短編小説の相談いちらん
短編小説
みんなが作った短編小説のコーナーだよ。※2024年9月30日までの投稿で受け付けを終了いたしました。
脆く儚く、いつまでも消えない
どうせ死ぬのだろう。お前も。 だからもう、近づいて来るな。 脆く儚くか弱い人間が足掻いたところで、お前の年では精々残り二十年といったところだ。それに、お前は肺を患っていると聞く。その体ではもっと早く死ぬことでさえ容易にありえる。たったその数十年の間で、お前は私に何を期待しておるのだ。 人間にはわからぬかもしれないが、お前らの言う「人生」というものの年月は、私にとってうたた寝する間もないほど一瞬だ。その瞬間刹那の中で、お前は一体私にどんな傷を残していく?愛か?呪詛か?それ以前に、もう何年かしたら、私の存在自体忘れているのか? 移り変わりやすい人の心に、私の同胞達が幾度心をかき乱され、その身を醜く変貌させか、お前は知っているのか? * 本当に愚かしい人間も居たものだ。所詮は実らるものとして切り捨てたいが、私自身は此処から動けぬのが一番の難儀よ。 私は人の命など、どうでもいい。が、嫌でも産まれ落ちてしまったからには、この世の事はそれなりに永く見てきたつもりであるし知っている。そでも、お前のような阿呆には初めて出会うな。 えぇい、やめろ、喜ぶな。気色悪いぞ。私には理解し難い思想、嗜好だな。自分が一番でありたいなどと。あぁ、本当に鬱陶しいものだよ。いいか、こういった感情に身を任せるのは、下らない、愚か者のすることなのだ。そして、精神も意志とは関係なく勝手に疲弊していくぞ。いずれ朽ちていくものに価値を見出すことは瞬間的な愉悦を楽しめるが、同時に酷く恐ろしいものなのだ。いつかは変わってしまう事への恐怖が、いつまでも隣で笑っているからな。 もう、もういいだろう。何処か遠くへ行け。生けるものは皆、私達以外いずれ死ぬ。こんなところで油を売っている時間は、お前にはもうないはずだ。 こんな不死の存在を相手にすること自体、間違っているのだ。お前は早く、もとの日常に戻ったほうが良い。 * おい、いつまで此処に居るつもりだ。もうじき夜になるぞ。お前一人では危険だ。さっさとどっか行っちまえ。 ……は?別にお前が襲われても、私は助けたりせんぞ。死にたきゃ勝手に死ぬことだな。 違う、照れじゃない、五月蠅いぞやめろ、触ってくるな!あとその精神を逆なでする顔をやめろ! * ………なんだ、その顔は。確かに私は先程は夜盗を追い返したが、別に助けようなどという訳じゃない。なんだあのっ、垢と脂だらけの体、フケ塗れの髪、鼻を突く匂い、黄ばんだ歯に汚れの詰まった爪!!あの男どもの全てが生理的に私の拒絶対象だ。 ……何を笑っている。人間っぽい?ふざけるな、私は■だ。追い返す状況が絶妙だった?気色悪いこと言うな。偶然だろう。偶然。変な勘違いをして思い上がるなよ。 さぁもう帰れ。気は済んだか?なに、花火?あぁそうか、そういえばもう、夏だったな。 * おい、どうした。あれほど見たがっていただろう、花火。そんなふうに蹲っているばかりじゃ、見えないぞ。私も動きづらい。どうした、起きろ。おい…。 これは…?…血か?まさかお前、血を吐いたのか?やめろやめろ、返事なんかいらん、さっさと人里に帰って治療を受けろ、話そうとするな、死ぬぞーーー。…いや、死んでも、いい。いいはずだ。こいつは、ただの、人間だ。 そのまま話せ。 * ああ、あぁそうだな、お前はずっと、変わらなかったな。声も、言葉も、考えも、人にしてはよくやったほうだと思うぞ。だが、人のなかでも、お前は早いほうなのだろうな。そこだけは、少し、残念だ。 さぁもう、話すことは話しただろう。さっさと未練など残さずに彼岸へ逝くのだな。 なに、最後に?まぁそれぐらいはいいだろう。なんだ、そんな下らない事でいいのか。 そうだな、ずっと鬱陶しかったよ。ずっと付き纏ってきて煩わしかった。それでも、ここ数百年は珍しく、私の周りが騒がしかったな。それだけだ。いや、あともう一つ。お前に出会って、人間の「情」というものの恐ろしさに改めて触れた。形のない、実体のない、思考に纏わりつくもの。 ……聞かせてくれないか。お前は私の事を、一体どう思っていたのだ?それだけ、聞きたい。 おい、おい……。なにか言ってくれよ。いつも五月蝿いだろう。いつも笑って、話していただろう。 あぁくそ、花火が煩い。何も、聞こえない。 * 居なくなってしまった。形が消えた。脆く儚く、結局は人間だった。 恐ろしいほど早く、消えてしまった。 あいつはもう居ない。居ないはずなのに、いつまでも、呼吸が荒い、鼓動が五月蠅い、………胸の痛みが消えない。 感想もらえると嬉しいです。
