距離
いつから君がこんなにも遠くに行ってしまったと感じるようになったのだろう。
遠くで女子に囲まれている杏をみながら考える。
「はぁ……」
思わずため息をつく。
「どうしたの、涼花ー?」
「なんかあった?」
由奈と芽衣という、私を心配してくれる優しい友達がいる。
今、話しかけて来たのはこのふたり。
「涼花、ほんとに大丈夫なの?」
「ちょっと疲れちゃっただけだよ。」
「んー、ならいいけどさー」
でも、まだ心配そうにしている。
昔からこの四人……由奈と芽衣と杏と私で遊んでいた。
特に杏とは「ずっと親友」だと思っていた。
「杏ちゃーん!!!」
「おはよ!涼花ちゃんっ!」
毎朝、手を繋いで学校に行っていた。
クラスメイトにからかわれる程に仲が良くて。
「杏ちゃん、私たち、ずっと親友だよね!」
「もっちろん!涼花ちゃん!」
きゃははっとはしゃぎながら言ったあの言葉。
杏は憶えているのだろうか。
……
覚えてないだろうな。
なにかが壊れ始めたのは、
杏が変わったからかな。
「あのね!私おねーちゃんになるの!!!」
きらきらした、喜びに溢れた、幸せそうな、
その杏の目を私はまっすぐ見れなかった。
私には眩しすぎた。
「お父さんがねー、青葉先生に文句言うって言ってんのぉー
まじやめてほしいわぁー」
にこにこしながら言う杏を、何回殴ろうと思ったことか。
「そういえばさ、涼花って自分の話しないよねー」
「私は、面白くないから。」
私は杏みたいに自慢できることがない。
なにもない。
杏みたいに輝けない。
私が欲しいものをいとも簡単に手に入れていく杏をみると、胸が苦しくなった。
……そのうち私は疲れてしまった。
「ねぇー涼花?」
「ねぇ、涼花」
「涼花」
「返事してよっ!!」
「……」私は黙った。無視した。
そのうち杏は怒って、表面上は和解をした。
理由は言わなかった。
『幸せな杏に私の辛さが分かるわけない』
とでも思っていたのだろうか。
……あんまり、覚えてないや。
杏とは『友達』に戻った。
『親友』に戻ったわけではない。
普通に話せはする。
でも、距離が開いてしまった。
「おーい?涼花、大丈夫かー?」
はっと、現実の世界に引き戻される。
「やっぱ体調悪いんじゃないの?」
「なんでもない、ぼーっとしちゃっただけ。」
なんでこの二人にはこんな気持ちにならないんだろ。
杏とずっと一緒に居たからかもしれない。
思えば、杏とは色んな所が似ていた。
だからもっと羨ましくなったのかも。
あの頃からやっぱり杏は変わったんだ。
私だけあの頃と変わらない。
なにもない私のままだ。
なんで私は変われないの。
杏は私を置いていった。
忘れかけていた胸の痛みがじわしわと蘇る。
すっと涙がこぼれる。
「え、どしたのー!?」
「だい、じょうぶ、だから。」
必死に涙を止めようとする。
でも、一度流れ出した涙はそう簡単には止まってくれない。
私は何をすればよかった?
どうすればこんな思いをしなくて済んだ?
どこで私は間違った?
由奈と芽衣が困った顔をしている。
このふたりはなんとなくは私のことについて知っている。
ごめんね。
……でも無理なんだ。
杏がこちらをちらりと見た。
「……」
その後にまた女子たちと喋りはじめた。
「ごめん、私は大丈夫だから。
えっと……トイレ行ってくるね。」
うやむやにして次の日。
学校に「気まずいなぁ……」とか思いながら行くと、
机の中に手紙が入っていた。
私のすきな星柄の綺麗な封筒。
とりあえず、落ち着いて読みたい。
「はぁ、はぁ……」
手紙のことが気になって授業に集中出来なかった。
急いで家に帰ったのだ。
息を整える。
封筒から便箋を取り出した。
『涼花へ。
まずは謝らせてください。
本当にごめんなさい。
涼花が泣いていたのに何もしなかった。
親友だったらこんなことしないのに。
……ていうか涼花は親友って言ったこと覚えてる?
私は覚えてる。
《あの時》涼花の様子がおかしいことはわかってた。
それでも、私がなにもしなかったから、今こういうことになってるんだよね。
私のバカさに気づいたのは涼花が私と喋らなくなってから。
私はなんとかして涼花とまた仲良くなりたかった。
そして、戻った。
あ、『友達』にね?
