短編小説の相談いちらん
短編小説
みんなが作った短編小説のコーナーだよ。※2024年9月30日までの投稿で受け付けを終了いたしました。
立場
私はいじめられている子でもいじめている子でもない。 私はそんなことも知らずにのんびり生きてるだけ いじめてる子やいじめられてる子とは赤の他人に過ぎない。 もしも私がいじめている子だったら もしも私がいじめられている子だったら そんなことは時々考える でも、答えは同じ、どうでもいいや そんな私は冷たい人ではないと思う 今まで一度もいじめに触れたこともない。大体の人はそんなもんだ だからといってほっておくわけにはいかない この世界が平和とは言い切れない 戦争がなくても平和とは限らない かといって平和じゃないことはない それは私の立場から見ての世界だ どの立場から見た世界が一番正しいかなんて誰にもわからない
通り抜ける世界で、君と
キーンコーンカーンコーン…… 「じゃあねー」 「また明日ー」 チャイムが鳴るなり、クラスメートがホッとしたような笑顔で教室を出ていく。中には部活に行く人や、教室に残っておしゃべりをする生徒もいた。 私・神谷沙和(かみや さわ)は、そんな教室を見回して小さく息をついた。 「はぁ……」 すごく緊張するなぁ……。 でも、今日必ず言うって決めたんだから。逃げるなんてできない。 私は意を決して、カバンを持って2年5組を出ようとした。 その時、教室に残っていた人たちの中から、わっと声が上がった。チラッと見やると、男女数人グループが爆笑しながらお互いの肩を叩いたりしている。 それを見たら、ず~んと心が沈む感じがした。 (ああ……。みんな人に触られて、うらやましいなあ) ――そう。実は私には『人に触れる・触られることができない』未知の障害がある。 それは、人に触ったら皮膚かなにかが炎症を起こすから触っちゃいけない、という事情ではない。……人に触れられても、『通り抜けてしまう』のだ。 いうなら、実体のある幽霊って感じ。見れても触ることはできない。人以外の物なら、触れるんだけどね。本当にやっかいな障害だ。 そして、私の障害のことは、学校では先生など必要最低限の人しか知らない。だから私は、触られることのないように人とは距離をとっている。万が一バレたら……大変なことになりそうだから。 それでも、唯一私の秘密を知っている人がいるんだ。それは――、 「あ、沙和ー」 靴を履き替えた時、ちょうど彼の声がかかった。幼なじみの南悠人(みなみ ゆうと)だ。そう……私の障害を知っている人。 ドキッとした。親の心配で、部活がない日は私と悠人は一緒に帰ることになっている。周りの目がとても恥ずかしいけれど、正直――嬉しいなぁって思っている。 だって私は、悠人が『好き』だから。幼なじみとしてじゃなく、一人の『男の子』として。 で……これから悠人に、告白しようと思っているの。だから教室で息をついたわけだ。 ああ、すっごく緊張する……。そんな私の思いを知らない悠人は、のんきな顔で帰り道を歩いている。ま、ますますドキドキしてきた。でも、決めたんだ。告白するって! 「あ、あのさ、悠人」 立ち止まってぎこちなく声をかけると、「ん?」と悠人が私を見た。心臓がドクンと跳ねる。 「あ、あのね、私――」 言わなきゃ。好きだって! 「私――」 悠人は靜かに、私の言葉を待ってくれている。私は意を決して、バッと頭を下げた。 「私、悠人が好き……!!」 い、言ってしまった……!! 怖くて怖くて、ギュッと目をつぶる。心臓がこれでもかというほどに暴れている。「え――」と悠人の声が漏れた。 な、なに――? もしかして私、フラれる――っ? 身体が芯まで冷たくなると、ガッと乱暴に頭を上げられた。私は目を開く。そこには、悠人のどアップがあった。 私は息を呑む……とそこで、(あれ?)と気付いた。 悠人、通り抜けるはずの私に触れている……? 「……なるほど。沙和が触れるようになる条件は、『両想いになること』だったんだな」 びっくりしていると悠人が言い、私はさらに驚く。 りょ、両想いって……! すると、悠人が顔を赤らめて言った。 「――俺も好きだよ。沙和」 「えっ!?」 驚きのあまり、私は悠人から離れた。でも悠人は、そっと私の手を取って。 「俺たち、両想いになったから、沙和に触ることができるよ」 えっ、え……!! 誰かに触られるのって、こんな感覚なんだ。 くすぐったくて、やわらかくて、あたたかい――。 こんな感覚を得られるのは、私たちが、両想いになったから――。 「じゃ、帰ろっか」 ニコッと笑って、悠人が私の手を引く。 「――うん!」 私も笑顔でそう返して、彼の手をぎゅうっと握った。 ――END――