【短編小説】椿に恋した話
片田舎の丘の上、椿の木と木造の家、そして十一月の陽が少年を見下ろす。少年は寒さを振り払うように歩く。十五歳になる彼の名は綾北椿。彼は自分が木の世話を任されていることが嫌だった。 椿は丘を登り始め、もうすぐで家に着く、そんな時にあることに気づく。 「誰かいる?」 家の隣の木の裏に小さな人影がある。 「誰だ。何してる」 呼びかけると、木の後ろから着物姿の少女が顔を覗かせた。少女は恥ずかしげで、焦った様子だった。彼女は途端に口を開く。 「ごめんなさい!怪しい者では…」 「じゃあ何してたんだよ。てか何者…?」 「私はあか…殿山紅。年は十四、北の森に住んでて… さっきは花を勝手に摘んじゃってごめんなさい」 「とのやまあか?聞いたことない名前だな」 「体が弱くて学校に通えないの…」 「…そうか、病気とかか…?僕は綾北つ…綾北だ。そこの家に住んでる」 椿は自分の下の名前を言おうとしてやめた。紅は少し首を傾げると、 「椿くん…」 と言った。椿はぎょっとした。 「なんで知って…?」「な、なんとなく」 二人は口ごもる。 「と、とりあえず木と花の話だけど…別に何してもいいから。ほぼ放置してるし」 少女は顔をぱっと上げて言った。 「なら私がお世話する!あんな立派な木…勿体無いもの!私、家にいても暇なの。だから!」 「は…?」 なんてこった。でもこれはチャンス…? 「別にいいけど誰かに見られて誤解されるのは勘弁しろよ、世話してくれんのはありがたいし」 「わかったわ!なるべく見られないよう約束するね」 「親は遅くまで帰ってこないんだ。大丈夫とは思うけどね」 椿は最初こそ戸惑ったものの、木の世話がなくなるという希望を見出した。 椿は紅に木の所有権を譲り、暇な時はお茶しようと誘った。紅は快く承諾してくれた。 だが椿は違和感を感じていた。この時代に着物を着ている時点でおかしいし、紅の住む北の森はこの丘からだいたい4km離れている。体が弱い紅が歩ける距離なのか? それに、話の展開が早すぎる。初対面の異性に木の世話を代わる、なんて… 最大の謎は下の名前を当てたことだ。つ、までは言いかけたがそこから当てるのは難しいだろう。考えすぎなのだろうか… 出会いから三年半が経過した、五月、新緑の季節。 二人の仲は深まっていた。紅の話を聞くのが、椿は楽しかったのだ。椿は紅を一番の親友だと思っていた。しかし今日はいつもと違い、紅に呼び出されていた。木の前には紅が立っていたが顔が険しい。 「呼び出してごめん。伝えたいことがあって…」椿は察した。 「その…会った時から私は…椿くんに一目惚れしていました!」 困った。実に困った。紅はそんなのじゃなくて、親友なのに… 「えぇ…!?」 「で、でも伝えるだけで良かったの…」 椿は困り顔になる。紅は赤面する。 「…っ」終わった恋を噛み締める。 「僕は、紅はそんな仲じゃなくて親友だと思ってる…それじゃダメなのか?」 「ダメなの」 「…」 「私は人じゃないからダメなの。私は十八になったら消えてしまう…」 椿は予想と全く反する告白に驚いた。 「な、何言って…」 「本当のことを言うね。私はこの椿の花の精。椿くんを生まれた時から知ってる…そしてその時から好きだった。でも人と違って花は十八で枯れると決まってる。だから枯れる前にどうしても想いを伝えたくて…!信じられないよね、でも本当だから…正体も、想いも」 「そんなに昔から…でも紅は消…」 三年半前の出会いは計画されたものだったということだったのか…あの日感じた違和感の辻褄が合っていく。 「いいの。あなたの記憶の中にいれるだけで私は幸せ」紅は微笑んだ。 それから二人は何もなかったかのように過ごした。最後の日もそうだった。 一番最後に、紅は振り向いて言った。 「ずっと愛してる」 椿は呟く。 「絶対に忘れないよ」 三年後、紅が消えた年に町を離れた椿は帰ってきた。彼は椿の木の前に立ち、思った。あれから何度も考えたがやはり、紅は「ともだち」だ。親友だ。想いに応えることはできない。 でも彼女を忘れることもない。 ごめんな、と呟いた彼の前に真っ赤な椿の花が舞った。 「いいんだよ、おかえりなさい」 椿の耳に、そんな声が聞こえた。 エタ川です完読感謝!感想もぜひ書いていってください!タメ年下辛口短文長文なんでもアリです、お願いします!
