濁った世界と君の声
よいちどりです!
蓮華(れんげ)ちゃんの後輩の宇和香苗(うわかなえ)ちゃんのお話!
「宇和さんまた男子といる」
「何?モテてるアピ?」
「本当男好きね」
背後から聞こえる陰口。入学してから半年、ずっと止まない。
そんな事をして何が楽しいの?私には分からない。
それに乗り、息をするように広がる淀んだ言葉。自分が言われたら怒るのに人には言う。本当子供っぽい。
その陰口は今や学年全体に広まり、私は孤立中。でも別に苦ではない。こんな連中と一緒にいたくないし、私には居場所があるから。
生徒会。最高の組織。私は書記をしてる。役員は5人。
副会長の蓮華先輩に陽那登(ひなと)先輩、会長の碧波(あおは)先輩、そして会計の笠音(かさね)。
笠音は私の好きな人。誰の陰口も言わないからノリが悪いとか陰キャとか言われ、私と同じように孤立しかけている。でも、彼の声が陰口で汚されるのは聞きたくない。と思ってる。
私たちはよく話す。同じ生徒会役員として、孤独なもの同士として。
騒ぐ教室に私が聴覚をシャットアウトしかけたとこで
「おい」
話しかけられた。笠音だ。声だけでわかる低いけど綺麗な声。
「お、笠音。どした?」
「香苗、また言われてる」
彼は私を香苗と呼ぶ。少しくすぐったい、でも嬉しい。
「いいよ、気にしてたらメンタル削れてなくなる。さらっと流す位が丁度いいし、もう慣れた」
「あんま変なのに慣れると助けてって言えなくなるから、俺にはなんでも言え」
なぜか命令口調。照れてる証し。こんな癖、誰も知らないよなって思うと嬉しくなる。
「うん。でも口で言うの恥ずかしいし後でDMでいい?」
「おう。了解」
少し彼が口角を上げる。すると頭に手を置いて
「無理すんなよ」といってきたので
「あんたもな」と返してみた。
ニヤッと笑い片手をあげて去ってった。
今日も格好よかった。こんな会話も嬉しくて、なんだか取っておきたくなる。
って時間やば!次理科だった!
クラスの子は半分くらいいなくなってた。言ってくれてもいいのに…
なんて思いながら理科室へ向かった。
コンコン 「失礼しまーす」
「あら、珍しく早いね。」生徒会室に入ると声をかけられる。会長の碧波先輩。
「珍しくは余計です。そういえば漫画の新刊って…」
「出た!」食い気味のすごい熱量で食いついてきた。実は碧波先輩は腐女子。生徒会役員だけの秘密。
しばらく先輩の腐トークを聞いてると、「…ます」ほぼ聞こえない声で笠音が入ってきた。
「いや、聞こえないし」
「いや、別にいいし」
「いや、よくないし」先輩もノリに乗ってくる。そのうち副会長二人が来た。二人は私が密かにくっつけたいって思ってる。言わないけどね!
生徒会が終わって自転車置き場に行くと、女子の先輩達がいた。無視して行こうとすると、
「おい」と言われた。
「はい?」
「ちょっと来い。」リーダー格の先輩が言う。
「え?」
「いいから来いよ!」
強引につれていかれる。
「あの、なんです?早く帰りたくて…」
私はあくまでも強気。
「は?お前の事情とか知らないし。で、どうすんの?堤君の件」
「ツツミクン?」
誰?…あ、堤愛斗(つつみまなと)のことか。思い出した。学校1のモテ男。彼に恋をし散った女子は数知れず…な男子。
「いや、どうするって何もない…」
「嘘つくな!堤くんとデートしたくせにさ、何生意気なこと言ってんの?」
ガシッと胸ぐらを掴まれた。セーラー服のボタンがプチプチ外れた音がした。
「い、いや、本当に知らない…」
さすがに怖くて声が震え、膝ががくがくする。
「いつまでそう言うの?私見たの、あんたらが手繋いで歩いてるの!」
「嘘!見間違いです!」
「ウザッそんな否定して何になるの?先輩、もういいですよね」
二年生の先輩が言った。
「いいよ。期待してるよ、空手部のエース」
「歩梨(あゆり)がんば!」
空手部?ポカンとしていると歩梨先輩とやらは腰をおとし臨戦態勢になる。
気づいた。殴られる。この人達おかしい。何をしてでも私に吐かせようとしてる…!
逃げようとしたら、「おっと、行かせないよ」と言い先輩が体を押さえてくる。
なんで?せめてもと目をつぶったその時。
「やめろ!」パシャ!
笠音の声とシャッター音。目をうっすら開けると、笠音が私の前に立ち、代わりに殴られていた。
「笠音!」
「平気」後ろを見ると碧波先輩がいた。
「香苗!大丈夫?あとは任せて」よかった…安心して体中の力が抜ける。倒れる寸前、笠音は支えて抱きかかえてくる。
「え?ちょ!」
「いいから」
「ごめん、その、胸元空いてて…」
「あ…見ない方がいいよな…」
こんなときまで優しい。想いが高まって
「好き」
無意識。口走ってた。
彼は無表情…のままキスしてきた。
「え、どういう?!」
「自分で考えろバーカ。」 よいちどりさん(愛知・13さい)からの相談
とうこう日:2020年7月20日みんなの答え:2件
蓮華(れんげ)ちゃんの後輩の宇和香苗(うわかなえ)ちゃんのお話!
