帰宅部だって部活ー何でもない怠惰な日常ー
「城ヶ崎、また百点だぞ。頑張ったな」
「はい、先生! 次も頑張ります!」
優等生の城ヶ崎は返ってきたテストを受け取ると、嬉しそうな顔をしながら席に着く。
すごいなと思って自分のテストを見る。うっ、40分!
その気持ちを遮る様に、6時間目終了のチャイムが鳴った。
そして、それは放課後の事。
「ねぇ、ヒナキ、あんたは何点だったの?」
友達の朱音が目の前の席から振り向いて訪ねてきた。
「うーん、40点・・」
「40点ってあんた、勉強したの?」
「してないけど・・」
おずおずと答えると、朱音がため息ついた。
「良い事? 勉強は大切なのよ。暇があったら勉強しなさいよ!」
「だって、部活が・・」
「あんたは帰宅部でしょーが!!」
ふええっ、そこまで怒らなくても・・
「どーせ家に帰ってゲームしてばかりなんでしょ?そんな暇があったら・・」
あー・・またお説教が始まっちゃったよ。
ここは、私立条佐摩学園。
いわずと知れたお嬢様女子中学で、私はその2年生。
けど、その中にすっぽーりと埋まっちゃてるのがこの私、川照ヒナキ。
うん、どちらかと言えば浮いているのかも知れない
この条佐摩学園は部活動が盛んで、テニス部や吹奏楽部、はたまたゴルフ部などで、淑女たちは部活動を営んでいるんだが・・
帰宅部というのが存在するのだ。
まあ、部員は1人だけ。それがこの私、川照ヒナキなのだ。ドャッ
当然だろうけど、お嬢様達には変わり種扱いされている。
ま、数少ない理解者がこの朱音なんだけどね・・トホホ
「ちょっと、聞いてんの!?」
朱音が怒鳴る。しまった、全然きいてなかったー・・
「あー、聞いてた聞いてた。で?」
適当に合わせりゃ話は繋がんだろ、ウヘヘ
にこっと笑うと、朱音がぱっと顔を輝かせて、
「じゃ、今日は私ん家でお勉強会ね!」
「!?」
おおおおおおーい、ちょっと待てい!何でそーなるんだ!?私は聞いてないぞ!(聞こうともしなかったけど)
朱音の家でお勉強会!?絶対いやだー!今日は喫茶店でお茶するんだもん!
「今日は私の家で待ち合わせね!」
明るい笑顔を向けてくる。くそう、二人でお勉強するくらいなら居残り掃除した方がマシだよ!
下校のチャイムが鳴ると、朱音はじゃね!と席をたった。
「じゃ、またあとで・・って、ヒナキ!?」
こうなったらドタキャンしてやるー!!勉強なんざまっぴらだっー!
「はあぁ〜ここは平和だねぇ」
ふうっ、と安心のため息を着く。
ここは近くの喫茶店。朱音の呪縛から抜け出した私は、行きつけのここに一服しにきたのだ。
店内の音楽に身を揺らしていると、店員さんが来て、
「ご注文は何にしますか?」とメニューを持ってきてくれた。
「コーヒーゼリーで!」
大好物の名を言うと、「かしこまりました」と店員さんは去っていった。
しばらくして、コーヒーぜりーがやってきた。
いただきまーす!と口にスプーンを入れる直前、ガラッ!と激しい扉の音がした。
気になって出口を見ると・・
「あ、朱音!」
「ここだと思ったわよ!探したんだからね!」
鬼の形相をした朱音がたっていた。体を震えさせ、今にも殴りかかりそうな勢いだった。
「あ、朱音さん・・あれは無意識に」
オドオドしながら言い訳を言うと、何故か朱音は私が座っているソファの前に座りスプーンをとって、何をするかと思えば、
「あー!」
「あら、中々いけるわね」
とコーヒーゼリーを食べたのだ!
ワナワナと体を震えさせると、朱音が、
「悪かったわよ」
と呟いた。
「え?」と耳を傾けると、朱音は照れた様に、
「あんたは勉強が嫌だったんでしょ!無理強いした私も悪かったわよ!」
と大声を出した。
なーんだ、怒ってたんじゃなかたんだ・・
「ー朱音もいいとこあるじゃん」
「ばっ、うるさいわね!」
脇腹をつつくと、朱音は案の定怒った。
けど、それから二人で笑い出し、コーヒーゼリーにスプーンを突き刺し、口に運んだ。
ーうん。美味しい。
けど、いつもとは違う、特別な美味しさを感じた様な気がした。
るーこさん(選択なし・11さい)からの相談
とうこう日:2020年7月15日みんなの答え:0件
「はい、先生! 次も頑張ります!」
優等生の城ヶ崎は返ってきたテストを受け取ると、嬉しそうな顔をしながら席に着く。
すごいなと思って自分のテストを見る。うっ、40分!