パワーストーンの力(恋愛)
こんにちは♪ アナです!短編小説を書くの、はじめて!緊張してます!いろいろ悩んだのですが、、、 ある夜。明かりが灯った家。 そこには、あかり(姉)とひかり(妹)、姉妹が住んでいた。その二人は鉱物が大好き、宝石とか石とか・・・。 その子たちが住んでいる地域はそういう石とか宝石とかがいっぱいとれる。 そんな姉妹の宝物とはー。 「あかりお姉ちゃん!そー言えば宝物って何?家宝ってあるの?」 あかりはギクッ 二人には親がいないのです。(とっくに亡くなってる。妹は親がいたことすら、親が何か知らない) 「ええっと、あるわよ」少しムカついた口調の姉。 「何?何々?教えて!」と妹。 「わったしはもちろんパワーストーンよッ」そう。あかりはピンクオパールを持っています。ピンクで。綺麗で。 「かっ、家宝は?ってピンクオパール、どんなの?」 「え゛。なんでピンクオパールってわかった!?」 「あ゛。」「(しまった~!)」 「見たな~この~!」姉は激怒!妹、真っ青! 次の日の朝・・・ 「ピッピンクオパールがないぃぃぃッ!」姉、今度は真っ青!そして真っ赤。(どっち?) 「ひかりっ盗んでないわよねぇ」 「ええ、絶対に、盗まないわ!疑うなんて、酷い!」ひかり、号泣・・・。 「あの。」と男子の声。 「はぁっ!?」っと姉。 「僕が、それ盗んだんです!!」 「「え゛~!」」 「実は僕、ずっと、ずっとあかりさんのことがッ」 「好きだったんです~~~~!」 その男子は近所、(遠いけど)のどっかの息子だった。 「で?」とうながすあかり。(あかりはずっと前からその男子が好きだった。しかもまぁまぁイケメン?) 「・・・・っ付き合ってくださいッ」 「ハイっ!」 妹のひかり。「(うらやましいなぁ)」 「僕、弟がいるんですけどっそちらの妹っ」ええっ!嬉しい! というわけで。付き合って、(二人とも)幸せに暮らしました。END 実はピンクオパールは「恋」という意味です!(家宝はどうした?) 読んでくれてありがとうございます。アドバイス、感想、お願いします!下手ですが・・・。 では、ばいちゃ(@^^)/~~~
天使様と生徒会長
天使様。それは、同じクラスの天宮琥珀の事だ。 成績優秀、スポーツ反応、性格良し、おまけに美人。 黒曜石の様に綺麗な瞳、地毛である茶髪の髪。 生徒会会計を担う天宮琥珀は、学年でもエースに降臨するほどの美人だった。 『琥珀。今日の資料だ。読んでおけ』 『はい。ありがとうございます』 こいつは桐生院廉だ。生徒会長で、学校で1モテる男だ。 そんな彼は、琥珀を慕っている。 それは、彼の友達以外、誰も知らない。 『廉~琥珀ちゃんとどうだったか?』 『どーもこーもねーよ。今日も可愛かったくらいか』 『つっまんねーのー』 廉の友達である米倉琳央は、この世界で唯一廉が琥珀を好きな事を知っている。 『まあ、あの天使様、ファンクラブがある程モテるんだぞ。いつかは言わないと、誰かに奪われっぞ』 『分かってる』 分かっている。そんなことは。 『…と言う事で、解散!』 生徒会会議が終わって、解散した後、廉は琥珀に近づいた。 『琥珀、今日、一緒に帰れるか?』 『え、は、はい…』 『琥珀、明日なんだけどさ…』 ただただアタックし続けた。 そこら辺の女には『うわ最悪』と勘付かれたが、そんなことはどうだって良いだろう。 『大好きです!夢にも出てきてください!』 『キモい』 『一生愛してます!』 『生理的に無理』 『何か一言ください…っ!』 『あ枝毛~』 『『『ありがとうございました!!!!』』』 『次の3名どうぞー』 琥珀ファンクラブである。 琥珀は自分のことを好きな相手には基本冷たい。 まあ、そこが可愛いのだが。 『ほら、お前もいけよ』 『り、琳央…』 押し出されて、大量の列から琥珀の目の前に来た。 『会長…』 『こ、琥珀…』 ただの沈黙が流れた。 『愛してる』 小声で琥珀の耳に向かって言った。 すると琥珀は廉の両手を掴んだ。 『よろしくお願いしますね』 すると並んでいた男たちはだらだらと倒れていく。 『ふふ…いつの事?そんな事よく覚えてたね』 『ああ、まあ、高校時代の1番の思い出だからな…』 『新婦様、新郎様、お時間です』 『はい。行きましょう、廉くん』 俺はずっと覚えていた。あの日のことを。 教会のベルが鳴って二人はーーーーーーーーー こんにちはぁ^^*夜余ですっ♪ 恋愛はあまり得意ではないのですが、どうでしたか? 天使様の設定.いりましたか?(たぶんいらんかった.笑) 楽しんで頂けたらすごく嬉しいですっ♪ あでゅー.(´∀`=)←
一目惚れ、だった。
私は寺島芹菜(てらしませりな)。今日から、中学2年生。 中2、か。もう先輩になるんだ。 そんなことを思いながら、学校へ登校した。中2のクラス名簿を見たけど、知り合いは全然いなそうな感じだった。新しい友達、できるかな。 今から、新しい教室に行く。 すごく怖い…。心臓が、これ以上ないほどばくばくしている。 ーーガラガラガラ。 新しい教室のとびらをあける。はぁ…怖い。 席についてしばらくすると、担任の先生が「はい、みんなそろったので出席番号順に自己紹介をしましょう」といった。 「1番、相原琴音です。ーー」 「4番、岩永翔太ですーー」 次々に自己紹介がされていく。私は13番だから、もう少しだ。 「10番、高尾陽斗です」 どきっ。…ん?なんか、胸がおかしい。あっ、目があった。この人と目が合った瞬間、とくとくとく、と早鐘をうっている。 たかお、はると…。顔も、声も、名前も、すごくかっこいい。声が、低すぎない男子の声ってかんじ。顔はかなり整っている。 動揺していたから、上の空で自己紹介をした。 ーーー8か月後 高尾くんは、顔も声もかっこよくて、性格もいい。そんな高尾くんと、少しは喋れるくらいにはなった。そしてついに、明日は修学旅行だ。 しかも…!!高尾くんと、自由行動で同じ班になれた。こんなのもう運命だよ! 翌日。キャリーケースのなかを何度も確認した。少しでも多く、高尾くんと喋れたらいいな。 「新幹線のるぞー。班の人とはぐれるなよー」先生が言う。 新幹線内で写真をとり、自由行動にうつる。 自由行動班のメンバーは女子も男子もみんないい人。今からこのメンバーで昼ごはんのマクドナルドにいく。 わ、わ、私の目の前に、高尾くんがっ。 「女子買いにいっていいよー」 そのとき、ふと高尾くんと二人になるときがあった。「て、寺島さんっ」「ん?」 「俺…寺島さんのことが好きです。付き合ってください!!」「ええええ??!よ、よ、よろしくお願いします!あの、私も好きでしたっ…」「まじで?!えめっちゃ嬉しい。よろしくね、せりなちゃん!」 ぎゃぁぁぁぁ!高尾くんが、私の、彼氏になっちゃった! その噂はすぐに広まって、帰りの新幹線ではみんなが譲ってくれてふたりで隣になったよ!はぁ…幸せだ~! END こんにちは。みっちゃんです。急に8か月もとんでごめんなさい笑。これはほとんど私の実体験です!!笑笑。
ずっと、友達!
