あなたの心は何色ですか?
三野心(みの こころ)現在中学二年生のJCである。
とはいえ、仲いい友だちがいるわけでもなく、恋人なんて夢のまた夢。
結局誰とも遊んだりすることもなく、仕方なく重い腰を上げて、のんびりと夏休みの宿題に手を付けている。
夏休み終盤となり、蝉の声にも慣れてきたこの頃。夜に鳴くコオロギの音は少し心地よく感じていた。
ただ、息抜きに網戸越しで外を眺めても、ずっと同じ景色で正直息抜きにもならないのは少し困っている。
ゲームやアニメ鑑賞に明け暮れていたおかげで、あまり外にも出ていなかったし。
そう思うと体は案外動くもので、10分後にはいってきまーす!と玄関で大きな挨拶をしていた。
新たな景色を求めて、急にとび出したとはいえ、この暑さは本当に何なのだろう…。
地球に命を狙われているのではないだろうか、そう思いながらもとりあえず宿題を持って図書館へ向かうことにした。
日傘をさして、なんとか暑さに耐えながら、駅前を通ったときである。
「ね、そこのおねーさん!おまじない、興味ない?」
怪しい。その一言を体現したかのような人物が私に話しかけてくる。
サングラスに金髪にピアスって…同級生くらいの見た目とはいえど、ナンパしにきたのかとしか思えないのだが。
と心のなかでツッコミながら、なんとなく気になるので返事をした。
『夏休みの宿題をパパッと終わらせるおまじないなら興味あります。』
「流石にそんな都合いいやつではないよ…。でも、僕、恋のおまじないは得意なんだ!一回500円でどう?」
まぁたった500円なら…いいか。どうせ効果なくてもダメージ少ないし。てか面白そう。
ちょうど鞄のポケットに入っていた500円玉をひょいっとだして、目の前の人物に手渡す。
「まいどあり!じゃ、ちょっとこっちこっちー!」
彼が手招きにしてくるのは涼しい路地裏で、ゆっくりと日傘を閉じた私は、すぐに彼の跡を追いかけた。
するとついたのは【まじない屋ー心ー】と書かれた木の看板が下がっている部屋。
怪しい独特な雰囲気が漂っているが、不思議の気味悪くは感じない。
むしろ自分の中の好奇心が煽られて、ちょっとワクワクしてた。
チリリン。というドアに付いているベルの音とともに部屋の中を除く。
真っ暗な部屋の中に机と椅子がぽつんとあって、唯一光が当てられている水晶は目が惹かれるくらい綺麗だった。
ひとまず周りを見回して、彼に言われたままに客人用と思われる椅子に座る。
「さてと…では、三野心ちゃん、早速で悪いけど、目瞑ってくれない?」
『なんで名前…。えっと目…こ、こんなんでいいですか?』
「うん、全然ダイジョーブ!リラックスしてねー。」
あれ、なんだか眠い…な…。
「お…」
「おー…!」
「おーい!心ちゃん起きてー!」
『はっ!あ、おまじない終わったんですか?』
部屋の隅っこに暗闇で隠れていたベッドに寝かせてもらっていたようだ。
ゆっくりと目をこすっていれば、視界がひらけ…え?
