短編小説の相談いちらん
短編小説
みんなが作った短編小説のコーナーだよ。※2024年9月30日までの投稿で受け付けを終了いたしました。
夢見る魔法少女 GREEN&RAINBOW
「「フレンド ドリーム マジカル フォーエバー!!!」」 私とにじの最後の魔法。今ここでブラックナイトメアのトップを倒せば全てが終わるはず。 辺りが眩しくて目が開けられない程の白い光で包まれる。 光はだんだん消えていき、私の目に写ったのは……。いつもの風景だった。 「やったね!みどり!終わったよ……!」 にじが私を見て笑顔で言う。もう、私達は魔法少女じゃない。このドリームハンドミラーもだんだん消えていっている。 そういえば最初に魔法少女になる代わりに何かを一つだけ願って叶えてもらったなぁ。魔法少女として戦っている間だけ叶えてもらえるけどね。 確か、にじの願いは「本心から明るい自分になりたい」だったけど私の願いはなんだっけ……? 私の願いは…… 何か頭の中にフラッシュバックしてくる。 ___大好きなあの人の事を好きだった事と、これを願った事を忘れさせて。 あの時の失恋を思い出した。あの時は恋だけが全てだったけれど、にじのおかげで大事な事に気づけた。にじ、ありがとう。 「みどり、願い事思い出した?」 「うん、思い出したよ。にじのおかげで大事な事に気づけた。ありがとう。」 私の言葉で表せる気持ちを口にした。 「私こそ、みどりのおかげで上辺だけの明るい自分よりも、本当の自分でいることの方がステキだなって気づけたもん!」 私達は魔法少女として色んな人を助けた。 だけど気がついたら私の方が助けられていたなぁ。 最初魔法少女になった時私達は夢見る魔法少女だった。今は夢見た少女として、あの時の私達よりきっと笑顔になれている。 ふと空を見上げると、雨上がりの空に虹が架かっていて、きれいな緑の一枚の葉っぱが落ちていっていた。まるで今の幸せな私達のようだった。 _________________ 夢見る魔法少女 GREEN&RAINBOWはどうでしたか? よければ、コメントで感想お願いします!
勇者兼王様のお話
僕は正義の心を持った勇者。 ある日、突然王様に呼び出され、 「あ、キミ、今日から勇者ね。」 と言われたから勇者になりました。自分でも適当な決められ方されたと思います。 そんな王様はすでに先日亡くなっていて、旅に出ていた僕達にもスマホで連絡が来た。 それだけなら良いのだが、「王様亡くなったから次の王様勇者さんね。」とまで言われた。何で旅で国に不在の奴に王を任せるのか。 まあそれはどうでもいいや。 「勇者さん、次はどこをやっつけるんですか?」 と相方の女賢者、ロウナはワクワクとした様子で話す。 ロウナは僕が冒険の旅に出発する直前に仲良くなり、流れで2人で旅に出ることになったのだ。 最初は友達の様な感じだったが、最近正直...良い感じ...だ。まあ男女コンビだから...多少はね...。 いや、これも別にどうでもいい。 まずはロウナの質問に答えるべきだ。 僕は王様からもらった「悪い人リスト」を見た。このリストには、悪行を積み重ねた悪い国が載っていて、僕達の目的はその国達全てに制裁を与えることだ。すでにこのリストに載っている国の60%に制裁を完了している。 「えーっと、つぎは「ノトバド」ってまあまあ小さい国だね。他の国の人達を虐殺し続けたんだって。」 「うわ...非道いね。早く制裁を与えないと。」 「うん、急ごう。」 そして僕達はノトバドに戦いを仕掛けた。実は僕達は強い。普通の国なら余裕で勝てる。 そして僕はノトバドの王を自らの手で倒し、ノトバドを自らのものとした。 ただ、このままだとノトバドの国民がかわいそうなので、働く場所を与え、そこで働かせることにした。 そんなことを何度も繰り返し、「悪い人リスト」も86%埋まってきた頃、 「オイ!止まれ!俺たちは勇者だ!」 いつもの様に目的地に歩いていると、勇者を名乗る4人組に大声で怒鳴られた。 「は?勇者は僕達でしょ?」 僕は勇者を名乗る奴らにそう言い返した。すると、 「は?お前、罪の無い国の王様を倒し、罪の無い国民を無理矢理奴隷の様に働かせ、それを何回も繰り返す。それのどこが勇者なんだ!」 僕は本当に戸惑った。すると隣でロウナがクスクスと笑っているのに気づいた。 「まだ気づいてないんですか?勇者ヅラしてさぁ。あなたがしていたのはただの自己中な勇者ごっこだったってことだよ。」 意味が理解できない。だがロウナは続けて喋り続ける。 「つまりあの悪い王様に利用し続けられただけってことだよ。アイツね、魔王なんだよ。それを知らないお前はまんまと使われて、事実上魔王になったってこと。」 その時僕は理解した。自分は勇者ではない、魔王側の人間だったことを。 「じゃあ、サヨナラ。」 ロウナが去ろうとする。 「オイ!ちょっと待て!ロウナ!お前は何者なんだ!」 その答えを聞く前に、僕の意識は薄れていっ...た...