短編小説 お父さんと私
私、フミ子。12才。広島の町に住んでるの。お父さんは医者で、戦地で兵隊さんの治療をしてるんだって。今は昭和20年(※)の初め。もう半年もお父さんに会っていない。はやくお父さんに会いたい。でも、お母さんが「お父さんはお国のためのに、天皇陛下のために頑張っているからすぐには戻ってこないわ。」って言っているから仕方ないないなと思っていた。 だけど春になって戦況は、ますます悪化していった。桜なんて、5年前にここでゆっくり見ていたのが夢みたいだ。毎日度々鳴る空襲警報(※)。少ない食べ物。そんな日常を過ごしているうちにお父さんの記憶はどんどん埋もれていった。 初夏。私はひどい腹痛にみまわれた。防空壕(※)の中で吐いてしまった。たいして食べる物などないからほとんど水だ。家にあるあとわずかなお金で近くの医院へと向かった。軍のトラックに乗って。 医院では、優しいお医者様が診てくれた。お金がないからお薬代は払えないって言ったら、「無償であげるよ。」と言って渡してくれた。戦争が始まって以来、こんな優しい人は初めてみた。何しろ皆、今日を生きるのに精一杯なのですから。 「!」 その時、唐突に思い出した。お父さんの記憶を。お腹を診てくれたお医者様とお父さんの姿、声が重なる。私は家へ向かって走った。お父さんの写真を見るために。お腹のことなんかどうでもよくなった。 どれだけたっただろう。やっと家に着いた。他の兄弟は寝ている。空襲警報で、昼夜関わらず叩き起こされているもんだから昼寝が日課だ。 お父さんの写真を手に取った。決してたくましいとはいえない体。それまでは検査で戦地には行かずに、医者として働いていた。周りからは、「非国民」「天皇陛下に失礼だ」と散々言われた。家に赤紙(※)が届いた時にはお母さんが「やっとお国はお父さんが役にたてるということをわかってくれた。」と言って皆で大喜びした…………そんな思い出話がよみがえってくる。 (お父さんは今なにをしているかな。) とふと思った。 8月6日午前8時15分。突然ピカッと光ってものすごい音がした。そう、原爆だ。すぐさま防空壕に避難した。熱い。死にそうなくらい熱い。お父さんは今なにをしているかな。お父さんに会いたい。お父さんに会いたい。お父さんに会いたい。 5日後。お父さんは焼け焦げた家のあとに、ぼろぼろになって帰ってきた。なんでそんなことがわかるかって?家族みんなで空から見ていたからだよ。 終わり 〈言葉の解説〉 昭和20年…1945年 空襲警報…空襲がくるときに鳴る警報 防空壕…空襲がきたときに逃げ込むところ 赤紙…国から届く「戦地へ行くように」という命令が書いてある紙。 〈作者より〉 最後まで読んでいただきありがとうございます。短編小説は初投稿です。よかったら感想などを書いてくれると嬉しいです。誤字、脱字がありましたら、優しく教えてください。
探偵ひびきの解決ノート☆
私、ひびき。中学二年。 探偵をやってるの。 【事件】 ・鈴の持ち物が無くなり、私に相談 →仮犯人=加山 ・決着=明日 【手がかり】 ・持ち物が無くなる →加山が所持している ・加山に聞く →否定 【結論】 「加山さん、あなたが鈴の持ち物を盗んでいたのよね?証拠はあるわ。ほら、あなたが盗んだ体操袋、チョコレートが付いているわよね?これは、あなたしか食べない高級チョコレートなの。」 「ちっ違う!私は……私はやってない!そ……そんな高級チョコレートかどうかもわからないのに決めつけないでよ!」 「まだわからないみたいね……いいわ。これを見て。写真よ。カメラ部にお願いして、一眼レフで撮ってもらったの。さあ白状なさい。あなたがやったのよね?」 「……わ……わたしです……だっだって、私はお金持ちだけど庶民的な持ち物は持ってなくて……維和(鈴)さんの持ち物が私のタイプにスゴくあってて………本当に……ごめんなさい。」 【犯人】 加山夏々 =================== みなさんどうでしたか。 探偵物は初めてで下手ですがよろしくお願いします!
