短編小説の相談いちらん
短編小説
みんなが作った短編小説のコーナーだよ。※2024年9月30日までの投稿で受け付けを終了いたしました。
黒い天使
死神と言ったら、大鎌を持った黒マントの骸骨。 そう思われがちだが、実際は違う。 死神の武器は、普通のよりも少し大きい程度のハサミ。 その名も、絶ちバサミ。 ◆◇◆◇ 『深雪、今日も可愛い』 そう言って俺は、彼女の髪にキスをする。 「…棒読みなのが丸わかりよ」 そう言ってツンと唇を尖らせる少女。 『はぁっ…早く俺を好きになって、未練なくしゃあいいのに』 「早く死んで欲しいみたいな言い方ね」 『そりゃ仕事だし』 深雪は産まれつき肺が弱い。 治療は不可能、余命はあと3週間…のはずだったのに、もう2ヶ月も先延ばしになっている。 断ちバサミは、人間の生命線を切断することで、人を逝かせることができる道具だ。 もうすぐ死ぬ人間の生命線は、触っただけで砕けそうな細いものだが、何故か深雪のは鋼のように太くて硬い。 それは生に執着している証拠だった。 『しかもその理由はしょーもないし』 「乙女は恋を知ってから死にたいものなの!」 深雪は恋をしたいらしい。 好きになることも、好きになられることも学んでこなかった深雪は、お伽噺のような恋を望んでいた。 『人間同士のつまらない感情のせいで、俺の給料が毎日減ってるなんてな』 「死神もおカネが好きなのね」 『そーだよ!毎日口説いてんのに、頬を赤らめもしないんだから、俺のプライドもズタズタさ』 頭をかいてため息をつくと、深雪が口を開いた。 「ねぇ死神。私、好きな人が出来たの」 少しの間静寂がやって来る。 『…へぇ、そうかい』 「…うん、その人の為にプレゼントを準備したんだ」 『ほぉ、お前が惚れるなんて、俺よりいい男なんだろうな』 深雪ははにかんで、小さな紙袋を取り出した。 そしてゆっくりと、語り始めた。 「その人はね、ナルシストでお節介で、口煩い。でも、優しくて、不器用で、可愛いの。見てて飽きないし、いつでも私のそばに居てくれる」 淡々と、けれども一つひとつの言葉を大切そうに、深雪は続けた。 「その人はカラスみたいな人で、それでもって天使みたいな人…ねぇ死神、名前教えて?」 『……今聞くのか。月也だ』 深雪は一息付いて、泣きそうになりながら言った。 「月也…あなたが、好き……っ!!」 その途端、生命線が自動的にプツンと切れた。 急な展開に驚いた俺は、何故か途切れた深雪の生命線を、両手で繋ぎ止めていた。 『どうしたんだよ、いきなり!』 深雪はぼろぼろ涙を零しながら言った。 深雪は昨日、俺へのプレゼントを買って中庭で休んでいたらしい。 そこで、親が自分の存在が面倒だと言い合っていた所を目撃してしまった。 深雪はかなりのショックを受け、俺に気持ちを伝えて自ら死ぬことを決心した。 『だからって、取り返しのつかないことを!』 「…あなたが来た日から、私はあなたに惹かれていたの。未練はとっくの昔になくなってた。嘘をついてたのよ」 生命線は、生命線同士じゃないと反応し合わない。 深雪は常に過呼吸だ。 『くそっ………畜生が!』 俺は絶ちバサミを取り出し、生命線を切った。 …自分の生命線を。 「月也!」 俺の生命線を20cm程カットし、それを深雪の生命線に結んだ。 深雪の生命線に、蝶々が咲いた。 「何したの!」 『…初めて会った時、俺は深雪のこと、強い女だなと思った。死そのものを目の前にしても目を逸らさず、真っ直ぐと見据えて来やがって。…でも、本当は、とても弱い心の持ち主で。…お前を護りたくなった』 「月也、今すぐ生命線を解いて!」 深雪はナースコールを必死に押している。 「私も、素っ気ない振りをしていたけど、本当は毎日のあなたのちょっかいにいちいちドキドキしていたのよ…」 ハッとしたように紙袋を乱暴に裂き、チェーンを取り出した。 黒い、天使の翼の付いたチェーンだった。 「あなたは死神だけど、内面は天使よりも真っ白だもの」 『褒め言葉か?それ…』 握っていた右手に、そのチェーンを付けてくれる。 『俺の生命線も賭けてるからな、しょうもない事で死んだら、殺してやる』 「死んだら、殺せないよ」 『うるせぇ…好きだ、深雪』 「私も…月也ぁ……」 看護師が駆けつける。 そこには、カーテンの揺れる静かな部屋で泣きじゃくりながら座り込む、深雪がいた。 ◆◇◆◇ 「おばあちゃん、その話ホント?」 「あぁ、今でも私の命には、あの方の命が結んである」 「おばあちゃん…」 「…そろそろ、かね。お前はもっと長生きするんだよ」 家族に見守られながら、橘深雪は旅立った。 『深雪』 優しい声が聞こえる。 「…遅い、月也」 2人は笑いあって、抱き合う。 「死神が迎えに来たなら、私は地獄行き?」 『…いや、俺は天使なんだろ?』
ある小説家の話。