夕方カプチーノ
家に染み付いた煙草の匂い。飲まれずに冷蔵庫に仕舞われた缶ビール。父が仕事で使っていた黒いノートパソコン。着古された部屋着。壁に干されたグレーのスーツ。2基に増えた仏壇。古い、ボロい家。 「慧ちゃん、行くわよ。」 「うん。」 これでお別れ。 たった、5年住んだだけの家。今度からは、全く知らない男の人に引き取られる。親戚でも、なんでもない赤の他人。初めて会った時はとても優しいお兄さんだった。親戚の伯母さんの車に乗せられ、ゆっくりと家が遠くなる。 なんとなく、寂しかった。 「ありがとう。」 誰にも聞こえないくらいの、小さな声で呟いた。 「慧ちゃん、お兄さんに会ったらちゃんとご挨拶するのよ。」 前で運転している伯母さんが明るい声で話す。 私を引き取ってくれる人の名前は確かシバタユキ。漢字は教えてもらったけど難しかった。 「うん。」 東京の、人が多いところにある一軒家に住んでいるらしい。楽しみなような、緊張するような。フクザツな気持ちだ。 車の窓から流れていく景色を眺める。どんどん過ぎ去っていく家や畑、すれ違う車、人。住んでいた家からどんどん離れていってしまう。もう、戻って来られない。幼稚園で出来たお友達とも、お別れをした。お父さんとも、お母さんともお別れをした。 私のお母さんは、私を産んですぐに死んじゃったらしい。お父さんは、いつの間にか死んでいた。何で死んだのかは、誰も教えてくれなかった。皆、怖い顔をしていた。 お父さんは優しかった。お人形も、画用紙も、クレヨンも買ってくれた。一緒に遊んだりもした。お仕事で忙しい時は私は一人で遊んでた。邪魔をすると怒られちゃうから。怒るとすごく怖かった。鬼みたいに顔を真っ赤にして、こらーって大きい声で叫ぶ。コノヤロウ、アッチイケ、ヒトリデアソンデロ。そう言って、頭を叩かれる。 それでも、優しかったし、好きだった。美味しいものを買ってきてくれて一緒に食べて、一緒のお布団で寝て、テレビを見て......。 ぽたりと涙がこぼれた。お気に入りの赤いワンピースにじわりと染みを作る。それがだんだんと増えてきて、嗚咽がこぼれる。拭っても、拭っても止まらない。 お父さんと、離れたくなかった。一緒に居たかった。 自分の中で今にも溢れそうなものがなんなのか、分からないけれど。 「窓の外見てごらん。桜が綺麗よ。」 滲む視界で、外を見る。ピンク色に色付いた桜の門が、何処までも続いていた。 「......きれい。」 まるで自分を出迎えてくれているような。そんな感じ。 「もうすぐで着くからね。」 車に乗って、1時間。お兄さんの家に着いた。車を降りた途端、大きな門が目の前に立ちはだかる。上を見上げると御伽話(おとぎばなし)に出てくる魔女のお城みたいな大きなレンガの家が見えた。これで空が曇ってて、雨が降ってて、烏が鳴いていたら完璧に魔女の家だ。 伯母さんが門についているチャイムを押して何か話すとガラガラと大きな音を立てて門が開く。誰も居ないのに。 手を引かれて、敷地内に入る。すると目の前で大きく立派な噴水が水しぶきを上げて私達を出迎える。 「すごいね。」 伯母は黙る。 沈黙を通したまま、お城の前まで来るとお兄さんが笑顔で待っていた。 「ようこそ。柴田家へ。」 伯母の手を握り挨拶を交わした後、こちらにも手を差し出してくる。 「これからよろしくね。」 この人が、新しいお父さん。 「ほんだけいです。これからよろしくおねがいします。」 丁寧にお辞儀をすると「こちらこそよろしくね」と返ってきた。 「取り敢えずお家に入ろうか。疲れたでしょう。」 足が浮いて目線が高くなる。 優しい手で頭を撫でられる。暖かい。ゆらゆらと体が揺れ、それによって眠気が偶発され、つい、寝てしまった。 いい匂いで目が覚めた。ミルクと珈琲の甘く、苦い匂い。 「あ、起こしちゃった?ごめんね。」 「なに、してるの?」 寝ぼけ眼を擦り、近寄る。 「休憩。カプチーノと一緒にね。」 「かぷちーの?」 聞いたことの無い、新しい単語。かぷちーの。 「そう。カプチーノ。イタリアで好まれている珈琲の飲み方でね、エスプレッソに泡立てた牛乳を乗せて飲む珈琲だ。カプチーノにはね、蓋という意味もあるんだよ。」 ふた。私もこれを飲めば、溢れそうになっている"何か"も、塞き止められるだろうか。 窓から差し込む光は、もう真っ赤に染まっていた。 ここまで読んでくださりありがとうございました。