【短編小説】空に手をかざして
「気持ちいい…。ね、唯斗(ゆいと)もそう思うでしょ。」空に手をかざしたキミがぼくに話しかける。 う、うん。キミと話すのになぜだか緊張して、うつむきながらぼくは心の中で返事をする。キミの横顔は綺麗だ。本当に気持ちよさそうに、満足気に空に手をかざすんだから。「じろじろ見ないでよ」とキミは空を見たままぼくに言う。えーー!バレてる!? ぼくたちの周りではセミの鳴き声が絶えず聞こえる。じりじりと照りつける太陽が、ぼくたちの腕を焦がす。うーん、と伸びをしたキミが「さ、帰ろ」とぼくの手を取る。えーー!また突然のことに驚いてキミに手を引っ張られながら走る。目的地はわからない。ただ一つ確実なのはぼくたちにとって大事な思い出になる場所ということだった。 ついたのはカフェだった。涼しー!何がいい?と聞くとタピオカミルクティーと即答で答えるキミの女子力の高さを思い知らされる。ぼくは何も頼まず、キミの分だけ頼んだ。まあ、『全財産が400円だっただけ』なんてとてもキミに言えやしないよ。いつもの癖でおいしいね、と言いそうになったがぼくは何も食べていないので堪えた。 キミとの出会いは去年の夏。「桜井日向(さくらいひなた)です」と名乗ったキミの頬は、確かに日向のように明るい色をしていたかもしれない。仲良くなって、ずっとこんな日々が続いていくんだって勝手に思い込んでいたけど、それはどうやら間違いだったようだ。 「あのさ、唯斗。わたし、引っ越すことになったから。これはお別れ会なの」え…突然のことに、言葉が右耳から左耳にぬけていく。引っ越すことになったという言葉が脳内でぐるぐる回り、何も考えられなくなる。僕たちはスマホなんて持ってない。連絡手段はないのだ。手紙、と言ったってお互いの住所すらわからない。気がつけば頬を温かい何かが伝っていた。お別れ会って…そんなの…唐突すぎるよ…キミもないているようだった。泣きながらキミはごめんねと言った。お父さんの都合だそうだ。「じゃあ…」じゃあねと言って立ち去ろうとしたキミの言葉を遮って、ぼくは「また二学期に会おう」という叶わぬ約束を交わして手を振りながら帰った。本当は会えるなんておもっていない。ただ、あとほんの少し夢を見させて欲しかっただけ。 ーendー 作者のまみうさです。 切ない青春物語が書きたくて作りました。 初めて書いたので色々と至らない点があるかとは思いますが、アドバイス・感想お待ちしています。
氷を溶かすほど(短編小説)
さっきまで確かにそこにあった心地よい温もりが、 容赦ない雪に洗い流されてゆく。 吹雪の中、10歳くらいに見える一人の少年が歯を食いしばって歩いている。 遭難して、親と別れた少年は、捜索が打ち切られ、 凍死したと思われていた。 それでも彼は、親を探して歩き続け、ついには頂上から山の中腹まできた。 ただ、持っている食料はあとわずか。 山を下りる体力も残っておらず、 助かる可能性はゼロに等しい。 それは彼が一番知っていた。 歩くのに疲れた彼は、一休みしようと、マッチを擦って暖をとっていると、急に視界が暗く、狭くなった。 意識が遠のいていく中で、 「もう終わりか」 彼はどこかほっとしたように呟いた。 彼が目を開けると、そこはさっきまでいた場所ではなく、 大樹の根元だった。 「おかしいな」 雪も降っていない。 空腹でもない。 自分は死んでいなかったのか… でもどうして? 彼が起き上がろうとすると、隣に何かがいるような気がして、それは彼に応えるようにワンと吠えた。 「犬…?」 白い毛並みに、好奇心旺盛な目。 それでいて、筋肉質な身体は、 彼には見覚えがあった。 家で飼っていた犬だ。 でも、数年前に死んだはず。 「どうしてここに…?」 犬は答えようとせず、黙って彼を誘導するように進んだ。 少年がしばらく犬についていくと、 開けた土地に出て、そこには、 凍死体となって発見されたはずの親が見えるようだった。 「母さん、父さん…!どこにいたんだよ!」 だが、手を握ろうとした瞬間、犬が吠えたてた。 「お前はまだ完全に死んでいないんだ。 死者に触れたら道連れになってしまうぞ」 父が犬を嗜めながら、少年に言った。 少年は身震いした。 「でも僕は、みんなと一緒に…!」 「ダメなものはダメなんだ!理解しろ!」 父が大声を出したが、少年はかまわず手を握った。 一瞬体が浮いたように思えた。 彼は、家族と一緒にいることを選んだ。 若き彼は、自ら進んで死者になったのだ。 ―― 初めまして、米と麦です。 保存ができない関係で、短くて物足りなくなってしまいましたが、感想等はどんどん送ってください! よろしくお願いします。
自分の物語。(小説、かな?)
