短編小説の相談いちらん
短編小説
みんなが作った短編小説のコーナーだよ。※2024年9月30日までの投稿で受け付けを終了いたしました。
狐の子
あるところに、瞳が海のように澄んでいる娘がいた。その娘の名は、海莉(かいり)。実はその娘は、狐だった。 「こんにちは~。これから授業を始めようと思うのですが、一人転校生が来たので、そちらの紹介から始めます。」と先生。「こ、こんにちは。か、海莉です。」クラスのみんなが一斉に、海莉のことをみた。その視線は針のように痛かった。海莉の席は一人の女子の隣だった。休み時間になり、クラスの男子が外に行く。その一方で女子が海莉の席を囲んだ。「あんた、何様のつもりよ。ここでは、私が一番。よく覚えとくのよ。」と、背の高く、髪が腰まで届くきれいな女子が言った。「あなた、誰?なんで一番?」と尋ねると、急に胸ぐらをつかんでこう言った。「生意気な。まあいいわ。私は、杏梨(あんり)ここでは、私がリーダーなの。」すると、海莉の鉛筆を一本残らず、折ってしまった。「これで分かった?生意気な発言をするとあんたもこうなるわよ。」と鉛筆を見せながら、馬鹿にした様子で言った。実は、この一部始終を見ていたものがいた。クラスで人気の犬神蔚(いぬがみしげる)だった。 放課後になったころだった。海莉に話しかけてくるものがいた。犬神蔚だった。「おい、海莉。狐族の海莉。俺は蔚だ。今日の休み時間見たよ。」「ええ、知ってる。蔚さん。犬神族の蔚さん。」 次の日になった。杏梨と他の女子たちが、海莉のもとに集まってきた。「ねえ、海莉。いいことを教えてあげる。」とねっとりとした声で杏梨が言った。「海莉。私のグループに入らない?」海莉は、もちろんそんなことは嫌だった。だからこういった。「ごめんなさい。あんなことをするあなたのグループには、入りたくない。」と。だが、杏梨は、そんなことを許すわけはない。「あんたね。私に逆らってもいいのかしら」と顔を真っ赤にしていった。すると、杏梨は手をたたいた。ゾロぞろぞろと杏梨の仲間たちが集まってきた。殴りかかろうと杏梨が構えると、強い風が吹き霧が発生した。杏梨が倒れてしまった。「なに、何なのよ!」「杏梨、お前は間違ってる。今注意しても、なおらないだろう。なら、黄泉の世界へ行ってもらうしかない。」その途端、霧が晴れた。そこには、とても美しい、瞳が澄んでいる狐と、勇敢そうな狼に似た犬がいた。ケーンと狐の声が聞こえると、杏梨と美しい狐と勇敢そうな犬が煙のように消えていった。
異世界いって、結婚しました!!!
「母上様…。父上様…。」 「お前を後継ぎとする。だから、早く婚約者を決めること…。」 「はい。」 「ミアね!!今日の舞踏会で見つけるといいわよ!!」 「ありがとうございます!母上様!!」 ミア。そう、私はミア。異世界転生しちゃったんだ。前にいた世界の記憶はないけど、異世界転生したことだけ、分かってる。今はこの国一の美女で王女としてなんか頑張ってる。私は、なんか後継ぎとして婚約者を決めなきゃいけないらしい。まあ、いいとしよう。今日の舞踏会何着よう? 「ソフィア!!ドレスどれがいいかしらね…。」 幼い頃から召使いとして、やってくれているのは、私より2歳年上のソフィア。よく相談にのってくれるんだ。 「え?ミア様ですか?」 ソフィアは、今日は緑色の可愛いフリルのついたドレスを着ている。 「そう…。母上様や父上様に早く婚約者作れって…。だから、ソフィアに見てもらおうかなあって…。可愛いわね。今日も…。」 「ミア様!!ミア様の方がお美しいのに…。あー、じゃあお着替えですね!OKです!!見ますよ。」 大きなクローゼットを開け、中に入る。そこには、大きな一部屋分ドレスや靴などが置かれている。 「ミア様お美しい!!」 「ソフィアも選んで!!」 「いやいや…。私には…。」 「ほらあ!!!」 私は結局綺麗な水色とエメラルドグリーンのドレスを選んだ。そして、ソフィアに私の着ていない赤色の水玉のドレスを貸してあげた。 「ありがとうございます!!」 「ソフィア綺麗!!」 「いやいや、ミア様の方がお綺麗ですよ。」 そう言い、私たちは舞踏会に行った。 「父上様!!母上様!!」 「あら、ミア!!いい人見つかった?」 「まだなんです。母上。」 「頑張るんだぞ!!ミア!!」 「はい…。父上様。母上様。ありがとうございます。」 コツコツ 「ミア様。リアム様のお待ちです。」 「え…。