私が居なくなっても…
私は黒咲まゆ、18歳。お母さんと2人で豪邸に住む一人っ子のお嬢様。ちなみにお父さんは病気で亡くなってる。
恵まれた容姿とお金で欲しいものは全て私の手にある。だからこそ、そんな毎日はつまらない。たまにはドキドキのスリルも味わいたい。
そんなことを考えていた毎日に突然変化が訪れた。お母さんが再婚したんだ。その時に、私は彼女に出会った。
彼女とは2つ年下で16歳の義理の妹、千代ちゃん。再婚したお義父さんの娘で、私の義理の妹となった。
千代ちゃんはとてもしっかり者で、誰に対しても敬語を使う。そんな千代ちゃんは私と同じ高校へ通うことになった。
『千代ちゃん、学校はもう慣れた?クラスはどう?』
「まゆさんのお陰で慣れました。クラスも明るくて楽しいです」
『んもう、千代ちゃん。私にはタメ口でいいっていつも言ってるでしょ?あと、まゆさんじゃなくて、お姉ちゃんかまゆがいいなぁ』
「い、いえ…その、それは…大丈夫です。はい。」
『もー!千代ちゃんの頑固!』
そう言いつつ、私は千代ちゃんに微笑んだ。千代ちゃんの隣にいると、暖かくてとってもドキドキして楽しい。もしかして、これこそ私が求めていたスリルなのかもしれない。
でも…千代ちゃんのお陰で私は楽しく過ごせているが、千代ちゃんは楽しいのかな。私にタメ口を使わないから、つまらないのかな…私も千代ちゃんになにか恩返しがしたい。私に出来ることはないかな…
すると、わかったことがあった。千代ちゃんは女優になりたいらしい。小さい頃から演技が大好きで、今現在も夢見ているらしい。
…私が出来ること。それは千代ちゃんの夢を応援すること。そして…叶えてあげなくちゃ。
そう思った私は早速事務所やオーディションについて調べた。隅から隅まで調べて調べて調べまくった。そうしたら、近々オーディションが行われる大手事務所を見つけた。
『やった!見つけた…ってあれ?…女優…女優って…私も幼いころ、夢見てたような気が…』
そう。私は小さい頃、女優になりたいって思ってた。あることがきっかけでやめてしまったけど…でも…チャンスがこんなに近くにあるなら…
『…もう、大丈夫だよね。私も受けてみようかな…』
今夜、千代ちゃんのためということは伏せて千代ちゃんに話をしよう。きっとあの子なら受け止めてくれる。
『千代ちゃん。私ね、女優に興味があるの。それでね、オーディション受けられる会場見つけたんだ。1人だと心細いから、一緒に受けてくれないかな?』
「まゆさんが心細いって珍しいですね。ですが、私なんかで良ければご一緒しますよ」
『うん!ありがとう、千代ちゃん!』
大手事務所だし、オーディションに受かる確率も低い。だけど、受けるに越したことはない。千代ちゃんの夢を応援しつつ、私たちは夢への第一歩を踏み出した。
それから数日後。事務所から合格書が届いた。しかも2枚。
『千代ちゃん、千代ちゃん!合格書が届いたよ!私たち、2人とも受かったよ!』
「えぇ!?本当ですか!?」
『うん!ありがとう、千代ちゃん!』
2人の笑い声は耐えなく響き渡った。
「私が…女優…」
『これからも、頑張ろうね!』
「はい!」
千代ちゃんはとても嬉しそうだった。ねえ、千代ちゃん。いつもありがとう。楽しい毎日をありがとう。楽しさを教えてくれてありがとう。私ね、もう明日も明後日も何年後も楽しみだよ!
…だけど2年後のこと。私の身体に癌が見つかった。幼いころの癌の再発だったらしい。発見が遅く、もう手遅れの状態だった。もう私の身体はもたないみたい…
実は私が女優を諦めた理由は、幼いころに癌になってしまったから。小学生の頃、奇跡的に治ったけれど、再発の可能性があるからということで女優を諦めていた…やはり癌には勝てないみたい。
私は途切れそうな意識の中、千代ちゃんに最期のお願いをした。
「…だから!そのお願いだけは聞けないと何度も言ったじゃないですか!ダメですまゆさん!逝っちゃダメです!お願い…!まゆ…お姉ちゃん!」
千代ちゃんは泣きながら何かを叫んでいたが、私にはほとんど聞き取れなかった。私が聞き取れたのは最後の「お姉ちゃん」だけ。
ずっと聞けないと言っていたけど、おそらく千代ちゃんは叶えてくれる。千代ちゃんならきっと、やり遂げてくれる。千代ちゃんを信じて…未来は千代ちゃんに託して…私は静かに目を閉じた。
最期のお願いは…
『私が居なくなっても…大好きな演技を続けてね』 こずえさん(選択なし・15さい)からの相談
とうこう日:2020年7月3日みんなの答え:6件
恵まれた容姿とお金で欲しいものは全て私の手にある。だからこそ、そんな毎日はつまらない。たまにはドキドキのスリルも味わいたい。
そんなことを考えていた毎日に突然変化が訪れた。お母さんが再婚したんだ。その時に、私は彼女に出会った。
彼女とは2つ年下で16歳の義理の妹、千代ちゃん。再婚したお義父さんの娘で、私の義理の妹となった。
千代ちゃんはとてもしっかり者で、誰に対しても敬語を使う。そんな千代ちゃんは私と同じ高校へ通うことになった。
『千代ちゃん、学校はもう慣れた?クラスはどう?』
「まゆさんのお陰で慣れました。クラスも明るくて楽しいです」
『んもう、千代ちゃん。私にはタメ口でいいっていつも言ってるでしょ?あと、まゆさんじゃなくて、お姉ちゃんかまゆがいいなぁ』