その気持ちを遮る様に、6時間目終了のチャイムが鳴った。
そして、それは放課後の事。
「ねぇ、ヒナキ、あんたは何点だったの?」
友達の朱音が目の前の席から振り向いて訪ねてきた。
「うーん、40点・・」
「40点ってあんた、勉強したの?」
「してないけど・・」
おずおずと答えると、朱音がため息ついた。
「良い事? 勉強は大切なのよ。暇があったら勉強しなさいよ!」
「だって、部活が・・」
「あんたは帰宅部でしょーが!!」
ふええっ、そこまで怒らなくても・・
「どーせ家に帰ってゲームしてばかりなんでしょ?そんな暇があったら・・」
あー・・またお説教が始まっちゃったよ。
ここは、私立条佐摩学園。
いわずと知れたお嬢様女子中学で、私はその2年生。
けど、その中にすっぽーりと埋まっちゃてるのがこの私、川照ヒナキ。
うん、どちらかと言えば浮いているのかも知れない
この条佐摩学園は部活動が盛んで、テニス部や吹奏楽部、はたまたゴルフ部などで、淑女たちは部活動を営んでいるんだが・・
帰宅部というのが存在するのだ。
まあ、部員は1人だけ。それがこの私、川照ヒナキなのだ。ドャッ
当然だろうけど、お嬢様達には変わり種扱いされている。
ま、数少ない理解者がこの朱音なんだけどね・・トホホ
「ちょっと、聞いてんの!?」
朱音が怒鳴る。しまった、全然きいてなかったー・・
「あー、聞いてた聞いてた。で?」
適当に合わせりゃ話は繋がんだろ、ウヘヘ
にこっと笑うと、朱音がぱっと顔を輝かせて、
「じゃ、今日は私ん家でお勉強会ね!」
「!?」
おおおおおおーい、ちょっと待てい!何でそーなるんだ!?私は聞いてないぞ!(聞こうともしなかったけど)
朱音の家でお勉強会!?絶対いやだー!今日は喫茶店でお茶するんだもん!
「今日は私の家で待ち合わせね!」
明るい笑顔を向けてくる。くそう、二人でお勉強するくらいなら居残り掃除した方がマシだよ!
下校のチャイムが鳴ると、朱音はじゃね!と席をたった。
「じゃ、またあとで・・って、ヒナキ!?」
こうなったらドタキャンしてやるー!!勉強なんざまっぴらだっー!
「はあぁ〜ここは平和だねぇ」
ふうっ、と安心のため息を着く。
ここは近くの喫茶店。朱音の呪縛から抜け出した私は、行きつけのここに一服しにきたのだ。
店内の音楽に身を揺らしていると、店員さんが来て、
「ご注文は何にしますか?」とメニューを持ってきてくれた。
「コーヒーゼリーで!」
大好物の名を言うと、「かしこまりました」と店員さんは去っていった。
しばらくして、コーヒーぜりーがやってきた。
いただきまーす!と口にスプーンを入れる直前、ガラッ!と激しい扉の音がした。
気になって出口を見ると・・
「あ、朱音!」
「ここだと思ったわよ!探したんだからね!」
鬼の形相をした朱音がたっていた。体を震えさせ、今にも殴りかかりそうな勢いだった。
「あ、朱音さん・・あれは無意識に」
オドオドしながら言い訳を言うと、何故か朱音は私が座っているソファの前に座りスプーンをとって、何をするかと思えば、
「あー!」
「あら、中々いけるわね」
とコーヒーゼリーを食べたのだ!
ワナワナと体を震えさせると、朱音が、
「悪かったわよ」
と呟いた。
「え?」と耳を傾けると、朱音は照れた様に、
「あんたは勉強が嫌だったんでしょ!無理強いした私も悪かったわよ!」
と大声を出した。
なーんだ、怒ってたんじゃなかたんだ・・
「ー朱音もいいとこあるじゃん」
「ばっ、うるさいわね!」
脇腹をつつくと、朱音は案の定怒った。
けど、それから二人で笑い出し、コーヒーゼリーにスプーンを突き刺し、口に運んだ。
ーうん。美味しい。
けど、いつもとは違う、特別な美味しさを感じた様な気がした。
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