「6年生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。もう、この体育館で私の話を聞くことはないと思います。これが最後だと思って、聞いてくださいね。」 今日は卒業式だ。私がこの学校で過ごしたのは3年間だが、学校が小さいため、ずっとクラス替えがなく、3年間でも、クラスメイトとの思い出がたくさんある。 先生の話が終わり、花道を通って、校庭に出た。 とうとう本当に別れの時だ。 「夕佳、中学別だけど、また会おうね。」 「うん…芽奈と別れるの、すっごい寂しいけど…」 「…そうだけど、うちら、3年前に、約束したじゃん!」 私と、大親友・芽奈の出会いは、私が野川小に転校してきてから1ヶ月後くらいのことだった。 (はあ…上手くなじめないな。みんな、仲良さそうなのに、私が入ってくのもちょっとな…) 私はその時、まだ1人も友達を作れていない状態だった。 休み時間も、ずっと1人で、考え事をしたり読書をしたり… そんな時だった、芽奈が声をかけてくれたのは。 「あの…一緒にお絵描きしない?」 芽菜は、その頃も今もみんなの人気者で、クラスのムードメーカーだった。 そんな芽奈が地味で喋るのが苦手な私に話しかけてくるとは思ってもいなかったから、とても驚いて、しばらくの間、黙ってしまった。 「あっ、ごめん。嫌だったら、別にいいんだけど…」 「あ、えっと、全然、いいよ。私、絵描くの、好きだから、その…」 やっとのことで言葉を繋ぎ合わせて、返事ができた。 「だよね!やっぱり。ランドセルにつけてる、そのプラ板の絵、上手だなーって思って。私も絵描くの好きだから、一緒に描きたいなって、ね。」 またもや私はびっくりしてしまった。 (そんな細かいところまでみてくれたんだ…!) 「あ、ありがと。」 「いいえー!じゃ、描こー!!」 私は、自由帳を開いて、愛犬・ダックスフントのクリームを描き出した。 芽奈は、人気のキャラクターのくまを描いていた。 「わ、夕佳ちゃん、その絵すっごい上手!輪郭のとり方、めっちゃいい!」 「あ、ありがと…。井野さんのくまも、上手だよ。いい感じに目が光ってる。」 「ありがとう!」 それからは2人とも熱心に絵を描き続けた。 しばらくして、絵が描き終わった頃に、芽奈がいつも仲良くしてる子達が来た。 「わ、谷村さん、絵、上手ー!芽奈も上手だけど、谷村さんのは、また別な感じの上手さってゆうか、本当に見てて飽きない絵!」 「私、こうゆう絵、美術館でみたことある!」 それから休み時間が終わるまで、みんなと話していることができた。 みんなの話を聞くのが、新鮮で、すごく楽しかった。 その日の帰り道。 私は芽奈と歩いていた。 「今日は、ほんとにありがと!私、谷村さんと話せてよかった。」 「いや、私こそありがとう。井野さん、一緒にいるだけで楽しいから、話しかけてもらえて、すっごい嬉しかった。実は、すっごい、その…不安だったんだ。友達が全然できなくてさ。」 「じゃあ、私が、谷村さんの野川小での友達第一号だ!やったー!てか、夕佳ちゃんって呼んでもいい?私のことも、芽奈って呼んでほしいな!」 「いいよ。じゃあ、その…め、芽奈、ちゃん…これから、よろしく!」 「うん!うちら、ずっと友達、ね!」 私と芽奈はこうして仲良くなった。 中学は、私が受験したので、別々になってしまうが、私はこの約束を、死ぬまで一生、守り抜きたいと思う。 「ずっと友達、だよね。また、一緒に絵、描こ!」 桜吹雪が、2人を包んだ。
初恋の君
目が覚めた。 「ここはどこだっけ。」 目が開いた途端に見える青年と、包帯を巻いてある私の腕。 ああ、私は事故にあったんだな。 少し過去の記憶を振り返ってみる。 私は通学中、事故に遭った。 それしかのの時の記憶はない。 そして目の前に見える青年。あの人は、、、、 私の初恋の人? 中学2年生の時、部活の先輩に恋をした。 クラスの女子に「イケメン!」とモテていた人だ。 初めは興味なんてなかった。初めは。 でも、あの人はそんな私に優しく接してくれた。 そんなことを思い出しているうちに、 「天音??」 そうだ。私の名前は天音。 青年の顔をもう一度見ると泣いていた。 「天音、、、ずっと会いたかった!!」 青年は抱きついてきた。懐かしい香り。 こんな時間が、ずっと続きますように、、、
静かな誕生日。
