相合い傘。
「雨…」
ツイてないな。
黒い雲がどんよりと溜まった空。
昨日の青空だった面影は全くなく、悪魔のような暗い色をしている。
足元に水たまりができていく。
びちゃびちゃと水たまりをいじると、綺麗な波紋が浮かび上がった。
ジトジトした空気が私をまとう。
傘忘れちゃったし…。どうやって帰ろう。
ちらほらと学校から出てくる生徒たち。
…どっかのイケメンが傘貸してくれないかな。
あわよくば相合い傘してさぁ、そっから連絡先交換して、ゆくゆくは彼女になって…。
そんな妄想をしていると、
「ん。」
ぶっきらぼうな声。
横を振り向くと、傘を差し出している男子がいる。
…イケメン、ではないな。
でも、小麦色に焼けた肌が男子っぽくて。野球部かな、短めの髪がカッコいい。
「…これ、ん。」
そう言って、私の手をグイッとひっぱって
手のひらに折りたたみ傘をおいた。
「えっ…」
男の子は、バシャバシャとしぶきをあげながら走っていく。
…少女漫画かよ。
てか、自分の分の傘…ないじゃん…。
心臓が、トクンッ、トクンッと弾んでいく。
なに…これ…
君の走ってく後ろ姿をみてると、胸がじわじわと熱くなって。
まるで、恋の魔法にかかったみたいだ。
あれから、あの人の後ろ姿が頭から離れない。
目の奥に焼き付けてしまったのか、脳内であの人の後ろ姿を録画してしまったのか…。
そう思っちゃうほど、鮮明に覚えている。
彩度も、明るさも、完璧にあの時のまま。
「…あ。」
学校から出ると、ポツリ、ポツリと何かが降ってきた。
「雨だ…」
降る速度はどんどん速まり、やがて私の肩を濡らしていった。
じょじょに激しくなっていく雨。
このままじゃ風邪ひきそう…だけど。
傘は、さしたくない。
…だって、さしてしまったら。
「おいっ!」
君が来てくれないでしょ。
「何してんだよっ…風邪ひくだろ!」
肩が上下に揺れ、息が上がっている。
走ってきてくれたんだ…。
ギュッと胸が苦しくなる。
嫌な苦しさじゃなくて、幸せでたまらないような苦しさだ。
君が、さしていた傘を私に向けてくれる。
…本当に優しいよね。
半分以上を私に向けてくれる。
そのせいか、君の体がどんどん濡れていく。
「ごめん、マジで…」
「…何が?」
「私、…傘持ってるの。でも、さしちゃったら、来てくれないと思ったから…」
「は?」
君が、しどろもどろになって私を見つめてくる。
クリッとした目に、澄んだ黒色の瞳。
綺麗な目に見つめられて、不覚にもドキッとする。
「また、話したかったの。その傘を、貸してもらいたかったの。…だから、ささなかったの。君が来てくれればいいなって思って…」
そう言い、君に向けてふわっと微笑む。
「だから、来てくれて嬉しかった。すんっごい。」
私の心にこもっていた思いを、君に伝える。
今まで溜まっていたモヤモヤが、スウッと抜けていくようで。
それでいて、心臓はいつもよりうるさくて。
「…家、どこ。」
「え?」
「送る。」
君がふいっと顔を逸らす。
その時、君の耳が赤くなっていることに気付いたけれど、私は気付かないフリをした。
肩を並べて歩く。
やっぱり、傘は私の方に傾いていて。
「俺、あの時もお前にこうしたかった。」
「…ん?」
「傘貸すんじゃなくて、その、…相合い傘したかったってこと。」
…ああ。
君は、どれだけ私を恋にオトす気なんだろう。 クルミさん(選択なし・13さい)からの相談
とうこう日:2020年9月3日みんなの答え:2件
ツイてないな。
黒い雲がどんよりと溜まった空。
昨日の青空だった面影は全くなく、悪魔のような暗い色をしている。
足元に水たまりができていく。
びちゃびちゃと水たまりをいじると、綺麗な波紋が浮かび上がった。