君はまだ、無色透明でいてね。
私は濁っている。 君の様に奇麗ではない。 君は綺麗なのに、私は汚いんだ。 穢れても、汚れても、また綺麗になることは叶わない。 君と私は同じ人ではない。 私は小さなドブネズミ。 君はきっと、空からやってくる天使なのだろう。 ならば、君は別の人を救ってよ。 ドブネズミよりも存在価値のある人がいるだろう? 私からの最後のお願い。 人生最後のお願い。 君と一緒にいると、君まで穢れてしまうような気がしてならないんだよ。 君の優しい焦げ茶の瞳も、黒髪も。 全部全部穢れてしまうような気がして。 そんなのは、嫌だなぁ…。 だからさ、お願い。 「私から、遠のいてくれよ。」 「私に中途半端な優しさを与えないで。」 「きっと君まで、穢してしまうから。」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー by夜@米民
空と雲
「すみません、そこの方..」 「はい?」 「空は、どこにありますか?」 初めてその質問を聞いた時、私は「空」というものが何かしらの店名なのだと思った。 「すみません。存じ上げません」 私に質問してきた彼は、身なりや雰囲気的にこんな田舎で見かける人ではない。 多分旅行客なのであろう。 そんな勝手な推察をする。 ま、どうでもいい。 旅行客だとしたらどうせ今日限りしか言葉を交わさない仲なのだから。 なんとなく気まずくなって私は立ち去ろうとした。 しかし男はそんな私を見てニヤりと笑う。 「じゃあ教えてあげます」 言葉が終わると同時に私を指差した。 「見えませんか?...残念です。」 私に戸惑う隙も与えずにその男は足早に去っていく。 男が指差した天には、暗い雲ばかりがびっしりと敷き詰められていた。 戸惑いよりも得体の知れない恐怖が私の身を貫く。 さっきは今日限りしか言葉を交わさない仲だと思っていたが.... 心なしか、あるいは自然に。私はあの男のことを忘れられないだろうと直感的に悟った。 いきなり話しかけられて「空」はどこか聞かれ、分からないと答えたら「空は無い」と教えられる。 こんなおかしい人間、どうして忘れられようか。 ________________ ________ あの男が現れてから、毎日。 空はまるで何かのスイッチを押されたかのように、雲しか見せなくなった。 あの美しい澄んだ青色を忘れそうなくらい、長い間あの青は姿を見せなかった。 そしてそれは多分、私が原因なのだと、必然的にそう思う。 だって、あの男が毎日夢の中に現れて訴えてくるから。 「俺に空をくれ」って。 ________ ________________ どれほど時間が経っただろうか。 いや、本当は時間なんて経っていないのだろう。 今は夢を見ている。そしてこれからも、私はこの夢を見続ける。 彼から手紙が届いた。 『俺は空が好きだった。んで、俺が空を好きな分、雲が嫌いだった。 雲は空を隠すから。 正直今も分かんないよ。 俺が雲だなんて信じたくないから。 何 で お 前 は あ の 時 、自 分 が 空 だ っ て 気 づ か な か っ た ? ま、もう手遅れだよ。残念。』 そう、これは多分夢だ。 元々は彼は私のことが好きで、だから私をこの世から隠していることなんて。 そんなの夢に決まってる。
愛しい君にキスを。【恋愛小説】
教会の鐘が鳴り響く。 重たい扉が開き、純白のドレスに包まれた君が、愛らしい笑顔を見せる。 一歩一歩進んで、俺の隣にくる。 隣にいるお義父さんは、もう号泣してる。 その姿を見た君がもらい泣きしてる。 俺はついクスクスと笑ってしまう。 そのことに気付いた君は頬を膨らます。 ごめんって。 神父が早くという目で睨む。 俺達はすぐに前を向いた。 神父が君に誓いのことばを問う。 君は泣きながら返事をする。 神父が俺に誓いのことばを問う。 俺は感極まりながら返事をする。 神父が「では、誓いのキスを」と、言う。 君の赤く染まった頬に手をあてる。 「ありがとう」 君が言う。 「こちらこそ」 俺はそう言いながら愛しい君にキスをした。 -END-
