明日を生きるために。
死にたい
僕は何度その言葉を呟いたことだろう。
全て中の下。親はお金だけおいて帰ってこないし友達もいない。いじめられてこそいないけど秀でているものがない自分に飽き飽きする。
こんな生活もいじめられてるやつからみたら贅沢だよな。校舎裏でリスカをする前にふっと思った。こんなことするくらいなら勉強しよ。
そう考えて家に帰ろうとしたとき、甘い鈴の音のような声が響いた。
『ねぇ何してるの?』
ヤバイ、リスカをしようとしていたとこ見られたか。言い訳をしようと振り向いたとき、僕の意識は目の前の女の子に全て持っていかれた。
艶やかな黒髪を白いリボンのついたゴムで2つにくくっていて、淡い若草色のワンピースを着ている。びっくりするくらい美人で、神秘的という言葉がぴったりだ。
『あなた、今リスカしようとしてたでしょ?』
少女がズイッと顔を近づけてくる。
やっぱり見られてたか。でも不思議と言い訳をする気にはならなかった。さっきまで頭フル回転で言い訳を考えてたのに。
僕が素直にうなずくと少女はクスッと笑った。
『していいよ、リスカ。』
僕にとっては予想外の答えだった。
「どうしてとめないの?」
無意識にそう言っていた。ヤバ、こんなこといったら誰かにかまって欲しかったからリスカをしていたみたいに思われるじゃん。
少女は不思議そうな顔をした。
『あなたはリスカを決断するほど追い詰められていたんでしょ?リスカをして気持ちが落ち着くならいいと思う。あなたが傷つくのはたまらなく嫌だけど、死なないでくれるならしょうがないよ。』
視界がボヤけた。
見ず知らずの僕をこんなに考えてくれるのが嬉しかった。
『泣きたいときは泣けばいいんだよ。泣いた分だけ強くなれるとまでは言わないけど、苦しいのは少し和らぐと思うから。』
30分は泣いていたかも知れない。そこが校舎裏とかはもうどうでもよかった。その間、少女はずっとなにも言わずに僕の隣に腰をおろしていた。
ああ、そうか。僕はやっと気づいたよ。僕は僕自身を認めてくれる人が欲しかっただけなんだ。死んだらダメだって、そういってくれる人が欲しかっただけなんだ。生きる拠り所を探していたっていうと大袈裟かもしれないけど。
「今日はなんかごめん。」
涙が落ち着くと急に恥ずかしくなってきた。中3にもなって見ず知らずの女子の前で泣き崩れていたからね。
「でも……また来ていい?」
『辛くなったらまたおいで。いつでも話を聞くから。』
少女の言葉一つ一つがふわりと包み込むようで心地よい。キラキラと輝く夕日が少女をよりいっそう美しく見せる。
「そう言えば…僕の名前は弘輝(こうき)。君は名前、何て言うの?」
またお世話になるかもしれないし、そう思って聞いた僕の問いかけに少女は考え込む。
『………ごめん、わからない。』
「えっ…?」
『折角だからさ、名前考えてよ。』
突然の申し出に戸惑う。僕が考えた事がある名前は犬のジョンだけだし、何よりこの美しい少女に見合う名前が見つからない。
『美しいし優しいから美優(みう)…とか?』結構真剣に考えたのに我ながら安直な名前。でも本人は気に入ったようだった。『美優…美優かぁ。えへへ、美優ってめっちゃいい。』
少し照れながら笑う美優がたまらなく可愛い。
「じゃあ、また明日。」
『バイバイ、弘輝。』
僕は帰路についた。いつになく幸せな気分だった。
その日から、僕は毎日のように美優の所にいった。その日の出来事、今まで抱えてきた悩み、全てを話した。優美はそんな僕を嫌な顔1つせずに聞いてくれた。
空気みたいに扱われるのは必要とされてないと感じて孤独だったこと。
親がいないのはどんな気持ちか。
もう少しいい性格がよかったな。
僕に出来そうな特技は何か。
死にたかった僕が情けないよ。
色々な悩み事を話した。話したからといって解決する訳じゃないけど日に日に心が軽くなっていった。
ある日ふと、もう生きることを辛く感じていないことに気づいた。
そう気づいた日も美優に会いに行った。しかしそこに美優はいなかった。
代わりに大きな木が立っていた。頭が真っ白になる。今までのは全て幻覚?それとも僕の妄想?一度落ち着こうと深呼吸しようとした。すると、その木にゴムが1つかかっていた。白いリボンのついたゴムが。
美優のだ。
消えてしまったその存在を確かめるかのようにゴムを手に取った。
『辛くなったらまたおいで』
美優の声が聞こえた気がした。 END
みんなに生きて欲しいと思って書きました!【リスカを推奨する物語ではありません。】最後に、美優が生やした木はナナカマドのつもりです。ナナカマドの花言葉は『私はあなたを見守る』です。
感想待ってます! もっちもちパンダさん(兵庫・14さい)からの相談
とうこう日:2020年6月10日みんなの答え:2件
僕は何度その言葉を呟いたことだろう。
全て中の下。親はお金だけおいて帰ってこないし友達もいない。いじめられてこそいないけど秀でているものがない自分に飽き飽きする。
こんな生活もいじめられてるやつからみたら贅沢だよな。校舎裏でリスカをする前にふっと思った。こんなことするくらいなら勉強しよ。
そう考えて家に帰ろうとしたとき、甘い鈴の音のような声が響いた。
