スパイ少女
鈴菜(すずな)は立ち止まった。隣には百恵(ももえ)がいた。澪が大きな建物の屋上についてある防犯カメラに星型の物を小型銃から放った。これでカメラはショートした。すると、二人はストッパーがついた球を投げた。ワイヤーが着地した反動で下にいた鈴菜と澪に降りてくる。二人は同時に自分のワイヤーにぶら下がった。ワイヤーが上に引き上げられていく。
屋上についた鈴菜は防犯カメラにあらかじめ撮影しておいた屋上の風景を写した写真をテープでカメラに止め、星型のものを回収した。これでカメラは元どおり。
「それじゃ、スズ」
「あとでね、モモ」
二人の中学二年生は真剣な表情で別れた。
鈴菜はスパイだ。ただ、今回は逮捕を目的としている任務だ。相手は白石(しらいし)という警察の隠れたトップ。元自衛官らしい。警察には一部の人だけが知ってるトップがいることを鈴菜は初めて知った。
廊下に出ると、その隠れたトップに鈴菜は遭遇した。
ちらりと白石の後ろを伺うと、百恵が足音を立てずに白石に接近していた。百恵は中学生のスパイの中で一番強い。清楚そうな外見からは想像できないほどの強さを持つ。
百恵が白石に組みついた。白石がもがく。だが、白石は百恵をはねのけた。百恵が悔しそうな表情になる。鈴菜が白石の腕を掴み、引き寄せた。首に太ももを絡ませる。太ももの筋肉に力を入れるが、白石が鈴菜を投げ飛ばした。
百恵が白石の足をつかみ、引き倒そうとするが、それも阻まれた。
痛みを堪えて鈴菜は立ち上がり、姿勢を低くし、白石に突進した。白石が殴りかかる直前、より頭を下げ、膝下に飛び込んだ。片手を地面につき、体を反転させる。鈴菜は両足の内側で白石の両膝を挟み込んだ。体重をかけながら捻ると、白石はバランスを失い、地面に跪いた。
「ガキが」
白石が鈴菜を押さえつけた。鈴菜は苦しくなり、ばたついた。だが、次の瞬間、百恵が白石を殴りつけた。しかし、白石が百恵を突き飛ばし、鈴菜を蹴り飛ばした。
さすがは警察のトップであり、元自衛官。大した運動神経と筋力だ。いくら少女とはいえ、鍛えられた十四歳を投げ飛ばしたり、はねのけるのは至難の技だ。
「一体なんなんだ?」
百恵が白石にドロップキックを放った。鈴菜も百恵に反応し、白石に肘打ちを放った。床に倒れた白石が起き上がろうとした。起き上がらせるわけにはいかない。鈴菜と百恵は二人でドロップキックを白石に浴びせた。だが、それでも白石は起き上がり、鈴菜の首を鷲掴みにした。
「こいつを助けて欲しかったら俺の要求を聞け」
百恵が戸惑った。仲間を取るか、恭順を取るか。
鈴菜は自分が所属する部隊の制服のポケットに入っているスタンガンを取り、自分の首に当てられている白石の右手を当てた。白石が目を見開き、咄嗟にすずなから手を離した。その隙に百恵が白石の首をつかんだ。鈴菜は白石に手錠をかけた。
百恵は鈴菜は声を合わせた。
「逮捕する」
「いくら貰った?」
百恵の質問に
「一」
一円という意味ではない。一千万円という意味だ。
「私も」
「大変だったからもうちょっとくれてもいいのに。痛かったんだよ」
「でも、モモ、強かったよ」
「スズの方がね」
そこで、百恵が通う私立女子校に着いた。手を振って百恵と別れる。
白石に負わされた痛みはまだ体に残っている。だが、それも自分の糧になる。百恵など同年代の子供との会話も殺伐とした世界に明かりと彩りをくれる。
鈴菜は笑顔で学校へと走り出した。 哲学さん(静岡・13さい)からの相談
とうこう日:2020年7月5日みんなの答え:1件
屋上についた鈴菜は防犯カメラにあらかじめ撮影しておいた屋上の風景を写した写真をテープでカメラに止め、星型のものを回収した。これでカメラは元どおり。
「それじゃ、スズ」
「あとでね、モモ」
二人の中学二年生は真剣な表情で別れた。
鈴菜はスパイだ。ただ、今回は逮捕を目的としている任務だ。相手は白石(しらいし)という警察の隠れたトップ。元自衛官らしい。警察には一部の人だけが知ってるトップがいることを鈴菜は初めて知った。
廊下に出ると、その隠れたトップに鈴菜は遭遇した。
ちらりと白石の後ろを伺うと、百恵が足音を立てずに白石に接近していた。百恵は中学生のスパイの中で一番強い。清楚そうな外見からは想像できないほどの強さを持つ。
百恵が白石に組みついた。白石がもがく。だが、白石は百恵をはねのけた。百恵が悔しそうな表情になる。鈴菜が白石の腕を掴み、引き寄せた。首に太ももを絡ませる。太ももの筋肉に力を入れるが、白石が鈴菜を投げ飛ばした。
百恵が白石の足をつかみ、引き倒そうとするが、それも阻まれた。
痛みを堪えて鈴菜は立ち上がり、姿勢を低くし、白石に突進した。白石が殴りかかる直前、より頭を下げ、膝下に飛び込んだ。片手を地面につき、体を反転させる。鈴菜は両足の内側で白石の両膝を挟み込んだ。体重をかけながら捻ると、白石はバランスを失い、地面に跪いた。
「ガキが」
白石が鈴菜を押さえつけた。鈴菜は苦しくなり、ばたついた。だが、次の瞬間、百恵が白石を殴りつけた。しかし、白石が百恵を突き飛ばし、鈴菜を蹴り飛ばした。
さすがは警察のトップであり、元自衛官。大した運動神経と筋力だ。いくら少女とはいえ、鍛えられた十四歳を投げ飛ばしたり、はねのけるのは至難の技だ。
「一体なんなんだ?」
百恵が白石にドロップキックを放った。鈴菜も百恵に反応し、白石に肘打ちを放った。床に倒れた白石が起き上がろうとした。起き上がらせるわけにはいかない。鈴菜と百恵は二人でドロップキックを白石に浴びせた。だが、それでも白石は起き上がり、鈴菜の首を鷲掴みにした。
「こいつを助けて欲しかったら俺の要求を聞け」
百恵が戸惑った。仲間を取るか、恭順を取るか。
鈴菜は自分が所属する部隊の制服のポケットに入っているスタンガンを取り、自分の首に当てられている白石の右手を当てた。白石が目を見開き、咄嗟にすずなから手を離した。その隙に百恵が白石の首をつかんだ。鈴菜は白石に手錠をかけた。
百恵は鈴菜は声を合わせた。
「逮捕する」
「いくら貰った?」
百恵の質問に
「一」
一円という意味ではない。一千万円という意味だ。
「私も」
「大変だったからもうちょっとくれてもいいのに。痛かったんだよ」
「でも、モモ、強かったよ」
「スズの方がね」
そこで、百恵が通う私立女子校に着いた。手を振って百恵と別れる。
白石に負わされた痛みはまだ体に残っている。だが、それも自分の糧になる。百恵など同年代の子供との会話も殺伐とした世界に明かりと彩りをくれる。
鈴菜は笑顔で学校へと走り出した。 哲学さん(静岡・13さい)からの相談
とうこう日:2020年7月5日みんなの答え:1件
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面白いね! 面白いね!こういう系大好き!ドキドキしたー! 佑乃さん(広島・11さい)からの答え
とうこう日:2020年7月7日
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