って、長々とかいたけど、私はまた親友になりたい。
あの時、なれなかった涼花の力になりたい。
自分勝手でごめんね。
この手紙は捨ててもいいよ。
杏より』
いつのまにか、涙が流れていた。
杏は、憶えていてくれていた。
勝手に怒って避けていたのは、私。
「はぁああああ……」
また、親友に戻れるかな。
……全てを話してみよう。
涙を拭いて、立ち上がった。
アドバイス・感想待ってます。 夜野 桜月さん(神奈川・12さい)からの相談
とうこう日:2020年7月12日みんなの答え:1件
遠くで女子に囲まれている杏をみながら考える。
「はぁ……」
思わずため息をつく。
「どうしたの、涼花ー?」
「なんかあった?」
由奈と芽衣という、私を心配してくれる優しい友達がいる。
今、話しかけて来たのはこのふたり。
「涼花、ほんとに大丈夫なの?」
「ちょっと疲れちゃっただけだよ。」
「んー、ならいいけどさー」
でも、まだ心配そうにしている。
昔からこの四人……由奈と芽衣と杏と私で遊んでいた。
特に杏とは「ずっと親友」だと思っていた。
「杏ちゃーん!!!」
「おはよ!涼花ちゃんっ!」
毎朝、手を繋いで学校に行っていた。
クラスメイトにからかわれる程に仲が良くて。
「杏ちゃん、私たち、ずっと親友だよね!」
「もっちろん!涼花ちゃん!」
きゃははっとはしゃぎながら言ったあの言葉。
杏は憶えているのだろうか。
……
覚えてないだろうな。
なにかが壊れ始めたのは、
杏が変わったからかな。
「あのね!私おねーちゃんになるの!!!」
きらきらした、喜びに溢れた、幸せそうな、
その杏の目を私はまっすぐ見れなかった。
私には眩しすぎた。
「お父さんがねー、青葉先生に文句言うって言ってんのぉー
まじやめてほしいわぁー」
にこにこしながら言う杏を、何回殴ろうと思ったことか。
「そういえばさ、涼花って自分の話しないよねー」
「私は、面白くないから。」
私は杏みたいに自慢できることがない。
なにもない。
杏みたいに輝けない。
私が欲しいものをいとも簡単に手に入れていく杏をみると、胸が苦しくなった。
……そのうち私は疲れてしまった。
「ねぇー涼花?」
「ねぇ、涼花」
「涼花」
「返事してよっ!!」
「……」私は黙った。無視した。
そのうち杏は怒って、表面上は和解をした。
理由は言わなかった。
『幸せな杏に私の辛さが分かるわけない』
とでも思っていたのだろうか。
……あんまり、覚えてないや。
杏とは『友達』に戻った。
『親友』に戻ったわけではない。
普通に話せはする。
でも、距離が開いてしまった。
「おーい?涼花、大丈夫かー?」
はっと、現実の世界に引き戻される。
「やっぱ体調悪いんじゃないの?」
「なんでもない、ぼーっとしちゃっただけ。」
なんでこの二人にはこんな気持ちにならないんだろ。
杏とずっと一緒に居たからかもしれない。
思えば、杏とは色んな所が似ていた。
だからもっと羨ましくなったのかも。
あの頃からやっぱり杏は変わったんだ。
私だけあの頃と変わらない。
なにもない私のままだ。
なんで私は変われないの。
杏は私を置いていった。
忘れかけていた胸の痛みがじわしわと蘇る。
すっと涙がこぼれる。
「え、どしたのー!?」
「だい、じょうぶ、だから。」
必死に涙を止めようとする。
でも、一度流れ出した涙はそう簡単には止まってくれない。
私は何をすればよかった?
どうすればこんな思いをしなくて済んだ?
どこで私は間違った?
由奈と芽衣が困った顔をしている。
このふたりはなんとなくは私のことについて知っている。
ごめんね。
……でも無理なんだ。
杏がこちらをちらりと見た。
「……」
その後にまた女子たちと喋りはじめた。
「ごめん、私は大丈夫だから。
えっと……トイレ行ってくるね。」
うやむやにして次の日。
学校に「気まずいなぁ……」とか思いながら行くと、
机の中に手紙が入っていた。
私のすきな星柄の綺麗な封筒。
とりあえず、落ち着いて読みたい。
「はぁ、はぁ……」
手紙のことが気になって授業に集中出来なかった。
急いで家に帰ったのだ。
息を整える。
封筒から便箋を取り出した。
『涼花へ。
まずは謝らせてください。
本当にごめんなさい。
涼花が泣いていたのに何もしなかった。
親友だったらこんなことしないのに。
……ていうか涼花は親友って言ったこと覚えてる?
私は覚えてる。
《あの時》涼花の様子がおかしいことはわかってた。
それでも、私がなにもしなかったから、今こういうことになってるんだよね。
私のバカさに気づいたのは涼花が私と喋らなくなってから。
私はなんとかして涼花とまた仲良くなりたかった。
そして、戻った。
あ、『友達』にね?
って、長々とかいたけど、私はまた親友になりたい。
あの時、なれなかった涼花の力になりたい。
自分勝手でごめんね。
この手紙は捨ててもいいよ。
杏より』
いつのまにか、涙が流れていた。
杏は、憶えていてくれていた。
勝手に怒って避けていたのは、私。
「はぁああああ……」
また、親友に戻れるかな。
……全てを話してみよう。
涙を拭いて、立ち上がった。
アドバイス・感想待ってます。 夜野 桜月さん(神奈川・12さい)からの相談
とうこう日:2020年7月12日みんなの答え:1件
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Good いいと思うよ 桜さん(東京・10さい)からの答え
とうこう日:2020年7月14日
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