カタカタというぎこちないタイピング音のあと、突然に止まってしまったその音と、迷いに迷う行き場の無い手は仕方なくおもむろに目元に置かれた。 「はぁー」 深い溜め息だけが静かな部屋に響いた。 途中の小説を前に、疲れと何を書けばいいのか分からないという疑問しか思い付くことがなく、得意とする恋愛小説のネタに行き詰まっていた。 分かりやすすぎてありきたりすぎる気がしてなら無い。 そう思い始めると、また1から書き直したくなってしまう。 こんな事と向き合う日々に嫌気がさす。 売れもしない小説。 書き疲れて出てこないネタ。 意味もなく過ぎ去ってしまった3年。 ネガティブな方向へと進んでいく思考を断ち切るため、パチンと頬を叩いた。 自分で叩いた頬がジンジンと熱く痛む。 仕方なく、机に無造作に置いてあったスマホを手に取る。 慣れた手付きでスマホを開くと、悩んでは消し悩んでは消し、だが結局自分の小説家の名前を打った。 そっとOKボタンを押すと、目に飛び込んできたのは目を疑う文章だった。 『綾瀬 弥生さんのここが好き!』 無名で生活も毎日がギリギリだという私の小説を読んでくれる人がいるなんて。 驚きと戸惑いが隠せない中、震える指でその文字を押した。 文章は私を絶賛する言葉で綴られていた。 口角が無意識に上がる。 スマホに一粒の水滴が落ちた。 頬を伝った涙が余りにも温かくて。 今までの人生に無駄などなかった事を教えてくれる。 ああ、この人達のためだったら、永遠に小説を書けるなぁ。 納得のいかないものなんて絶対に出さない、そう決心した。 私は途中の小説を全て消し、新しい文字を迷うこと無く打ってゆく。 教えてくれた。 白いキャンパスを彩る虹のように私の人生は始まったばかりなのだと。 END 皆さん、こんにちは!しゅがーです!!! 今回は小説家のお話を書いてみたのですが、私もこの小説家と同じく絶賛ネタ困り中です! 感想やアドバイスお待ちしています!
スマホの危険 勝てますか?
私、柴田花鈴。最近、クラスLINEでずっと悪口を言ってる人がいる。 あお「本当、心ってウザい」 のの「それな。ぶりっこだよね」 たくや「俺もあの人無理」 こんな調子だ。だからつい私も… 花鈴「分かるww嫌い」 と言ってしまった。クラスで中心的存在の心のことを言っているのだ。クラスLINEに誰も招待しない。 しかし、ついにあおがLINEのステータスメッセージで悪口を言い始めた。 あお「心マジうざい。きもい無理」 私、村川心。今日仲良しの七穂からこんな話を聞いた。 七穂「心、あおにステータスメッセージで悪口書かれてるけど…知ってる?」 そんな事知らない。七穂にクラスLINEの存在と悪口について聞いた。会話も頼んで見せてもらった。えぇっ、私、花鈴と結構仲良しだと思ってたのにな…。 …そんなに私って嫌われてる? 私は何も言えない。勝てない。 …どうすればいいの!? こころです。ネットでの悪口は証拠が一生残ります。ネットに限らず悪口はダメです!自分が心ちゃんみたいなことされたら…悔しいし、悲しいですよね。 かしこく使ってスマホを楽しみましょう!
大好きって言って欲しかった
「大好きって言って欲しかった…。」 私、桜井綾は泣き崩れてそう言った。 「綾ー!帰ろーぜー!」 そう言ったのは私の幼なじみで好きな人の 飛鳥瑠衣。明るくて、サッカーできてかっこいいし癖が可愛いし!めっちゃ好き! 私には大親友がいる。葵唯奏(あおいかなで)。奏も私の幼なじみで大人しくて陰キャ。喘息持ちで愛おしい。 瑠衣「おいー。おいてくぞー。」 綾「まってまってー!!」 奏「瑠衣くんまってー。ハァハァ。」 瑠衣「ピタッ。大丈夫か?奏?」 綾「…」 奏「う…うん!大…丈夫!」 瑠衣「大丈夫じゃないだろー。ほら。」 奏「ありがとう(*´▽`*)」 そうだ。いつもいつも奏ばっかり。 私より奏。もういやだ。なんで私じゃないの? ある日瑠衣は倒れた。余命一週間が迫ってきたらしい。でも、私には言わなかったのに奏にはいったんだよ。は?なんで? もういやだ。 『もしもし?え、瑠衣が意識不明!?今すぐ行きます!』 そういって病院に向かった。瑠衣がいた。 綾「まって!まって!瑠衣っ!死なない でよっ!」 瑠衣「ずっ…と…ずっ…と…好き…だった…。 大好き…だ…った。」 綾「うれしいっ!やだっ!やだっ!死な ないでっ!」 瑠衣「……奏っ。」 なんで?なんで私じゃないの? ずっとずっと一緒にいたのに。 大好きだったのに。 ねぇ、最後に大好きって言って欲しかった。瑠衣、大好きだったよ。 今までも。これからも。 のおっ!こんちゃ☆秋菜だよー♪ 元ゆーな☆で元元ちなっちゃんです! 今回も小説書いてみました!見てくれるとめっちゃうれしいです♪ 今回は失恋系です!ぜひぜひ読んでください!
