羊狩りのリーヴァ
13年前、この世界を悪夢が襲った
日がサンサンと地面に照り付け、嫌なほど暑苦しい日だった。
日がやっと落ち始めた夕方ごろ、地面に大きな亀裂が入り、
ゴゴゴゴ…という地鳴りの後に、突如地面が小刻みに震えはじめた。
その災害の結果、小さな島や大陸、そして船乗りの航海士たちが海へ沈み、
鉱石を集めに採掘場にいた人たちは大きな石に押しつぶされ、
栄えていた多くの村が壊滅した。残った村も、1つが細かく分裂し、
頼れるところがなくて人々が餓死していった。
この「悪夢」を乗り越えてきた大人たちのおかげで、
僕は生まれることができたんだ。
「父さん母さん、行ってきます。」
僕は今日、この、村と人々が散らばって暮らす、
自然豊かなみたことのない世界に旅立つ。
「ホント、大きく育ったものだよ。」
「大袈裟だなぁ」
母さんの手が僕の額に触れる。
「ハハ。じいさんの血は薄れてないなァプロ。」
「嬉しいぜぇ」
父さんは、僕の肩をトン と叩いた。
2人の手は畑の泥で少し汚れていた。
「少しだけどこれ」
そう言って母は今まで採ってきたのであろう
出来のいいリンゴやニンジンが入った袋を僕に突き出した。
「少しだけど足しにしろよ」
母と父からの愛情をひしひしと感じ、なんだか
照れ臭くて、嬉しくなった
「ありがとう!行ってくるよ」
そう言って、僕は斧と袋を持って、山岳地帯へと、
走り出した。
「行ってらっしゃーい!」「猛獣に気をつけいーよ」
村のおばさんやおじさんの声が聞こえてきた。
さぁ、いくぞお!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
5日目の夜
「んんっぎゃぁーーー!」
大きな月明かりの下で、大きな叫び声が響いた。
プロは今、大型の敵対羊、マレーシィプに追いかけられていた。
「助けてぇ!」
村を出てから一睡もしていない。
火をつけることもできないから、肉を食べることもできない。
疲れた。もう死んじゃうかもぉ。薄れゆく意識の中
思い出したのは、村のみんなと食べた大きなお肉だった。
父さん、母さんごめん。
ついに僕はたおれこんだ。
羊の突進を喰らう…
そう思った時だった。
月明かりに照らされた小さな影ーーーひとか?
「おい弱虫、死んでねぇかテメェ」
よくなびくしし色の髪を一つにまとめた女の子だった。
この一言を搾り出すのも精一杯だったのに
「ごめん、僕も戦うy」
少女は僕を遮って喋り出した。
「私はリーヴァ。羊狩りだ!ろくな力にゃねぇくせに
でしゃばんな!ガキは寝て待ってろよ。」
そう言って10秒も経たぬうちに大型羊を仕留めた。
安堵した僕はいつのまにか、木の下で眠っていた。
ん、、焦げくさ…もうちょい寝かして、、
「起きろ弱虫!」
僕はリーヴァの拳骨を喰らって目が覚めた。
「いってぇ。ひでえぞ弱虫って言うのは!拳骨も痛かったんだびゃぁ!?」
僕が喋っているのをまたまた遮って、顔に羊肉をぶつけた。
「救ってもらったのに嬉しくねぇのかテメェ。とりあえず
食え。人が死ぬのはみたくない。かといって、
私の羊を渡すのは…癪だが、、、」
彼女はそう言ってそっぽを向いた。
「ありがとう。ぼ、俺はプロだ。よろしく」
そういった俺はもらった肉にかぶりついた。
久しぶりに食べたご飯は美味しくて目から自然と涙が出てきた。
「泣くんじゃねぇよ。弱泣き虫」
食べ終わった後、俺はずっと気になっていたことを聞いた。
「なあ、お前さなんで旅に出た。冒け」
「違う!」
さっきまで大人しかったリーヴァが急に声を荒げた。
「お前、13年前の悪夢は知ってるだろ!?
あの時、私の両親は死んだ!
一緒に生き残ったばあちゃんも、私と引き裂かれた。
4歳だった私は、あの頃からずううううっと旅を続けてきた!