「心ちゃん、外にいる他の人のハート、見える?」
『は、はい!なんか、緑色とか黒色とか赤色とかあります!』
「よし!成功!」
訳が分からないが、本当に他の人の心臓の部分であろう場所に緑や、黒、赤などの色のついたハートが見える。
「ちなみに、赤いハートは恋、緑のハートは友情、黒いハートは…ヒミツ!」
『嫉妬とか、妬みですね。』
「うっ…勘が鋭いね。」
まぁ流石に察せるしなぁとのんびり思いながらも目の前にいる彼を眺める。
『ちなみに、他のと比べてもっと赤いハートはなにか意味があるんですか?』
「え?それは…運命の人だけど…もう見つけたの!?」
…目の前にいる、なんて言ったら彼はどのような顔をするのだろうか。
どのみち言うつもりはないけど。
『そういえば、お名前伺ってもいいですか?』
「あ、僕?天宮翼(あまみや つばさ)!よろしくね!」
『はい…もしかして、中学校一緒だったりしますかね?私、〇〇中なんですけど…。』
「え!?ほんと?僕も一緒!2年生なんだ!」
同級生で同じ学校のおまじないが得意な男の子…私の運命の相手、キャラが濃ゆいなー。
私がぽかんとしていたら、彼はポケットからスマホを取り出し、連絡先、交換しない?と言った。
『ふふっ、なら是非。』
ツバサという一つの連絡先が増えただけなのに、私の気分はひどく好調だった。
彼はそういえば、運命の人は!?と今更になって慌てている。
『またいつでも会えるからいいよ。』
「えー!そんなー!」
少し目新しい、路地裏から見る家への帰り道。
呑気に鼻歌を歌い、その日はいつも通り家に帰った。
が、
『あれ…宿題全然進んでない!』
なんて後日叫んで大変な事になったのは、また別のお話である…。 ほっしーさん(福岡・13さい)からの相談
とうこう日:2024年7月21日みんなの答え:4件
とはいえ、仲いい友だちがいるわけでもなく、恋人なんて夢のまた夢。
結局誰とも遊んだりすることもなく、仕方なく重い腰を上げて、のんびりと夏休みの宿題に手を付けている。
夏休み終盤となり、蝉の声にも慣れてきたこの頃。夜に鳴くコオロギの音は少し心地よく感じていた。
ただ、息抜きに網戸越しで外を眺めても、ずっと同じ景色で正直息抜きにもならないのは少し困っている。
ゲームやアニメ鑑賞に明け暮れていたおかげで、あまり外にも出ていなかったし。
そう思うと体は案外動くもので、10分後にはいってきまーす!と玄関で大きな挨拶をしていた。
新たな景色を求めて、急にとび出したとはいえ、この暑さは本当に何なのだろう…。
地球に命を狙われているのではないだろうか、そう思いながらもとりあえず宿題を持って図書館へ向かうことにした。
日傘をさして、なんとか暑さに耐えながら、駅前を通ったときである。
「ね、そこのおねーさん!おまじない、興味ない?」
怪しい。その一言を体現したかのような人物が私に話しかけてくる。
サングラスに金髪にピアスって…同級生くらいの見た目とはいえど、ナンパしにきたのかとしか思えないのだが。
と心のなかでツッコミながら、なんとなく気になるので返事をした。
『夏休みの宿題をパパッと終わらせるおまじないなら興味あります。』
「流石にそんな都合いいやつではないよ…。でも、僕、恋のおまじないは得意なんだ!一回500円でどう?」
まぁたった500円なら…いいか。どうせ効果なくてもダメージ少ないし。てか面白そう。
ちょうど鞄のポケットに入っていた500円玉をひょいっとだして、目の前の人物に手渡す。
「まいどあり!じゃ、ちょっとこっちこっちー!」
彼が手招きにしてくるのは涼しい路地裏で、ゆっくりと日傘を閉じた私は、すぐに彼の跡を追いかけた。
するとついたのは【まじない屋ー心ー】と書かれた木の看板が下がっている部屋。
怪しい独特な雰囲気が漂っているが、不思議の気味悪くは感じない。
むしろ自分の中の好奇心が煽られて、ちょっとワクワクしてた。
チリリン。というドアに付いているベルの音とともに部屋の中を除く。
真っ暗な部屋の中に机と椅子がぽつんとあって、唯一光が当てられている水晶は目が惹かれるくらい綺麗だった。
ひとまず周りを見回して、彼に言われたままに客人用と思われる椅子に座る。
「さてと…では、三野心ちゃん、早速で悪いけど、目瞑ってくれない?」
『なんで名前…。えっと目…こ、こんなんでいいですか?』
「うん、全然ダイジョーブ!リラックスしてねー。」
あれ、なんだか眠い…な…。
「お…」
「おー…!」
「おーい!心ちゃん起きてー!」
『はっ!あ、おまじない終わったんですか?』
部屋の隅っこに暗闇で隠れていたベッドに寝かせてもらっていたようだ。
ゆっくりと目をこすっていれば、視界がひらけ…え?