(ネットの怖さ)メール
今日はクラスで、お別れパーティーをした。なんでしたかというと、大村莉々ちゃんが転校しちゃうからだ。それで私はダンスをやった。 「疲れたー!」 そう言った時。 携帯の着信音が鳴った。 「誰からかなあ?」 見てみると私の友達からだった。その子たちといつも、お話をしたり遊んだりしている。 里亜『咲綾のダンスすごい良かったよ!』 幸恵『今日のお別れパーティー、莉々ちゃんとお別れするのはさみしいけど、おもしろかったよ!特にダンスがおもしろかった!』 (みんなに楽しんでもらってよかった!嬉しいー!) その時。 「またメールだ!」 幸明『咲綾のダンスおもしろくない』 はあ!なにこれ!友達のくせになんでこんなこと書いてるわけ! そして次の日。 「ねえねえ、幸恵と里亜来て!」 「うんうん。分かった。じゃあ後でね!」 その時、幸明がこっちに来た。 「おはよう!」 でも私たちは無視してそのまま教室へ行った。 私と里亜と幸恵で帰ろうとした時。 「なんで先に行っちゃうの?私も一緒に帰りたい!」 私は少し前に出た。 「あのさあ!あんた、昨日なにしたか分かってる!」 「私何か悪いことした?」 「嘘つかないでよ!そういうやつ本当サイテー。じゃ、行こ!」 私たちは幸明を残してそのまま歩いた。 「なんでみんなあんなことするの?私は咲綾のダンスおもしろくない?って聞いただけなのに。」 あとがき アンニョンハセヨ!初音です!もと海ちゃんだよ! 今回は、メールなどでよくある小説を書いてみました。コメントもよろしくお願いします! あとどうすればよかったかも考えてくれると嬉しいです! じゃアンニョン♪
キミに言って欲しいコトバ
結婚して8年。子供が生まれて5年。結婚当初は、しょっちゅう「大好き」と言ってくれた妻が最近全然言ってくれない。俺のことはもう好きじゃないのか?どうしようもない不安に突き動かされ、日曜日の昼下がり俺は子供部屋に向かった。予想通り妻と娘が一緒にいる。 「ねぇママ。パパのこと好き?」 娘が一心不乱に塗り絵をしている横でそう尋ねると「やだぁ。もう。パパったら」と、苦笑を浮かべた。 心がザワっとする。 俺は震える手でスマホを起動させ質問サイトを開いた。 『投稿主:ナオ タイトル:結婚5年目。妻が最近「大好き」と言ってくれない… 本文:初めまして。ナオです。 最近妻が「大好き」と言ってくれません。結婚当初は言ってくれたのに…悪い想像ばかりしてしまいます。 関係あるか分かりませんが今年5歳になる娘がいます。 』 「…これでよしっと」 俺は祈るような気持ちで送信ボタンを押した。 ーーー3日後。 「お、来てる」 質問サイトには早速回答が来ていた。ふむふむ、なるほど… よし、早速実践と行くか。 ーー夜。娘が寝静まりしんとした時間。俺はスマホを置いてソファに座って韓ドラを見ている妻の背中に抱きついた。 「なに?」 「…美穂(みほ)。まだ俺のこと好き?」 「急にどうしたの、尚(なお)?」 尚って言ってくれた!?何年振りだろう… 「最近『大好き』って言ってくれんし…」 「あぁ」 と、美穂は苦笑した。 「菜々子(ななこ)の前で言うの恥ずかしくて。子供は覚えるのが早いから…前に菜々子の前で『大好き』って言ったら翌日あたりに保育園でいろんな子に『大好き』って言ったらしくて…不安にさせたね、ごめん。私…まだ尚のことが好き。大好き。ううん、ずっと大好きだよ。愛してる、尚」 俺は涙を流しながら美穂を抱きしめた。 fin ーー くりです。今回はちょっと雰囲気変えてみました!
愛が料理と言うのなら
『愛は料理だよ。2人で作っていこう』上手い様な下手な様なプロポーズを受けて私はOKした。 今思えばそれが間違いだったのかもしれない 家事を率先して手伝ってくれたのは初めだけ。今はその面影すら無い 妊娠してむくみやすくなった私を見て『豚?』『痩せなよ』数えきれない程の罵倒を浴びせて来たね 前までは『2人の子供が欲しいね』なんて言ってた癖に。 ねぇ、貴方が言う様に愛が料理と言うのなら 冷めた料理を電子レンジで温め直す様に 冷めきった愛はもう一度温め直せるかな? 終 こんにちは、のうです。 上手くない表現してすみません コメント、待ってます!