人生は、いくつもある選たくの中で、その中のいくつかが悪いことかもしれない。 だけど、悪いことがあっても、進める選たくしがあるかもしれない。 人生は自分で選ぶことができる。誰にもジャマをされず、できること。 でも、もしかしたら・・。 この不安を乗り切れば、きっといいことがある。 これが「人生亅というもの。人が生きる、生きているからできること。 人生を切り開いて。 自分の物語をつくろう。 XXX 作者です。どうでしたか? 「自分の物語亅は、ふと頭の中で出てきたって感じです。 では!
夏休み、君に会えなくて切ない。 [恋愛小説]
夏休みは、学校に行かなくていい。 学校に行かなくていい、という事は、良くも悪くもあった。 私は、学校に行くと好きな人に会える。 夏休みの間ずっと、好きな人に会いたくてたまらなかった。 好きな人に会えなくて、切なかった。 8月11日。 私は公園で友達と遊んでいた。 すると、いつの間にか同じ公園に、好きな人がいた…! 久しぶりに会えて、とてもうれしかった。 あい変わらず、元気だ。 本当は話しかけてほしかったけど、好きな人は友達とふざけているだけだった。 でも、好きな人を遠目で見ていられるだけで、うれしかった。 あれから5日がたったが、好きな人とは会えていない。 早く2学期が始まってほしいような、始まってほしくないような… 夏休みは、私を複雑な気持ちにさせたのだった。
たった今モノをすてた人へ(こわい?)
たった今、使えるケシゴムをすてた人 いつかそのバチ、返ってきますよ たった今、使えるえんぴつをすてた人 いつかそのバチ、返ってきますよ たった今、悪いことをした人 いつかそのバチ、返ってきますよ たった今、この詩を読んでいる人 悪いこと、してはいけないよ
妄想の中では、幸せです。
「悠美、デート楽しかったね」 「うん、ありがとう!」 私、悠美ははしゃいだ声で言った。 でも、私は彼氏なんていない。 私は、ロールプレイ性妄想性障害だ。 この病気の症状はなんでも妄想してしまうこと。 私は彼氏なんかいないのに彼氏がいると言い張って、友達に引かれて、周りから気持ち悪い目で見られる。それが私の日常。そんなことどうでもいい。 だって今日はデートの日! 駅前で待っていた彼のそばに駆けていった。 「悠美、今日もかわいいね」 「えへへ、ありがとう」 私は、妄想の中では、幸せです。
私にとっての先生。
私が学校の屋上にくると、そこには先生もいた。よく見るとその先生は今年…というか明日この学校を去る先生だ。来年は違う学校に行くはずだ。私の好きな先生だったから寂しいが、これは仕方ない。そんなことを思っていると先生が声をかけてきた。これはその時の会話である。 先生 「貴方、こんなところで何をしているの?」 私 「暇な方を探していました。先生は何をされているのですか?」 先生 「私は…屋上の景色をみようかなぁって。でも暇だから付き合ってあげてもいい。」 なんて上から目線なんだ…といっても先生だから別にいいか。 私 「ありがとうございます。」 先生 「貴方は1年間この学校で生活しているよね。貴方は先生のことをどう見てる?」 私 「それは先生、貴方のことですか?」 先生 「私のこともそうだけど…他の先生のこととか。」 私 「分かりました。先生を傷つけるものもあるかもしれませんが問題ありませんか?」 先生 「もちろん。」 私 「私は英語が好きです。しかし、ときには精神を病むこともありました。発表のとき早すぎたり うまく文章を読み取れなかったり…。予習したくないこともありました。学校に行きたくないこともありまし た。しかし、英語の先生は自分のことを認めてくださっているとなんとなく理解していました。だからこそ、 その期待に応えようと思っていました。国語も同様です。自分のため…もありますが自分のためだけでは続か ないこともあります。先生に当てられることは緊張することですが、それ以上に常に予習をして先生と同じく らい自信をもって授業に参加できるよう頑張っています。逆にいうと国語と英語以外はそんなに情熱ないです ね。授業とか平気で寝ます。