ええ。わかった。 コツコツ やだな。私、結婚したらもう元の世界に戻れない気がする。嫌…。 「ミア様。ちゅっ」 リアム様はカッコよくて隣の大きな国の第二王子だった。私の手にキスをする。なんか、キュンってした…。それから、リアム様と幸せに暮らした。 カーンカーン 幸せの鐘を鳴らす。リアム様がやってきて私の手にキスする。 「ママ!!パパ!!」 「母上!!父上!!」 私たちね、今結婚して幸せに暮らしてるの。息子のレオ、娘のリリーと。 「おいおい、ミア。早くこいよ!!」 「ごめん!!リリー行っくよぉ!!」 「ママ!!」 リリーを抱っこする。 「ソフィア!!!ジャック!!」 ソフィアは、リアム様の召使いのジャックと結婚した。まだ、子供はいないらしいけど…。 私って、いつあの世界に帰れるのかなぁ?もしかして、帰れないとか…。まあいっか、幸せだし…。 「ママ!!!」 「母上。」 そうよね。私は、この国の王妃だからね。この子達の母親だからね。 「リリー、レオ!!」 「母上!!遅いですよぉ。」 「あら、レオがいつも遅いのに?」 「パパも遅いよお!!」 「え?俺がか?」 「そう!!パパ遅いよ!!」 「それでは!!ミア様。」 「リアム様、レオ様、リリー様。行きますね。」 ジャックとソフィアが扉を開く。 「王妃様あ!!」 「王女様だあ!!」 「王様!!」 バタッ 「ママ!!」 「母上!!」 「王妃様!!」 「ミア!!」 もう、帰らなきゃか…。夢だもんね。私の…。でも、もうちょい見せてくれればいいのに…。リアム…。私の好きな人に似てた。私の恋、叶うんかな? ーフィクションですー
大好きだよ
「おはよう、陽菜。」 休日の朝、陽菜に話しかける。 陽菜は、私の家族だ。 「今日、どこにでかける?」 陽菜に優しく話しかける。 「わかった、中央公園ね。じゃあ、準備するから待ってて。」 そう言い残し、私は自室へ戻ろうとする。 しかし、妹の真桜に呼び止められた。 「ねえ、お姉ちゃん。またあれと出かけるの?」 真桜が眉をひそめながら私に話しかける。 「ん?あれって?陽菜のこと?」 「はぁぁぁ、あんまり見られないようにね?」 真桜が、不機嫌そうに、なのに少し心配そうに言った。 「なんで見られないようにするの?」 「もう!なんでもいいからそうして!!」 純粋に気になって質問しただけなのに、真桜の機嫌を損ねてしまった。 「……じゃあ、私図書館行くから。」 真桜はそう言い捨てると、家を出てしまった。玄関のドアが、バンッと大きな音を立てる。 「あ、美桜。真桜はもう出かけたの?」 お母さんが玄関に顔を出して、そう尋ねる。 「うん、今出かけた。図書館行くって。」 「そう……美桜も出かけるの?」 「うん。公園行く。」 「一人で行くの?」 お母さんが心配そうに私のことを見て言う。 私のことをぼっちだと思っているのだろうか。 「ううん、陽菜と行くよ。昨日も言ったじゃん。」 そういうとお母さんは、もっと心配そうな顔をする。 「ええっと、陽菜っていうのは、あのリビングにある、あの子?」 「うん。リビングにいる子。」 なんで二人ともわざわざこんなこと言うんだろう。 陽菜は、家族なのに。少し前からできた家族だから、二人とも気まずいのだろうか。 だったら、申し訳ない。 「じゃあ、着替えてくる。」 「あぁ、うん。」 「いい天気だね、陽菜。」 お昼頃だけあって公園は賑やかだが、その分日差しも心地よくて風も気持ちいい。 しかし、先ほどから小さい子どもがチラチラ見てくるのが気になる。公園に来る中学生はそれほど珍しいのだろうか。 「陽菜、なんでみんなこっち見てくるんだろう?」 子どもだけではなく、その親まで控えめにこちらを見てくる。その親の方を向くと、決まってみんな目を逸らす。 「陽菜、帰る?」 こんなに見られて、陽菜もいい気持ちはしないだろうから、帰った方がいいかもしれない。 「わかった、じゃあ、帰ろうか。」 私が陽菜と手を繋いで帰る時も、たくさんの視線を感じた。 そんなのも無視して帰ろうとした矢先、一人の男の子の叫び声が聞こえた。 「お母さん、あの人、お人形連れてる!!」 男の子は、確かにこちらを指さしていた。 それを、男の子のお母さんらしき人が慌てて止める。 しかし男の子はまた、 「なんであんなお姉さんがお人形連れてるの!?」 と叫ぶ。 すると、共鳴するように女の子が叫んだ。 その刹那、あたりがざわざわし始める。 