桜のようなあの子 【少し長めです!!】
【〇月〇日(日)】
俺は今まで生きてきた15年間、1度も恋をしたことがない。唯一の友達、悟には恥ずかしいから嘘ついてるんだろってからかわれるけど、ホントにホントだ。女子を…いや、人を好きになったことがない。俺は変わっているのだろうか?
最近そのことばかり考える。
「はぁ…。」
これだけ書くと俺は日記を閉じた。
窓を開けて外の空気を思いっきり吸う。
「あっつい…」
外の天気は今の俺の気持ちと正反対。びっくりするくらい太陽が照りつけている。
ふと、時計を見ると14時を少しすぎたところだった。
(14時…せっかくの休日なんだし、ポチの散歩にでも行くか…)
一階に降りて散歩の準備をする。
袋とリードとドックフードと水、金も必需品…
バックに詰め込み母に一声かけてポチと一緒に家を出た。
お散歩コースはいつも決まっている。
南公園を通って、野原まで行って休憩。
時間はかからなそうだが、家につくと案外1時間30分は経っていることもしばしあった。
ポチは相変わらず元気だ。小さな体でワンワン吠える。
いつもと同じ速さで50分ほど歩くと野原についた。
「ポチ〜ついたぞ!さぁ、いつものところできゅうけ…あ…」
いつもの、俺たちの特等席には、見たこともない女の子が座って本を読んでいた。
「ポチ…どうする?特等席とられちゃった…今日は帰るか…」
「ワンワンワンワン!!!」
ポチは俺の言葉が聞こえたかのように激しく吠えた。きっと帰りたくないのだろう。
「ポチ〜ごめんって!ほら、今からリードはな…」
「あ…あの…」
ふいに、後ろから声が聞こえてきた。
振り返るとそこにはさっき本を読んでいたはずの女の子が立っていた。
さっきは横顔しか見ていなかったが、正面から見るとびっくりするほど色白で美人だった。みんなを引き込む、まるで「桜」のような女の子だった。
俺は一瞬でその子に引き込まれていった。
「話聞いてました。ごめんなさい、すぐあの席どきますね!」
そういって彼女は俺たちの特等席を指さした。
「い、いえいえ。あの席いいですよね。一緒に座りましょうか。犬つき…ですけどいいですか?笑」
「全然OKですが…本当にいいんですか?」
「えぇ、もちろん!」
「嬉しいです!」
そう言って俺たちはあの席に座り、(ポチには申し訳なかったが…)何時間も何時間も話した。
あの女の子は、光という名前だということを知った。
学校の奴らとは違い、光の話はどれもとても興味深いものだらけでとても面白かった。
俺はあの日、光のことを好きになった。初恋だった。
「もう日が暮れちゃった。私帰らなきゃいけないの。ごめんね。」
「いや、光と話せて本当に楽しかった。ありがとう。もしよかったら、来週の日曜日にまた会わないかな?」
思い切って俺は言ってみた。
「うん、多分…いいよ。」
「多分?」
「実は…私、心臓の重い病気で、総合病院に入院してるんだ…もういつまで生きるかわかんないから特別に外出許可いただいてここにきてるの…次会うときに生きてたらいいけど。」
そう言って彼女は静かに笑った。
「そんな…なんで…なんで…絶対生きてくれ。お願い。」
「精一杯がんばるね。ありがとう。絶対また会おう。」
「約束してくれる?」
「うん。約束する。」
そう言って俺たちは別れた。この日、俺は初めて人を好きになり、初めて人の幸せを願った。
そして日曜日。
俺は待ち合わせの1時間30分前にひとりで家を出た。野原に着くと、まだそこに光はいなかった。
(あたりまえか…まだ50分前だもんな)
本を読みながら光を待った。光は待ち合わせの時間になっても来なかった。
(きっともう少ししたら来るだろう…)
本を読みはじめて3時間。小説を1冊読み終えても光は現れなかった。
(でも、約束したもんな…)
少し嫌な予感がしたが、俺は約束を信じて待ち続けた。
そして、日が暮れ、18時になった。それでも光は来なかった。
結局、俺は仕方なく家に帰った。
次の週も、その次の週も、またその次の週も俺は野原に行って、光を待ち続けた。それでも、光は来なかった。
その次の週。
思い切って俺は光が入院している総合病院に行った。
「あの〜…渡部光さんの友達なんですが、病室はどこでしょうか?」
俺は、受付の女性に聞いた。
「渡部光…光ちゃん…実は…7月5日に息をひきとったの…」
受付の女性は悲しそうに言った。
「そんな…」
(光が…光は…)
そのあとの記憶はない。帰ってひとりで大泣きした。
【〇月△日(日)】
俺の恋は叶わなかった。悔しくて悔しくてたまらない。
桜のようなあの子に、光に、もう1度会えるのならば俺は言いたい。
ーーー好きだって。
最後まで読んでくれてありがとうございました!!
コメント待ってます!(辛口NGです(-_-;)) ななさん(東京・12さい)からの相談
とうこう日:2020年6月10日みんなの答え:2件
俺は今まで生きてきた15年間、1度も恋をしたことがない。唯一の友達、悟には恥ずかしいから嘘ついてるんだろってからかわれるけど、ホントにホントだ。女子を…いや、人を好きになったことがない。俺は変わっているのだろうか?