天使さんありがとう
私は坂上真優子(まゆこ)。名前が嫌いだ。だってこの名前のせいでいじめられるもん。 「眉毛!ちゃんと私の宿題やってよ?」 「眉毛~!俺の分のそ・う・じ!」 皆んなからのあだ名は眉毛。もっと可愛い名前が良かった。 はぁー…お母さんはどんな思いで付けたんだろうか… 「おい!転校生を紹介すっぞー」 「こんにちは天野美幸です!」 「えっ!?天野美幸!?」 クラスの皆んなが騒つく。天野美幸は雑誌のモデルだ。 「じゃあ天野さんは…坂上さんの隣な」 「よろしくね!」 「うん。よろしく」 だけどまさかの天野美幸もいじめられる様になっていた。 「坂上さんっていっつもため息ついてるけど何で?」 「名前のせいだよ。あだ名も眉毛だし」 「何でそうなったか知りたい?」 「そりゃ知りたいよ…」 「じゃあ教えてあげる!家に来て!」 「へ…?」 「誰にも言わないでね?私ね人間を幸せする天使なの!」 「えー!?」 「でね。過去には簡単に行けちゃうの!行こっ!」 「う、うん…」 どゆこと~!? ポワン 「いやーこの子は可愛いな」 「そうね。名前どうしましょう?」 「そうだ!真心だけど優しい子。真優子なんてどうだ?」 「真優子か…いいわね。優しい子になりそう」 「じゃあ今日からお前の名前は真優子だ!」 え… ポワン 「どうだった?」 「お母さん…お父さん…あんな思いだったの…?」 「そう!あなたはとっても愛情たっぷりな名前なのよ!」 「そっか…」 「じゃあそろそろ帰るね…」 「えっ…?」 「人間には天使の正体を見せてはならない。天国の決まりなの。だから帰らなくちゃ」 「私のせいだよね…?ごめん」 「大丈夫!貴方が幸せになれば全然気にならないもの!」 天使さんは消えた。私は想いを皆んなにぶつけた。そしたらいじめられなくなった。 天使さん!ありがとう!
朱色のクラス委員
私のクラス・2年C組で、クラス委員をすると、大変な思いをするんだって。もちろんそんなの噂。でも、血のにじむような努力をしないといけないから、’朱色のクラス委員’って呼ばれてる 「えー、これから、クラス委員を決めたいと思います。誰か立候補・推薦は居ますか?」 「はい。私やりたいです。」 「東田さんね。他には?いない?」 私の名前は、高奈 結愛(たかな ゆあ)中学二年生。今は、学活の時間。 「はーい!東田 鈴(ひがしだ りん)さんがいいと思いまーす!」 先生が、黒板に、鈴の名前を書いた。鈴はクラスの女王様。鈴の機嫌を損ねたり、鈴に気に入らないことをすると、鈴の命令で、すぐハブられる。でも、私は平気。無視をされても。クラス委員は、小学校の頃からやってるし、去年だってやってたから、出来る。 「え~!鈴にぃできるかなぁ?でもぉ、結愛ちゃんがやるとぉ、クラスがぁ、大変なことになりそうだからぁ、鈴がやったげるぅ~!」 はぁ。バカみたい。変な言い方してアピールして。 「じゃあ、一人ずつ、意気込みをいってくれる?」 「はぁーい!」 「はい。」 「東田 鈴で~す!鈴がクラス委員になったらぁ、クラスのみんなを、しっかりまとめてぇ、一致団結させたいでぇーす!じゃあ、意味ないと思うけど、結愛ちゃんどうぞ!」 はぁ。やっぱり、鈴がクラス委員になったら、ヤバイよな~ 「高奈 結愛です。私がクラス委員になったら、学校・クラスをより良くするために、挨拶運動、学校の清掃を徹底していき、先輩方と一緒に頑張ります。また、後輩が困っていたら、すぐ助けたりしてあげるなどしたいです。」 「はい。ありがとうございます。二人ともいい言葉。どちらがいいか決めた人から伏せてください。二人は後ろ向いてね。」 1秒、2秒、3秒。もっと沢山時間がかかったはずだ。でも、緊張したときは、ゆっくり、数えると落ち着く。 「クラス委員は、高菜さんに決定しました!おめでとう!」 「ありがとうございます。」 はぁ、良かった。クラスが変になることを阻止できた。でも、やるからには、本気でやらないと! ’朱色のクラス委員’ほんとに大変そうです。 【あとがき】 こんにちは!みあです♪ ここまで読んでくれてありがとうございます! お話はどうでしたか?感想・アドバイスなどがあったら教えてくれると嬉しいです。 長文失礼しました。
私がもう一人!