こちらを指さす小さな子ども。 ひそひそと話す小学生。 それをなだめる大人。 冷たい視線をこちらに向ける大人。 「なんか迷惑かけちゃったみたいだし、帰るか、陽菜。」 そう呟いて公園を出る私たちを、冷たい視線がさしていた。 「陽菜、今日はごめんね。」 帰り道、ぽつりと呟く。 いろんな人に見られて、ひそひそ噂されて、睨まれて。きっとすごく悲しかっただろう。 今度はあまり人がいないところを選ばないとな、と反省していると、一つの声が聞こえた。 「ううん、おでかけ、楽しかったよ。」 「えっ?」 驚いて陽菜の方を見ても、そこにはいつもの陽菜しかいなかった。 「──よかった、楽しんでもらえて。」 嬉しくて、つい笑ってしまう。 「じゃ、帰ろっか。」 陽菜は確かに人形だ。歩けないし、話せない。 だけど、だけど。 真っ赤な夕焼けに染まった人形見ながら、呟く。 「大好きだよ。」
ごめんなさい、を、ずっと思わない
ごめんなさい、で、あふれた毎日。 役に立てずにごめんなさい。 優しくなくてごめんなさい。 怒りっぽくてごめんなさい。 もっと働けばいいのに、働かなくてごめんなさい。 部活やって、それでイラついたりしてごめんなさい。 ごめんなさいを、ある男の子が消してくれた。 役に立ちすぎてるくらいでしょ。 めっちゃ優しいよ。 ずっと怒ってるわけじゃないでしょ。 まだ14歳だよ?すごく働いてるよ。 部活でイラつくことは当然あるよ。 男の子は、私をごめんなさいの闇から出してくれた。 ごめんなさいの地獄から、引っ張り上げてくれた。 今度は、私が男の子を助けてあげたい。 そう、思ったのに。 男の子が病気で亡くなった。 ストレスが原因だと、医者は言った。 その瞬間、私はわかった。 私の辛さを、男の子は全部受け止めてくれたのだ。 自分が傷つくことも気にかけずに、 私を助けた。 私のせいで、亡くなった。 私のせい、私のせい、私の・・・・ ダメだ。 また、ごめんなさいの闇に落ちてしまう。 そして、上に行った男の子に、また苦しんでもらわなきゃいけなくなる。 そんなの、ダメだ。 私は、前向きに生きたいと思った。
君の夜と私の夜桜
「ごめんなさい」「そ、そんなぁああ!!」「どんまい!」「はあめんどくさ…」私の名前は十六夜しずくなぜか告白され続けれる高校一年生です。たった今振ったところです。正直いうと心が痛いですね。友達ならってつけとったほうがよかったかしら?私が振る理由は私にも好きな人がいるから。その子はモテて私との良き相談相手。クラスメイトから「もう付き合って良いのでは?」と思われているらしい。(友達から聞いた) 「もうやだなって思っちゃうわ」「わかるよ好きでもない人から告白されるなんてたまったもんじゃないよね」「ええ」「まぁ振っていけばいいよ」「そうね今日も相談相手になってくれてありがとう」「こちらこそ」ある夜「今夜は満月ね」春のこと。まだ桜は咲いていた。「やっぱりお昼より夜の方が綺麗だわ」月を見て思い浮かべる。君の笑顔が 「チラあらもうこんな時間帰らないと」am7:00「行ってきます」「行ってらっしゃいませ」「トコトコ?」桜が散り始めてきた。「綺麗ね朝もいいかも」「おはようございます」「おはよう十六夜さん」「おはよう」「朝っぱらからすみません!」「何かしら」「前からずっと好きでした付き合ってください」「…ごめんなさい友達ならいいですよ」「…友達ですか?」「は、はいまずあなた誰でしたっけ。」「ガーン」「頑張れよ〇〇」その日の夜(飛ばしました)「今日も夜桜が綺麗ね」その頃「今日は三日月かぁ十六夜さんも見てるかな?」朝トコトコ トコトコ「「あっ」」「奇遇ね〇〇くん」「そうですね。一緒にいきません?」「いいね行きましょう」二人ともドキドキしています。「昨日のお月様みた?」「ええ見たわ夜桜も見た?」「見た見た!綺麗だったよね!」「クスそうね」「僕は夜が好きなんですだから毎晩夜を見ています」「私も夜が好き。月が好きだからだと思う。でもそれ以上に好きなのは夜桜ね。」「ねぇ僕たちってさ夜と夜桜みたいだよね。」「?どういうこと?」「僕は夜みたいにみたいに静か十六夜さんは夜桜のように夜でも『綺麗』」「…ありがとう」「どういたしまして」 意味 君は明るいけど静かな夜私は夜桜のように夜でも輝く綺麗な人という意味〈作者から〉どうでしたか?君が夜 私が夜桜と重ねて作りました。二人は付き合ったのでしょうかね。
愛してる?