「宇和さんまた男子といる」
「何?モテてるアピ?」
「本当男好きね」
背後から聞こえる陰口。入学してから半年、ずっと止まない。
そんな事をして何が楽しいの?私には分からない。
それに乗り、息をするように広がる淀んだ言葉。自分が言われたら怒るのに人には言う。本当子供っぽい。
その陰口は今や学年全体に広まり、私は孤立中。でも別に苦ではない。こんな連中と一緒にいたくないし、私には居場所があるから。
生徒会。最高の組織。私は書記をしてる。役員は5人。
副会長の蓮華先輩に陽那登(ひなと)先輩、会長の碧波(あおは)先輩、そして会計の笠音(かさね)。
笠音は私の好きな人。誰の陰口も言わないからノリが悪いとか陰キャとか言われ、私と同じように孤立しかけている。でも、彼の声が陰口で汚されるのは聞きたくない。と思ってる。
私たちはよく話す。同じ生徒会役員として、孤独なもの同士として。
騒ぐ教室に私が聴覚をシャットアウトしかけたとこで
「おい」
話しかけられた。笠音だ。声だけでわかる低いけど綺麗な声。
「お、笠音。どした?」
「香苗、また言われてる」
彼は私を香苗と呼ぶ。少しくすぐったい、でも嬉しい。
「いいよ、気にしてたらメンタル削れてなくなる。さらっと流す位が丁度いいし、もう慣れた」
「あんま変なのに慣れると助けてって言えなくなるから、俺にはなんでも言え」
なぜか命令口調。照れてる証し。こんな癖、誰も知らないよなって思うと嬉しくなる。
「うん。でも口で言うの恥ずかしいし後でDMでいい?」
「おう。了解」
少し彼が口角を上げる。すると頭に手を置いて
「無理すんなよ」といってきたので
「あんたもな」と返してみた。
ニヤッと笑い片手をあげて去ってった。
今日も格好よかった。こんな会話も嬉しくて、なんだか取っておきたくなる。
って時間やば!次理科だった!
クラスの子は半分くらいいなくなってた。言ってくれてもいいのに…
なんて思いながら理科室へ向かった。
コンコン 「失礼しまーす」
「あら、珍しく早いね。」生徒会室に入ると声をかけられる。会長の碧波先輩。
「珍しくは余計です。そういえば漫画の新刊って…」
「出た!」食い気味のすごい熱量で食いついてきた。実は碧波先輩は腐女子。生徒会役員だけの秘密。
しばらく先輩の腐トークを聞いてると、「…ます」ほぼ聞こえない声で笠音が入ってきた。
「いや、聞こえないし」
「いや、別にいいし」
「いや、よくないし」先輩もノリに乗ってくる。そのうち副会長二人が来た。二人は私が密かにくっつけたいって思ってる。言わないけどね!
生徒会が終わって自転車置き場に行くと、女子の先輩達がいた。無視して行こうとすると、
「おい」と言われた。
「はい?」
「ちょっと来い。」リーダー格の先輩が言う。
「え?」
「いいから来いよ!」
強引につれていかれる。
「あの、なんです?早く帰りたくて…」
私はあくまでも強気。
「は?お前の事情とか知らないし。で、どうすんの?堤君の件」
「ツツミクン?」
誰?…あ、堤愛斗(つつみまなと)のことか。思い出した。学校1のモテ男。彼に恋をし散った女子は数知れず…な男子。
「いや、どうするって何もない…」
「嘘つくな!堤くんとデートしたくせにさ、何生意気なこと言ってんの?」
ガシッと胸ぐらを掴まれた。セーラー服のボタンがプチプチ外れた音がした。
「い、いや、本当に知らない…」
さすがに怖くて声が震え、膝ががくがくする。
「いつまでそう言うの?私見たの、あんたらが手繋いで歩いてるの!」
「嘘!見間違いです!」
「ウザッそんな否定して何になるの?先輩、もういいですよね」
二年生の先輩が言った。
「いいよ。期待してるよ、空手部のエース」
「歩梨(あゆり)がんば!」
空手部?ポカンとしていると歩梨先輩とやらは腰をおとし臨戦態勢になる。
気づいた。殴られる。この人達おかしい。何をしてでも私に吐かせようとしてる…!
逃げようとしたら、「おっと、行かせないよ」と言い先輩が体を押さえてくる。
なんで?せめてもと目をつぶったその時。
「やめろ!」パシャ!
笠音の声とシャッター音。目をうっすら開けると、笠音が私の前に立ち、代わりに殴られていた。
「笠音!」
「平気」後ろを見ると碧波先輩がいた。
「香苗!大丈夫?あとは任せて」よかった…安心して体中の力が抜ける。倒れる寸前、笠音は支えて抱きかかえてくる。
「え?ちょ!」
「いいから」
「ごめん、その、胸元空いてて…」
「あ…見ない方がいいよな…」
こんなときまで優しい。想いが高まって
「好き」
無意識。口走ってた。
彼は無表情…のままキスしてきた。
「え、どういう?!」
「自分で考えろバーカ。」 よいちどりさん(愛知・13さい)からの相談
とうこう日:2020年7月20日みんなの答え:2件
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すごーい! 笠音みたいなタイプの友達ほしいなあ。
のぞみさん(茨城・8さい)からの答え
とうこう日:2020年7月22日 -
やっぱりすごい! 今回も楽しい作品をありがとうございます!今度は香苗ちゃん目線ですね!もうドキドキが止まりません。
次回もドキドキする作品を楽しみにしています。年下から失礼しました。 パルメザンチ一ズさん(千葉・12さい)からの答え
とうこう日:2020年7月21日
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