私、琴葉は、親と話した記憶はほとんどない。 親に話してもらえないとかそういうことじゃなくて、私が小さい時に、親は交通事故で死んだ。 親と話した記憶はないくせに、親が事故にあった時のことはよく覚えている。 家で、近くに住んでいる母方のおばあちゃんと一緒に、両親の帰りを待っていた。 おばあちゃんはリビングで、私に絵本を読み聞かせてくれていた。 絵本の展開がクライマックスになる直前、家の電話に電話がかかってきた。 おばあちゃんは電話に出ると、さっと血の気が引いたようだった。 そして、おばあちゃんに伝えられたのだ。 両親が、交通事故により死んだことを。 それからは、そのおばあちゃんの家で暮らした。 家は近かったので、幼稚園もとくに変わらず、いつも通り過ごしいた。 そのまま問題なく小学校に上がった。 おばあちゃんもお母さんも、出産が早かったため、特に悪目立ちすることもなかったし、小学校でもすぐに友達が増えて、まさに、順風満帆と言う風だった。 しかし、そのおばあちゃんも、交通事故で亡くなった。 母方のおじいちゃんは、私が産まれたのとほとんど同時に死んでしまったし、父方の祖父母は、九州の方にいるから、誰かに育ててもらうこともできなかった。 だから、中学からは、一人暮らしだった。 さすがに中学で一人暮らしはまずいだろうと、近くに住んでいる叔母の家で育てられることになったが、叔母は出張が多いので、ほとんど一人暮らしといっしょ。 家でぼんやりと一人で過ごす。 時計は、午前0時を指した。 今日は、琴葉の13歳の誕生日。 だけど、家には誰もいない。 おばあちゃん、お母さん、お父さんの写真に向かって、笑ってみる。 けど、もちろん返事はない。 このままずっと、静かなまま暮らすのだろうなと考えながら、琴葉は、自分の部屋へ寝にいった。 ~後書き~ こんちゃっちゃ!ゆきみ大福だよっ! 今回はけっこう暗めの話を書いてみたよ! 親が家にいないっていう友達がいて、みんな羨ましがってるけど、相当寂しいんだろうなって思って、この小説を書いてみましたー 感想くれると嬉しいです♪ ではではー♪
目覚めたくない永遠の夢
6月。少し湿った部屋、爽やかな雨音で、今日も瞼をあける。 私の名前は、奏葉。如月コーポレーションの娘として毎日退屈に日々を過ごしてる。 「お嬢様!奏葉お嬢様!大変です!!!!!」 彼女の名は、柊 唯夏。 私のたった一人のメイド。 …にしても唯夏が驚くだなんて何があったのだろうか? 彼女は冷静であり、いつも落ち着いているのにも関わらず、少しの汗を纏ってきた。 「一体何があったの?」 「じ、実は....」 ……は? 嘘でしょう…?この私に 【婚約者】ができるなんて… そして次の日、私はその婚約者と会った。 「こんにちは。如月 奏葉と申します。」 「こんにちはっ!俺は…」 その人は、宵咲 早紀斗 と名乗った。 とあるカフェで話してみると、明るく純粋でとても可愛い男の子だった。 自分で言うのはアレだけど、私の容姿は髪も目も黒。一方両親は金髪だったから、少し避けられたりしてた。 でも彼は違った。 思えばこの時から、彼に恋をしてしまっていたのかもしれない。 「奏葉は、俺のこと好き?」 もう2人ともお互いに名前を呼ぶほど距離が縮まっていたある日、不意にそんなことを聞かれた。 どうしたんだろうと思った。彼の瞳には見た事ないような暗闇の色が浮かんでいたのだ。 「勿論、愛してるよっ笑」 私がそう言い返すといつもの彼に戻って、こんな話をし始めた。 「実は俺、寿命がもうないんだ。」 その一言で何かがぴんと糸を張り、私を空っぽにさせた。 どういうこと…? なにかのドッキリ…? 「後1年で死んじゃうかもしれない。だから奏葉、別れよう。」 その一言で私は、思わず彼をひっぱたいた。 「なんでッッ!!私はッッ、」 そしてその場で意識を失った。 目覚めた場所は、いつもの見慣れた彼の部屋。 「おはよ。」 そういう彼の頬は少し赤みが残っていた。 「ぁ、ごめん。」 「エッ!?いや大丈夫!」 「…ふふっ笑」 ああ、やっぱり彼が好き。大好き。 「早紀斗が死んじゃうとしても、私は別れないよ。」 「…それは、結婚していいってこと…?」 「勿論。」 2人は口付けをして、純白の式を飾った。 永遠のRingに光を差し、夢の幕が降りた。
大丈夫、世界は平和だよ。
