幸せ
「君なら『平等』ってなんだと思う?」
雲一つ無い空の下、彼女は此方に振り返りながら言った。制服のスカートがひらりと舞い、僕に向けられた視線は答えを求めている。
「皆が同じで、等しいこと…かな」
「まぁ、そうだよね」
春とはいえ日が照りつける屋上のベンチに学ランで座っている僕の背中は嫌に濡れている。なのに目の前の彼女は全く汗をかいている様子がない。
「じゃあさ、『平等』って何の為にあるのかな?」
「何のために…幸せの為じゃないかな。ほら、世界に学校に行けずに働く子供とか、頑張っても生活がままならない人ごたくさんいる。そういう人たちも含めて『平等』になれたら幸せじゃない?」
風が彼女の髪を弄んで消えていく。黒くて綺麗な髪の毛を耳にかけ直して僕の隣に座った。
「でもそれって合ってるのかな?」
「どういうこと?」
足をバタつかせた彼女は大きく伸びをしてから此方を向く。真剣な顔で見つめてくるから此方も彼女を見つめ返す。
「君さ、チョコレート好き?」
「ん?ああ、好きだけど」
「世界中の人たちが『平等』になって子供たちが学校に行ったら、もう食べられないかもね」
何が可笑しいのか楽しそうに笑うとまた立ち上がってくるりと回った。そういえば小さい頃にバレエをやっていたらしい。
「カカオ農園で働く人が減るんだから。出来る量も減るよね」
「…しょうがないんじゃないか?『平等』への近道だろ」
「その分お金は入らなくなるよ。ほら、結果的に不幸になってない?」
先程までとは比べ物にならないような大きな声で言うからびっくりしてしまう。意見を言えるのはいいことだがあまり大きな声を出すと勝手に屋上に居るのがばれる気がする。まぁ、彼女が幸せそうだから黙っていよう。
「大人が言ってる事ってそういうこと。その先は考えてない。上部だけ。自己満だよ」
「だからっていいの?」
ニコニコしながらフェンスを乗り越えた彼女の元に足早に行く。意外の高いフェンスを簡単に越えられるほど僕は運動神経が良くない。
「今さら?何?君も頑張れって言うの?」
「いや、確認しただけ。君の幸せは君が決める事だからね。そして君の幸せは僕の幸せだから」
「………そっか」
二人で上履きを脱ぐ。何で脱ぐかよく分からないけど雰囲気が出る。屋上の縁ち立つと風が良く感じられた。
横にいるのは綺麗な目、長い睫毛、形の良い唇に高い鼻の彼女。ため息が出るほど美しい彼女とずっと一緒だなんてきっと学校中の人が嫉妬するだろう。
「手、繋ご」
「ん。何か変な感じ。これで終わりなんだね。やっと解放されるんだ」
差し出された腕をを優しく撫でて、恋人繋ぎをする。
「じゃあね、また来世で」
「じゃあねじゃないよ。一緒に行くの」
どちらともなくキスをする。初めてのキスは大好きな彼女を抱きしめながら。一層強く握った手から、全身から彼女の温かさを感じる。
「……やっぱりやめよ」
「何で?僕ならいいよ」
「違うよ…幸せになれてからでも遅くないかなって」
そういって僕から離れて上履きを履く彼女の頭を後ろから撫でながら僕も上履きを履く。
「じゃ、どっかに逃げよう。一緒に、幸せになろう」
「楽しそう。でも、いいのかな」
「権利、権利。ほら、どこ行きたい?」
「君となら何処でも」
二人で手を繋いで何処か行こう。まだまだ時間はたくさんあるから。僕たちの幸せは作れるから。
めろんぱんさん(茨城・15さい)からの相談
とうこう日:2020年8月10日みんなの答え:1件
雲一つ無い空の下、彼女は此方に振り返りながら言った。制服のスカートがひらりと舞い、僕に向けられた視線は答えを求めている。
「皆が同じで、等しいこと…かな」
「まぁ、そうだよね」
春とはいえ日が照りつける屋上のベンチに学ランで座っている僕の背中は嫌に濡れている。なのに目の前の彼女は全く汗をかいている様子がない。
「じゃあさ、『平等』って何の為にあるのかな?」
