百年先も
「五十鈴(いすず)さんがキュンとする告白のフレーズって何ですかね?」
慎(しん)は一年先輩の仲間(なかま)に聞いた。
仲間はラーメンをかきこみながら
「本人に聞け」
「付き合ってもない人からあなたがキュンとする告白のフレーズってなんですか?って聞くんですか?仲間先輩がそれされたら気持ち悪いとかってネガティブなイメージをその人に持つでしょ」
「確かにな。それなら、ロマンチックな告白をしろ。月が綺麗ですねとか」
慎は店員からラーメンを受け取った。割り箸を割りながら、
「えー。ロマンチックって俺が嫌いなんですよ。でも、告白くらいはって思ったんですけど……。仮にそう告白したとして、その返事が私の夜空は真っ暗ですとか手が届かないものですからとかだとショックです。答えが死んでもいいわとか巡り逢いつつ影を並べんの可能性はナンパーセントですか?仲間先輩、櫛森(くしもり)先輩も振られたんでしょ?」
ラーメンをすすっていた慎に店員が炒飯を運んできた。炒飯を一口食べた慎はやっぱり、ここの店の料理は美味しいと思う。
櫛森とは仲間と同じ学部の三年生。仲間と同じ学年だ。慎が通う大学の三年の中で一番イケメンと言われている。
「まあ、確かにあの櫛森を振るぐらいだから見かけに自信はあるんじゃないか?まあ、美人だしな。女優の環奈(かんな)に似てる」
一縷の希望を込めて慎は仲間に尋ねた。
「好きな人がいるという可能性は?」
「ゼロではない。ただ、確証はない」
「ということは俺は振られるんじゃないですか?五十鈴さんが好きな人はきっと僕よりもかっこいい人。好きな人がいなくてもきっと俺は振られておしまい」
仲間が
「安心しろ、慎。お前は二年の中ではかっこいい方だ。アイドルで俳優の櫻井(さくらい)に似てる」
「励まし、ありがとうございます」
「慎。当たって砕けろ。想いを告げずにあとで後悔するよりも、想いを告げて振られる方が男だ」
仲間の言葉に頷きながら慎はラーメンと炒飯を頬張った。
うん。やっぱり、この店の料理は美味しい。
翌日。
大学から帰る五十鈴を慎は呼び止めた。
「ねえ。五十鈴さん」
「何?」
五十鈴が不思議そうな表情をした。
「あの」
慎はもじもじした。言えない。言えない。どうせ、俺はきっと振られるんだ……。ああ、やっぱり、ロマンチックな方が言いやすい?五十鈴さんを不快にさせるかもしれないってストレートにした方が間違ってた?
「あの、早く言ってくれる?私、これからスーパーのセールに行くの」
「その」
慎はありったけの勇気をかき集めた。そして、
「好きです。付き合ってください」
五十鈴が驚いた表情になった。だが、嬉しそうだった。五十鈴は笑顔で頷いた。五十鈴が一歩、慎に近づいた。
「一つ、お願いがある」
「何?」
「百年先も愛を誓うよとか、そういう甘ったるい台詞は言わないで」
「うん。分かった」
「何でそんなに?何でとか質問されると思ったんだけど」
「五十鈴さんを見てて、そういうの嫌いかなって思ったんだよ」
五十鈴が可笑しそうに笑った。
「よく分かったね。私、そういうの、嫌いなの。胸キュンって言われるやつが。慎くんは?」
「嫌いだよ」
二人は笑いあった。スーパーマーケットのセールの時間が来るまで、二人は話していた。 哲学とイモリさん(静岡・13さい)からの相談
とうこう日:2020年7月7日みんなの答え:0件
慎(しん)は一年先輩の仲間(なかま)に聞いた。
仲間はラーメンをかきこみながら
「本人に聞け」
「付き合ってもない人からあなたがキュンとする告白のフレーズってなんですか?って聞くんですか?仲間先輩がそれされたら気持ち悪いとかってネガティブなイメージをその人に持つでしょ」
「確かにな。それなら、ロマンチックな告白をしろ。月が綺麗ですねとか」
慎は店員からラーメンを受け取った。割り箸を割りながら、
「えー。ロマンチックって俺が嫌いなんですよ。でも、告白くらいはって思ったんですけど……。仮にそう告白したとして、その返事が私の夜空は真っ暗ですとか手が届かないものですからとかだとショックです。答えが死んでもいいわとか巡り逢いつつ影を並べんの可能性はナンパーセントですか?仲間先輩、櫛森(くしもり)先輩も振られたんでしょ?」
ラーメンをすすっていた慎に店員が炒飯を運んできた。炒飯を一口食べた慎はやっぱり、ここの店の料理は美味しいと思う。
櫛森とは仲間と同じ学部の三年生。仲間と同じ学年だ。慎が通う大学の三年の中で一番イケメンと言われている。
「まあ、確かにあの櫛森を振るぐらいだから見かけに自信はあるんじゃないか?まあ、美人だしな。女優の環奈(かんな)に似てる」
一縷の希望を込めて慎は仲間に尋ねた。
「好きな人がいるという可能性は?」
「ゼロではない。ただ、確証はない」
「ということは俺は振られるんじゃないですか?五十鈴さんが好きな人はきっと僕よりもかっこいい人。好きな人がいなくてもきっと俺は振られておしまい」
仲間が
「安心しろ、慎。お前は二年の中ではかっこいい方だ。アイドルで俳優の櫻井(さくらい)に似てる」
「励まし、ありがとうございます」
「慎。当たって砕けろ。想いを告げずにあとで後悔するよりも、想いを告げて振られる方が男だ」
仲間の言葉に頷きながら慎はラーメンと炒飯を頬張った。
うん。やっぱり、この店の料理は美味しい。
翌日。
大学から帰る五十鈴を慎は呼び止めた。
「ねえ。五十鈴さん」
「何?」
五十鈴が不思議そうな表情をした。
「あの」
慎はもじもじした。言えない。言えない。どうせ、俺はきっと振られるんだ……。ああ、やっぱり、ロマンチックな方が言いやすい?五十鈴さんを不快にさせるかもしれないってストレートにした方が間違ってた?
「あの、早く言ってくれる?私、これからスーパーのセールに行くの」
「その」
慎はありったけの勇気をかき集めた。そして、
「好きです。付き合ってください」
五十鈴が驚いた表情になった。だが、嬉しそうだった。五十鈴は笑顔で頷いた。五十鈴が一歩、慎に近づいた。
「一つ、お願いがある」
「何?」
「百年先も愛を誓うよとか、そういう甘ったるい台詞は言わないで」
「うん。分かった」
「何でそんなに?何でとか質問されると思ったんだけど」
「五十鈴さんを見てて、そういうの嫌いかなって思ったんだよ」
五十鈴が可笑しそうに笑った。
「よく分かったね。私、そういうの、嫌いなの。胸キュンって言われるやつが。慎くんは?」
「嫌いだよ」
二人は笑いあった。スーパーマーケットのセールの時間が来るまで、二人は話していた。 哲学とイモリさん(静岡・13さい)からの相談
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