あかりは、他の人とは、少し違う。 まず、あかりのまわりには、不思議なものがたくさんある。変な文字が書かれてある、教科書のようなもの。ドラゴンの爪。勝手に走り回るカバン。異常に大きい猫。 次に、あかりの服装。長いローブに、手には三角帽子。 そして、あかりはたまたま、魔女だった。 みんなが知らないだけで、世界にはたくさんの魔法使いと魔女がいる。 魔法使いは男性、魔女は女性なのは知っているだろう。 「ねえ、ホントにやるの?」 小声であかりの友達、蓮斗(れんと)が言った。 「やるってば!他の人に聞こえるでしょ!」 そう、ここは学校。まわりには、魔女、魔法使い、魔女、魔法使い…。 あかりの仲間がたくさんいる。 あかりと蓮斗は、自分たちの分身を作ろうと考えていた。 いわゆる、人間界に行くために、分身を置いて、学校を抜け出そうとしていた。 魔法界なら、分身を作るのはたやすいのでは、と考える人がいる。しかし、分身を召喚するのは、高度な術だ。 「いい?まず、休憩時間になったらここに残る。そして召喚する。私たちは抜け出す。終了!」 こんなにも成功しそうにない作戦を、蓮斗は初めて聞いた。 「よし、すたーとぉー!」 休憩時間になったとたん、あかりはびゅーんと飛び出した。その瞬間、顔つきが変わる。 「デューステント・ポルミニカル!」 ムニュ。ムキムキッと音がして、あかりのお腹のあたりから、薄い色のあかりが出てきた。 頭、肩、腕、そして上半身、下半身…。 「おおー!」 思わず、蓮斗から声がもれる。次の瞬間、 「ワハッ、オハッ!驚き、桃の木!」 あかりの分身がしゃべった。 「こいつ、多分、学校においていけないな」 「そうだね。あきらめよっか」 分身を消すのに手間取って、先生に見つかり怒られたのは、言うまでもない。 アーメン。 おしまい
本物に意味なんてない
まるで音がなくなってしまったような 場所で私達はテーブルを挟んで座っていた。 聞こえるのは互いの息の音だけ。 彼女が何か言いだそうとした時に 私は目を吊り上げながら席を立った。 父にはうんざりする。 離婚をきっかけにまた新しい女を作るなんて、 ふざけるのもいい加減にしてほしい。 私はわざと音を鳴らしながら階段を上り、自分の部屋に入った。 ここならくつろげる。 誰も入ってこないし私の自由だ。 くつろぎタイムを楽しんでいると誰かが勝手に入ってきた。 もう察しがつく。 彼女だ。 私は目を鋭く光らせた。 『部屋を片付けなさい。こんなに散らかして。』 するとたまりにたまった思いが爆発し、 思わず口に出してしまった。 『本当の母親じゃないくせに母親ぶらないで。』 彼女は動揺したようで何も言わず部屋を出て行ってしまった。 胸を締め付けられたようだった。 何で私はこうなのだろう。 悪いことをしてしまったといつも後悔してしまう。 それ以来彼女とは口を利かなくなった。 いつものように部活から帰宅した時、ある会話を聞いてしまった。 私は音を立てないように耳をそばたてた。 『最近あの子と全く話してないわ。 口も利かない関係になってしまって、、、。 どうすればいいのかずっと悩んでて。 確かに複雑な立場にいてあの子自身も辛いと思う。 お互いに気を使ってしまっていたのかもしれない。 今度からは自分を出してあの子と向き合ってみようと思うの。』 初めて知った。 彼女のそんな気持ちがあったなんて。 私の中で何かが変わったような、そんな気がした。 私は頬に熱を感じながらリビングに足を運んだ。 家の中には音があふれていた。
秘密の花嫁
僕は今日も君の為のお水を持って、会いに行く。 貴方はガラスで出来た家にたたずんでいた。 「おはよう、ローズ。いい朝だね」 僕は貴方にそう囁き、お水を渡す。 貴方は「待ちくたびれたわ」とお水を一瞬にして飲み干す。 育ちも良く、品のあるその顔は美しく、僕を魅力する。 「何か、異常はない?」 そう聞くと、 「そうね、ここは快適で良い薬ももらえるし大丈夫」 といつもはトゲがある貴方は珍しく素直に応えた。 病弱な貴方は健康状態を管理することが大切、確か貴方のお父さんが言っていたね。 「そっか。今日は何をするの?」 「何って、日向ぼっこに決まってるじゃない。前も言ったでしょ、お日さまは私を元気にしてくれるの」 貴方はつんと顔を背ける。窓から入ってきた風が貴方の真っ赤で美しい髪をなびかせ、良い香りが辺りを包んだ。 ーーーーーーー どうも、元Airのねいぴです!! 今回のオチは、「僕」の「花嫁」というのは「バラの花」というものですw 分かりにくかったかもしれません、ごめんなさい...>< 感想ぜひお願いします!ありがとうございました♪