私は尊愛(とあ)。明るく元気な高校三年生で、今日は卒業式。緊張するなー。 「よう!今日はおしゃれだな。可愛いぞ」 「え!?そ、そうかな!?ありがとう!」 実は私には、小学生の頃から好きな人がいる。彼の名前はコウキ。カッコよくて勉強も頭もすごくて…でも、私が好きなのはそっちではないんだ。 「おはようございます…あ、尊愛か。かわいいね」 「そ、そう?!さっきコウキにも言われたよ」 「はぁ?コウキアイツ…そうだ、放課後体育館裏きてくんない?」 「え?う、うん」 待って待って待って!これって…アレだよね?アレ!?だよねー!!?? あ、ごめんね。えっと…コウキと夏希って言うんだ。私が好きなのは、今話した方。 彼は頭はいいけど運動は苦手で、私は頭は悪いけど運動はできる。めっちゃ相性合うんだ…… ー放課後ー 「なぁ、好き!付き合ってください。」 「私も!」 大人になった二人は口を合わせた…………… どうだったでしょうか!?私初めて書くんですけど…
”彼女”の話。
ある草原に、15歳の女の子が一人、たたずんでいた。 表情は無表情で、手には何も持っていない。 白いワンピースを着ていて、髪は長い。 顔も、普通の人間よりは、とても美しかった。 そして ー 頭には、黒ずんで、ヒビのはいっている輪が、浮かんでいた。 背中には、何かをもぎ取ったような、跡が。 彼女は“元”天使。 彼女は、病気で死にそうなある人間の命を、天界に持っていく、、はずだった。 彼女はその人間に恋をした。 そして、、その人間も、彼女に恋をした。 つまり、彼女は、、天界の”人間と恋に落ちてはいけない”という決まりを、破ったのだ。 それにより、彼女は、、羽をもがれ、人間として、生きていくことなった。 最初は、その人間と暮らしていくつもりだった。 でも、その人間は死んでしまった。 だから彼女は今、”1人”だ。 ーーーーーー 僕は天使。 彼女に”恋”をしていた。 彼女はあろうことか人間と恋に落ち、 人間になってしまった。 だから、、今僕も、”人間”になるよ。 初恋の君と、人間として、ずっと一緒に、、 君が好きだった人間は、もう戻ってこない。 だから、僕が、、その代わりになるんだ。 君は、幼馴染の僕に好意を抱かれているとは、思っていないだろうな。 嫌だと言っても離さない。 気づかなかった君が悪いんだ。 「君に会いにいくよ。」 そう言って僕は、自分の羽を、、 end
まさか、ね。
たくさんの文字を、指でなぞりながら眺める。 私の綴った、私の小説。 かなりの自信作だが、大会に応募するのは少し不安だ。 うまくいけば、小説家になれる。 本屋に私の小説が並ぶ。 誰かが私の小説を読んでくれる。 誰かが私の小説で笑顔になってくれる。 まさかね、と思いながらも、つい鼓動を速めてしまう。 もしかして、慣れるんじゃないか? ずっと夢見ていた小説家に。 そう期待している中、それを冷静に眺める自分もいた。 私なんかがなれるわけない。 私なんかより才能がある人はたくさんいる。 だけど、私より努力してきた人は、きっといない、はず。 すごく不安だけれど、もうやるべきことも、できることも全てやった。 あとは、ポストに小説の入った封筒を入れるだけ。 「いってらっしゃい」 封筒を一回胸に引き寄せて抱きしめてから、ポストに封筒を入れた。 うまくいけば、小説家。 ──まさか、ね。
可愛い
「ねー見て、このペン可愛くない?」 「え、めっちゃ可愛いじゃん」 「可愛いっしょ。これ、前に原宿で買ったんよねー」 「へー」 「なあ、あそこの子可愛くね?」 「ああ、ちょっと垢抜けたよな。お前、ねらうなよ?」 「なんでだよ、別にいいじゃん」 「最近可愛い子いねーからよ、今回は譲れ」 この世界には、カワイイが渦巻いている。 誰かの気をひきたい時、会話に困った時、賛同してほしい時、ちょっとした言い合いをした次の日、話の糸口を見つけるときに、人は可愛いという。その中の可愛いに、本当のものは一体いくつあるんだろう。薄っぺらい言葉の裏側には、一体何が隠れているんだろう。 「ね、めっちゃ可愛い!お名前なあに?」 「君、可愛いね。連絡先交換しない?」 お世辞は、もう聞き飽きた。ナンパだって、何度もされた。 最初のうちは、嬉しくて、もっと褒められたくて、頑張っていた。慣れないメイクも、ダイエットも、やれば褒めてもらえると思ったから。でも、 「ねえ、あの子最近調子乗ってるくない?かわい子ぶんなっての」 「なんか痛いよな、自分に自信がねえんじゃね?」 自分が頑張っている証拠だって思いたかったけれど、無理だった。 おしゃれが、いつからか嫌になってしまった。 それからは、自分が可愛いと言う側に回った。 見慣れないものを見つけたり、髪型が変わっていたら、すぐに可愛いねと言った。自分を下にして、相手を上げた。 そうしたら、みんな笑ってくれて、いつしか私の悪口を言われることも無くなった。 可愛いは、諸刃の剣だった。けれど、魔法の言葉だった。 今日から新学期だ。 隣の席に座った子に、声をかける。 「こんにちは。今日からよろしくね。その髪ゴム、すごく可愛い!」 (いかがでしたか?可愛くなれなくて困っている子もいるけど、可愛い子にしかわからない気持ちもあるかも知れないなあと思いながら分からないなりに書いてみました。ちょっと文章がおかしいかもですが、なんとなく言いたいことが伝われば嬉しいです!)