数学の先生2人は私のことなど眼中にもないでしょうね。その先生に愛されたい かそうでないか…私のやる気はそこにあります。本当はよくありませんが。真面目な話、英語と国語以外は探 究心がないのでテストで点取れればいいと思っています。」 先生 「へぇ。貴方は私が貴方を愛していると思っていたのね…。テストの点数がいいから関心はあったけど…。」 私 「私は気になる先生のことはよく見ています。『所詮子供』は通用しませんよ?」 先生 「そうね。なんだか貴方の思いに応えられなかったような気がしてなんだか申し訳ないわ。私が貴方のことを思 っている以上に貴方は私のことを思っていたのね。」 私 「先生との関係はそんなもんです。気にしていませんよ。」 先生 「ありがとう。もう行くの?」 私 「はい。最後にもう一つ。数学の先生2人は私のことなど眼中にもないでしょう。その方が私的にも気が楽で す。別に構ってもらいたいわけではないので。」 先生 「そう。」 私 「さようなら。」 先生 「さようなら。気をつけてね。」 完
妖しき猫又物語 ~椿の花一輪~
さんさんと照りつける太陽の光。 私…狛坂妖寧(こまさかあやね)は学校から帰っている最中だった。 下町の様な古びた町並みを通り、もう今は使われていない小さな廃トンネルを抜ける。 そしてさらに進むと、まるで異世界の様な妖しい雰囲気の森が出てくる。 そこに一歩、足を踏み入れた。 するとそこは、神社の境内の様な場所に変わるのだ。 薄暗い空のした、石畳の道にぼやんとした暖かい蛍に似た光が漂い、季節関係なく椿の花が咲き誇っている。 さらに目の前には、「封」と書かれたお札が貼られた赤い鳥居が立つ。 「さてとっ」 私はカバンから一枚のお札を取り出し、それを持って椿の花一輪を手に乗せた。 ぼんっ。 私の周りに煙が立ち、煙が晴れた時にその場にいたのは、深緑色の毛並みをしており、金色の目に二又の尾を持つ猫だ。 「ふふ」 そう、私は猫又(ねこまた)という猫の怪異なのだ。 正確には、猫又と人間のハーフだけれど。 そして此処が先祖代々受け継がれてきた境界(きょうかい)。 この場所は結構気に入っている。 さてと、今日も町を回るとしよう。 椿の花一輪を加え、境界を出て町に降りる。 今日は誰にこの花を渡そうか。 この町での「猫又」の噂は、 『辺りも暗くなってきた頃人気のない道を歩いていると突然緑髪の少女が現れる。その少女は出会うと椿の花一輪を渡す。その花を持っていると幸運が舞い降りて来る』 という、随分とご利益のあるものなのだ。 ちなみに、「緑髪の少女」は私のことだ。 そんなことを思いながら、町の神社の側にある道を進む。 (人がいる!) 長い黒髪の女性だ。 うろうろとしている。 もしかすると、誰かを待っているのかもしれない。 私はそぅっと女性に近寄り、声をかけた。 「どうかしましたか?」 「!!」 女性は目を丸くして私を穴が開くくらいに見つめる。 「貴方(あなた)…もしかして噂の?」 「え?噂って何ですか?」 「猫又の。緑髪の女の子に会って、椿の花を渡されると幸運が舞い降りる…っていう」 この人は噂を知っているらしい。 「へぇ、そんなのがあるんですね。知りませんでした。 所で、誰かを待っているのですか?」 「猫又を待っていたの」 (幸運になりたいということか…) 私はふぅ、と息をつき微笑む。 「幸運になりたいんですね?」 「えぇ。仕事は何一つ出来ないし、恋愛だってしたことがない。あたしは能無しよ。努力しても無駄。…何でなのかしら」 そして女性は深いため息をついた。 (よし、今日はこの女性に渡そう) 私はそう決心し、椿の花を出して女性に見せた。 「貴方にあげます」 「え?やっぱり、貴方が猫又の女の子なの?」 「ふふ」 私は花を持ち、猫又に姿を変える。 ぼんっ。 椿の花を加えた猫又の私はそのまま女性に花を渡した。 「幸運、訪れると良いですね」 「ありがとう!!」 「貴方の名前は?」 そう尋ねると、椿の花一輪を手に乗せた女性は笑った。 「菜穂子(なおこ)。菜穂子よ」 「菜穂子さん…さようなら」 「猫又さん、このことは忘れないわ!」 そんな声が、駆け出す私に聞こえた。 菜穂子さんに、幸運が訪れます様に。 そして私はその日の猫又としての役目を終えた。 その後、菜穂子という女性がめでたく職場の人間と結婚したという話を風の噂で私は聞いた。 さて、今日は誰に椿の花一輪を渡そうか。 ~『椿の花一輪』完~ ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めまして、花狐はく(はなこはく)です。 初投稿なので下手だと思いますが最後まで読んでくださった方に感謝します!! コメント頂けるととても嬉しいです! それでは、失礼。