お疲れの貴女と年上の彼
華の金曜日だというのに残業をこなし、ようやく家に帰ってきた。 鍵を開けるのも面倒で、少し迷いつつもインターホンを押す。 しばらくすると鍵が開いて、ドアも開いた。 「おかえり!お疲れ様」 「ただいま~ごめんなさい、開けてもらっちゃって」 「全然。君は疲れてるんだし、ね?」 「……じゃあ、ありがたく」 出迎えてくれたのは私の彼氏。年上の彼とは同棲していて、だいたい彼の方が先に帰り着く。 部屋に入ると、 「ご飯まだでしょ?今日は君の好物だからね」 そう言われてダイニングテーブルを見る。私の好きなものが並んでいるのと、それが二人分なのを確認して、 「あれ、まだ食べてないんですか?」 と問う。先に食べといてって伝えなかったっけ? と思っていると、彼が口を開いた。 「ごめん、一緒に食べたくて……」 首の後ろに手を当てている。いたたまれないときに出る彼の癖だ。 一緒に食べたくて待っててくれたー……って、なんて優しいのだろう。待っててあげたんだから感謝しろ、くらい言ったって良いのに。 (そういうとこも好きだけどね) 「待っててくれたの嬉しいです。一緒に食べましょう?」 「良いの?」 「もちろん」 やった、と柔らかく彼が笑った。 ご飯を食べ終わってお風呂にも入って、ボディケアも終わった。 そーっと寝室のドアを開けると白熱灯がついていて、眼鏡をかけた彼が本を読んでいた。彼はいつもコンタクトレンズなのだけれど、眼鏡も似合ってしまう罪な男。 でも、この姿を見れるのは私だけ。優越感が胸を満たした。 「もう寝れる?」 本をサイドテーブルに置きながら、彼が問いかけて来る。 こくっと頷くと、こっちへおいで、と手招きされた。 言われた通り近づいていって、ベッドに腰掛けると、 「わっ……?」 抱きしめられた。 「んー、お疲れ様のぎゅー……あと俺の充電ね」 そう言いながら腕の力を強める彼。なんだか可愛く思えて、つい彼の髪の毛を撫でると、 「ふっ、気持ちい」 と嬉しそうにされた。 (あーもう、ずるい) ナチュラルに疲労を取り除いてくれちゃって、このいい男め……なんて思う。 甘やかされて、甘やかして。この関係が心地良い。 しばらくして彼が離れたところで、今度は私が抱き着く。 「私も充電したいです」 「……そう?」 「はい」 すると、じゃあさ、と言った彼にそっと体を離された。と思ったらベットに寝かされて、また抱きしめられる。 「このまま寝よう?ギュッてしながら」 「……良いんですか?」 「良いも何も、俺がそうしたいの」 むしろ君は良い? と聞かれて、はいと答える。 そのままお互いを抱きまくらにして、私たちは眠りについたのだった。 END 読んでくださりありがとうございます! 臣です。おみ、と読みます。特にストーリーがあるわけではなく……甘々です(笑) それでも楽しんでいただけたら幸いです。 皆さんの疲れを癒せたらなと思います。一週間、お疲れ様でした! 感想やアドバイス、お待ちしています。喜んで読みます! ※自分がされて嫌なこと・悲しいことは、絶対にしないでください。
深夜の冒険
今、5人の少女を乗せたバスが出発した。この少女たちは今から、とある宿泊施設に泊まりに行くところだった。少女の名前は結貴奈(ゆきな)、美湖(みこ)、綾乃(あやの)、咲楽(さら)、瑞希(みずき)だった。 このグループのメンバーが揃っていれば、どんな困難も乗り越えられる。そして今回のキャンプは親がついてこない。普通だったら9時半に消灯なので、この時間に全員寝なければいけない。だが、5人は寝る気がなかった。 キャンプの楽しいひと時が終わり、あっという間に9時半がやってきた。 「じゃあ電気消します」 「はーい!」 パチン、と電気が消えた。冒険は、ここから始まった。 「どうやら、午前0時に怪物がくるようね」 「そうみたい。じゃ、I時間ごとにスパイを送ればいいわ」 「OK!そんじゃ、始めよう」 冒険計画は、I時間ごとにスパイを送り、ほぼ安全な拠点を離れ、洞窟に出て、怪物の動きを見る。もし見つかってしまったら、怪物が納得する理由を喋る。そうしないと、怪物が… そして、午前0時は、必ず怪物をごまかさないといけない。怪物は訳もなく起きているものを攻撃する。攻撃されると、結構危ない。もしかすると、もう友達と会えなくなるかもしれない。5人にとって、それはなんとしてでも避けたいことだった。 そして、5人は拠点を簡単なシェルターに改造した。怪物は、夜食料や娯楽用具を見かけると襲いかかってくるので、それを避けるため、食料と娯楽用具は隠せるようになっている。そして、非常時のためにいつでも眠れるようになっていた。 そうこうしているうちに、時刻は10時半をすぎた。 「じゃあ、咲楽、怪物を見てきてくれない?10時半だから」 「いいよー!じゃあ行ってくる!」 そして5分後。。。咲楽が帰ってきた。 「怪物の部屋は、まだ電気がついてたわ!やっぱり0時にくるわ!」 そしていよいよ午前0時。。。 ガチャッとドアが開いた。 「うわっ!きた!」 「ちょっと!まだ起きてたんですか!さっさと寝なさい!お菓子まで出して!」 5人はこっぴどく叱られ、寝た。 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 皆さん、意味が分かりましたか? 怪物とは先生のこと、攻撃というのは叱るということです。食料はお菓子、シェルターは布団です。洞窟とは廊下のことです。 スパイというのはトイレに行くフリをして先生の様子を伺うことです。 つまり、5人は寝ないで遊んでいたのです!
