初めての雪合戦
「今日はありがとな! お前んちってすっげ楽しいんだな!」
親友のサトルが言う。
俺はコウスケ。今日は親友のサトルが俺の忘れ物を届けてくれたお礼にうちで晩ご飯を食べてもらった。
「こんな夜遅くまでごめんな。ばーちゃんの自慢話は長いから…」
冬の寒い日なのに、つい遅くまでいさせてしまった。
雪が積もっている。
サトルのうちはここからはやや反対方向だ。
「じゃ、オレは帰るから。また明日な!」
「あ、ちょ…」
思わずコウスケがサトルを引き留めた。いいたいことがあるんだけど……
「あのさ…」
「どうした?」
「俺、昔から友達なんていなかったから、恥ずかしいんだけど、
忘れ物届けてくれて嬉しかった。ありがとな…」
思ったよりすんなり言えた、お礼…
「なーんだそんなことか!当たり前だろ?助け合うのがトモダチだからさ」
トモダチ…俺の友達は、いない。みんなとは違った性格で、みんな口だけだ。どんどん遠のいていく。 でも、サトルだけは、いつだって俺のそばにいてくれたんだ。
「じゃあ…俺が一緒に送ってくよ。」
「ええ?いいよいいよせっかくの家族の時間だろ?一人で行くから」
たしかに家族全員が揃うのは久しぶり。親も忙しいし、うれしいけど…
「いや。いい。こんな寒い雪の中お前一人で帰せると思うか?助け合うのがトモダチだろ?」
結局コウスケはサトルを家まで送って行くことにした。
「にしても今日は寒いな〜…」
分厚いコートの襟に口を隠して白い息を吐きながらコウスケは呟いた。
「だから言ったろ?途中まででいいから帰れよ。風邪引くぞ?」
「いやーそういうわけには…一度決めたことだし…」
雪がやむ気配はない。むしろ強くなりそうだ。
「俺ん家はちょっと坂を登るからさ、もっと雪が積もってるだろうね。
明日は雪合戦だー!!」
楽しそうに喜んでいた。その姿をコウスケが寂しそうに見た。
「雪合戦…かー…」
「な、なんだよ。急に静かになっちゃって。」
「言ったろ?俺、友達なんていないから…そういうのやったことないんだ。」
雪合戦。それは友達とみんなで遊ぶもの。友達のいないコウスケは、雪合戦なんてやったことなかった。
サトルははっとしてコウスケを見る。寂しそうな目だった。
「ていうか…親が仕事で基本家にいたし!…そういうの興味ないから!」
自分の気持ちを押し殺しての発言だった。本当はすごくやってみたい。でもやる相手がいないんだから…
「コウスケ‼」
「なんだよサトル…うわっ!」
不意にサトルが名前を呼んだと思えば何かが飛んできた。
「ったー…なにすんだよ!」
頬を押さえながらサトルを見てみると…
手には雪玉があった。とてもワクワクした、いじわる混ざりな顔で笑った。
「じゃあ、これが初めての雪合戦だ!」
「え…俺…そんなの興味ないって…興味なんて…」
少し俯いて言った。
「なぁ。自分に嘘つくの癖になってないか?本当は寂しいんだろ?ずっとやりたかったんだろ?」
親友は、コウスケの全てを察してくれたのだ。涙が溢れてくるのを必死に抑える。
「うん…」
「なら、一緒にやろう!俺たち、トモダチなんだから! ぐえっ!」
サトルの顔に何か飛んできた。
雪玉だ。
目の前を見ると、コウスケが嬉しそうに雪玉を持っていた。
「ただいま〜」
サトルをうちまで送り届けてから家に帰ると、家を出てすでに1時間以上経っていた。
「おかえりー遅かったじゃない〜」
部屋の奥からコウスケの母がやってくる。
「あら…あんた…さては遊んできたな?」
コウスケは頭から足まで雪まみれだった。サトルと雪合戦をしてきたのだ。
「へへ…ちょっと雪合戦を…」
寒い冬。コウスケの心の中は暖かかった。
Fin
季節外れなんですが、こういうのもいいかなーと…
冬って誰かが恋しくなる季節ですよね。
ラビフットさん(石川・13さい)からの相談
とうこう日:2020年7月18日みんなの答え:1件
親友のサトルが言う。
俺はコウスケ。今日は親友のサトルが俺の忘れ物を届けてくれたお礼にうちで晩ご飯を食べてもらった。
「こんな夜遅くまでごめんな。ばーちゃんの自慢話は長いから…」