大好きが1番嬉しい。
今日は満月だ。 私は今、修学旅行で京都に来ている。隣には彼氏。 私と彼の友達が協力して、二人きりにしてくれた。とは言え、これがばれて怒られるの私達なんだよなーと思うと、素直に感謝できない。 「今日、月めっちゃ綺麗だな!」 彼が言った。 普通に月を称賛しただけかな、と思い、 「京都の月は、やっぱ違うんじゃない?」 と答えた。 「あ、うん…そうか…そうだよな」 隣からそんな声が聞こえてくる。 え、マジか。この人そんなロマンチストだったの?と思ったが、それにしたってさっきの言い方は微妙では無いだろうか。 今日の月を褒めたたえるのは、私のことを、今日だけ好きだと言っているのと同じではないかと思う。 そう考えるとちょっといらつく。なので、少しお返しをしてやろうと思った。 「今日の月は、私的にはあんまり綺麗じゃないかなーっ」 隣から小さく、えっ、と言う声が聞こえてくる。 その声につられて彼の方を向くと、ガーンと言う音が聴こえてきそうなほどショックを受けた顔をしていた。 やべ、可哀相なことしたかもと思い、言葉を重ねてあげる。 「綺麗なのは、今日だけ?」 「あっ」 言葉の意味を理解した彼は、今度は慌て出した。表情豊かか。良いけど。 「それに、回りくどい言い方じゃなくて、わかりやすく簡潔にどうぞ?」 きちんとお膳立てをしてあげる。ほら、言えるよー? そう思いながら彼を見ると、ムズムズした顔をしていた。え、何その顔と思う前に、彼に抱きしめられる。 「好き!お前が、いっつも好きだよ!」 耳元で、声を抑えて彼が言う。 「あはは、私も」 そう言うと、抱きしめる力が少し強くなって、 「今日は…?」 と、シュンとした声で聞かれる。あれ根に持ってんのか、と思うと苦笑してしまった。 私はものすごく彼のことが好きなんだから、安心して愛されていれば良いのにと思う。 「もちろん、今日もだーいすきだよ?」 そう言って彼のことを抱きしめかえした。 END 少し短めです。読んでくださってありがとうございます!楽しんでいただけましたら幸いです。 この間、誰が何を喋っているのかわからない・展開が早いというアドバイスをいただいたので、台詞量を少なくして、前後の文でもわかりやすくするのと、小説内で過ぎる時間を短くしてみました。いかがでしたでしょうか? 感想やアドバイス、お待ちしてます。
夏の天敵と甘いサイダー
サラサラ、と必死でシャーペンを動かす。 夏休みの数学の宿題提出日まで、後2日。 なんとかしてドリル20ページを終わらせなくては!! 私は七峰夏織、中学一年生。 宿題の多さに焦っている最中です☆ あ、こんなことしてないで、進めないと。 サラサラ、サラサラ。 !書き間違えた。 慌てて細い、白い消しゴムを手に取りドリルに擦り付ける。 消しかす達が増えていき、ドリルのページにくっついていく。 後2日だ。頑張らないと。 そう思い、机の上に置いてある水滴の付いたサイダーの入ったガラスコップを持ち、ゴクゴクと飲む。 あー、生き返る。 そして再び水色のシャーペンを握り直し、ページに書き込み続ける。 ぺらり。 やっと見開き1ページ終了だ。 「ふぅ」 思わず近くに置いてあるスマホに手が伸びそうになるが我慢し、問題に集中する。 サラサラ、サラサラ。 頑張れ、私。 ここ見開きを終わらせる!! 開いた窓から夏の風物詩、セミの鳴き声が聞こえる。 ミーンミーンミーン。 そして、誰かの家の風鈴の音が微かに聞こえる。 リィン…リィン… そんな音たちに囲まれ、疲れればガラスコップ入りの甘いサイダーを飲む。 