私達の雑談。友達って?【短編小説】
「友達ってなんなのかしら」
7月某日、私の自宅にて。
そんな、私______光が呟いた疑問が始まりだった。
「んー、考えた事もなかったなぁ」
「だね……」
机を間に挟んで向こう側に座る恵は、右手で頭を掻きながら呟くと、恵と私の間に座る縁が相槌を打つ。
現在高校1年生である私達3人は、小学校の頃から仲が良く、今でもこうして誰かの家に集まったり、ショピングモールに遊びに行ったりする仲だ。
「そもそも……私達って仲は良いのだけれど、友達なのかしら?友達になった覚えなんてなくて……」
そう。これが疑問が浮かんだ理由である。『友達になろう』って言った事は無い。けれど、周りの人達からは『いい友達だね』ってよく言われる。その言葉が理解できないのだ。
「うーん、友達の定義ってなんなのかな?」
混乱してる私に続き、縁も混乱してきている。そんな時、恵が「ハイハイ!」と挙手をしてきて。
「恵、どうしたの?」
「じゃあさ!いっそ今ここで友達になっちゃえばいいじゃん!それで解決っ、なんてね」
「根本的な解決にはならないきもするけど……これ以上話を広げると収集がつかなくなって混乱するだけだし、そうしておきましょうか。縁もいい?」
「う、うん……!」
恵の提案に満場一致で、取り敢えずこの話は終わったのだった。
***
暫くして。
「やばっ、そろそろ帰らないと!ごめん、先に失礼するね!」
「ごめん光ちゃん、わたしもそろそろ時間で……」
あれから他愛の無い話をしていた私達だったが、恵が時計を見て立ち上がると、縁も申し訳なさそうに呟いて。
「そっか、遅くまでありがと、2人とも。駅までは一緒に行くから、帰り道は気をつけてね」
「いつもありがと、光!」
「こっちのセリフよ、恵。それに、こうして誰かの家に集まったときは、途中まで送ってくのがお約束じゃない」
遊んだ後は駅まで一緒に帰る。それが3人のお約束。そんな話をしながら、家の玄関に向かって。
「お母さん、二人を送ってくるわね」
「じゃ、行こ!二人とも!あ、お邪魔しましたー!」
「光ちゃんのお母さん、お邪魔しました」
三者三様な挨拶を私の母にした後家を後にした。
***
駅の近くまで歩いてきて。
「じゃ、あたしはここを右だからこれで……」
いつも恵と別れる十字路まで来ると、いつも通り恵はその十字路を曲がろうとする。
「あっ、待って!何か落ちたわよ!」
恵の鞄からストラップらしき物が取れるのが見えて、私は彼女を引き止める。その間に縁がそのストラップを拾って。
「恵ちゃん、どうぞ…………これって」
「縁、どうしたの?」
縁は一度は恵に渡そうとするも、そのストラップをマジマジと見つめる。私は縁の後ろからそれをのぞき込んで。
それは、小学生の時、修学旅行でお揃いで買った願いが叶うという星のストラップだった。
「恵、まだ大事に付けててくれたのね。嬉しい」
「うん。友達と初めて買った、大事な思い出だから。……って、その頃はまだ友達じゃなかったっけ?あれ、でも……このストラップに込めた願いって……」
私が微笑ましく思うと、恵は思い出を思い出しながら呟く。そして……彼女の言葉の続きは、3人同時、異口同音で唱える。
「「「ずっと友達でいられますように!」」」
と。
そう。これが、あの時星のストラップに願った願い事。そしてその後直ぐに。縁が「あっ」と声を漏らした。
「友達がなんなのか……やっと、わかったかも。
友達は、一緒に居ると楽しい人。そして______友達ってなるものじゃなく、自然となってるものだと思うな」
縁は恵のストラップをぎゅっと、宝物のように握りしめながら、そう笑った。
「……!縁の言う通り、なのかもね。なるものじゃなく、なってるもの。ならば、私達は、ずっと前から友達だった」
「なーんだ、あたし達が気づいてなかっただけなんだね。じゃあ、これまでも!これからも!……あたし達はずっと、友達だね!」
「「うん!」」
笑顔で、3人でハイタッチ。
この瞬間、私の疑問もようやく解けて、私達の友情はより固いものに変わっていったのだった。
蒼星さん(選択なし・15さい)からの相談
とうこう日:2020年7月4日みんなの答え:1件
7月某日、私の自宅にて。
そんな、私______光が呟いた疑問が始まりだった。
「んー、考えた事もなかったなぁ」
「だね……」
机を間に挟んで向こう側に座る恵は、右手で頭を掻きながら呟くと、恵と私の間に座る縁が相槌を打つ。