最近そのことばかり考える。
「はぁ…。」
これだけ書くと俺は日記を閉じた。
窓を開けて外の空気を思いっきり吸う。
「あっつい…」
外の天気は今の俺の気持ちと正反対。びっくりするくらい太陽が照りつけている。
ふと、時計を見ると14時を少しすぎたところだった。
(14時…せっかくの休日なんだし、ポチの散歩にでも行くか…)
一階に降りて散歩の準備をする。
袋とリードとドックフードと水、金も必需品…
バックに詰め込み母に一声かけてポチと一緒に家を出た。
お散歩コースはいつも決まっている。
南公園を通って、野原まで行って休憩。
時間はかからなそうだが、家につくと案外1時間30分は経っていることもしばしあった。
ポチは相変わらず元気だ。小さな体でワンワン吠える。
いつもと同じ速さで50分ほど歩くと野原についた。
「ポチ〜ついたぞ!さぁ、いつものところできゅうけ…あ…」
いつもの、俺たちの特等席には、見たこともない女の子が座って本を読んでいた。
「ポチ…どうする?特等席とられちゃった…今日は帰るか…」
「ワンワンワンワン!!!」
ポチは俺の言葉が聞こえたかのように激しく吠えた。きっと帰りたくないのだろう。
「ポチ〜ごめんって!ほら、今からリードはな…」
「あ…あの…」
ふいに、後ろから声が聞こえてきた。
振り返るとそこにはさっき本を読んでいたはずの女の子が立っていた。
さっきは横顔しか見ていなかったが、正面から見るとびっくりするほど色白で美人だった。みんなを引き込む、まるで「桜」のような女の子だった。
俺は一瞬でその子に引き込まれていった。
「話聞いてました。ごめんなさい、すぐあの席どきますね!」
そういって彼女は俺たちの特等席を指さした。
「い、いえいえ。あの席いいですよね。一緒に座りましょうか。犬つき…ですけどいいですか?笑」
「全然OKですが…本当にいいんですか?」
「えぇ、もちろん!」
「嬉しいです!」
そう言って俺たちはあの席に座り、(ポチには申し訳なかったが…)何時間も何時間も話した。
あの女の子は、光という名前だということを知った。
学校の奴らとは違い、光の話はどれもとても興味深いものだらけでとても面白かった。
俺はあの日、光のことを好きになった。初恋だった。
「もう日が暮れちゃった。私帰らなきゃいけないの。ごめんね。」
「いや、光と話せて本当に楽しかった。ありがとう。もしよかったら、来週の日曜日にまた会わないかな?」
思い切って俺は言ってみた。
「うん、多分…いいよ。」
「多分?」
「実は…私、心臓の重い病気で、総合病院に入院してるんだ…もういつまで生きるかわかんないから特別に外出許可いただいてここにきてるの…次会うときに生きてたらいいけど。」
そう言って彼女は静かに笑った。
「そんな…なんで…なんで…絶対生きてくれ。お願い。」
「精一杯がんばるね。ありがとう。絶対また会おう。」
「約束してくれる?」
「うん。約束する。」
そう言って俺たちは別れた。この日、俺は初めて人を好きになり、初めて人の幸せを願った。
そして日曜日。
俺は待ち合わせの1時間30分前にひとりで家を出た。野原に着くと、まだそこに光はいなかった。
(あたりまえか…まだ50分前だもんな)
本を読みながら光を待った。光は待ち合わせの時間になっても来なかった。
(きっともう少ししたら来るだろう…)
本を読みはじめて3時間。小説を1冊読み終えても光は現れなかった。
(でも、約束したもんな…)
少し嫌な予感がしたが、俺は約束を信じて待ち続けた。
そして、日が暮れ、18時になった。それでも光は来なかった。
結局、俺は仕方なく家に帰った。
次の週も、その次の週も、またその次の週も俺は野原に行って、光を待ち続けた。それでも、光は来なかった。
その次の週。
思い切って俺は光が入院している総合病院に行った。
「あの〜…渡部光さんの友達なんですが、病室はどこでしょうか?」
俺は、受付の女性に聞いた。
「渡部光…光ちゃん…実は…7月5日に息をひきとったの…」
受付の女性は悲しそうに言った。
「そんな…」
(光が…光は…)
そのあとの記憶はない。帰ってひとりで大泣きした。
【〇月△日(日)】
俺の恋は叶わなかった。悔しくて悔しくてたまらない。
桜のようなあの子に、光に、もう1度会えるのならば俺は言いたい。
ーーー好きだって。
最後まで読んでくれてありがとうございました!!
コメント待ってます!(辛口NGです(-_-;)) ななさん(東京・12さい)からの相談
とうこう日:2020年6月10日みんなの答え:2件
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*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚* 長すぎて読めんかったわw
ごめんな!
でも最初の出だしいいと思う!
これからも頑張ってな!
また読みニキマス! piculさん(岐阜・13さい)からの答え
とうこう日:2020年6月28日 -
アァ−… 桜って切ない感じ…その例えがいいと思う! マインさん(埼玉・13さい)からの答え
とうこう日:2020年6月11日
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