羊を狩っているのは、ばあちゃんに届けるためさ!お前なんかとは違う…」
声を震わせながらに話した彼女を、今度は僕が遮った
「いいよ、これはお礼だ!俺がお前を手伝おう!」
「うん」少し沈黙が続いた後、リーヴァが口を開いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「おばあちゃん!」「リーヴァ!」
1年経ち、ようやく二人は再会を果たした。とても嬉しそうだ。
「ありがとう、弱虫、おかげでおばあちゃんと会えたよ。」
俺は若干苦笑いして応えた。
「礼にはおよばねぇけどよ、弱虫呼びはやめろって」
ニヤニヤして、リーヴァはこっちへ向く。
「ヤァーだね!」
あやっちさん(岐阜・11さい)からの相談
とうこう日:2024年7月26日みんなの答え:1件
日がサンサンと地面に照り付け、嫌なほど暑苦しい日だった。
日がやっと落ち始めた夕方ごろ、地面に大きな亀裂が入り、
ゴゴゴゴ…という地鳴りの後に、突如地面が小刻みに震えはじめた。
その災害の結果、小さな島や大陸、そして船乗りの航海士たちが海へ沈み、
鉱石を集めに採掘場にいた人たちは大きな石に押しつぶされ、
栄えていた多くの村が壊滅した。残った村も、1つが細かく分裂し、
頼れるところがなくて人々が餓死していった。
この「悪夢」を乗り越えてきた大人たちのおかげで、
僕は生まれることができたんだ。
「父さん母さん、行ってきます。」
僕は今日、この、村と人々が散らばって暮らす、
自然豊かなみたことのない世界に旅立つ。
「ホント、大きく育ったものだよ。」
「大袈裟だなぁ」
母さんの手が僕の額に触れる。
「ハハ。じいさんの血は薄れてないなァプロ。」
「嬉しいぜぇ」
父さんは、僕の肩をトン と叩いた。
2人の手は畑の泥で少し汚れていた。
「少しだけどこれ」
そう言って母は今まで採ってきたのであろう
出来のいいリンゴやニンジンが入った袋を僕に突き出した。
「少しだけど足しにしろよ」
母と父からの愛情をひしひしと感じ、なんだか
照れ臭くて、嬉しくなった
「ありがとう!行ってくるよ」
そう言って、僕は斧と袋を持って、山岳地帯へと、
走り出した。
「行ってらっしゃーい!」「猛獣に気をつけいーよ」
村のおばさんやおじさんの声が聞こえてきた。
さぁ、いくぞお!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
5日目の夜
「んんっぎゃぁーーー!」
大きな月明かりの下で、大きな叫び声が響いた。
プロは今、大型の敵対羊、マレーシィプに追いかけられていた。
「助けてぇ!」
村を出てから一睡もしていない。
火をつけることもできないから、肉を食べることもできない。
疲れた。もう死んじゃうかもぉ。薄れゆく意識の中
思い出したのは、村のみんなと食べた大きなお肉だった。
父さん、母さんごめん。
ついに僕はたおれこんだ。
羊の突進を喰らう…
そう思った時だった。
月明かりに照らされた小さな影ーーーひとか?
「おい弱虫、死んでねぇかテメェ」
よくなびくしし色の髪を一つにまとめた女の子だった。
この一言を搾り出すのも精一杯だったのに
「ごめん、僕も戦うy」
少女は僕を遮って喋り出した。
「私はリーヴァ。羊狩りだ!ろくな力にゃねぇくせに
でしゃばんな!ガキは寝て待ってろよ。」
そう言って10秒も経たぬうちに大型羊を仕留めた。
安堵した僕はいつのまにか、木の下で眠っていた。
ん、、焦げくさ…もうちょい寝かして、、
「起きろ弱虫!」
僕はリーヴァの拳骨を喰らって目が覚めた。
「いってぇ。ひでえぞ弱虫って言うのは!拳骨も痛かったんだびゃぁ!?」
僕が喋っているのをまたまた遮って、顔に羊肉をぶつけた。
「救ってもらったのに嬉しくねぇのかテメェ。とりあえず
食え。人が死ぬのはみたくない。かといって、
私の羊を渡すのは…癪だが、、、」
彼女はそう言ってそっぽを向いた。
「ありがとう。ぼ、俺はプロだ。よろしく」
そういった俺はもらった肉にかぶりついた。
久しぶりに食べたご飯は美味しくて目から自然と涙が出てきた。
「泣くんじゃねぇよ。弱泣き虫」
食べ終わった後、俺はずっと気になっていたことを聞いた。
「なあ、お前さなんで旅に出た。冒け」
「違う!」
さっきまで大人しかったリーヴァが急に声を荒げた。
「お前、13年前の悪夢は知ってるだろ!?
あの時、私の両親は死んだ!
一緒に生き残ったばあちゃんも、私と引き裂かれた。
4歳だった私は、あの頃からずううううっと旅を続けてきた!
羊を狩っているのは、ばあちゃんに届けるためさ!お前なんかとは違う…」
声を震わせながらに話した彼女を、今度は僕が遮った
「いいよ、これはお礼だ!俺がお前を手伝おう!」
「うん」少し沈黙が続いた後、リーヴァが口を開いた。
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「おばあちゃん!」「リーヴァ!」
1年経ち、ようやく二人は再会を果たした。とても嬉しそうだ。
「ありがとう、弱虫、おかげでおばあちゃんと会えたよ。」
俺は若干苦笑いして応えた。
「礼にはおよばねぇけどよ、弱虫呼びはやめろって」
ニヤニヤして、リーヴァはこっちへ向く。
「ヤァーだね!」
あやっちさん(岐阜・11さい)からの相談
とうこう日:2024年7月26日みんなの答え:1件
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もこです!下の文章から本題です! 面白かったーー。友情などを描いていてとってもいいと思いました!ではまた。 もこさん(東京・11さい)からの答え
とうこう日:2024年11月5日
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