月探しの旅
ーあの人はまるで、月のように儚い人だった。
俺は、何をやっても周りから、「普通だね。」や「ぱっとしないね。」など言われ続けて来た。俺も自分でもそう思う。だから、勉強も運動も可もなく不可もなく、そんな人間だった。「あの日」までは。
「あいつって、本当に高嶺の花だよな。」
そう言うのは、俺の親友−天谷蒼(あまやそう)
「なぁ、伊吹もそう思わねぇ?」
そう、俺の名前は「華鬼伊吹」(かきいぶき)
「ぁ、うん。そうだね。」
「だろ?」
ちなみに蒼が言っている「あいつ」と言うのは学年1番、いや学校1番美人で文武両道の、「花菱華澄」(はなびしかすみ)だ。当たり前の
ように、期末テストは1位。そんな花菱に俺は恋をしていた。一回、筆箱を落として中身が散乱してしまったのを、花菱が手伝ってくれたのが、きっかけだ。あの、拾ってくれた優しさと笑顔に俺は恋をしてしまっていた。「案外、俺ってチョロいんだな。」と不覚にも思ってしまった。それが、俺の初恋だった。でも、蒼が言っていたように「高嶺の花」と俺みたいな「凡人」だ。釣り合うはずが無い。だから、この想いは
しまっておくことにした。だが、俺は蒼が言った一言で火花が走る感覚になった。
「花菱、来月に転校するってさ。さっき、他のクラスのやつが担任から聞いたんだってよ。」
「…え?」
ワンテンポ返事するのが遅くなった。嘘だろ?花菱が転校?俺が花菱に話すチャンスはあと、数回しかないのか?ならば、花菱に話しかけて
みるのもアリかもしれない。
「つか、蒼って好きな人っているか?」
「はぁ?お前、俺は勉強とゲームで精一杯なんだ。青春している暇はない!」
まぁ、蒼は期末テストがいつも危ういから、俺にいつもテスト期間はお世話になっている。俺も、特別頭が良い訳では無いが、悪くもない。
でも、ライバルがいないなら、俺にとっては好都合だ。心置きなく、花菱に話しかけられる。早速、花菱に話しかけることにした。
蒼には、適当な理由をつけ、断ってきた。まずは、花菱がどこにいるかを知らないと話しかけることが出来ない。
「失礼します。花菱さんいますか?」
「あ!花菱さんでしょ?それなら、屋上に向かった気がする!」
「屋上か…。ありがとう。」
早速、俺は屋上に向かった。屋上は開放されているが、俺は行く理由が無いから、一度も行ったことがない。屋上に行ってみたら、彼女はまるで、今にも消えてしまいそうな儚い雰囲気を纏っていた。
「っ、君はこんな所に居て、どうしたの?」
俺に、気づいた花菱が声をかけてくれた。
「花菱さんこそ、そんな所でどうしたんです?」
「あ、私はちょっと外の空気を吸いたくて…。君は?」
「俺ですか?俺は…なんとなく来てみただけです。」
「敬語、外して良いよ。」
「改めて、俺は華鬼伊吹。」
「私は、花菱華澄だよ。よろしくね、華鬼くん。」
「うん。あと、下の名前で呼んでくれたら、嬉しいな。俺は、華澄って呼ぶから。」
「うん。分かった、じゃあ伊吹くんよろしくね。」
「じゃあ、おれはこれで。またな。」
そう言って、出た。名前呼びだけでも、大きな一歩だ。ここから、距離を縮めていこう。そこから、行ける時は屋上に行き、華澄と話した。
何度目かの時に華澄は「ある事」を俺に聞いた。
「伊吹くんは、なんで転校するって事を分かって、仲良くしてくれたの?」
「っ。」
黙ってしまった。この質問はいつ問われてもおかしくなかったはずだ。答えは「好きだから。」だが、この恋は閉まって置くことにしたのだ。
「初めて会った時に、今にも消えてしまいそうな儚い雰囲気だったから…かな?」
「そっか…。これも伊吹くんなら、話しても良いのかな…。」
花菱…いや、華澄は自問自答をしている。少しだけ珍しいかも。
「私、皆から『優等生』や『文武両道』みたいなイメージしか持たれていないなって思って。だから、私が話しかけても、初めて会った伊吹くんみたいに敬語を使う人が多いんだよね…。それに、期末テストも先生や皆に期待されるし…。疲れちゃったんだよね。だから、屋上で息抜きをしていたんだよね。まさか、普段は人が来ない屋上に人が来たのは驚いたけどね。」
優等生は優等生なりの悩みがあるんだな。
「そっか…。でも、俺と会えるのは3日しか無いんだね。」
「うん、この学校にいるのは3日だけど、荷造りで学校休むから、今日しか会えないと思うな。」
「時が過ぎるのは、早いな。じゃあ、またな。」
「うん、バイバイ。」
良かったんだよな、これで。大人になったら華澄とまた会えると良いな。そして勇気を出して告白をしたいな。ってな。
あとがき・読んで頂きありがとうございます!by作者
唯月さん(選択なし・11さい)からの相談
とうこう日:2023年5月2日みんなの答え:2件
俺は、何をやっても周りから、「普通だね。」や「ぱっとしないね。」など言われ続けて来た。俺も自分でもそう思う。だから、勉強も運動も可もなく不可もなく、そんな人間だった。「あの日」までは。
「あいつって、本当に高嶺の花だよな。」
そう言うのは、俺の親友−天谷蒼(あまやそう)
「なぁ、伊吹もそう思わねぇ?」
そう、俺の名前は「華鬼伊吹」(かきいぶき)
「ぁ、うん。そうだね。」
「だろ?」
ちなみに蒼が言っている「あいつ」と言うのは学年1番、いや学校1番美人で文武両道の、「花菱華澄」(はなびしかすみ)だ。当たり前の