「い、いえ…その、それは…大丈夫です。はい。」
『もー!千代ちゃんの頑固!』
そう言いつつ、私は千代ちゃんに微笑んだ。千代ちゃんの隣にいると、暖かくてとってもドキドキして楽しい。もしかして、これこそ私が求めていたスリルなのかもしれない。
でも…千代ちゃんのお陰で私は楽しく過ごせているが、千代ちゃんは楽しいのかな。私にタメ口を使わないから、つまらないのかな…私も千代ちゃんになにか恩返しがしたい。私に出来ることはないかな…
すると、わかったことがあった。千代ちゃんは女優になりたいらしい。小さい頃から演技が大好きで、今現在も夢見ているらしい。
…私が出来ること。それは千代ちゃんの夢を応援すること。そして…叶えてあげなくちゃ。
そう思った私は早速事務所やオーディションについて調べた。隅から隅まで調べて調べて調べまくった。そうしたら、近々オーディションが行われる大手事務所を見つけた。
『やった!見つけた…ってあれ?…女優…女優って…私も幼いころ、夢見てたような気が…』
そう。私は小さい頃、女優になりたいって思ってた。あることがきっかけでやめてしまったけど…でも…チャンスがこんなに近くにあるなら…
『…もう、大丈夫だよね。私も受けてみようかな…』
今夜、千代ちゃんのためということは伏せて千代ちゃんに話をしよう。きっとあの子なら受け止めてくれる。
『千代ちゃん。私ね、女優に興味があるの。それでね、オーディション受けられる会場見つけたんだ。1人だと心細いから、一緒に受けてくれないかな?』
「まゆさんが心細いって珍しいですね。ですが、私なんかで良ければご一緒しますよ」
『うん!ありがとう、千代ちゃん!』
大手事務所だし、オーディションに受かる確率も低い。だけど、受けるに越したことはない。千代ちゃんの夢を応援しつつ、私たちは夢への第一歩を踏み出した。
それから数日後。事務所から合格書が届いた。しかも2枚。
『千代ちゃん、千代ちゃん!合格書が届いたよ!私たち、2人とも受かったよ!』
「えぇ!?本当ですか!?」
『うん!ありがとう、千代ちゃん!』
2人の笑い声は耐えなく響き渡った。
「私が…女優…」
『これからも、頑張ろうね!』
「はい!」
千代ちゃんはとても嬉しそうだった。ねえ、千代ちゃん。いつもありがとう。楽しい毎日をありがとう。楽しさを教えてくれてありがとう。私ね、もう明日も明後日も何年後も楽しみだよ!
…だけど2年後のこと。私の身体に癌が見つかった。幼いころの癌の再発だったらしい。発見が遅く、もう手遅れの状態だった。もう私の身体はもたないみたい…
実は私が女優を諦めた理由は、幼いころに癌になってしまったから。小学生の頃、奇跡的に治ったけれど、再発の可能性があるからということで女優を諦めていた…やはり癌には勝てないみたい。
私は途切れそうな意識の中、千代ちゃんに最期のお願いをした。
「…だから!そのお願いだけは聞けないと何度も言ったじゃないですか!ダメですまゆさん!逝っちゃダメです!お願い…!まゆ…お姉ちゃん!」
千代ちゃんは泣きながら何かを叫んでいたが、私にはほとんど聞き取れなかった。私が聞き取れたのは最後の「お姉ちゃん」だけ。
ずっと聞けないと言っていたけど、おそらく千代ちゃんは叶えてくれる。千代ちゃんならきっと、やり遂げてくれる。千代ちゃんを信じて…未来は千代ちゃんに託して…私は静かに目を閉じた。
最期のお願いは…
『私が居なくなっても…大好きな演技を続けてね』 こずえさん(選択なし・15さい)からの相談
とうこう日:2020年7月3日みんなの答え:6件
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-
おおお〜感動!!! とても素晴らしい小説ですね!!
すごいです!!!
めちゃくちゃ感動しました!!
アイスクリーム♪さん(千葉・9さい)からの答え
とうこう日:2020年7月5日 -
おぉ…パチパチ サクサクリアです
すごいですね!感動しかない。
まゆちゃんも、千代ちゃんも、お互いを思いやってて、温かいお話ですね。 サクサクリアさん(選択なし・14さい)からの答え
とうこう日:2020年7月5日 -
感動しました! 最後のシーンめっちゃ感動しました!
まゆさんかわいそう。(泣)(。>д<) 無一朗さん(長野・9さい)からの答え
とうこう日:2020年7月5日 -
おぉ… 新作楽しみにしてましたよ〜♪
今回も素敵でした!泣
でも、ちょっと展開が早すぎると
思います…
次のも楽しみにしてます♪
それでは! 雪見大福さん(選択なし・13さい)からの答え
とうこう日:2020年7月4日 -
二人の絆に感動しました! 最後、二人の絆に感動して、泣きそうになりました。すばらしいさくひんだと思います! ひなみんさん(東京・10さい)からの答え
とうこう日:2020年7月4日 -
すごい! マヨです!
タイトル通りすごい!としか言えません!!!!!!
すごい!すごい!すごい!すごい! マヨ♪さん(神奈川・12さい)からの答え
とうこう日:2020年7月4日
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