『ねぇ何してるの?』
ヤバイ、リスカをしようとしていたとこ見られたか。言い訳をしようと振り向いたとき、僕の意識は目の前の女の子に全て持っていかれた。
艶やかな黒髪を白いリボンのついたゴムで2つにくくっていて、淡い若草色のワンピースを着ている。びっくりするくらい美人で、神秘的という言葉がぴったりだ。
『あなた、今リスカしようとしてたでしょ?』
少女がズイッと顔を近づけてくる。
やっぱり見られてたか。でも不思議と言い訳をする気にはならなかった。さっきまで頭フル回転で言い訳を考えてたのに。
僕が素直にうなずくと少女はクスッと笑った。
『していいよ、リスカ。』
僕にとっては予想外の答えだった。
「どうしてとめないの?」
無意識にそう言っていた。ヤバ、こんなこといったら誰かにかまって欲しかったからリスカをしていたみたいに思われるじゃん。
少女は不思議そうな顔をした。
『あなたはリスカを決断するほど追い詰められていたんでしょ?リスカをして気持ちが落ち着くならいいと思う。あなたが傷つくのはたまらなく嫌だけど、死なないでくれるならしょうがないよ。』
視界がボヤけた。
見ず知らずの僕をこんなに考えてくれるのが嬉しかった。
『泣きたいときは泣けばいいんだよ。泣いた分だけ強くなれるとまでは言わないけど、苦しいのは少し和らぐと思うから。』
30分は泣いていたかも知れない。そこが校舎裏とかはもうどうでもよかった。その間、少女はずっとなにも言わずに僕の隣に腰をおろしていた。
ああ、そうか。僕はやっと気づいたよ。僕は僕自身を認めてくれる人が欲しかっただけなんだ。死んだらダメだって、そういってくれる人が欲しかっただけなんだ。生きる拠り所を探していたっていうと大袈裟かもしれないけど。
「今日はなんかごめん。」
涙が落ち着くと急に恥ずかしくなってきた。中3にもなって見ず知らずの女子の前で泣き崩れていたからね。
「でも……また来ていい?」
『辛くなったらまたおいで。いつでも話を聞くから。』
少女の言葉一つ一つがふわりと包み込むようで心地よい。キラキラと輝く夕日が少女をよりいっそう美しく見せる。
「そう言えば…僕の名前は弘輝(こうき)。君は名前、何て言うの?」
またお世話になるかもしれないし、そう思って聞いた僕の問いかけに少女は考え込む。
『………ごめん、わからない。』
「えっ…?」
『折角だからさ、名前考えてよ。』
突然の申し出に戸惑う。僕が考えた事がある名前は犬のジョンだけだし、何よりこの美しい少女に見合う名前が見つからない。
『美しいし優しいから美優(みう)…とか?』結構真剣に考えたのに我ながら安直な名前。でも本人は気に入ったようだった。『美優…美優かぁ。えへへ、美優ってめっちゃいい。』
少し照れながら笑う美優がたまらなく可愛い。
「じゃあ、また明日。」
『バイバイ、弘輝。』
僕は帰路についた。いつになく幸せな気分だった。
その日から、僕は毎日のように美優の所にいった。その日の出来事、今まで抱えてきた悩み、全てを話した。優美はそんな僕を嫌な顔1つせずに聞いてくれた。
空気みたいに扱われるのは必要とされてないと感じて孤独だったこと。
親がいないのはどんな気持ちか。
もう少しいい性格がよかったな。
僕に出来そうな特技は何か。
死にたかった僕が情けないよ。
色々な悩み事を話した。話したからといって解決する訳じゃないけど日に日に心が軽くなっていった。
ある日ふと、もう生きることを辛く感じていないことに気づいた。
そう気づいた日も美優に会いに行った。しかしそこに美優はいなかった。
代わりに大きな木が立っていた。頭が真っ白になる。今までのは全て幻覚?それとも僕の妄想?一度落ち着こうと深呼吸しようとした。すると、その木にゴムが1つかかっていた。白いリボンのついたゴムが。
美優のだ。
消えてしまったその存在を確かめるかのようにゴムを手に取った。
『辛くなったらまたおいで』
美優の声が聞こえた気がした。 END
みんなに生きて欲しいと思って書きました!【リスカを推奨する物語ではありません。】最後に、美優が生やした木はナナカマドのつもりです。ナナカマドの花言葉は『私はあなたを見守る』です。
感想待ってます! もっちもちパンダさん(兵庫・14さい)からの相談
とうこう日:2020年6月10日みんなの答え:2件
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無題 私もそんな言葉を掛けてみたいです。有り難う御座いました。 かなえさん(選択なし・12さい)からの答え
とうこう日:2020年6月11日 -
上手〜! こんにちは。
同い年なんですね。私小説家目指しているので、このサイトも色々見ていますがとても感動したし、ナナカマドもいいですね! 今度小説を書く時は花言葉とかも使ってみたいな〜って思いました。
これからもこのサイトに小説書いて下さったらたくさん読みます!
応援していますね! ココみんさん(埼玉・14さい)からの答え
とうこう日:2020年6月11日
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