…好きかもしれない
リュトアって名前にしてるけど、リュノアです
私が今まで書いた話ともつながっているので、そちらを読んでからの方が楽しめるかもしれません
これはのんびりと保健係の仕事をしに向かう、特に取り柄のない私のお話。
私には特に仲のいい子もいなければ、仲の悪い子もいない。マイペースってよく言われる。
もう1人の保健係は、美波凛(みなみりん)くんっていう子。
同じクラスなんだけど、超美形で皆が思っているより気さく。もちろん大人気。
…私は、みんなみたいに黄色い声をあげたりも、甲高い声で話したりもしない。
優しくていい人だから好きだけど、あくまで友達としてって感じ。
彼には彼女さんがいて、その子は文月海菜(ふづきうみな)ちゃん。
優しくて、気遣いがすごい、凛くんの幼なじみ。その2人が付き合ってるんだって。
なんて、そんな余談をしているうちに保健室についたみたい。
ガラガラとドアを開けると、「あ、来た」と凛くんが言葉をこぼした。
「…ごめん、お待たせ」
すっかりポスター作りの作業に取り掛かっている凛くん。
すごく手際がいい。私はちょっと急いで、準備に取り掛かった。
でも、ちょっと駆け足でペンを取りにいったので、私は置いてあった救急箱につまづいてしまった。
「うわっ」
つまづいた先に違う学年のポスターがあり、私は慌てて前の壁に手を伸ばした。
(手、届いて。 …ポスターが危ない)
と、こんな時でも普通の人よりマイペースに考えていたその時
「っと」
短く息を吐く声が聞こえた。
壁に伸ばした手が触れたのは、壁ではなく誰かの手だった。
私は体制を整え、ふと前を見た。
そこにいたのは、私より少し背が高い、少し可愛い男の子だった。
「大丈夫?」
私はこくりとうなずく。
(確か…小波柚(さざなみゆず)くん)
同じクラスの子だったはず。
「ありがと」
私がそう言うと、柚くんはふわっと笑った。
…可愛い。
そんなことを思いながら、ちょっと顔を赤くしている私に柚くんは気付いてなかった。
柚くんはくるっと凛くんの方を振り向いて、少しハッとして思い出したように言った。
「あ、そういえば凛、バスケの先輩が読んでたよ。様子見てこい!って言われた。」
凛くんは「あ、やば」と言って、顔をしかめると、空を仰いだ。
そして、何かを思いついたようにすっと柚くんの方を向いた。
「じゃあさ、柚このポスター作っといてくれる?どうせ今日もう暇でしょ」
柚くんは、驚いたように凛くんの顔を見て、ちょっとだけ顔をしかめた。
(あ、嫌そう)
表情がわかりやすい柚くんをチラッとみて、その様子を見かねた私は軽く声をかけた。
「凛くん、私1人でいい。だってまだ仕事してないし。」
私がそう言うと、柚くんはポスターを見下ろして「いや、」と言い、首を横に振った。
「やっとくよ。だって暇だし、面白そうだし」
柚くんは、クスッと笑っていた。
次は私が顔をしかめる番だった。
「…面白くはないと思うよ?ね、凛くん」
私は全く表情を変えずに、凛くんに同意を求める。
凛くんはキョトンとして、返事に困っていた。
すると、そんな様子を見て、柚くんがふっと笑い出した。
(なんか変なこと言った?)
そう思いクスクス笑う柚くんの方を見ると、柚くんは私の方を向いた。
「ちょっと待って、凛に対してこの態度…ほんとこの子面白い」
なんかよくわかんないけど、悪く思われたわけではないらしい。
「まぁ、この子が他の女の子とは違うから、面白そうって思ったんだけどね。
ポスター作りが面白そうとは思ってないよ」
そうさらっと言う柚くんの片目を細めた表情は、可愛さの中にカッコ良さがあって
私の胸をドキッと高鳴らせた。
そんなとき、ふと後ろから声がした
「時間やば!じゃ、柚よろしく」
そう言って、いつの間にか鞄を持った凛くんは、体育館に駆けていった。
(はや…)
颯爽とかけていく彼。ここに女子がいたら、間違いなく黄色い悲鳴が上がるだろう。
「じゃ、始めよっか」
そう言ってポスターに取りかかる彼。
こっちをみてふわっと笑う。
「うん」
駆け寄って作業を始めると、柚くんの顔はまた、あのかっこいい男の子の顔に戻っていた。
(この子面白い…なんて初めて言われた。
普段は、つまらない、空気の読めない奴とかしか言われたことなかったのに)
柚くんの言葉を思い出すたびに笑みが溢れる。
あんなに笑わなかった私なのに。
この時の私はまだ知らないけど、この日がきっと私の恋の始まりの日。
ありがとうございました!
