言葉をさえぎって言った。 「そうだよね。会えるよね、、!」 里歌が笑った。 「じゃあ、そろそろ俺はこのへんで。」 「バイバイ空くん。わざわざありがとね。」 ガチャン。 「里歌、、明日も来るからな。クラスメイトにも会わせてやるからな。」 次の日、里歌は死んだ。俺がいない間に里歌は逝ってしまった。 「里歌ぁ、、ごめんよ。お前の願い、叶えてやれなくって。」 里歌は優しい顔で眠っていた。 「里歌ちゃん、、」「里歌、、」 クラスメイトが次々つぶやいていた。 それから3年後、俺らは小6になった。 俺が歩いていると 後ろから声がして、振り向くと、狐のお面で、真っ白な服を着ている少女がいた。 「えっ!誰!?」 「空君どうしたの?うかない顔して。」 「俺、なんかさ、3年前までの記憶がないんだ。なんでだろう。」 「そっかぁ。何か思い出せることない?私に話してみてよ。」 ー数分後ー 「そっか。そんなことがあったのね。その女の子の特徴覚えてないの?」 「茶髪で、髪が背中くらいで、顔が可愛くて、小柄な子」 「ふーん。そっかぁ。」 「あっもう夕方だよ。帰らなくていいの?」 「あっ。もうそんな時間か。じゃあな」 俺が走り出したとき、ふと思った。 なんであの子、俺の名前を知っていたんだ?今まで全く思い出せなかった女の子の特徴が、どんどん思い出せた。 「いかなきゃ、、!」 俺は突然走り出した。 「里歌、、!」 俺は少女の腕を掴んだ。 「えっ?」 「里歌なんだろ。その喋り方、俺の名前の呼び方、体格、全てがあいつの、、里歌の特徴に当てはまるんだよ!」 「・・・」 「俺に、、あのとき記憶を消したのは、お前で、、辛い思いをしないようにって、、消してくれたんだよなぁ。」 声が震える。 「そしてさ、、会いに来てくれたんだろ。俺のためにさ、、」 「最後の力を振り絞って、、なぁ里歌、、、、!」 里歌は何も言わない。ただ、微かに震えている気がした。 「俺、里歌とずっと一緒に居たかったよ」 「里歌、ありがとう。」 俺は後ろを向き歩き出したそのとき、 「ありがとう。空君」 里歌がにっこり微笑んだ気がした。 振り向いたがものすごい光で周りで気絶してしまった。 「おい、おきろってばぁ。おい空!」 「えっ?剛?」 「えっ。じゃねぇよ!今から重大ニュースらしいぜ。」 「ガチで?」 先生が来た。 「今日はみんなに発表がある。転校生の紹介だ!」 ざわざわ騒ぐ教室。 「入っていいぞ。」 「はじめまして。鈴木里歌と言います。これからよろしくお願いします」 「りっ里歌!!!???」 「なんだぁ空?知り合いか?」 「えっ?みんな覚えてないの、、?」 「覚えてるも何も、里歌は転校生だぞ。知らないよ!」 「、、、じゃあ里歌の席は空の隣な。」 そのとき、里歌が耳打ちしてきた。 「中休み、講堂で。」 「!!!???」 俺は不思議しかなかった。 ー中休みー 「空君、来てくれたね」 「里歌ぁ、、」 「空君、ただいま」 俺は、泣き出してしまった。 「私ね、空君の知ってるように、1度死んでるの。でもやだ、こんなんで空君と別れたくないって。神様に全力でお願いしたの。 一度、空君女の子にあったでしょ?それ私。わがまま言っちゃた。生き返りたいって。神様は許してくださった。ただ、いつかは戻ってこないといけないって。」 「戻らないといけない、、」 「だって、、もう私死んでるもん。」 「いつか来るその日まで、、、ね?」 俺は深くうなずいた。 「ありがと、、!」 ー数ヶ月後桜ヶ丘公園ー 「空君。今までありがとう。私がいなくなっても、大丈夫。大好きだよ」 「里歌ぁ!!!」 俺は走り出した。 でも、里歌は目を瞑って倒れてきた。 「里歌、、!うわぁぁぁぁ!!!」 俺は里歌を抱えた。もう一つも動かない里歌の顔は、悲しく優しかった。 「空君には、もう私のこと見えないのかな。ごめんね。私なんかのことはもういいから、あなたを待ってる人がいるの、、!」 「里歌、いつもお前優しかったよな。その優しさ、忘れんなよ。じゃあな」 里歌は穏やかに笑うと。桜並木へと歩いて行った。 「ありがとう。さよなら」