ように、期末テストは1位。そんな花菱に俺は恋をしていた。一回、筆箱を落として中身が散乱してしまったのを、花菱が手伝ってくれたのが、きっかけだ。あの、拾ってくれた優しさと笑顔に俺は恋をしてしまっていた。「案外、俺ってチョロいんだな。」と不覚にも思ってしまった。それが、俺の初恋だった。でも、蒼が言っていたように「高嶺の花」と俺みたいな「凡人」だ。釣り合うはずが無い。だから、この想いは
しまっておくことにした。だが、俺は蒼が言った一言で火花が走る感覚になった。
「花菱、来月に転校するってさ。さっき、他のクラスのやつが担任から聞いたんだってよ。」
「…え?」
ワンテンポ返事するのが遅くなった。嘘だろ?花菱が転校?俺が花菱に話すチャンスはあと、数回しかないのか?ならば、花菱に話しかけて
みるのもアリかもしれない。
「つか、蒼って好きな人っているか?」
「はぁ?お前、俺は勉強とゲームで精一杯なんだ。青春している暇はない!」
まぁ、蒼は期末テストがいつも危ういから、俺にいつもテスト期間はお世話になっている。俺も、特別頭が良い訳では無いが、悪くもない。
でも、ライバルがいないなら、俺にとっては好都合だ。心置きなく、花菱に話しかけられる。早速、花菱に話しかけることにした。
蒼には、適当な理由をつけ、断ってきた。まずは、花菱がどこにいるかを知らないと話しかけることが出来ない。
「失礼します。花菱さんいますか?」
「あ!花菱さんでしょ?それなら、屋上に向かった気がする!」
「屋上か…。ありがとう。」
早速、俺は屋上に向かった。屋上は開放されているが、俺は行く理由が無いから、一度も行ったことがない。屋上に行ってみたら、彼女はまるで、今にも消えてしまいそうな儚い雰囲気を纏っていた。
「っ、君はこんな所に居て、どうしたの?」
俺に、気づいた花菱が声をかけてくれた。
「花菱さんこそ、そんな所でどうしたんです?」
「あ、私はちょっと外の空気を吸いたくて…。君は?」
「俺ですか?俺は…なんとなく来てみただけです。」
「敬語、外して良いよ。」
「改めて、俺は華鬼伊吹。」
「私は、花菱華澄だよ。よろしくね、華鬼くん。」
「うん。あと、下の名前で呼んでくれたら、嬉しいな。俺は、華澄って呼ぶから。」
「うん。分かった、じゃあ伊吹くんよろしくね。」
「じゃあ、おれはこれで。またな。」
そう言って、出た。名前呼びだけでも、大きな一歩だ。ここから、距離を縮めていこう。そこから、行ける時は屋上に行き、華澄と話した。
何度目かの時に華澄は「ある事」を俺に聞いた。
「伊吹くんは、なんで転校するって事を分かって、仲良くしてくれたの?」
「っ。」
黙ってしまった。この質問はいつ問われてもおかしくなかったはずだ。答えは「好きだから。」だが、この恋は閉まって置くことにしたのだ。
「初めて会った時に、今にも消えてしまいそうな儚い雰囲気だったから…かな?」
「そっか…。これも伊吹くんなら、話しても良いのかな…。」
花菱…いや、華澄は自問自答をしている。少しだけ珍しいかも。
「私、皆から『優等生』や『文武両道』みたいなイメージしか持たれていないなって思って。だから、私が話しかけても、初めて会った伊吹くんみたいに敬語を使う人が多いんだよね…。それに、期末テストも先生や皆に期待されるし…。疲れちゃったんだよね。だから、屋上で息抜きをしていたんだよね。まさか、普段は人が来ない屋上に人が来たのは驚いたけどね。」
優等生は優等生なりの悩みがあるんだな。
「そっか…。でも、俺と会えるのは3日しか無いんだね。」
「うん、この学校にいるのは3日だけど、荷造りで学校休むから、今日しか会えないと思うな。」
「時が過ぎるのは、早いな。じゃあ、またな。」
「うん、バイバイ。」
良かったんだよな、これで。大人になったら華澄とまた会えると良いな。そして勇気を出して告白をしたいな。ってな。
あとがき・読んで頂きありがとうございます!by作者
唯月さん(選択なし・11さい)からの相談
とうこう日:2023年5月2日みんなの答え:2件
![※23:00〜6:00は回答の投稿はできません](/soudan/v2/images/btn_answer_ng.png)
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-
ゃ.よすぎでしょ!! こんにちゎぁっ.
もと・凛空の.
みれいです♪
改名したけど.
よろしくね~.
・・・・・
なにこの
作品‥!!
良すぎ
だろぉ!!
儚さも
切なさも
伝わって
くる‥!!
終わり方が
切なくて.
めっちゃ
いい‥!!
素敵な作品を
ありがとう.
・・・・・
ばぃばぁぃっ. MIREIさん(東京・12さい)からの答え
とうこう日:2023年6月9日 -
儚い… 高嶺の花か…華澄ちゃん尊い…頭の中にスーパー美少女が浮かびました!伊吹くん本当に話せて良かったね!華澄ちゃんは伊吹くんに本音を話した?と思うし、もう2人は両想いな気がします!あと3日なので、将来とは言わず、伊吹くんには告白してほしいですね… 小説家になりたい人さん(選択なし・16さい)からの答え
とうこう日:2023年6月8日
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