冬の寒い日なのに、つい遅くまでいさせてしまった。
雪が積もっている。
サトルのうちはここからはやや反対方向だ。
「じゃ、オレは帰るから。また明日な!」
「あ、ちょ…」
思わずコウスケがサトルを引き留めた。いいたいことがあるんだけど……
「あのさ…」
「どうした?」
「俺、昔から友達なんていなかったから、恥ずかしいんだけど、
忘れ物届けてくれて嬉しかった。ありがとな…」
思ったよりすんなり言えた、お礼…
「なーんだそんなことか!当たり前だろ?助け合うのがトモダチだからさ」
トモダチ…俺の友達は、いない。みんなとは違った性格で、みんな口だけだ。どんどん遠のいていく。 でも、サトルだけは、いつだって俺のそばにいてくれたんだ。
「じゃあ…俺が一緒に送ってくよ。」
「ええ?いいよいいよせっかくの家族の時間だろ?一人で行くから」
たしかに家族全員が揃うのは久しぶり。親も忙しいし、うれしいけど…
「いや。いい。こんな寒い雪の中お前一人で帰せると思うか?助け合うのがトモダチだろ?」
結局コウスケはサトルを家まで送って行くことにした。
「にしても今日は寒いな〜…」
分厚いコートの襟に口を隠して白い息を吐きながらコウスケは呟いた。
「だから言ったろ?途中まででいいから帰れよ。風邪引くぞ?」
「いやーそういうわけには…一度決めたことだし…」
雪がやむ気配はない。むしろ強くなりそうだ。
「俺ん家はちょっと坂を登るからさ、もっと雪が積もってるだろうね。
明日は雪合戦だー!!」
楽しそうに喜んでいた。その姿をコウスケが寂しそうに見た。
「雪合戦…かー…」
「な、なんだよ。急に静かになっちゃって。」
「言ったろ?俺、友達なんていないから…そういうのやったことないんだ。」
雪合戦。それは友達とみんなで遊ぶもの。友達のいないコウスケは、雪合戦なんてやったことなかった。
サトルははっとしてコウスケを見る。寂しそうな目だった。
「ていうか…親が仕事で基本家にいたし!…そういうの興味ないから!」
自分の気持ちを押し殺しての発言だった。本当はすごくやってみたい。でもやる相手がいないんだから…
「コウスケ‼」
「なんだよサトル…うわっ!」
不意にサトルが名前を呼んだと思えば何かが飛んできた。
「ったー…なにすんだよ!」
頬を押さえながらサトルを見てみると…
手には雪玉があった。とてもワクワクした、いじわる混ざりな顔で笑った。
「じゃあ、これが初めての雪合戦だ!」
「え…俺…そんなの興味ないって…興味なんて…」
少し俯いて言った。
「なぁ。自分に嘘つくの癖になってないか?本当は寂しいんだろ?ずっとやりたかったんだろ?」
親友は、コウスケの全てを察してくれたのだ。涙が溢れてくるのを必死に抑える。
「うん…」
「なら、一緒にやろう!俺たち、トモダチなんだから! ぐえっ!」
サトルの顔に何か飛んできた。
雪玉だ。
目の前を見ると、コウスケが嬉しそうに雪玉を持っていた。
「ただいま〜」
サトルをうちまで送り届けてから家に帰ると、家を出てすでに1時間以上経っていた。
「おかえりー遅かったじゃない〜」
部屋の奥からコウスケの母がやってくる。
「あら…あんた…さては遊んできたな?」
コウスケは頭から足まで雪まみれだった。サトルと雪合戦をしてきたのだ。
「へへ…ちょっと雪合戦を…」
寒い冬。コウスケの心の中は暖かかった。
Fin
季節外れなんですが、こういうのもいいかなーと…
冬って誰かが恋しくなる季節ですよね。
ラビフットさん(石川・13さい)からの相談
とうこう日:2020年7月18日みんなの答え:1件
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優しい話だね! サトルの優しさがとってもいいなあって思いました!冬の物語だから、さらに優しさのあたたかさが感じれて私の心まであたたかくなりました! スイカとアイスさん(選択なし・13さい)からの答え
とうこう日:2020年7月27日
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