私はもう耐えられない。こんな世界なんて。 何故かって?いじめに遭っているし、両親は裏社会の人間だからだよ。私は、いつも自分の部屋に引きこもって、妄想の世界で生きている。 ああ、妄想している世界が現実になればいいのに。妄想の世界の見た事ないくらいの快晴で、紙吹雪が吹いていて、お祭りの屋台が沢山あって…。でも、どうせこんな世界なんて叶わないよね。 今日も、そんな妄想をしながら、古いパソコンの前に座っている。 「今週の土日にお祭りがあるんだって!行ってみない?」 親戚の人に言われた。でも、祭りで嫌いなやつに会いたくない。でも、行きたい…!服装を変えていこうかな。 土曜日になった。窓から、朝から屋台の準備をしている人たちが見える。今日の祭りは、学校の校庭でやるんだな。まあ、うちの学校結構でかいから、祭りも大きいだろう。 私はついに外に出る。いつも引きこもっているから、外に出るのは久しぶりだ。 でも、外に出ると驚きの光景が見えた。 見た事ないくらいの快晴で、紙吹雪が吹いていて、屋台が沢山あって…。妄想していた世界だ。いや、でもここは現実なはず。 横断歩道を渡り、学校に着くと屋台が沢山あった。私をいじめていたやつが見えた。でも、私に優しく声をかけて来た。 「あれ、もしかして結?服装可愛いよ!」 何でよ、何でこうなっているの?何故か、涙が出て来た。周りには、近所の姉さんたちや、先生がいた。みんな笑っている。私は余計に涙が込み上げて来た。もう、感動して泣いている。涙をぼろぼろ流しながら、私はいじめたやつじゃなくて、仲間と全力で祭りを楽しんだ。 生きていてよかった。妄想が現実になってくれてよかった。みんながいい人でよかった。
ぼくのかみさま
ぼくのかみさまはとても優しくて、素敵な人。 どんなことも許して、どんなことも受け止めてくれるけど、受け止めて“しまう”人。 その姿は本当に綺麗で、それはまさに依存へ誘うような。 いつも笑いかけてくれて、いつも面白くて、いつも支えになってくれる。 いつしか虜になっていた。 誰よりも、認めてくれる。 誰よりも、愛してくれる。 誰よりも、願ってくれる。 隠された本音も、全部。 どうしてそこまでしてくれるのか分からないくらい。 でも、彼女も弱い。 他人を愛すことで、自分を愛せない。 それをぼくにだけ話す。 彼女の本音を認めて、愛して、そして願っていたい。 それがただの願望でしかなくても、これだけは本音にしたい。 彼女にはやりたいことがあった。 彼女は嫌なことをされた。 それでも彼女は怒らず、優しく対応する。 彼女が人に強く当たるところなんて見たことがなかった。 それは魅力で、故に彼女は多くの人に愛されるのだろう。 でもぼくは違う感情だった。 気付いたことは、ぼくは彼女に“彼女のままでいてほしい”こと。 彼女とぼくは、他に比べてとても仲が良かった。 なんと言えばいいだろうか。気が合うのはもちろんだが、それ以外の何かがあった。 それは、“傷”なのかもしれない。 彼女とはよく話した。 数年前はよく話しかけてきてくれた。 それは今も変わらないが、ぼくも彼女には気を許せるようになった。 彼女も、もしかしたらそうなのかもしれない。 そして、彼女とぼくは約束を交わした。 「死を願うならその本音についていく」こと。 ここまで愛せて、ここまで信用できたのは初めてだった。 後に聞いたことだが、それは彼女も同じだったようだ。 だからこそ、彼女もぼくもそれを簡単に受け入れられた。 ぼくの偽りは彼女によってとけた。 ぼくは、彼女の偽りをとかした。 今まで全てが嘘だったから、この愛が本当なのかは分からない。 分からないけれど、 ぼくは彼女を愛し、彼女に愛されたい。 「 ボクは、どこまでも_____ちゃんについていくよ どこまでだって 」
猫と小学生
僕は4年生。家はまずしくて学校に行けなかった。親も怖くて家にいるのも辛かった。ある日道を歩いていると野良猫にあった。黒猫だ。一度家に連れて行った。そして洗ってあげた。でもうちは貧しくてかえなかったので、そのままはなした。次の日家を出ると昨日の黒猫がいた。家の近くの公園に行き思いっきり猫と遊んだ。可愛かったので名前をつけた。黒色だから「黒」だ。 帰ろうとしときありがとうと言ったようににゃーとないた。次の日も黒にあった今日は鬼ごっこをしていた。僕は鬼ごっこに夢中で道路に飛び出してしまった。その時右から車が来ていた。そしてひかれた。ひき逃げまでされた。意識がもうろうとする中こんな音が聞こえた。「にゃーにゃー」そこで僕は意識を失ってしまった。目が覚めると僕は病院のベットにいた。いたのは病院の人と黒だ。僕は黒のおかげで助かった。もし黒がいなかったら死んでいただろう。黒、本当にありがとう。あのあと犯人もちゃんと逮捕されたらしい。僕はほっと胸を撫で下ろした あれから20年後僕は家を出てお金を稼いで、今でも黒と暮らしている。今ではちゃんと餌をやって元気に暮らしている。 ここまでこられたのも黒のおかげ。僕はこれからも黒を一生大切にする。何があっても守る。 最後まで読んでくれてありがとうございます。感想よろしくお願いします。
【短編小説】同性に恋するのはどうせ叶いませんか?