運命
…ありがとう、話しかけてくれて。 ありがとう、見てくれて。 ありがとう、愛してくれて。 ワタシは今日、あなたの晴れ姿が見られただけで、涙も飛んでいっちゃった。 初めて会ったのは、あなたが5歳の誕生日。 確か、お祖母様がワタシをあなたにプレゼントしたのよね。 私は子どもと触れ合うという事がわかなくて、本当はものすごく怖かった。 でも、そんなワタシをあなたは大切にしてくれた。 旅行も、お風呂も、寝る時だって一緒だった。 ワタシが1回、ベッドから落ちて、裏の隙間に挟まっちゃった事があった。 その時はあなた、起きた瞬間泣き叫んで、家族巻き込んでの大騒動となったのよ。 まだ小さかったし、一人っ子だったあなたは、家族からも愛されていたのね。 ワタシはあなたみたいに動けない。 動けたら、一緒に歩いてお出かけしたり、学校に行ったりできるのに。 何度もそう思った。 そしたら、神様が話しかけてきたの。 「君たちは、心の底からお互いを大事に思っている。それに免じ、君を自由にしてやろう」 って。 でも、約束があった。 自由になれるのは、3年だけ。そしてワタシたちの仲が壊れたら、ワタシは天使となって、二度とこの世には戻ってこられない。 翌日、起きたら知らない女の子が横にいるんだもの。あの日のように、あなたは大きな声を出したわね。 ワタシは本当に自由になった。 髪型や服が変わってなかったから、あなたは「おどかさないでよ」とすぐに笑ってくれた。 それからは、もっと日々が楽しくなった。 初めてのキスはそれから2年後。 ワタシが告白したのがきっかけで、キスまではできるようになったのよね。 最初は、ただ単に嬉しかった。 あなたを苦しめてるとも知らずに。 もうすぐ時効となる頃。 ワタシはあなたにはまだ神様との約束を伝えてなかったわ。 ワタシがベランダであなたを待っていると、あなたは数人の友達を連れて帰ってきた。 ワタシが手を振りながらお出迎えすると、何だかクスクス笑われたわ。 「これが、あんたの彼女?」 だって。 真ん中で顔を赤くして唇を噛むあなたを見て、やっと気付いたの。 あなたは、ワタシとの関係で虐められてた。 後で分かったけど、ワタシとデートしてる所を偶然見られて、問い詰められたらしい。 その時はあなた、ちゃんと恋人だと言ってくれたのよね。 あんなに大事になると知らずに… 虐められて、あなたはワタシと付き合う事に嫌気がさした。 あなたの視線ですぐわかった。 悲しかった。でも、本当に辛いのはこの後。 「あんたのせいだよ」 確かに、告白をしたのはワタシ。 キスを促したのもワタシ。 でも、この愛は2人で育んで来たものじゃないのか。 そう思ったけど、周りの女の子達が面白がってるのを見て、何も言えなくなった。 散々からかわれた後2人になると、あなたはやっぱりこう告げた。 「別れよう」 分かってた。 ワタシとあなたじゃ、結ばれないってこと。 あなたが言わなきゃ、ワタシが言うつもりだったから。 「…うん…」 ワタシが答えた時、一瞬の光と共にワタシに翼が生えた。 あなたをも包み込める、大きな真っ白い翼。 …あなたとの仲が壊れたから。 何も知らないあなたはとても驚いていた。 ワタシは足元から星屑になって行く中、簡潔に約束の事を教えたわ。 あなたは、怒った。 何で私に教えてくれなかったのって。 と同時に、泣いていた。 一時の感情で放った言葉を、とても後悔しているように見えた。 最期が泣いてる顔が見納めなんて、嫌だったワタシは、あなたの顔を両手で包み込んだの。 「ワタシ、あなたに愛されることが出来て、幸せだった」 笑顔にさせたかったのに、あなたはもっと泣いちゃって。 仕方ないから、翼でも包み込んであげた。 あなたは、泣き止んだ。 そして、ワタシは消えた。 バラバラになったワタシの1部を、あなたが握ってくれたのが伝わった。 今日はあなたの晴れ姿。 真っ白いドレスは、まるであの日のにワタシみたい。 お相手は、素敵な男性ね。 …佳奈、幸せになってね。 ―――「どうしたの?」 「え、いや、初恋の子がいた気がして」 「初恋の子って、確か…」 「うん、死んじゃった。でも、あの子は私とずっと一緒」 そう言って私は、星屑が入ったペンダントを取り出す。 「何だか、妬けちゃうな」 「バカ」 …メアリ、見てる?私は今日、とても幸せです。
