神様に気に入られた妹
夏のある日…
僕の妹が消えた。
その日は、家族でおばあちゃんが住んでいる所へ来ていた。おばあちゃんが住んでいるところは、森の中。森の中に建てられた一軒家だった。森の周りならまだしも、中なら誰もいない。僕と妹、咲は、おばあちゃんの住んでいる所に行くと、滅多にふれあえない自然に興奮していた。いつも二人で遊んでいた。
その日の朝も「行ってきまーす!」「きまーす!」僕が言う「行ってきます」についてくるかのように「きます」と咲が言う。
家の奥からは、おばあちゃんの「気をつけるんだよ」と言う声と「お昼までには戻ってくるのよー?」と言う声が聞こえてきた。
僕はいつものように「わかってるよー!」と言った。
「ほら、咲。行こう!」僕は咲の手を引いていつも通る所を通った。
僕はこう見えて記憶力がいいんだ。いつもは悪いフリをしてるだけ。悪いフリをしておかないとお母さんに色々言われるから悪いフリをしているんだ。
「咲、もうすぐだぞ」「やったー!おっ花♪クローバー♪よつばーのクローバー!」「ははっ、何だその歌?自分で作ったのか?」「うん!あ!ちょうちょ!にぃに!みて!きれい!」咲が指差した先を見ると大きな見たことがないアゲハ蝶が居た。「ん?あ、ホントだ、キレイだな、あの蝶」「うん!」「けど、捕まえないでおこうな?ここに来た時だけ見られる存在にしておこう」「んんー?難しいことわかんない…けどつかまえない!にぃに!お花のアレ作って!」「あぁ、お花の冠、ないいぞ。咲、一緒にお花集めよう」「うん!」
僕達はいつも通りいつもの場所にきては花を積んで僕がお花の冠を作ってたんだ。
完成して咲の頭に被せてあげたら可愛くて仕方がない。喜ぶ顔も物凄く可愛い。そんな時、またあの蝶が通った。
「あ!ちょうちょ!」「だな、あ、待て!咲!」咲は蝶に導かれるように後を追った。僕も急いで咲の後を追った。追いかけた頃には、まだ太陽は傾いていたはずなのに追いついた頃には太陽が真上に来ていた。ここまでの道順は覚えた。いろいろな目印を見つけ出して記憶した。だから帰り道は大丈夫だ、咲も目の前にいる。
「咲」「?なぁに?」「そろそろ帰ろう、お母さん達が待ってる。」「えー、もう少し遊んでいたい!」「でも…お腹空いただろ?」「空いてない」「え、でも、朝少ししか食べてないじゃないか。ずっと走ってたし、疲れただろ?兄ちゃんおんぶしてやるから、な?帰ろう?」「いや!」「いやって…」「いや!!咲、この子達と遊ぶ!」「…この子達?」「うん!」「この子達って…誰だ?僕達以外に人は居ないぞ…?」「きつねさんと、ウサギさんがいるよ?」「キツネ…?咲、お前狐見たことないだろ、なんでわかる」「?自分できつね、っていってる!」「(なんだ…霊的な何かか…?小さい子にしか見えないなにかなのか?咲は楽しそうだし……悪いやつではない…のかな?)わかった、でもちょっとだけな?ちょっとだけ遊んだら、家に戻ろう、な?」「うん!きーつねさん!あっそびーましょー!」「(おかしい…何かが変だ。何だ、この違和感…)」
僕はその時感じた違和感の事を考えていた。
考えていた時間はわからない。ずっと考えていたのだろう、もう太陽が真上から少しズレていた。それに気づいたのは、考えていた時にあの蝶が視界に入ったからだった。
あの蝶は、警戒心が無いのか僕の手に止まった。止まったと思ったらすぐに飛び、ついてこい、とでも言うように先頭を飛んだ。
僕は蝶に導かれるがまま歩いた。歩いて歩いて歩きまくった。すると開けたところに出た。そこには咲と白い狐と兎がいた。
「咲」「!にぃに!」咲は僕に抱きついてきた。「にぃに、かえろ、咲、お腹減った!」「…あぁ、帰ろう。狐さん、ウサギさん、妹と遊んでくれてありがとう。…咲、行こっか。」「うん!」僕は先と遊んでいた狐と兎にお礼を言ってから頭を下げた。咲は、僕と繋いだ手を離さないようにぎゅっと握っていた。
僕達はまたあの蝶を見た。
また朝に導かれるように歩くといつの間にか家についていた。
家の前で立っている僕の隣には咲はいなかった。おかしい、ずっと手を握っている感覚があったのに…。僕は探しに行こうとした。その時お母さんの声が聞こえた。「隼人?どうしたの、ご飯食べに帰ってきたんでしょ、早く入りな」「え、でも、咲が…」「咲って…誰?」「え…」
お母さんやお父さん、おばあちゃんとおじいちゃんの記憶から咲が消えていた。
覚えていたのは僕だけだった。僕は居なくなったことを例え話としておばあちゃんに話した。するとそれは、神様に気に入られたんだよ、と言った。
俺は、高校生になってからあの蝶を見たところへ来た。すると、あの時の蝶が、ついてこい、とでも言うようにまた先頭を飛んだ。
感想やアドバイスなどあれば言ってください!