サイダーは私の元気の源だ。 よし、頑張るぞ。 やがて、夕方。 「終わった…」 ものすごい達成感だ。 サイダーも、二杯おかわりしてしまった。 しかし、ガラスコップに入った三杯目のサイダーはもう残りわずかだ。 夕方、セミの声も聞こえなくなった。 そのかわり、サイダーのシュワシュワという心地いい音がする。 この音が、一番好き。 そう思いながら、グイッとサイダーを飲み干した。 やっと、数学の宿題が終わったのだ! 翌日。 一応、数学の宿題範囲を確認する。 『ドリル2~22、25~40 ページ』 ここまではやった。 え、これと夏のプリントだけ…だよね? そう思い、範囲表を少し隠していた親指をそぅっとどかすと… 『夏の問題集、一章から三章』 と、無情な印字で書かれている。 え。 嘘?? ここ、やってない…。 完 もっけ飴です(*´∀`*) 初の短編小説! 下手だとは思いますが、最後まで読んでくれてありがとうございます!!! 感想くださればめっちゃ喜びます(*≧∀≦*) 辛口&タメ口OKです♪ それでは~。
弱者
はっきり言って、私はできる。 テストではいつも良い点をとるし、運動神経も人並みにある。難しい検定だって合格した。 小学五年生。周りの奴らは皆バカ。 できる私だから、私の言ってることは皆には分からないみたい。 少し前までは友達もいたけど、しょうもなさすぎて離れちゃった。 好きな人。悪口。ファッション。 生産性の無いことばかり話して、恥ずかしくないのだろうか。 私もその手の話題を振られたことがある。 でも、同じようなことを言って突き放した。 そういう時、毎回相手は悲しそうな顔をして私から離れていく。 それでも私はなんとも思わないし、むしろ有難いと、そう感じていた。 その日、私はくだらないことで突っかかってきた男子を泣かせた。 その後はクラスメイト、教師ですら私のことを少し遠ざけた。 私は、やっぱり何も思わなかった。 放課後、一人で帰っている時、私は車に撥ねられた。 しばらく視界が真っ暗な状態が続き、やっと前が見えた。 そこには、白い服を着た、顔の見えない女の人がいた。 「あなたは、可哀想な子ね。」 可哀想?可哀想なんて言葉は、私のクラスメイトにでも言ってやってほしい。 間違っても、私に使う言葉じゃない。 「分からないのでしょう?」 「あなたは、人とうまくやっていく方法を知らないのでしょう?」 違う。できる。してないだけ。 「気持ちが無いなんて、生きていないも同然よ。勉強、運動なんて、ロボットでもできるもの。」 うるさい!! 「あなた、何のために生きてるの?」 「ッハァッ!ッハァッ!!」 「あっ、和美。起きたの?」 私は、病院の中であろう場所で、ベッドの上にいた。 後で話を聞くと、軽症で済んだらしい。 3日程で退院できると、そう言われた。 「良かったわね。塾はいつから行けそう?来週からなら行けるかしら? 勉強できなかったら大変よ。」 「うん」 この人は、私の事なんて興味が無い。 だから、私は勉強を頑張るしかない。 そうすればいつかは、期待に応えられた時は、ちょっとくらい褒めてもらえるかもしれないから。 だけど、私は何のために生きているのか。 親に喜んでもらうため? 勉強をするため? どれもピンとこず、私はただただ俯くことしかできなかった。
【短編小説】特別
ずっとずっと自分がここにいる意味が分からなかった。 頭も特別良い訳では無くて、運動も特別できる訳でも無くて、 性格がものすごく良い訳でもない俺。 普通で平凡で『個性』なんて『特別』なんて分からなかった。 一時期、それが悩みのタネになって消えたくなった。 いなくなっても誰も悲しまない、そう思った日がたくさんあった。 ある日からストレス発散で小説を書き始めたんだ。 日が経つごとに「尊敬」とか「応援します」とか「ファンです」 っていうコメントを見かけるようになった。 そういう言葉を見ているうちに、気付けば口角が上がっていた。 でも、そんな良い意見ばかりじゃない。 「駄作」とか「ありきたり」とか「面白くない」とか。 たった一つの言葉に心抉られる日もあった。 それでまた、消えたいと感じるようになったんだ。 