怪物は今日も自分の当たり前を生きている
怪獣は誰がなんの基準で決めたものだろうか。
怪獣は私たちと同じように暮らしてはいけないのだろうか。
本当の怪物は一体誰なのだろうか。
「みんなー!怪物が来たぞー!にっげろー!」
今日も「怪物」が教室に入るとみんなクスクスと笑い始める。
「怪物」は今日も悲しそうに机に座り、ぼーっと窓の外を眺めている。
いつもの日常。いつもの風景。
いつからこれが「当たり前」になってしまったのだろうか。
この状況は良くないと分かっていても、この「当たり前」を変えることは出来ない。
いや、誰も変えようとしないのだ。
誰もこの状況を楽しんでいないのに、変えようとしないのだ。
そして今日も、誰もこの「当たり前」を変えることが出来なかった。
もちろん、私も。
6時間目が終わり、先生に挨拶をして、部活をやっていない私は家に帰る。
今日も1人で帰っている時、「怪物」にあったのだ。
クラスメイトに「怪物」と一緒にいる所を見られるのは厄介なので、気づいていないふりをする。
本当は、喋りたい。誰も、少なくとも私は、「怪物」のことを嫌っていないことを伝えたい。でも、それでも私は、自分の身を優先するしかなかったのだ。
朝、学校に向かうとき、会ってしまった。「怪物」と。
いつもどうり、気づかないふりをしようと思った。…が。
「あ、りん…さん…」
「怪物」は私を見かけて話しかけてきたのだ。
突然のことにびっくりし、私は目も合わせず呟いて、走っていった。
流石に嫌われたかな。
拾ってくれたのに目も合わせないなんて。
そう思っていたが、「怪物」はあの日から毎日のように挨拶してくるようになった。
最初は困惑したけど、誰もいない所ならいいかと思い、私も少しずつ挨拶を返すようになった。
ある日、いつものように挨拶を交わすと、「怪物」はあるものを渡してきた。
「これ…この前、落としてるの見た…から…」
そう言って一枚のハンカチを差し出した。
無くしていたハンカチだ。
「ありがとう」
と言って、「怪物」の手に触れ、ハンカチを取ると、「怪物」はふっと消えていった。
そして、私は思い出した。
「怪物」はもう1人の私だったのだ。
あることをきっかけに、いじめられた私は、新しい友達を作った。
その子は、顔が歪んでいて、いじめられていて、私より惨めだった。
だから私は「怪物」と一緒にいることで「私よりずっと惨めな子がいるんだ」と思うことが出来た。そういう設定になっていたのだ。
でも、違った。
いじめられていたのも、「怪物」と呼ばれていたのも私だった。
私の今の状況を友達である「怪物」に当てはめて、なんとか自ら命を絶つことを防いでいたのだ。
でも、気がついてしまったからには…
私は屋上の手すりの向こう側に立ち、呟きながら飛び降りた。
「怪物は怪物を作り上げたお前らだ」
ゆいゆいさん(選択なし・12さい)からの相談
とうこう日:2024年2月20日みんなの答え:0件
怪獣は私たちと同じように暮らしてはいけないのだろうか。
本当の怪物は一体誰なのだろうか。
「みんなー!怪物が来たぞー!にっげろー!」
今日も「怪物」が教室に入るとみんなクスクスと笑い始める。
「怪物」は今日も悲しそうに机に座り、ぼーっと窓の外を眺めている。
いつもの日常。いつもの風景。
いつからこれが「当たり前」になってしまったのだろうか。
この状況は良くないと分かっていても、この「当たり前」を変えることは出来ない。
いや、誰も変えようとしないのだ。
誰もこの状況を楽しんでいないのに、変えようとしないのだ。
そして今日も、誰もこの「当たり前」を変えることが出来なかった。
もちろん、私も。
6時間目が終わり、先生に挨拶をして、部活をやっていない私は家に帰る。
今日も1人で帰っている時、「怪物」にあったのだ。
クラスメイトに「怪物」と一緒にいる所を見られるのは厄介なので、気づいていないふりをする。
本当は、喋りたい。誰も、少なくとも私は、「怪物」のことを嫌っていないことを伝えたい。でも、それでも私は、自分の身を優先するしかなかったのだ。
朝、学校に向かうとき、会ってしまった。「怪物」と。
いつもどうり、気づかないふりをしようと思った。…が。
「あ、りん…さん…」
「怪物」は私を見かけて話しかけてきたのだ。
突然のことにびっくりし、私は目も合わせず呟いて、走っていった。
流石に嫌われたかな。
拾ってくれたのに目も合わせないなんて。
そう思っていたが、「怪物」はあの日から毎日のように挨拶してくるようになった。
最初は困惑したけど、誰もいない所ならいいかと思い、私も少しずつ挨拶を返すようになった。
ある日、いつものように挨拶を交わすと、「怪物」はあるものを渡してきた。
「これ…この前、落としてるの見た…から…」
そう言って一枚のハンカチを差し出した。
無くしていたハンカチだ。
「ありがとう」
と言って、「怪物」の手に触れ、ハンカチを取ると、「怪物」はふっと消えていった。
そして、私は思い出した。
「怪物」はもう1人の私だったのだ。
あることをきっかけに、いじめられた私は、新しい友達を作った。
その子は、顔が歪んでいて、いじめられていて、私より惨めだった。
だから私は「怪物」と一緒にいることで「私よりずっと惨めな子がいるんだ」と思うことが出来た。そういう設定になっていたのだ。
でも、違った。
いじめられていたのも、「怪物」と呼ばれていたのも私だった。
私の今の状況を友達である「怪物」に当てはめて、なんとか自ら命を絶つことを防いでいたのだ。
でも、気がついてしまったからには…
私は屋上の手すりの向こう側に立ち、呟きながら飛び降りた。
「怪物は怪物を作り上げたお前らだ」
ゆいゆいさん(選択なし・12さい)からの相談
とうこう日:2024年2月20日みんなの答え:0件
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