「何のために…幸せの為じゃないかな。ほら、世界に学校に行けずに働く子供とか、頑張っても生活がままならない人ごたくさんいる。そういう人たちも含めて『平等』になれたら幸せじゃない?」
風が彼女の髪を弄んで消えていく。黒くて綺麗な髪の毛を耳にかけ直して僕の隣に座った。
「でもそれって合ってるのかな?」
「どういうこと?」
足をバタつかせた彼女は大きく伸びをしてから此方を向く。真剣な顔で見つめてくるから此方も彼女を見つめ返す。
「君さ、チョコレート好き?」
「ん?ああ、好きだけど」
「世界中の人たちが『平等』になって子供たちが学校に行ったら、もう食べられないかもね」
何が可笑しいのか楽しそうに笑うとまた立ち上がってくるりと回った。そういえば小さい頃にバレエをやっていたらしい。
「カカオ農園で働く人が減るんだから。出来る量も減るよね」
「…しょうがないんじゃないか?『平等』への近道だろ」
「その分お金は入らなくなるよ。ほら、結果的に不幸になってない?」
先程までとは比べ物にならないような大きな声で言うからびっくりしてしまう。意見を言えるのはいいことだがあまり大きな声を出すと勝手に屋上に居るのがばれる気がする。まぁ、彼女が幸せそうだから黙っていよう。
「大人が言ってる事ってそういうこと。その先は考えてない。上部だけ。自己満だよ」
「だからっていいの?」
ニコニコしながらフェンスを乗り越えた彼女の元に足早に行く。意外の高いフェンスを簡単に越えられるほど僕は運動神経が良くない。
「今さら?何?君も頑張れって言うの?」
「いや、確認しただけ。君の幸せは君が決める事だからね。そして君の幸せは僕の幸せだから」
「………そっか」
二人で上履きを脱ぐ。何で脱ぐかよく分からないけど雰囲気が出る。屋上の縁ち立つと風が良く感じられた。
横にいるのは綺麗な目、長い睫毛、形の良い唇に高い鼻の彼女。ため息が出るほど美しい彼女とずっと一緒だなんてきっと学校中の人が嫉妬するだろう。
「手、繋ご」
「ん。何か変な感じ。これで終わりなんだね。やっと解放されるんだ」
差し出された腕をを優しく撫でて、恋人繋ぎをする。
「じゃあね、また来世で」
「じゃあねじゃないよ。一緒に行くの」
どちらともなくキスをする。初めてのキスは大好きな彼女を抱きしめながら。一層強く握った手から、全身から彼女の温かさを感じる。
「……やっぱりやめよ」
「何で?僕ならいいよ」
「違うよ…幸せになれてからでも遅くないかなって」
そういって僕から離れて上履きを履く彼女の頭を後ろから撫でながら僕も上履きを履く。
「じゃ、どっかに逃げよう。一緒に、幸せになろう」
「楽しそう。でも、いいのかな」
「権利、権利。ほら、どこ行きたい?」
「君となら何処でも」
二人で手を繋いで何処か行こう。まだまだ時間はたくさんあるから。僕たちの幸せは作れるから。
めろんぱんさん(茨城・15さい)からの相談
とうこう日:2020年8月10日みんなの答え:1件
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平等っすか… 面白かったです!学校ならではのもの…フェンスとか上履きとかが多く出てきていることで学校感を感じました。思春期って感じだ…。
僕のキャラクターがとても好きです、自分と似てて。チョコ好きで運動神経悪いんです、私。
チョコは大好きですけど、チョコレートが高くなって、買えなくなって、食べれなくなるのは嫌ですね。でもちょっと我慢して誰かが幸せになれるなら良いのかなぁ…。んーでも学校に行けてもイジメとかあるし…と思うともう頭がこんがらがります(笑)
こんなんじゃいつまで経っても考察できない。泣く…。
考察できなくて申し訳ないですが、とっても面白かったです!
めろんぱんさんの次のお話を楽しみにしてます! 美桜さん(長野・13さい)からの答え
とうこう日:2020年8月11日
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