二度と会うことのない、親友
いつも通りの声、いつも通りの空、いつも通りの教室。 特に変わったことはない、 普通の日。 転入生が来たというのが、いつもと違うところ。 「今日から一週間だけ、この学校に通うことになりました、仁田真桜です」 優しくて、落ち着いてて、可愛い子。 絶対この子と友達になりたいと思った。 彼女とは、同じスイミングスクールだった。 彼女は5級で、私も5級。 一緒に泳いだら、彼女の泳ぎの上手さに気付いて、 真桜さん――真桜ちゃんの完璧さに 驚いた。 桜色の頬に、ふわっとした顔立ち。 トレードマークのようなゆるい三つ編み。 とっても可愛くて、そして、あと一週間しか一緒にいられないことが 悲しかった。 そして、一週間がたった。 「みなさん、今までありがとうございました」 真桜ちゃんは涙目になっていた。 だけど私は号泣した。 真桜ちゃん、真桜ちゃん、真桜ちゃん!!!! 可愛くて優しい子の子が、もう一生遊んでくれないのだと思ったら、 いくらでも泣けた。 一週間でできた親友。 大好きだと何百回も思った親友。 私のあこがれだった親友。 真桜ちゃんの家まで泣きながらついていった。 真桜ちゃんは頑張って涙をこらえているようだった。 最後に見たのは、可愛い顔にできた、素敵な笑顔だった。 もう二度と会うことのない、親友。 だけど、一生の思い出で、 そして、一番大好きだ。
晴天に咲く花
「あ、花だ」 「え、どこどこ」 雨上がりの、放課後。 淡い青の空の下、私達は歩く。 「これなんて名前だっけ」 「多分ラベンダー」 「はえー。物知りだねぇ。みさき」 「このくらい誰でも分かるでしょ…」 呆れてため息を吐く。 にへへと、あの子が笑う。 「私花興味ないもーん」 「なんで立ち止まったの…」 「なんか綺麗だったからさ!!」 あの子が、微笑を浮かべる。 さっきとは違う、少し笑った顔。 それを見て私は今日も、 貴女をもっと好きになる。 私とつばきの出会いは、中学校の入学式。 人見知りな私に、つばきが声をかけてくれて。 「私つばき!あなたのお名前は?」 「みさき、です。」 「そっか!みさきちゃん、これからよろしくね!」 初対面でも分かる、人間性。 その笑顔は、太陽みたいに明るくて。 一目惚れした。 それからしばらく付き合って、つばきのことがだんだん分かってきた。 底抜けに明るいこと、どんなことでもポジティブに考えること、カレーが嫌いなこと。 知るたび、どんどん好きになっていく。 どんどん、沼に落ちていく。 「私さ、彼氏できたんだ!!」 「え」 中2に進学して間もない頃、急に告げられた現実。 喜ばないと。 つばきが幸せなら、それで、いいんだよ。 「そ、うなんだ。おめでとう。」 「えへへー!ありがとぉー!!」 ふっと頬を緩めるつばきを、じっと見つめる。 あぁ、かわいいな。 この笑顔は、他の誰かのものになっちゃったんだよね。 なんでだろう。 どうしてこうなったの? それからつばきは、一緒に帰ってくれなくなった。 休み時間は一緒に喋ってくれるけど。 ひとりで歩く帰り道は、なんだかさみしくて。 胸が痛くなる。 帰り道には、沢山の思い出が詰まっている。 歩いていると、ずっとあの時の記憶が流れ込んできて。 ぽつ、ぽつ。 ざぁああああああああ 雨が降り始めた。 自分の目から、生ぬるい液体が、ぼたぼたと零れ落ちる。 あぁ、そういえば、傘持ってきてないや。 「ぁは…。はやく、帰らないとな……。」 雨でよかった。 一輪の百合が、静かに花弁を閉じた。
今年の冬は寒くなりそうだね。
「こんなことになるなら、出会わなきゃ、 生まれてこなきゃよかった」 なんて言ったら君はどんな顔するのかな ごめんね。ごめん。君の背中を見ながら 心の中でそう思った。 今年の冬は寒くなるのか。。 私は君に隠し事をしてる それは、2年前に発見した、「がん」 最初はお医者さんも時間が必要だけど完治する って言ってた、けど幻聴だったかな いつからか君は笑わなくなった 正確に言うと笑ってはいる、だけどどこか ぎこちない。 ・・・ 「ねえ!お母さん! なんで言ったの!なんで言っちゃったの、、」 君は私のお母さんから聞いちゃったみたい だから、笑わなくなったんだね ・・・ 「え、どうしたの?みんな暗い顔して てかその服何?真っ黒じゃん笑 え、ねぇ何?答えてよ」 ・・・ ???「君はさ、強がりなんだよね昔から。 でもそんなとこも好きだった、お花置いて行くね、また来るから」 ???「今年の冬は寒くなりそうだね。」 はじめまして!みるくてぃーです!! 短編小説なんて初めてで、下手な上に 飛ばし飛ばしですみません!! 最後まで読んで頂きありがとうございました! 気づいた方いるかな?最後と最初 少し繋がってます!! この「???」の人が恋人なのか 大切なお友達なのか、みなさんが どう受け取るかによって変わると思います! 小説の内容で、不快な思いをさせてしまったら 本当に申し訳ありません!こちらは 完全フィクションです! それでは、ありがとうございました!