「心ちゃん、外にいる他の人のハート、見える?」
『は、はい!なんか、緑色とか黒色とか赤色とかあります!』
「よし!成功!」
訳が分からないが、本当に他の人の心臓の部分であろう場所に緑や、黒、赤などの色のついたハートが見える。
「ちなみに、赤いハートは恋、緑のハートは友情、黒いハートは…ヒミツ!」
『嫉妬とか、妬みですね。』
「うっ…勘が鋭いね。」
まぁ流石に察せるしなぁとのんびり思いながらも目の前にいる彼を眺める。
『ちなみに、他のと比べてもっと赤いハートはなにか意味があるんですか?』
「え?それは…運命の人だけど…もう見つけたの!?」
…目の前にいる、なんて言ったら彼はどのような顔をするのだろうか。
どのみち言うつもりはないけど。
『そういえば、お名前伺ってもいいですか?』
「あ、僕?天宮翼(あまみや つばさ)!よろしくね!」
『はい…もしかして、中学校一緒だったりしますかね?私、〇〇中なんですけど…。』
「え!?ほんと?僕も一緒!2年生なんだ!」
同級生で同じ学校のおまじないが得意な男の子…私の運命の相手、キャラが濃ゆいなー。
私がぽかんとしていたら、彼はポケットからスマホを取り出し、連絡先、交換しない?と言った。
『ふふっ、なら是非。』
ツバサという一つの連絡先が増えただけなのに、私の気分はひどく好調だった。
彼はそういえば、運命の人は!?と今更になって慌てている。
『またいつでも会えるからいいよ。』
「えー!そんなー!」
少し目新しい、路地裏から見る家への帰り道。
呑気に鼻歌を歌い、その日はいつも通り家に帰った。
が、
『あれ…宿題全然進んでない!』
なんて後日叫んで大変な事になったのは、また別のお話である…。 ほっしーさん(福岡・13さい)からの相談
とうこう日:2024年7月21日みんなの答え:4件
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すご! ヤッホー!!みんなにとって今日1日良い日になりますように!虹色花火だよ!
本題
とても上手い!すごいいい話!
ありがとうございました! 虹色花火(元花火君、レインボー君)さん(神奈川・11さい)からの答え
とうこう日:2024年10月31日 -
すごすぎ!!!!!!!!! こんにちわピーチフラワーです名前覚えてくれると嬉しいです
あとこのコメントで60件目突入です
本題
好きですね〜めっちゃこんな話好みです。
私も赤いハートみたい!!!!! ピーチフラワーさん(徳島・14さい)からの答え
とうこう日:2024年10月28日 -
うっま ええうますぎ
続き気になる、、! まいこさん(富山・13さい)からの答え
とうこう日:2024年10月27日 -
オモロ! こんちゃ!、にゃんだよ!、良ければ名前覚えてねー 最後ら辺の所恋愛だぁ…、まさか恋愛何て…、思いつかなかったよー、てゆうかほっしーさん…、気のせいだったら申し訳ないんですけど…、三野、心ちゃんって…、みの、こころ…、みのこころ→身の心という事か!、天才やぁ…、じゃっ!、バイバイ!。 にゃん!さん(愛知・8さい)からの答え
とうこう日:2024年10月27日
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- 【「相談するとき」「相談の答え(回答)を書くとき」のルール】をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
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- 「短編小説投稿について」をかならず読んでから、ルールを守って投稿してください。
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- キッズなんでも相談では、投稿されたユーザーの
個人 を判断 することが出来ないため、削除依頼 には対応することは出来ません。投稿しても問題ない内容かよく確認してください。
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