狐子神社の神隠し
(物語は夏休み中の設定です)
僕、「森島龍斗」は神社に来ていた。
元々神社が好きだったのもあるが、本当は一人で居たいからだ。
家に帰っても母さんと父さんが喧嘩をしていて、雷が落ちるような怒号にうんざりしていた。
初めて来る神社だったが、周りにはクヌギの木が生え揃い、静かな所だと思った。
日陰にあった近くのベンチに腰掛ける。本当はお参りをしてから座ろうと思ったが、日向にある為休憩してからする事にする。
座った瞬間、後ろから声をかけられた。「ねぇねぇ」
「は、い!」
しまった。「い」の部分だけ声が上擦ってしまった。変だと思われていないだろうか。
僕は慌てて後ろを振り向く。目に映ったのは黒髪ロングの女の子だった。
「ふふ。今、声変になってたね」
変だと思われた...。自分でも分かるくらいに顔を赤くする。
不思議な女の子だ。浴衣を着用していて、狐のお面を斜めに付けていた。
同い年か、一つ下のように見えた。
「ねぇ、今から遊ばない?」
「?良いよ!」
急に誘われたので驚いたが、僕も暇を持て余していたからここに来たのだ。その変は気にしない事にする。
「やった!じゃあ最初は―――」
それから何時間も遊んだ。時間が飛ぶように過ぎた。僕達が気付いた時は、もう既に夕暮れだった。
「残念だけど、僕もう帰らなきゃ。とっても楽しかったよ!」
「私も。今日はありがとね。また会ったら遊ぼうね」
彼女と僕は神社でさよならを告げる。絶対にまた遊ぼう、と指切りげんまんをする。
小指を相手から離した瞬間、突然目の前が真っ暗になった。
そこで意識が途切れた。
目が覚めると、僕はベンチに横たわっていて、傍には神主さんらしき人が僕を心配そうに見つめていた。
「おや、やっと起きたかい。良かった良かった。儂はこの神社の神主じゃ」
「あれ...僕...」
視界がぼやける目を擦ると、空はまだ青く、女の子は居なかった。
「あの、」
「ん?何かね?」
「女の子...狐のお面を付けた女の子を見ませんでしたか...?」
「うーむ、見ておらんが...」
神主さんは一瞬考える素振りを見せると、もしかしたら。と続けた。
「お前さんは神隠しにあったんではないかのう?」
「神、隠し...」
僕はその言葉を繰り返す。
「実はな、うちの神社は子狐を信仰していてな。子供がここにやって来る度にそこのベンチで眠っているのさ。そして皆が口を揃えて言う。「狐のお面を付けた女の子を見なかった?」とな」
「儂はこう考えているさ。その子狐は寂しさを紛らわす為に、夢の中で子供達と遊んでいるのではないだろうか」
「ところで、お前さんがずっと掴んでいたその面は何じゃ?自分で持ってきた物か?」
「え...?」
神主さんが僕の右手を指す。僕も自分に右手を見る。
「これって...」
そこには、あの子の付けていた狐の面があった。
それを見ると、なぜか急に胸が締め付けられるような思いが押し寄せた。
いつのまにか、僕の頬には生暖かいものが流れ落ちていった。
それが涙だと気付くまで、僕はずっと狐の面を見ていた。
長文&語彙力壊滅申し訳ございません!