朝方
朝、5時くらい。 カーテンを開け、窓を開く。 「うわあ・・・!」 地平線の向こうには、いまにも上ってきそうな赤い太陽が。 空は、暗い青とまぶしい赤の美しいグラデーションになっている。 「きれい・・・」 少し冷たい風が、顔を撫でていく。 朝方の清らかで冷たい空気が、パジャマの上から体にしみていく。 じわりじわりと登ってゆく太陽と、その上でうっすらと輝く明けの明星。 だんだんと薄まっていく夜の色。 また風が吹き、カーテンがはためいた。 まだ起きるには早かったようだが、すっかり目がさえてしまった。 こんなにすてきな空を見ても寝ぼけているのは、逆におかしいとさえ思う。 「今日もがんばろう」 まだ寝ている家族を起こさないよう、そっとカーテンと窓を閉めた。 小説は初めてです・・・。 朝早く起きて日の出を見るのって、すごい楽しいんですよ。 もし早く起きすぎてしまったら、少しカーテンの隙間をのぞいてみてはいかがでしょう。
孤独な女王様
ある所に小さな小さな館に住んでいるひとりぼっちの王女様がいました。 日に日に朽ちていく体を恐れ、彼女は神様にお願い事をしました。 『どうか、私のこの容姿を保ったまま……不老不死にしてください』 彼女の死への怯えようを見た神様はその願いを叶えました。 その日からでしょうか。迷いの森には不老不死の女王様がいると噂され始めたのは。 ※ ひとりぼっちの女王様。 ですが彼女は寂しさなど感じていなかった。 独りでいる事こそ自分の願いであり、それが一番素敵な事だと信じていたからです。 独りぼっちには似合わない大きなレンガ造りの屋敷に住み、そこに閉じこもっていました。 そんな女王様の元に1人の王子様…いいや、子供が迷い込みます。 まだ冷たい風が肌をくすぐる4月の事でした。 『……貴方、何故私の屋敷の敷地内に居るのですか?』 「え、あぁ…うーん…?」 ふわふわとした栗色の天然パーマのかかった髪を揺らし、ペリドット色の瞳を細めて少年は笑う。 『親は?いや、そんな事はどうでも良いわ。早くここから出て行って頂戴』 「お、母さん…いない。お父さんは……女の人と、どっか行っちゃった」 ハハッと乾いた笑みを漏らす少年の目はどこか遠くを見つめていて、酷く寂しそうだった。 その表情を見て、女王様の心がグラッと少しだけですが揺れ動きます。 この少年なら、私の近くに居ても良い。そんな考えが心の奥深くから湧き上がってきます。 気づいた時には少年の腕を掴み、屋敷内に連れ入っていました。 『私の名前は…そうね、ジルとでも呼びなさい。貴方の名前は?』 「ぼくは…リルダ…よろしく、ジル姉さん」 これは、女王様と小さな王子様の出会ったばかりの話。 ※ 「い、やぁ…懐かしい、ねぇ?」 『そうね、懐かしいわ。そんな事は良いの。いつになったら貴方はこの薬を飲んでくれるのかしら?』 薄い緑色の小瓶に入った薬を手に出したジルは1人の老人の口元に手を当てる。 この薬はジルが作った不死身になれる薬だ。薬を飲めば私とずっと一緒に居られると何回説得しようが、1人の老人__リルダは口を開こうとしない。 「もう、私に残った時間は少ない。人間はね…?寿命が、あるからこそ…楽し…」 『良いわ。大丈夫。あまり喋らないで』 手に持っていた薬を小瓶に戻して、ジルは口を開く。 ゴホッと咳き込んだリルダの手には鮮やかな赤色が広がっていた。 「ジル姉さん…いい、やジルよ……私の事を拾って、くれてありがとう…な」 『そんなの、気まぐれよ……ね、ぇ…?ほんとに、薬のまない、の?』 こんな感情はいつぶりでしょうか。 心の底から悲しみが溢れてくる。 目の縁から溢れ出す熱い熱い液体が滴り落ちていく。 「いつか、絶対…ジルに、会いに……くる…よ」 そう言ったリルダの瞼が静かに落ちていく。 ジルは声にならない叫び声を上げながらベットの隅で泣き喚いた。嗚呼、神様。私の願いを取り消してください。あの人の所に行かせてください。いくらそう願えどジルの願いが叶う事はなかった。 これから何百、何千…いや何億年とジルはリルダを独りぼっちの屋敷の中で想うのでしょう。 彼が残して行った形の無い寂しさを抱えながら待ち続けるのだろう。 ______いつか絶対迎えにきてくれると信じて。
あんな子になりますように。