だけど、やっぱり応援の言葉を見ると、 俺にも特別な所がある!って思うようになって頑張ろうと思えた。 「僕もあるかな?特別な所。」 大好きなシリーズの最新刊を買いに来ていた本屋さん。 まだ開店したばかりでお客さんは少ない。 最新刊を買って暇潰しで色んな本を眺めていたら目に留まった薄い本。 タイトルは『特別とは』。 どうやら最近、有名な作家さんが書いたらしい。 気が付けば僕は本を開いていた。 「…特別な所。」 一旦、本を閉じて、目をつぶる。 心に残ったワードが『自分の特別な所』。 僕は自分が思う限り、自分の特別な所なんて無いって思ってる。 太ってて、イケメンじゃなくて、運動も勉強も出来なくて、 いつもパシリに使われてる僕。 何も自分の良い所なんて無いとずっと思ってた。 けど、この本を少し読んで思った。 少しだけかもしれないけど、僕にも特別はあるんじゃないかなって。 自分が気付かないうちに僕は自分だけの才能を開花してるのかな…。 なんて思いながら僕はもう一度レジに向かった。 作者のブルーです。 『個性』とか『特別』とかずっと分からなかったです。 今も分からない事に変わりはないんですけど、 自分がここにいる意味は少し、分かった気がします。 感想・アドバイスをお願いします。
不思議な少女と夏祭り
今日は神社で夏祭りがある。 一年前の神社での夏祭りで俺は、同い年くらいの子に恋をした。 その子は麗菜(れいな)という名前だった。 麗菜とはすぐに仲良くなった。 同じ町に住んでいるはずなのに、なぜか夏祭り以外では見たことがない。 「今日も会えるかな」 自然と笑顔になりながら神社まで走る。 青空がだんだん橙色に染まっていく。 そこには、神社の境内に寂しそうに立っている麗菜がいた。 浴衣で狐のお面を頭につけている。 そういえば、この神社は狛犬じゃなく狐だ。 「ごめん、待った?」 「ううん、私も今来たところ」 少し不思議な雰囲気を纏っている麗菜は笑いながらそう答えた。 それから、屋台に行ってかき氷やりんご飴を買い、沢山話した。 さっきまで橙色だった空が、数分で真っ暗になった気がした。 何時間経ったんだろう。と考えていたら、ドンッ!と、音がして空を見上げると、花火があがっていた。 二人してしばらく花火に見とれていた。 最後の大花火がもう少しであがるのを聞き、神社の階段に座り、楽しみにしていた。 とても綺麗で大きい花火があがった。 と同時に、麗菜が 「好きだよ」 と言った。 俺はその言葉を一瞬理解できなかった。 が、理解した途端、驚いて麗菜の方を見ると、 麗菜はいなかった。 その後いろんな人に麗菜のことを聞いたが、誰もが、そんな子は見ていないと答えた。 次第に俺も、あの人のことを忘れてしまった。 どうも、湊です! 最後まで読んで頂きありがとうございます! 恋愛小説を書いてみました。どうだったでしょうか? 今年は夏祭りがないので、コロナが収まって俺に好きな人ができたら、 こういう恋愛がしてみたいなーwと思いながら書きましたw 麗菜が寂しそうに立っていたのは、告白すると会えなくなる、 相手から記憶がなくなることを知っていたから。 つまり、麗菜はその神社の神様で、 人間と神様との恋愛は叶わないから、告白をすれば記憶も姿もなくなるということになりました。 感想お願いします!
競争【恋愛短編小説】
俺は、奏。俺には、幼馴染みの桜がいる家が隣で窓が近くにあるからいつでも会える。前は、窓から糸電話して怒られた。いまは、競争している。どっちが早く恋人が出きるか。 学校で桜が告られた。家に帰ると早速桜が「告白された」。と言ってきたしかも告白相手は学校一のイケメンな涼だ。俺は、泣きそうになった。小さい時から好きだったから俺は、振られてもいいから今の気持ちを言おうと決心した。そして、「桜さん!小さい時から好きでした!涼と幸せになって下さい!」桜が、「奏、お願い聞いて。私もずっと前から奏が好きだったよ。だから、付き合って下さい。」俺は、びっくりした。もちろん、今は仲の良い恋人になった。あの時ちゃんと気持ちを伝えといてよかったと、、 完 初めて短編小説を書きました。感想、アドバイスお願いします。