回答欄で皆様のご感想を書いて下さると嬉しいです。
ここまで見て下さり、本当にありがとうございました。 サトさん(宮城・11さい)からの相談
とうこう日:2020年8月7日みんなの答え:2件
僕、「森島龍斗」は神社に来ていた。
元々神社が好きだったのもあるが、本当は一人で居たいからだ。
家に帰っても母さんと父さんが喧嘩をしていて、雷が落ちるような怒号にうんざりしていた。
初めて来る神社だったが、周りにはクヌギの木が生え揃い、静かな所だと思った。
日陰にあった近くのベンチに腰掛ける。本当はお参りをしてから座ろうと思ったが、日向にある為休憩してからする事にする。
座った瞬間、後ろから声をかけられた。「ねぇねぇ」
「は、い!」
しまった。「い」の部分だけ声が上擦ってしまった。変だと思われていないだろうか。
僕は慌てて後ろを振り向く。目に映ったのは黒髪ロングの女の子だった。
「ふふ。今、声変になってたね」
変だと思われた...。自分でも分かるくらいに顔を赤くする。
不思議な女の子だ。浴衣を着用していて、狐のお面を斜めに付けていた。
同い年か、一つ下のように見えた。
「ねぇ、今から遊ばない?」
「?良いよ!」
急に誘われたので驚いたが、僕も暇を持て余していたからここに来たのだ。その変は気にしない事にする。
「やった!じゃあ最初は―――」
それから何時間も遊んだ。時間が飛ぶように過ぎた。僕達が気付いた時は、もう既に夕暮れだった。
「残念だけど、僕もう帰らなきゃ。とっても楽しかったよ!」
「私も。今日はありがとね。また会ったら遊ぼうね」
彼女と僕は神社でさよならを告げる。絶対にまた遊ぼう、と指切りげんまんをする。
小指を相手から離した瞬間、突然目の前が真っ暗になった。
そこで意識が途切れた。
目が覚めると、僕はベンチに横たわっていて、傍には神主さんらしき人が僕を心配そうに見つめていた。
「おや、やっと起きたかい。良かった良かった。儂はこの神社の神主じゃ」
「あれ...僕...」
視界がぼやける目を擦ると、空はまだ青く、女の子は居なかった。
「あの、」
「ん?何かね?」
「女の子...狐のお面を付けた女の子を見ませんでしたか...?」
「うーむ、見ておらんが...」
神主さんは一瞬考える素振りを見せると、もしかしたら。と続けた。
「お前さんは神隠しにあったんではないかのう?」
「神、隠し...」
僕はその言葉を繰り返す。
「実はな、うちの神社は子狐を信仰していてな。子供がここにやって来る度にそこのベンチで眠っているのさ。そして皆が口を揃えて言う。「狐のお面を付けた女の子を見なかった?」とな」
「儂はこう考えているさ。その子狐は寂しさを紛らわす為に、夢の中で子供達と遊んでいるのではないだろうか」
「ところで、お前さんがずっと掴んでいたその面は何じゃ?自分で持ってきた物か?」
「え...?」
神主さんが僕の右手を指す。僕も自分に右手を見る。
「これって...」
そこには、あの子の付けていた狐の面があった。
それを見ると、なぜか急に胸が締め付けられるような思いが押し寄せた。
いつのまにか、僕の頬には生暖かいものが流れ落ちていった。
それが涙だと気付くまで、僕はずっと狐の面を見ていた。
長文&語彙力壊滅申し訳ございません!
回答欄で皆様のご感想を書いて下さると嬉しいです。
ここまで見て下さり、本当にありがとうございました。 サトさん(宮城・11さい)からの相談
とうこう日:2020年8月7日みんなの答え:2件
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すごい! Hello!
サトさん、初めまして!小説家のアクセサリー☆です!今日からよろしくね♪
すごいね!!
なんか不思議な感じがする...
めっちゃ心に響く小説だね!
これからも書いてみて!絶対に才能があるはずだから!!
応援してるね!
good-by! 小説家のアクセサリー☆さん(千葉・10さい)からの答え
とうこう日:2020年8月8日 -
綺麗なお話ですね! こんにちは、あおねこです!
タイトル通り、情景が想像出来るとても綺麗な話でした!
少しミステリアスな所がまた良いと思います(^^)
次の作品待ってますね♪
では! あおねこさん(東京・12さい)からの答え
とうこう日:2020年8月8日
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