「うわ最高那奈まじすき」 「私も綺羅のことすき」 綺羅はきっとまだ知らない。私の"すき"が綺羅の言う"すき"と違うことを。 ------------------------------------ 私は鍵山那奈。突然だが、私には好きな人がいる。それは幼馴染であり親友である加藤綺羅だ。"かぎやまなな"と"かとうきら"で出席番号が近かったことから、小1の4月に出会った。そんな私たちの関係ももう中学校卒業式2日前。9年目に差し掛かろうとしている。 「那奈ー!昨日A高校の制服採寸行ってきたの!ちょーかわいくて!」 綺羅はおしゃれで顔も可愛い。短所は勉強が苦手なことくらい。私は勉強ができる方なので、高校からは離ればなれだ。 「へーいいな!私の高校ちょっとださいからなー、綺羅の制服姿、見てみたいなぁ」 ついぽろっと本心が出る。それに対して当たり前じゃん、と綺羅が言う。 「うちらの仲なんだから高校で制服プリでも撮るっしょ、あはは」 何度も聞いた笑い声。私はこの笑い声が大好きだ。 [私の勝負は卒業式] 中3の4月に決めた予定通り、私は卒業式に告白する。私は綺羅にどう思われようが気持ちを伝えるんだ。今の関係性の心地良さに甘えてなんていられない。 「ついに明日か」 「今にも泣き出しそうだなー、私那奈いなくてやってけるかな」 私の言葉横取りすんな、と思ってしまう。9年間、毎日顔を合わせた私たち。そんな関係性が、明日終わる。 「綺羅はさ、明日好きな子に告白とかするの?」 あはは、と笑う綺羅。 「しないよ。てか好きな子なんていないし」 そうだよね。私のことだって好きじゃない。何当たり前のことに落ち込んでんだ、私。 「鍵山那奈」 「はい!」 卒業証書を受け取る瞬間。あぁ、卒業するんだな、それと同時に私たちの関係も終わるんだな、そう思った。涙が出そうだったけど、壇上で泣くなんてできない。 「加藤綺羅」 「はい!」 いつもより大きい声ではきはきと返事をし、堂々と歩く姿。もう綺羅をみるのも最後かもしれない。あぁ、もうだめ。泣いちゃうじゃん。 「那奈泣きすぎね、あはは」 「だってぇ…うわぁ!!」 「あはは。んで、話したいことあるって何よ、体育館裏って初めて来たかも」 もしかして、、喧嘩?と手を振る綺羅。 「あのね、ずっと好きだった、大好きだった」 「え、っと、」 困惑する綺羅。そりゃそうだよね。困らせちゃってごめんね。 「引かれるよね、ごめんね。もう忘れてくれていいから」 「忘れないよ、忘れらんないよ。那奈、ごめん。私、那奈の気持ちに応えられない。でもね、私那奈のこと大好きだよ」 これからも、今までも、と付け足す綺羅。 私たちはその後、高校に入学した。未練はあるかって?そりゃ、ずっとショックだった。でも私は今でも綺羅と週一くらいで通話するし、月一くらいで会っている。私は未練たらたらだけど、この関係性が大好きだ。 ------------------------------------ どんな形であれ愛の形は変わらないと思ってます。この作品を読んでくれたみんなに、最高の出会いがありますように。
ずっと一緒。
私は私にしか見えない私にそっくりな小悪魔がいる。生まれたときからずっと一緒。私、その小悪魔がとても好きなんだっ。 いつも守ってくれるし、わたしは「あに」とよんでいる あには私のことを「きみ」とよんでいる。 「ね、私達、ずっと一緒だからね。」 そして、、、、、私は目が覚めると、病院にいて、頭を強く、打っているみたい。記憶喪失になったんだ。そしたら、私にそっくりな子供がいて、「かいだんから落ちたんだ」と教えてきたみたい。そしてその子は毎日、私のとこに、毎日来てくれるけど、しつこい。もう来なくていいって言ってるのに、、、私はその子に、酷いことを言ってしまった。 で、でも、これでこなくなるだろう。 ー夜ー 私はお医者さんのとこに、行かなきゃ。頭をみてもらう。階段で一階に降りる、その時、、バランスをくずして落ちそうになった 私は前から誰かにお押されて、尻もち、ついちゃった。 そしたらわたしは「ん、だあれ。」と階段の下を見たら え?うそ あの、私にそっくりな子供が落ちてる。そこで私は、思い出した。あの子は、あにだ!私をかばってくれたんだ… 急いであにを抱えて診察室にいくー 「階段から、この子、落ちてしまいました、助けて。」私は叫んだ。 でも、、「ええ、この子って、誰のことですか?」 そうだ、あには私にしか見えない。 誰か助けて、私には無理だ。「あに、きこえてる。酷いことを言ってごめん、許して。毎日、来てくれたのは、ずっと一緒って約束 したからでしょ。死なないで。」 「あぁ、きみとはずっと一緒さ」 誰かに助けを求めても、気づいてもらえない。 「ごめんなさい…あに…私、守られてばかり」 「今までありが…とう」 「ずっと一緒だからね」 「ずっと一緒だからね」 その言葉が最後だった。しかも同じタイミングでその言葉を言った。 私は、これからは誰かを守る。そう、あにに誓った。 ーーーーーーーーーーー 朱音です。最後まで、見てくれてありがとうございました
君と出会った日の空は
明るい日差しが入り込んできて、本を読んでいた律希は顔を上げた。 本を読み始めたときは曇り空だったけど、今はもう、太陽がキラキラと顔を出していた。 「3時半から遊ぼうぜ」 僕の友達、裕太が言ったことを思い出す。 ハッと時計を見ると、3時20分だった。 慌ててしたくをし、外へ出ると、大急ぎで裕太の家の方へ走る。 坂道を上り終え、公園のさしかかったところで、ベンチにすわっている女の子を見つけた。 その子の顔を見たところで、足を止める。 どこかで見たことのある顔だった。それに、声だって思い出せる。 話しかけようかと悩んでいると、その子のほうが顔をあげた。 「律希…」 ふんわりと笑う、その子は… 空から一筋の光が街を照らす。 この日のことを、僕は一生忘れない。
もう恋なんてしない、はずだったのに。 ー2回目の初恋ー