私、山本 あおい27歳。ただいま、2歳の娘を子育て中!ひとりっ子になるから、出来る限り娘・みうか に愛情を注いであげる!でも、イヤイヤ期で大変………! あおい「みうか、おねんねしよう?」 みうか「いーや!あしょぶの!」 あおい「ふー。おねんねしたら、いっぱい遊べるのに、みうか、おねんねしなかったら遊べないよ。」 みうか「しょーなの?」 あおい「そうだよ。」 みうか「み、みうか早くおねんね!!」 あおい「えらいえらい、みうか!」 お昼寝をしたあと、近所の公園に行くことにした。今日はここで、14歳くらいの女の子たちが雑誌を見合っていた。思春期って感じだな。みうかも、こう言うような女の子になるんだろうな。 みうか「まーま。あれしたい!」 あおい「みうか?あれは、お姉ちゃんたちが遊んでるから、べつのものをしようね。」 みうか「いーやー!」 どうしようか困っていると、女の子たちが、 「いいですよ。いっぱい遊んでね、バイバイ!」 あおい「ありがとうございます!みうかも、ありがとうって言ってね。」 みうか「あーがと!」 あの子たち、優しい子たちだな。みうかも、ああなりますように。
人生転生
『……次のニュースです。昨夜未明、東京の自宅内で俳優の佐久間透さんが自殺しているのが、マネージャーによって発見されました。佐久間さんは遺書を残しておらず、警察は自殺と推測して捜査を進めていますーーー』 東京某所の病院にて 「おめでとうございます。あなたはこれから違う人生を送ることになりますよ。」 医師はにこりと微笑み話しかける。 「……別にめでたくなんてありません。ただ、これからは後悔しないよう生きて見たいと思います。これも一つの選択ですから。」 困ったように肩をすくめ、診断室を後にした彼は夜の暗闇に溶け込み消えて行った。 「本当にバレないんですか、先生」 仕事を上ろうと帰る支度を始めた中年の看護師は、やれやれという風にいう。 「ああ。彼の名前・住所、戸籍は全て消去してある。万が一つに気づかれることなんてないさ。それに、今までこういうことを何度もやってきたしこれが我々の仕事なんだ。君も協力しただろう?」 看護師はカバンを肩にかけた後その医師を一瞥し、ため息をついて無機質な自動ドアを通り過ぎていった。 おもむろにパソコンを起動し、SNSを開くとそこにはたくさんのコメントが寄せられていた。 『透くん、好きだったのにな…泣』 『もっと早く気づいてあげられなかったの?!ひどいよ!』 『佐久間さんの心境を思うと、胸が苦しいです』 『透くん、嘘でしょ。なんで…』 医師はブツッとパソコンの電源を切り、手術カルテに目を落とす。 「皮肉だな。君を殺したのはネットなのに、ネットに追悼されるなんて……。」 不快そうに顔を歪め、椅子から立ち上がった後病院の戸締りをする。電気を消し外へ出ると、東京の歪んだビル群や粘つくネオンカラーの町並みが目を刺すようだった。 「まあ、これからは佐久間くんの…いや、藤川徹くんの新しい人生を歩いてくれ。」 医師は誰にともいうわけでもなくそう呟くと、人混みの雑踏に消えてゆくのであった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー こんにちは、東西南北です。初めての投稿なのでお手柔らかにお願いします。 よかったら感想を聞かせてくださいね。
スマホの危険 ネッ友
私、池野桜。最近、SNSで知り合ったユウト君と仲良くなったの! ユウト「よかったら写真交換しよう」 sakura「いいよ!」 お互い写真を送りあった。 ユウト「さくらって可愛いね」 sakura「ありがと!ユウト君もイケメンだね!」 ユウト君本当カッコいい…! もっと仲良くなれたらなぁ… ある日ユウト君からメッセージが。 ユウト「今度、一緒に遊ばない?」 sakura「遊びたい!」 私達は約束して、私の近所の公園で会うことになった。ユウト君はわざわざ車で送ってもらえるらしい。ベンチに一人、座って待ってると黒い車が近くに停まった。お父さんらしき人が、 父?「えーと、こっち!ユウトなら中に座ってるよ!」 導かれるまま開いた車に入る。後部座席には誰もいなかった。 父?「俺がユウトだよ、ユウト。さ、どっか遊びに行こう」 車は走りだし逃げ出せない。ヤバイ、帰れないかも…。どうしよう…。 どうしたらいいの…!? こころです。ネッ友がいる人多いですよね。ネッ友はいろんなことを話せるし良い存在かもしれません。でも、会うとなったら?写真交換は?桜ちゃんの良くなかった行動を、見つけてね!怖い思いをしないように、慎重に考えて。ネッ友と会うのは危険!SNS上でも楽しいです!!