私の年下彼氏くん!!
「俺、お前が好きかも…。」 「う…ん。ごめん。私ねえ…。」 後悔してる…後悔…後悔。私があの時断らなければ、今頃、私は結ばれていたかもしれない。私に子がいたかもしれない。私の名は、木佐野崎美智香。名前が本当に長いって、会社の同僚に文句を言われる。まあ、別にいいんだけど…。私は、今25歳。好きな人なし、恋人なし。普通の独身女だ。あー、なんでできないんだ…、彼氏。 「河野さんおめでとう!!お子さん生まれたんだって?」 「お…おかげさまで!ありがとうございます!!」 「いいなあ!私の夫はさあ。」 会社の同僚達の会話が楽しそうに聞こえてくる。河野くん。私と同じ25歳。私に高校の時告ってきたのも、河野くん。でも、なんかその時は私は恋愛とかどうでもよくて…。河野くんにはもう、2人の子供がいる。みんな、少なくとも子供は居なくとも結婚してるのにねえ。私は…。 「木佐野崎さん!!お先に失礼します!」 「美智香ちゃんじゃあね!」 「はあい。」 河野くんのかっこいいスーツ姿。私は、ジーと見つめていた。 「木佐野崎さん、何みてるん?」 「あ、下北さん。すみません。」 ぼーっとしていたのだろうか?上司の下北さんに肩を叩かれた。下北さんも子持ちで、38歳だ。下北さんも帰るのだろう。お子さんの迎えで…。 「じゃあ、あとはよろしくな。お先に失礼します。」 「あ…。はい!!了解です!」 下北さんも帰って行く。もう、誰もいないだろうって、私も帰ろうとした時…。誰かが、いることに気づいた。カチカチパソコンを打っている。部下の澤田くん…。彼は、私と同じで結婚していなかったはずだが…。澤田くんに声をかけて帰ろうとした。 「澤田くん!!私もう帰るから…。あとはお願い……」 「木佐野崎さん!!俺と、飲みに行きませんか?」 はあ?なんでかなあ?そんなことを考えていたら、澤田くんは荷物をまとめてやってきた。 「行きましょ!美味しいお店があるんです!!」 澤田くんは、私の手を引き、先に歩いて行く。 コツコツコツコツ ヒールがなる。 「ここです!!!」 「??ここ?え????」 澤田くんはなんの変哲もない普通のマンションの前で止まった。何階か分かんないが、エレベーターを降り、澤田くんは私を連れて、普通のマンションの部屋に入って行く。 「ここはですねえ、俺ん家です…。あー、シェフが来ますから…。」 澤田くんの家は綺麗だった。 ブーブー 澤田くんのスマホが鳴る。どうやら、シェフが来れなくなったようだ。 「あれぇ?俺の兄がですねえ、一流のシェフでして、ぜひ食べてもらいたいなって思ったんですけど…。」 澤田くんはそう言い、「俺が作ります!!」とまで言って、キッチンに行った。 「俺ですね、先輩に憧れてたんです!!いつも、一生懸命に仕事する先輩かっこいいなあって…。でも、かっこいいだけじゃないんだって、今日気づいて…。可愛いところもあるんだなあって…。」 もうダメダメ!!顔がやばい。これって、告白?!おいおい…。明日上司に怒られるぞお…。やばいってええ!私が慌てているのを知らず、澤田くんは、喋り続ける。 「もしよければ、俺、彼氏にしてくれませんか?」 「はあ…。」 いい匂いが漂ってきた時…、澤田くんが言った。 「じゃあ、決まりですね!!美智香先輩!!」 やばい…。その後、澤田くんが美味しい料理を振る舞ってくれて、私を家まで送ってくれた。私は大丈夫だと言ったが、澤田くんは、俺の彼女ですからとか言って譲らなかったからだ。 それから、私たちは付き合い始めた。 「最初のデートはなんだっけ?」 「花火ですよ!花火!!」 「ふふふふ!!」 今は、澤田くんにみっちゃんって呼ばれてる。今は幸せ!!え?なんでって…。それはねえ、私たち…。やっぱり内緒。 ーフィクションですー 皆さんも結末考えてみてください!!