イツワリ
「ーーあのっ、私、緒方(おがた)くんのことが…好きですっ!」 「…ごめん、俺好きな子いるから」 緒方くんはそう言うと走っていなくなった。 好きな子、いるんだ… 緒方くんには幸せになって欲しい。だから…諦めよう。私は唇をキュッと噛み締めて重い足取りで教室へ向かった。 教室は私の荷物がポツンと置かれていた。ため息をつきながらスクールバッグを肩に掛ける。 「…ゆずな」 名前を呼ばれ振り返ると、幼馴染の旬(しゅん)がいた。旬は弱ったように目を細めつつ、私の頭にポンッと手を乗っけた。 「…良かったな」 「え?」 「…想い、伝えられて」 「…なんで知ってるの?」 「ごめん、こっそり見てた…俺、ゆずなが好きなんだ。幼馴染っていう関係じゃなくて…“好きな人”なんだ」 旬は顔を赤らめながらそう言った。 でも…私、もう、『好き』が分からないよ…『好き』になるのが怖い… そう告げると、旬は「うん」と頷いた。 「今すぐじゃなくていいから」 「…ありがとう」 旬の広い胸に抱かれながら、いつかはまた誰かを好きになれる、という事を確信しつつ小さな笑みを浮かべた。 ーーーー くりです!感想待ってます。
(怖い話)アイドルグループの呪い
私はエマ。私は前オーディションに合格して、アイドルグループのメンバーになった。でも私は転入生だから、そのアイドルグループの先輩などに質問したりしながら練習などをしている。 「今日はここで終わり!じゃあみんな帰る用意して!」 私たちは帰る用意をすると、先輩と一緒に帰った。 「いつも私にいろいろと教えてくれてありがとうございます。」 「うふふ。全然いいわよ。あとね、私たちのグループにはねある噂があるの。」 「なんですか、それ?」 「前ね、チユって子がいたんだけど、その子ね、みんなからいじめられてて自殺しちゃったの。それでね、いじめのグループのリーダーの子が変死したの。それで今でもその噂は有名になってる。でもなんかこれ怖くない?でも面白いんだよねえ!本当かどうかわからないけど。」 「アハハハハハハハハハハハハ!」 私と先輩は笑いあった。 その次の日。スタジオに行くといつもいる先輩がいなかった。 「みんな!今朝、由衣が亡くなった。」 え!うそでしょ・・先輩がなくなったなんて・・そういえば昨日、先輩があの都市伝説を話して2人で笑ってたけどあれが許せなくて、霊が先輩を殺した・・もしかして、次はわ、私・・ そしてその夜。 「もう、マジサイテー!」 そう言った時。 「お前も笑っただろ・・」 「誰!いや、やめ、やめて・・いやああああああああああああああああ!」 私は殺されてしまった・・
俺と清田の友情クッキー
原因はとてもしょうもないことで、俺が親友の清田がミスをした時、友達に笑わされて、笑ってしまったことだ。 それから清田は、俺とちっとも口を聞かなくなった。謝ろうとして清田に近づくと、清田が俺を避けてくる。 「チッ!なんだよ」 俺も逆ギレして、清田と口を聞かなくなった。 8月になって夏休みに入っても、俺たちは謝ろうとせず、家でずっと宿題をやっていた。珍しく俺が宿題をきちんとやっていたので、親はとても喜んだ。 (なんだよ、こっちの気も知らずに!!!) きっと清田も同じことを思っているだろう。 9月。二学期になっても俺たちは口を聞いていない。 女友達は、 「最近清田と口聞いてないね。もしかして好きな人ばらされたWWW?」 本当うざい。 5ヶ月後、正月になるまで、俺たちは口を聞いていなかった。 親に、 「清田君に年賀状書かないの?」 と聞かれたが、 「ほっといてよ!」 と言って、年賀状を書かなかった。 数日後、清田から謎の缶と封筒に入った年賀状が届いた。 年賀状には、『あけましておめでとう』としか書いていなかった。 「は?なんだこいつ」 その後俺は、缶を開けた。 「えっ…?何これ?」 その中には、少し形の崩れたクッキーが一枚と、紙だけが入っていた。 「あいつ料理下手だな…」 クッキーは後にして、その紙を見てみると、 『ごめん。』 なぜか涙が溢れ出した。 「ばっ…いつも俺の方から…謝るんだろ…」 (明日絶対謝りに行こう!) 中にあったクッキーを口に入れると、あいつがそばにいる感じがした。 こんにちは! ペンギン人です! 今回は、感動できるような話を書きました! どうでしょうか? コメントたくさん待っています!! 次回作もお楽しみに!!