食べるボランティア【飯テロ注意】
連れてこられた場所は、オシャレで暖かい場所だった。 色々な可愛らしい小物たちの中、異様に目立つのは、机の上のお料理。それも、大食い番組で見る様な巨大なお料理が、こんもりと山の如しに置かれていた。 食欲をかきたたせる香りと。美味しそうな見た目できゅうっとお腹が鳴る。 その前でイスに座っているけど、今にでもかぶりつきたい。 お腹が空いた私は。周りでニコニコしていた店員さんにたずねる。 「あの、これ食べて良いんですか?大食いか何かですか?」 すると店員さんは「ええ」と頷いた後、 「でも、大食いではありません」 ちら、とお料理を見る。 嫌でも、こんなに沢山あるのに・・ 「これは、ボランティアです」 「ぼらんてぃあ?」 何を言ってるんですか。 「じゃ、これはタダなんですか?」 お料理の山を見上げる。 どう見ても、結構額がありそうな量である。 店員さんは「あーはい・・」と訳ありそうに答える。 「これは店で余っちゃったものでして」 更に困った顔をする。確かにそれはもったいないけど・・ 「あの、1年でいくら食べ物が捨てられてるか知ってます?」 「え?えーと・・600万tとか?」 唐突な質問にあせって答えると、意外にも店員さんは頷いた。 600万。600万って・・無茶苦茶もったいない! そして店員さんは悲しそうにつぶやく。 「年間約632万tの食べ物が捨てられているんです。私たちが生きるためのものなのに」 その声は、哀愁と怒りが混じっていた。 「で、うちは予約をキャンセルされた団体の方がいらっしゃいまして。そこで、貴方にお願いしたいんです。飯島(いいじま)千花さん」 飯島千花、というのは私の名前である。何故知られているかというと・・ 「大食いアイドルの飯島千花さんですよね。よろしくお願いします!」 店員さんの声は、必死だった。そんなに頼まれちゃ仕方ない。 私は大食いアイドル。数々の巨大料理と対決してきた猛者なのである。 「では、いただきます!」 心を込めて言うと、目の前の料理を手に取る。オムライスだ。 フワフワな白身と黄身が混ざった卵におこげの付いたチキンライス。具は大きめで、少し贅沢な感じ。 スプーンですくい取って口に入れる。 うん、美味しい! 卵のバターの香りが走り抜けて、そこにピーマンの苦味が来るんだけど、トゥルトゥルの白身がそれをまろやかに。 そして、白身が全体を包み込むとき。 具が白身と絡まって、これはまるでー 卵のベットで寝てるみたーい!!! という妄想をしながらため息を付く。 そして、店員さんが微笑みながらたずねてきた。 「どうですか?美味しいですか?」 私は笑顔で答えた。 「美味しいです!」 食べ物は、笑顔を作ってくれるー! ー終わり 初投稿です! お楽しみ頂けたでしょうか?私も書いててお楽しみしてました!私、飯テロ動画とか大好きなんですよ! 感想よろしくおねがいしまーす!!
MY・DREAM
「MY・DREAM」 物心付くずっと前から 母親なんてもういなかった お母さんが付けてくれた名前 私の名前は「美愛(みあ)」 美しい愛をたくさん知って欲しいと付けられた名前だけど 愛なんてのは儚い物だと私は思う。 私はそれを身近で見てきたから。 私のお母さんの名前は「虹愛(にあ)」 私のお父さんは、お母さんの中学の担任だった。 まだ子供ながらに真剣に付き合っていた(勿論こっそり) 私の本当のお母さんは15歳で私を産んで 16歳で正式に結婚し 19歳で持病で亡くなった。 その1ヶ月後にお父さんは お母さんの妹(白愛(しあ)さん)と再婚した。 白愛さんには、お父さんとの間に 私と同い年の子供『白羽(しらは)』がいた 信じられなかった とうしてすぐに再婚出来るのか。 子供なんか作れるのか 最愛の人を亡くしたというのに…。 白愛さんもとうして姉の夫を 奪う事が出来るのか 普通の神経しているのか分からなかった。 そして 何も知らずに前々から言われていた留学が決定し選択制だった寮も決まりイギリスのロンドンに留学して2年が経った。 留学と言っても半分家出のようなものだから 今頃私のことをお父さんとお義母さんは必死で探しているだろう。 そんなことを考えていると お父さんからLINEが着た。 その内容で お父さんはどうして再婚したのか その理由が分かった。 『お父さんどうして白愛さんと再婚したの?』 ー1分後ー なかなか既読がつかない 戸惑っているようにも取れる。 ー2分後ー 既読がついた すぐに返信が着た。 流石に国語教師というだけあって誤字脱字が1つもないその文には 『美愛にはお母さんが必要だろ』 そう書いてあった。 勿論、愛が無かった訳ではない。 最愛の妻を亡くして泣き崩れていた所に白愛さんが励ましてくれたことがきっかけだった。 でも、ほとんどは私の為に再婚した。 その事が嬉しかった。 愛は儚い物じゃなかった。 私がまだ見えていなかっただけで ちゃんとそこにあった。 見ていた…。 ー数年後ー チャペルの鐘が鳴り響く中で純白のドレスを身にまとった花嫁が白いタキシードで身を包んだ いかにも優しそうな花婿の側に行く 花嫁と花婿は硬く手をつなぎ向かい合って微笑んだ。 「病める時も健やかなる時も共に歩む事を誓いますか?」 