ヒーローになりたい。
僕はヒーローになりたい。 僕の名前は畑中蒼空。(はたなか そら) もう小学5年生なのに、子どもっぽい夢って思うでしょ。 でも、なりたいんだよなー。 ヒーローというよりはみんなを守れる人になりたい。 あっ、家着いた。 「おっかえりー!」 「ただいまー手、洗ってねー」 僕はお母さんと2人暮らし。 たまにおばあちゃんが来るけど、基本は2人。 お父さんは僕が5歳の時、僕の目の前で亡くなった。 ある日、僕とお父さんが公園に出かけた。 新しく買ってもらった縄跳びとボールで遊ぶために。 いつも忙しいお父さんだけど、お休みをとって遊んでくれた。 すごく楽しかったなぁ。 でも途中で雨が降り出して、帰る事になったんだ。 僕はイヤがってお父さんと家でいっぱい遊ぶことを条件に帰ることにしたんだ。 なにげない会話をしているとき、 キキーッ 僕の目の前に車が現れた。 そのとき、お父さんが僕をかばった。 お父さんが居なかったら、僕は車にひかれていたと思う。 僕は、何が起こったのかわからなかった。 目の前には、体に赤い液体が着いたお父さん、いろいろなところが凹んだ車、雨の中出てきて警察や救急車を呼ぶ人。 そのあと、病院に行った。 お父さんは、亡くなったことを聞いた。 ショックでなにも言えなかった。 泣くことしかできなかった。 僕のせいで亡くなっちゃったんだ。お父さんは。 僕が代わりに、代わりに・・・・・・! 僕は悔やんだ。もう少し帰るのが遅かったら、雨が降らずに遊んでいたら、そもそも公園に行かなかったら・・・・・! ってね。 こういうことがあったの。 だから、僕はみんなを守れるヒーローになりたい。 みんなの気持ちが分かって、みんなを幸せにできるヒーローになりたい。 お父さんが天国から見て「すごいなぁ、蒼空は」って言ってもらいたい。 僕はがんばる。がんばれる! ──15年後── 「どうしたの?大丈夫?」 「ううっ、ヒック、ま、ままぁ・・・どこぉ・・・ままぁ、どっかいっちゃったぁ・・・ヒックうえ~ん!」 見た感じ、迷子かな。 「よし、お兄さんに着いてきて!だっこする?」 「する」 「よし!」 僕は、警察、おまわりさんになった。 この町の安全を守れるように、みんなの笑顔を守れるように、 畑中蒼空はがんばります! ──終わり── 読んでくれてありがと!
私は暗闇の道を歩き続ける
私には居場所がない。 この世界はわからないことだらけ。 見つけようとしても見つからないものばかり。 目の前に公園があった。 小さい子が遊んでいる。 笑顔ではしゃいでいる。 楽しそうだった。 でも、私は公園で遊んだことがない。 だって、・・・私の友達が見つからないから。 夜になった。 皆家に帰った。 でも私は公園のベンチに来て寝っ転がった。 私は家に帰らない。 だって、家がどこあるか分からないから。 ふと見ると、父と母、3姉妹が家族そろって楽しそうにご飯を食べているところが見えた。 親も子も幸せそうだった。 でも私は家族のところへ行かない。 だって、親も、兄弟姉妹もどこにいるか分からないから。 一夜明けた 目を覚ました。 誰かの声がしていた。 小学生一人が向かい側のベンチにいた。 寂しそうだった。 「勇太っーーーーー!」 勇太ってきっとあの子の名前だ。 勇太のもとへ6人の小学生が来た。 「太郎くん、寛人くん、瑠偉くん、恵ちゃん、穂香ちゃん」 1人1人名前を言っていた。 皆名前がある。 でも私は名前なんてない。いや、分からないだけ。 1人ぼっちの私。 友達も知らない、家も知らない、家族も知らない、名前も知らない。 今私が歩いているのは光なんてない、暗闇の道・・・・・・。 なんていうか、寂しいっていうか、悲しいっていうか・・・・・・。 その時だった。 6人の小学生が私のほうを見た。 「誰だろう、あの子」 「俺知っている、ずっと1人でいるよ」 「変な子ね」 「あの子何も分からないみたいだよ」 「「「「「「そうなの!!!」」」」」」 「僕たちと同じ年っぽいね」 「ねえ、気のせいだと思うけどアイツ、美緒に似ていない?」 話し声が聞こえてきた。 多分私のことだ。 【美緒】・・・・・・・・ 『美緒』って言葉が私を追いかけている気がした。 『勇太、太郎、寛人、瑠偉、恵、穂香】 どこかで聞いたことのある名前だった。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そんな馬鹿な。 私って誰だろう、ここはどこだろう。 自分を探すために生きている。 ーーーーーーーーーーーーーー変な生き方ーーーーーーーーーーーーーーーーー でも今、暗闇の道に【キラリ】って光が一瞬光った気がした。 気が付いたら6人の小学生が私の前にいた。 そして口を開いた・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
伝説の海の使い