君に捧げるジムノペディ
自分の自慢話、中身の無い会話、上辺だけの付き合い。そんな奴らの中心で俺はピアノを弾く。なんでこんな奴らのパーティーでピアノを弾かなければならないんだ。俺はまだ、君に会えていないというのに。君に出会ったのは2年前の今。今日と同じ様な所でピアノを弾いていた時だった。君は独り端にいて、静かに座っていた。俺はそんな君に惚れた。なんとか君に振り向いてもらえないかと、1番自信のある『ジムノペディ』を弾いた。でも君はパーティーが終わるまでそこから動く事なく独りでいた。俺は少し肩を落としながら立ち上がり、帰ろうとした時だった。君は俺に話しかけた。 「ピアノ、とてもお上手でした。特に最後の…」 「ジムノペディ、ですか」 「そう言うんですね」 「好き、ですか?」 「はい、気に入りました。」 そう言って君は微笑む。薄化粧した上品な顔がシンプルな衣装に映える。 「今週の日曜、コンサート開くんですが、一席いつも余分に取ってまして。ジムノペディも弾きます。来ますか」 「はい、是非」 そこから君との交流が始まった。君はちょくちょく俺のコンサートに来ては話しかけてくれ、連絡先なども交換した。君に会う度俺はジムノペディを弾いた。君と何度か食事に行き、4度目の食事の時に告白した。君は優しく笑ってOKしてくれた。そこから俺の人生はガラッと変わった。何も無かった、抜け殻の様な生活は、キラキラに輝いていた。幸せの絶頂だった。なのに君は、消えた。 「別れよう」その一言で俺には何も言わせず、君は電話を切った。少し涙ぐんだ声に違和感を覚えた。俺の生活はまた、元に戻った。というよりもっと酷くなった。俺は金持ちのパーティーやコンサートの終わりに君を探すことが日課になった。心当たりのある場所をくまなく探した。君はどこにもいなかった。 「くそっ」 倉庫の様な部屋に置いてあるピアノに向かって椅子を投げる。ピアノは壊れていく。 「あ"ぁ"!」 俺の声が響く。ピアノを弾くのが嫌になった。 ある日、俺は何を思ったのだろう。病院へ向かった。そんな、まさかとは思った。色々な病院を回った。この病院で終わりにしようと思って中に入る。 「すみません、星川一葉(いつは)はいますか」 力の抜けた様な声で俺は聞く。 「はい、504号室です。最期を見送ってあげて下さい。」 俺は察した。急いで504号室に向かう。勢いよく扉を開ける。 「一葉!」 君の親族らしき人達は、俺の方を見て誰だ?という様な目でこちらを見る。俺に気づいた一葉は驚く。 「ど、どうしてだ。分かったのっ」 「言えよっ病気なんだったらそう言ってくれよっ!」 「天(そら)、ジムノペディ、聞かせて」 弱々しい声で君は言う。俺は君のためにジムノペディを口ずさむ。彼女は笑って涙を流す。 「やっぱり、この曲好き。」 「俺は、嫌いだ」 「えっ?」 君は不思議そうな顔でこちらを見る。すると次の瞬間、発作を起こした。俺は焦った。何も出来ない事が悔しかった。医師達は色々作業をしている。けど、君は逝ってしまったんだ。最期に「愛してる、君もあの曲も。だからピアノを弾くのやめないで。」そう言って。 今日も俺は中身の無い奴らの為にピアノを弾く。コンサートへ行く。そして君のためにピアノを弾く。 『ポロン』 静寂の漂う俺の家にピアノが鳴る。ピアノに手を添え、深呼吸をする。今日も俺は君のために弾く。あの日君に言えなかった理由。俺はジムノペディが嫌いだ。逝ってしまった君を思い出して辛くなるから。だけど君はこの曲が好きだから弾き続ける。 『君に捧げるジムノペディ』を。
視線をかんじる。
私の一日は、好きなアイドルのポスターを見て、ご飯食べて、仕事して、一日を終える。好きなアイドルというのは今大人気のアイドル、ゆうすけくんという子。私の推し。 話が変わるけど、私には1つ気になっていることがある。それは、いつからかずっと誰かから見られているような気がした。もしかしてストーカー?とも思ったことがあったけど、他に証拠がない。いつも気のせいかな、と思い直していたが、どうしても気になったのでいつも使っていたSNSで相談してみた。でも、 『こんにちは!それは怖いですね。』など、自分の求める答えはなかなか返ってこなかった。 そんなとき、1件の気になるメッセージが来た。見てみると、『それはポスターだよー^^』と書いてあった。嘘だと思いながらも外してみたら気にならなくなった。これで安心して生活できる。 しかし、どうして私の部屋にポスター貼っていることを知っているかのような答え方なのか、、、。 また不安が押し寄せてきた。
ゆびきりげんまん
さらり、と、彼女の頬を撫でた。 瞼に、頬に、唇に。 いつも通りの順番で、おはようのキスをする。 いつもと違うのは、彼女が俺に抱きついて来ない事と。 彼女の身体が、ひんやりと冷たい事。 ・・・ただ、それだけだ。 いつも柔らかかった唇は、少し固い。 俺がからかうと桃色に染まる頬も、今はただ、雪のように白かった。 瞼はしっかりと閉ざされ、開く事は無いのだろう。・・・もう、二度と。 『・・・おい、起きろよ』 ちゃんと、おはようの挨拶はしただろ?いつもみたいに、「おはよぉ」って。 『今はまだ夕方だぞ』 寝るには少し早すぎやしないか?今ならくすぐりの刑で許してやるから、間の悪い冗談はよせ。 『・・・結婚式、まだ挙げてねえだろ?』 ドレス選んで、式場も決めたじゃないか。お姫様みたいって喜んでたろ? 『退院したら二人で焼肉食いに行くんだろ?』 『夫婦貯金で一軒家買って、のびのび暮らそうって・・・』 一生一緒にいる、絶対に離れない、って・・・ゆびきりして、約束したじゃねえかよ。 俺一人だけ置いてくなんて、許さないからな? 『なあ、頼む。起きてくれ・・・っ』 彼女の小指に、そっと小指を絡める。 それでも彼女は、目を覚まさなかった。