『誓います』 2人で合わせて言った。 花婿の名は「十夜(とうや)」 花嫁の名は「美愛(みあ)」 美愛は、家族席に目をやった 父と継母の横に母親の遺灰と顔写真。 『どうしても』と頼んでおいたのだ。 この瞬間を、ひと目でも良いから見てほしかった。 実の母に伝えたかった。 「もう、大丈夫だよ」 ということを 参列席の後ろの方に お母さんが立っているように見えた。 微笑んで、祝福してるように見えた。 きっと喜んでくれたのだろう。 それがただ嬉しかった。 「十夜くん」 「美愛」 2人は永遠の愛を誓った 絶対に変わりはしないと…。 そして2人で話した 「子供の名前は「満愛(ふあ)」にしようね!」 「ああ」 教会のステンドグラスが光り日の光が溢れてきた まるで私達を祝福してくれているかの様に…。 ミライです♪ MY・DREAM いかがだったでしょうか? 感想、アドバイスなど頂けたら嬉しいです! この話はフィクションです。
そのままの君が。
『・・・』 寒い。ぎゅっと背中を丸める。 秋も深まってきた今日この頃。宿舎の屋上で、一人空を見上げた。 『先輩、風邪ひきますよ』 待ち侘びていた声と共に、ふわっと毛布が肩にかけられる。隣に座った彼女は、やれやれとため息をついてみせた。 『ほらまた、裸足で屋上に出ちゃダメ。何か踏んじゃったら危ないです』 俺の足に、そっとスリッパを履かせてくれる。 『うわ、手ぇ冷たっ!一体いつからここにいたんですか・・・もう』 かじかんだ手を握って、優しく息を吹き掛けてくれる。 ・・・こうして、手取り足取り彼女に世話を焼かれるのは、とても嬉しい。 彼女に気に掛けてもらいたくて、わざと危なっかしい事をしている節もある。彼女にはいつでも、俺の事を見ていてほしいから・・・ 『・・・わざわざこんな事しなくても、私は先輩と一緒にいますよ?』 驚いて、顔をあげる。 『・・・気づいてたのか』 やっと一言呟くと、彼女はまた呆れ顔をして、わしわしと俺の頭を撫でた。 『男子と話してる時に毎回どす黒い視線を送られれば、嫌でも気づきます。それに先輩、普段は几帳面じゃないですか。明らかに不自然なんですもん』 ・・・見事に全部バレていた。恥ずかしさと情けなさがない混ぜになり、思わずうつむく。 『・・・気持ち悪いと、思っただろ』 嫌われてしまっただろうか。そう小さくこぼすと、彼女はへにゃっと眉を下げて笑う。 『私も、先輩の事好きですよ』 好き。 数秒遅れて、言葉の意味を理解した。・・・カアッと顔に熱が集まるのが分かる。 『私の前では、もう強がったりしなくていいので。寂しい時はちゃんと、寂しいって言ってください』 そっと引き寄せられて、包み込むように抱きしめられる。ぽんぽん、と柔らかく、背中を撫でられる感触がした。 『本当は泣き虫で、甘えん坊で、寂しがり屋な、そのまんまの先輩が。私はだーいすきなんですから』 じわっと目元が熱くなって、ぽろぽろと涙が出てくる。 ・・・どこも取り繕っていない、ありのままの俺を。 受け入れてくれて、ありがとう。
矛盾の廻る季節
電車が走っている。空を切りながら。ガタンゴトンと揺れる車内には夏だというのに暑苦しいスーツ姿の男性が何十人といる。 橋を渡っている電車は夕焼けに染められている。冬は日が短い。 セミは泣き止み、カラスと帰る子供達の影は黒く濃くなびく。僕らは霜が出来た道を歩く。 「夏ももう直ぐ終わりだな。メグル。」 「そうね。エイト、、。寒いわ。」 「ほら、これ上げる。渡すタイミング逃しちゃってよ。もうじき暗くなる。僕らも帰ろうか。」 帰道へを歩き出した僕らの前方には大きく丸い夕日が輝き、僕らの影を作っていた。そして、前方には月が見え始めている。 「また、影踏みしてかえろーか!ほら!私が鬼だよっ!」 「っ!あぶねぇなぁww」 先に在る道は伸びているのに、2人は同じように行動しない。本当はマフラーをした少女と半袖の少年が影踏みをしている。はずだったのだ。 いつも通りお気に入りのエイトから貰った真っ白なマフラーで首を包んだ少女、「白雪 廻瑠」は「夏日 永斗」と冬の伸びない影で、メグルの大好きな影踏みをする約束をしていた。だけど、少女は、、、。約束が果たせなくなった。 彼女は渾身の力で願っていた。 「メグル!夏だというのにマフラーしてるのか?」「やっと会えた。約束、果たしに来たよ。え?マフラー?エイトに貰った大切なものだから。ほら!影踏みしよっ!」 「もちろん!ほら来いよ!!!」 ーーーーーーーーーーーーーーーー 「はぁ、はぁ。もう終わりにしようぜ、、。メグル。」 「はぁはぁ、、。まだ、、。まだ、、。まだ、、。まだよ。まだ。」 「もう、、疲れたよ。負けたよ!メグル!俺の負け!メグル!メグル?メグル、、、?」 さっきまで隣に居たのに、見当たらない。手の温もりもいつの間にやらアスファルトの生ぬるさに変わっていた。 手元にはメグルに渡したはずのマフラーがあった。 「マフラー?このマフラー、メグルに渡したよな、、、。メ、、グル?メグル シラユキ?だれだっただろうか、、?」 ふと気づいた時、手元には「Meguru Sirayuki」と、ヘタな刺繍をされた、名前も、見覚えの無い真っ白なマフラーを手に持っていた。