僕には碧衣という思いを寄せている子がいる。名前は海辺の病院で生まれたことから。いつも一緒に話しながら海の見える学校に通う。 そして僕はいつも帰りに海岸に寄って丸太に座り、ギターを弾いて一曲歌うのだ。 ある朝いつものように碧衣と学校に行こうとした。だが、碧衣は登校時間になっても来なかった。入学してから休むことなんて無かったのにと不審に思った僕は、1人学校に向かう。すると、ないのだ。碧衣の席がない。友達に聞いても『碧衣なんて人はこのクラスにいないよ?』と言われる。先生も知らなかった。碧衣の家は近所だったから海辺に寄る前に家族に聞きに行ったが、『うちは子供なんていないよ』と言われてしまった。 どうして、どうして…? 『なんでだよぉ!』僕は海に向かってそう叫んだ。もちろん海だ、返事は来ない。 そう思った時、波打ち際に大きな影があった。覗いてみると、そこにいたのはリュウグウノツカイだった。 なぜ、このタイミングでこんな魚がいるのだろうと、一瞬考える。答えは出ない。でも、信じ難い答えには辿り着いた。 このリュウグウノツカイ、碧衣なのではと。 しばらく自分を疑った。でも、僕の考えはこれしかない。 なかなか海に帰らないリュウグウノツカイをまじまじと見ていた。何かがひれに引っかかっていた。そっと近づき、外す。それは、2人で水族館に行った時にお揃いで買ったイルカのキーホルダーだった。僕は白のイルカ、碧衣は青のイルカだった。 ギターケースに付けていたキーホルダーを咄嗟に持ってくる。何度見比べても、全く同じだった。その瞬間、このリュウグウノツカイは碧衣だと確信できた。 そういえば、リュウグウノツカイは人魚ではないかという伝説がある。本で読んだ。人魚の生まれ変わりと言われる人間もいた。その時の僕は、人魚からリュウグウノツカイに生まれ変わることもあるのか…?と思っていた。それがもし碧衣にあてはまるならーー リュウグウノツカイに、泣きそうな声で話しかける。 『たまには帰ってきてね』 リュウグウノツカイは背を向けて、深い海へ潜っていった。僕はその姿を、見えなくなるまで見つめていた。 ここまで読んでいただき本当にありがとうございます♪ リュウグウノツカイ、皆さんは見てみたいですか?私は水族館に冷凍標本が置いてあったのを見たことがあります。 そんな神秘的な魚を今回はテーマにさせていただきました。面白いと思ってくれると嬉しいです!
こくはくの日
きょう、私は“こくはく”する。 好きな男の子に。 学校で。 今は教室には私とあの子以外だれもいない。 あの子は。ライバル。 恋のライバル。 でも私が先にこくはくしちゃうから。 私の勝ちかも。 今日も普通に授業をうけて、給食を食べていよいよ昼休み。 机の上を片付けてから 私は席を立った。 そして黒板を消している男の子に声をかけた ドキドキした。 すんなりついて来てくれた。 目の前に彼がいる 緊張が半端ない。ここまで来たら言うしかない。 私は言った。こくはくの言葉を。。 彼が驚いてる。ほんとかどうか聞かれた 私は頷いた そして最後に言葉をそえて腕を突き出した私。 ! 彼が手を握ってくれた そのままハグされた。 驚きと嬉しさで声が出ない でも。 こくはくは成功した。 ありがとう。
風になった君を、いつまでも愛している。
「久しぶり、葵。」 優しく、語りかける。 『遅いよー!京夜ったら。私の事忘れたりしてないよね?』 「……してないに決まってるだろ。馬鹿」 葵。 まだお前の声が聞こえるよ。 おかしいよな。 分かってる。 でも___。 これは、空耳なんかじゃないだろ。 聞こえるんだ。 お前の声が。 もう……この世界には居ない、葵の声が。 『京夜』 しんみりとした、葵の声。 俺が愛した、葵の声。 『もう……私の所には来なくていいよ。京夜は違って、お仕事とか、色々あるでしょ。』 「葵、何言って……」 『私、京夜の事誰よりも大好きだからさ。誰よりも、幸せになってほしいんだぁ』 葵がすぐ隣に居るような気がして、手が震える。 「葵に会いに来れるのが……俺の幸せだよ。」 『ううん。京夜は私の事忘れて!新たな出会いをしてもらわなきゃ。素敵な女性の人と、ずっと傍に居てくれる人と……幸せになってね。』 「葵……っ!」 駄目だ。 行かないでくれ。 葵。 ずっと傍に居てくれ__! 無意識に手を伸ばした。 手を振り切られた感覚がした。 頬に涙が伝う。 「葵……幸せにしてやれなくて……ずっと傍に居てやれなくて、ごめんな。」 『……幸せだったよ。ありがとう。京夜。大好き。』 「葵、愛してる」 葵の切なげな表情が、目に見えた様な気がした。 葵の気配が薄れていく感覚。 綺麗な白いワンピースを着て、美しく、儚げな表情をして。 風になった俺の恋人。 世界で一番愛した俺の恋人___。 俺は目を閉じ、開き、葵を見た。 遺影の中に居る、明るく綺麗な笑顔をした葵を。 これは、強い霊感を持った、京夜の話。 強く強く纏わりついている霊感で、霊と話す事が出来る。 京夜が話していたのは、高校時代の亡き彼女、葵。 幼馴染で、京夜がこの世界で一番愛した少女。 京夜は二十歳で、葵は16。 4年間、長期休みに入った時、葵の元へ帰っていた。 その度に二人で話をし、二人ともが幸せを感じていた。 けれど、葵の方から、京夜を思い、別れを告げる。 霊の方から離れていくと、どれだけ霊感の強い者でも、存在は把握できなくなる。 強力な霊感を持つ京夜。 京夜の元から中々離れられなかった葵。 この世界に居なくても、愛し合った、儚く、美しい、二人の物語。