ラテさん(和歌山・12さい)からの相談
とうこう日:2020年6月15日みんなの答え:1件
僕の妹が消えた。
その日は、家族でおばあちゃんが住んでいる所へ来ていた。おばあちゃんが住んでいるところは、森の中。森の中に建てられた一軒家だった。森の周りならまだしも、中なら誰もいない。僕と妹、咲は、おばあちゃんの住んでいる所に行くと、滅多にふれあえない自然に興奮していた。いつも二人で遊んでいた。
その日の朝も「行ってきまーす!」「きまーす!」僕が言う「行ってきます」についてくるかのように「きます」と咲が言う。
家の奥からは、おばあちゃんの「気をつけるんだよ」と言う声と「お昼までには戻ってくるのよー?」と言う声が聞こえてきた。
僕はいつものように「わかってるよー!」と言った。
「ほら、咲。行こう!」僕は咲の手を引いていつも通る所を通った。
僕はこう見えて記憶力がいいんだ。いつもは悪いフリをしてるだけ。悪いフリをしておかないとお母さんに色々言われるから悪いフリをしているんだ。
「咲、もうすぐだぞ」「やったー!おっ花♪クローバー♪よつばーのクローバー!」「ははっ、何だその歌?自分で作ったのか?」「うん!あ!ちょうちょ!にぃに!みて!きれい!」咲が指差した先を見ると大きな見たことがないアゲハ蝶が居た。「ん?あ、ホントだ、キレイだな、あの蝶」「うん!」「けど、捕まえないでおこうな?ここに来た時だけ見られる存在にしておこう」「んんー?難しいことわかんない…けどつかまえない!にぃに!お花のアレ作って!」「あぁ、お花の冠、ないいぞ。咲、一緒にお花集めよう」「うん!」
僕達はいつも通りいつもの場所にきては花を積んで僕がお花の冠を作ってたんだ。
完成して咲の頭に被せてあげたら可愛くて仕方がない。喜ぶ顔も物凄く可愛い。そんな時、またあの蝶が通った。
「あ!ちょうちょ!」「だな、あ、待て!咲!」咲は蝶に導かれるように後を追った。僕も急いで咲の後を追った。追いかけた頃には、まだ太陽は傾いていたはずなのに追いついた頃には太陽が真上に来ていた。ここまでの道順は覚えた。いろいろな目印を見つけ出して記憶した。だから帰り道は大丈夫だ、咲も目の前にいる。
「咲」「?なぁに?」「そろそろ帰ろう、お母さん達が待ってる。」「えー、もう少し遊んでいたい!」「でも…お腹空いただろ?」「空いてない」「え、でも、朝少ししか食べてないじゃないか。ずっと走ってたし、疲れただろ?兄ちゃんおんぶしてやるから、な?帰ろう?」「いや!」「いやって…」「いや!!咲、この子達と遊ぶ!」「…この子達?」「うん!」「この子達って…誰だ?僕達以外に人は居ないぞ…?」「きつねさんと、ウサギさんがいるよ?」「キツネ…?咲、お前狐見たことないだろ、なんでわかる」「?自分できつね、っていってる!」「(なんだ…霊的な何かか…?小さい子にしか見えないなにかなのか?咲は楽しそうだし……悪いやつではない…のかな?)わかった、でもちょっとだけな?ちょっとだけ遊んだら、家に戻ろう、な?」「うん!きーつねさん!あっそびーましょー!」「(おかしい…何かが変だ。何だ、この違和感…)」
僕はその時感じた違和感の事を考えていた。
考えていた時間はわからない。ずっと考えていたのだろう、もう太陽が真上から少しズレていた。それに気づいたのは、考えていた時にあの蝶が視界に入ったからだった。
あの蝶は、警戒心が無いのか僕の手に止まった。止まったと思ったらすぐに飛び、ついてこい、とでも言うように先頭を飛んだ。
僕は蝶に導かれるがまま歩いた。歩いて歩いて歩きまくった。すると開けたところに出た。そこには咲と白い狐と兎がいた。
「咲」「!にぃに!」咲は僕に抱きついてきた。「にぃに、かえろ、咲、お腹減った!」「…あぁ、帰ろう。狐さん、ウサギさん、妹と遊んでくれてありがとう。…咲、行こっか。」「うん!」僕は先と遊んでいた狐と兎にお礼を言ってから頭を下げた。咲は、僕と繋いだ手を離さないようにぎゅっと握っていた。
僕達はまたあの蝶を見た。
また朝に導かれるように歩くといつの間にか家についていた。
家の前で立っている僕の隣には咲はいなかった。おかしい、ずっと手を握っている感覚があったのに…。僕は探しに行こうとした。その時お母さんの声が聞こえた。「隼人?どうしたの、ご飯食べに帰ってきたんでしょ、早く入りな」「え、でも、咲が…」「咲って…誰?」「え…」
お母さんやお父さん、おばあちゃんとおじいちゃんの記憶から咲が消えていた。
覚えていたのは僕だけだった。僕は居なくなったことを例え話としておばあちゃんに話した。するとそれは、神様に気に入られたんだよ、と言った。
俺は、高校生になってからあの蝶を見たところへ来た。すると、あの時の蝶が、ついてこい、とでも言うようにまた先頭を飛んだ。
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ラテさん(和歌山・12さい)からの相談
とうこう日:2020年6月15日みんなの答え:1件
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良い! なんかすごい好き!
ういさん(神奈川・15さい)からの答え
とうこう日:2020年6月17日
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