読んだよって証拠にコメント残してくれると嬉しいです リュトアさん(兵庫・15さい)からの相談
とうこう日:2020年7月30日みんなの答え:0件
私が今まで書いた話ともつながっているので、そちらを読んでからの方が楽しめるかもしれません
これはのんびりと保健係の仕事をしに向かう、特に取り柄のない私のお話。
私には特に仲のいい子もいなければ、仲の悪い子もいない。マイペースってよく言われる。
もう1人の保健係は、美波凛(みなみりん)くんっていう子。
同じクラスなんだけど、超美形で皆が思っているより気さく。もちろん大人気。
…私は、みんなみたいに黄色い声をあげたりも、甲高い声で話したりもしない。
優しくていい人だから好きだけど、あくまで友達としてって感じ。
彼には彼女さんがいて、その子は文月海菜(ふづきうみな)ちゃん。
優しくて、気遣いがすごい、凛くんの幼なじみ。その2人が付き合ってるんだって。
なんて、そんな余談をしているうちに保健室についたみたい。
ガラガラとドアを開けると、「あ、来た」と凛くんが言葉をこぼした。
「…ごめん、お待たせ」
すっかりポスター作りの作業に取り掛かっている凛くん。
すごく手際がいい。私はちょっと急いで、準備に取り掛かった。
でも、ちょっと駆け足でペンを取りにいったので、私は置いてあった救急箱につまづいてしまった。
「うわっ」
つまづいた先に違う学年のポスターがあり、私は慌てて前の壁に手を伸ばした。
(手、届いて。 …ポスターが危ない)
と、こんな時でも普通の人よりマイペースに考えていたその時
「っと」
短く息を吐く声が聞こえた。
壁に伸ばした手が触れたのは、壁ではなく誰かの手だった。
私は体制を整え、ふと前を見た。
そこにいたのは、私より少し背が高い、少し可愛い男の子だった。
「大丈夫?」
私はこくりとうなずく。
(確か…小波柚(さざなみゆず)くん)
同じクラスの子だったはず。
「ありがと」
私がそう言うと、柚くんはふわっと笑った。
…可愛い。
そんなことを思いながら、ちょっと顔を赤くしている私に柚くんは気付いてなかった。
柚くんはくるっと凛くんの方を振り向いて、少しハッとして思い出したように言った。
「あ、そういえば凛、バスケの先輩が読んでたよ。様子見てこい!って言われた。」
凛くんは「あ、やば」と言って、顔をしかめると、空を仰いだ。
そして、何かを思いついたようにすっと柚くんの方を向いた。
「じゃあさ、柚このポスター作っといてくれる?どうせ今日もう暇でしょ」
柚くんは、驚いたように凛くんの顔を見て、ちょっとだけ顔をしかめた。
(あ、嫌そう)
表情がわかりやすい柚くんをチラッとみて、その様子を見かねた私は軽く声をかけた。
「凛くん、私1人でいい。だってまだ仕事してないし。」
私がそう言うと、柚くんはポスターを見下ろして「いや、」と言い、首を横に振った。
「やっとくよ。だって暇だし、面白そうだし」
柚くんは、クスッと笑っていた。
次は私が顔をしかめる番だった。
「…面白くはないと思うよ?ね、凛くん」
私は全く表情を変えずに、凛くんに同意を求める。
凛くんはキョトンとして、返事に困っていた。
すると、そんな様子を見て、柚くんがふっと笑い出した。
(なんか変なこと言った?)
そう思いクスクス笑う柚くんの方を見ると、柚くんは私の方を向いた。
「ちょっと待って、凛に対してこの態度…ほんとこの子面白い」
なんかよくわかんないけど、悪く思われたわけではないらしい。
「まぁ、この子が他の女の子とは違うから、面白そうって思ったんだけどね。
ポスター作りが面白そうとは思ってないよ」
そうさらっと言う柚くんの片目を細めた表情は、可愛さの中にカッコ良さがあって
私の胸をドキッと高鳴らせた。
そんなとき、ふと後ろから声がした
「時間やば!じゃ、柚よろしく」
そう言って、いつの間にか鞄を持った凛くんは、体育館に駆けていった。
(はや…)
颯爽とかけていく彼。ここに女子がいたら、間違いなく黄色い悲鳴が上がるだろう。
「じゃ、始めよっか」
そう言ってポスターに取りかかる彼。
こっちをみてふわっと笑う。
「うん」
駆け寄って作業を始めると、柚くんの顔はまた、あのかっこいい男の子の顔に戻っていた。
(この子面白い…なんて初めて言われた。
普段は、つまらない、空気の読めない奴とかしか言われたことなかったのに)
柚くんの言葉を思い出すたびに笑みが溢れる。
あんなに笑わなかった私なのに。
この時の私はまだ知らないけど、この日がきっと私の恋の始まりの日。
ありがとうございました!
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とうこう日:2020年7月30日みんなの答え:0件
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