現在高校1年生である私達3人は、小学校の頃から仲が良く、今でもこうして誰かの家に集まったり、ショピングモールに遊びに行ったりする仲だ。
「そもそも……私達って仲は良いのだけれど、友達なのかしら?友達になった覚えなんてなくて……」
そう。これが疑問が浮かんだ理由である。『友達になろう』って言った事は無い。けれど、周りの人達からは『いい友達だね』ってよく言われる。その言葉が理解できないのだ。
「うーん、友達の定義ってなんなのかな?」
混乱してる私に続き、縁も混乱してきている。そんな時、恵が「ハイハイ!」と挙手をしてきて。
「恵、どうしたの?」
「じゃあさ!いっそ今ここで友達になっちゃえばいいじゃん!それで解決っ、なんてね」
「根本的な解決にはならないきもするけど……これ以上話を広げると収集がつかなくなって混乱するだけだし、そうしておきましょうか。縁もいい?」
「う、うん……!」
恵の提案に満場一致で、取り敢えずこの話は終わったのだった。
***
暫くして。
「やばっ、そろそろ帰らないと!ごめん、先に失礼するね!」
「ごめん光ちゃん、わたしもそろそろ時間で……」
あれから他愛の無い話をしていた私達だったが、恵が時計を見て立ち上がると、縁も申し訳なさそうに呟いて。
「そっか、遅くまでありがと、2人とも。駅までは一緒に行くから、帰り道は気をつけてね」
「いつもありがと、光!」
「こっちのセリフよ、恵。それに、こうして誰かの家に集まったときは、途中まで送ってくのがお約束じゃない」
遊んだ後は駅まで一緒に帰る。それが3人のお約束。そんな話をしながら、家の玄関に向かって。
「お母さん、二人を送ってくるわね」
「じゃ、行こ!二人とも!あ、お邪魔しましたー!」
「光ちゃんのお母さん、お邪魔しました」
三者三様な挨拶を私の母にした後家を後にした。
***
駅の近くまで歩いてきて。
「じゃ、あたしはここを右だからこれで……」
いつも恵と別れる十字路まで来ると、いつも通り恵はその十字路を曲がろうとする。
「あっ、待って!何か落ちたわよ!」
恵の鞄からストラップらしき物が取れるのが見えて、私は彼女を引き止める。その間に縁がそのストラップを拾って。
「恵ちゃん、どうぞ…………これって」
「縁、どうしたの?」
縁は一度は恵に渡そうとするも、そのストラップをマジマジと見つめる。私は縁の後ろからそれをのぞき込んで。
それは、小学生の時、修学旅行でお揃いで買った願いが叶うという星のストラップだった。
「恵、まだ大事に付けててくれたのね。嬉しい」
「うん。友達と初めて買った、大事な思い出だから。……って、その頃はまだ友達じゃなかったっけ?あれ、でも……このストラップに込めた願いって……」
私が微笑ましく思うと、恵は思い出を思い出しながら呟く。そして……彼女の言葉の続きは、3人同時、異口同音で唱える。
「「「ずっと友達でいられますように!」」」
と。
そう。これが、あの時星のストラップに願った願い事。そしてその後直ぐに。縁が「あっ」と声を漏らした。
「友達がなんなのか……やっと、わかったかも。
友達は、一緒に居ると楽しい人。そして______友達ってなるものじゃなく、自然となってるものだと思うな」
縁は恵のストラップをぎゅっと、宝物のように握りしめながら、そう笑った。
「……!縁の言う通り、なのかもね。なるものじゃなく、なってるもの。ならば、私達は、ずっと前から友達だった」
「なーんだ、あたし達が気づいてなかっただけなんだね。じゃあ、これまでも!これからも!……あたし達はずっと、友達だね!」
「「うん!」」
笑顔で、3人でハイタッチ。
この瞬間、私の疑問もようやく解けて、私達の友情はより固いものに変わっていったのだった。
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とうこう日:2020年7月4日みんなの答え:1件
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おお! 確かに友達って、友達になろう!っていってなるものじゃないと思いました!
本当の友達とはそんなこと言わなくても友達になれてるって感じました。
良い小説をありがとうございました! ゆんさん(選択なし・13さい)からの答え
とうこう日:2020年7月5日
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