もう私は恋なんてしない。したくもない。なのに。 あれは、1年以上前のこと。 私には大好きな彼氏、レオがいた。 片思いだったと思っていたのに、両思いだなんて。 告白したら 「俺も好きだった」 なんて。 毎日が幸せだった。でも。不幸というのは、突然訪れるんだと、知った。 ある日彼に呼び出され、向かった。 彼が発したのは思いもしない言葉だった。 “別れて欲しい” 「え…どういうこと…」 私にはこれしか言えなかった。何でかもわからなかった。 それから、私の視界はモノクロになった。 何もかもが色褪せて、生きる気力がなくなった。 親友のおかげで何とか生きられた。 今から、もう恋なんて一生しないと胸に誓った。 ある日、レオと同じ係になって 仕事をしている時だった。胸が急に熱くなった。 みるみる顔も赤くなっていく。 「どうしたんだろ…風邪でも引いたかな」 私の呟いたのを聞いたレオは 「…大丈夫か」 無視しかできなかった。レオの手が頬に触れる。 なのにどんどん熱く顔も赤くなっていく。 私は、レオに2度目の恋をしてしまった。 レオに保健室に連れてってもらい休むことにした。 先生はいなくて、2人きりの空間で、正直嫌だった。 レオがずっと隣にいる。「戻って…」私は言った。 心底、戻って欲しかった。これは叶うはずもない恋なのだから。 「別れたんだし、縁切ったでしょ」正直に言ってしまった。 次の瞬間、レオから思いもよらぬ発言をされた。 「好きだ」 え。何言ってんの。頭が真っ白になった。 「別れたいなんて思ってない。大好きなんだ 俺…実はさ、友達に言われたんだ。 “お前なんかと付き合ってる彼女可哀想すぎ”って… お前には、良い男と付き合って欲しいんだよ」 私は言った。「そんなこと思ってない。私ね…あなたに2回目の恋をしたみたいなの…」 彼は言った。「俺ともう一度、恋を始めないか」「うん…!」 次の瞬間。レオの手が私のほおに触れた。 顔を近づけて顔を傾けた。 レオの唇が私の唇に触れた。 15秒間、レオは触れたままびくともしなかった。 キスされた。少し強引なキスだった。 言葉が出なかった。できることは、私もやり返すだけだった。 同じ身長だと思っていたレオは、私よりぐんと高く、肩幅も広くなって。 私はかかとを浮かせた。浮かせてもギリギリ届くくらいだ。 もう恋なんてしない、はずだったのに。 私の唇が、レオの唇に触れた。 また、2人で初恋を始めよう。 最後まで読んでくださりありがとうございます! 初投稿ですので失敗点がありましてもご了承ください! 辛口は避けていただけると嬉しいです!
押入れにいる
ガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリガリ 私は、押入れの中で壁をガリガリガリガリ引っ掻いてる。 ガリガリガリガリガリガリガリガリ こういう怪談あったよね。赤いクレヨンだっけ ガリガリガリガリガリガリガリガリ 爪が剥がれそうだ、痛い ガリガリガリガリガリガリガリガリ 痛い、痛い。自分でやってることだけどね ガリガリガリガリガリガリガリガリ これが楽しいんだよね。 イライラしたときには ガリガリガリガリガリガリガリガリ すぐここに来ちゃう ガリガリガリガリガリガリガリガリ 誰もいないよ。誰もいないよ。だからなんにもイライラしないね。これがいい。一番いい。 ガリガリガリガリガリガリガリガリ 誰にも迷惑かけてないね。大丈夫大丈夫。 ガリガリガリガリガリガリガリガリ
思い出の海(泣かせに来てます。)
屋上まで息を切らしながら走ってきた私は、「やっと逃げられた」と安堵する。 やっとこの世界から逃げられた。そんな私を褒めるように、風が私を包み込む。 私の最期には惜しいほど、美しい景色だった。 「どうしたの?こんなところで。」 「…ッ!!」 人の声が聞こえた瞬間、私は絶望した。私と同じくらいの男の子。この学校の制服を着ているから、 同じ高校生だと言うことが一目でわかる。 私を止めるのかと思ったけど、この人はやけに落ち着いている。 こんなところにいると言うことは、この人も私と同じなのかと勝手に推測した。 「…この世界から逃げようと思って。あなたこそ、こんなところで何してるの?」 「うーん、なんて言うか…君のことずっと待ってたんだよ。」 「…?私がここにくるってこと知ってたの?じゃあなんで止めないの?」 「君がどうするかも、ずっと待っとく。」 変わった人。流石に人の目の前でさよならするのも嫌だから、 もう少しだけこの人と話をしておこう。 「君はここから逃げ出したいんだっけ?だったらもっと人目につかない場所に行こうよ。」 「…そうだね。」 「海へ行こうよ。見せたいものがあるんだ。」 私はこの男の子と学校を出て、駅へ向かった。 行く先は遠い、遠い街だった。どうせ最期に使うお金だったので、惜しまずに切符を買う。 ガタン、ゴトンと電車が走る音がする。電車には全く人が乗っていないから、それ以外の音はしなかった。 やがて電車を降りて駅から出ると、視界に人がる街からは懐かしい匂いがした。 人通りの少ない街を二人で歩いて行った先には、大きな、広い海が水面を光らせて私たちを出迎えた。 潮の風を全身で感じる。鳥肌が立つほど、美しい海だ。 男の子が貝殻を私に差し出す。 「これが見せたかったものなんだ。君が、あの日僕にくれたもの。」 ドクン。と胸が鳴った。そうだ、そうだった。この男の子は、私が5歳の時に会っている。 でもなんで?この男の子は、溺れた私を助けるために、この海で亡くなっているはずだ。 「君がこの海で消えようとしていた僕にこれをくれたおかげで、 初めて人を好きになれた。生きたいって、思えたんだよ。」 涙が溢れた。 「私もッ、あなたのことが好き!!」 男の子を抱きしめようとしたけど、触れられなかった。この男の子は、もういないのだから。 「君に会えてよかった。僕はもう帰らないといけないんだ。じゃあね。」 そう言って、男の子が波を打つ海の中へ入っていく。 「待って!!今だけは…二人だから!!」 私が男の子を引き留めると、涙を流して笑いかけた。 触れられない体をもう一度抱きしめた私たちを、風が包み込む。やっと会えたんだ。いつまでも、こうしていたい。 目が覚めた頃には、学校の屋上にいた。どうやら疲れて寝ていたらしい。 だけどもう少しだけこの世界にいたいと思った。勇気を出して、教室に戻る。ポケットの中の貝がらを握りしめて。 辛口×で。