ジトジトした空気が私をまとう。
傘忘れちゃったし…。どうやって帰ろう。
ちらほらと学校から出てくる生徒たち。
…どっかのイケメンが傘貸してくれないかな。
あわよくば相合い傘してさぁ、そっから連絡先交換して、ゆくゆくは彼女になって…。
そんな妄想をしていると、
「ん。」
ぶっきらぼうな声。
横を振り向くと、傘を差し出している男子がいる。
…イケメン、ではないな。
でも、小麦色に焼けた肌が男子っぽくて。野球部かな、短めの髪がカッコいい。
「…これ、ん。」
そう言って、私の手をグイッとひっぱって
手のひらに折りたたみ傘をおいた。
「えっ…」
男の子は、バシャバシャとしぶきをあげながら走っていく。
…少女漫画かよ。
てか、自分の分の傘…ないじゃん…。
心臓が、トクンッ、トクンッと弾んでいく。
なに…これ…
君の走ってく後ろ姿をみてると、胸がじわじわと熱くなって。
まるで、恋の魔法にかかったみたいだ。
あれから、あの人の後ろ姿が頭から離れない。
目の奥に焼き付けてしまったのか、脳内であの人の後ろ姿を録画してしまったのか…。
そう思っちゃうほど、鮮明に覚えている。
彩度も、明るさも、完璧にあの時のまま。
「…あ。」
学校から出ると、ポツリ、ポツリと何かが降ってきた。
「雨だ…」
降る速度はどんどん速まり、やがて私の肩を濡らしていった。
じょじょに激しくなっていく雨。
このままじゃ風邪ひきそう…だけど。
傘は、さしたくない。
…だって、さしてしまったら。
「おいっ!」
君が来てくれないでしょ。
「何してんだよっ…風邪ひくだろ!」
肩が上下に揺れ、息が上がっている。
走ってきてくれたんだ…。
ギュッと胸が苦しくなる。
嫌な苦しさじゃなくて、幸せでたまらないような苦しさだ。
君が、さしていた傘を私に向けてくれる。
…本当に優しいよね。
半分以上を私に向けてくれる。
そのせいか、君の体がどんどん濡れていく。
「ごめん、マジで…」
「…何が?」
「私、…傘持ってるの。でも、さしちゃったら、来てくれないと思ったから…」
「は?」
君が、しどろもどろになって私を見つめてくる。
クリッとした目に、澄んだ黒色の瞳。
綺麗な目に見つめられて、不覚にもドキッとする。
「また、話したかったの。その傘を、貸してもらいたかったの。…だから、ささなかったの。君が来てくれればいいなって思って…」
そう言い、君に向けてふわっと微笑む。
「だから、来てくれて嬉しかった。すんっごい。」
私の心にこもっていた思いを、君に伝える。
今まで溜まっていたモヤモヤが、スウッと抜けていくようで。
それでいて、心臓はいつもよりうるさくて。
「…家、どこ。」
「え?」
「送る。」
君がふいっと顔を逸らす。
その時、君の耳が赤くなっていることに気付いたけれど、私は気付かないフリをした。
肩を並べて歩く。
やっぱり、傘は私の方に傾いていて。
「俺、あの時もお前にこうしたかった。」
「…ん?」
「傘貸すんじゃなくて、その、…相合い傘したかったってこと。」
…ああ。
君は、どれだけ私を恋にオトす気なんだろう。 クルミさん(選択なし・13さい)からの相談
とうこう日:2020年9月3日みんなの答え:2件
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語彙力神☆ こんにちは〜。陽依です!
クルミさん語彙力神すぎませんか?
尊敬します!
語彙力が素晴らしい小説ありがとうございました。
陽依(ひより)さん(石川・12さい)からの答え
とうこう日:2020年9月4日 -
うわぁ〜! 初めまして!ボクは、かれれこと、女子で男になりたくないのになぜかボクといってしまうかれんです。
ボクも相合い傘したい〜!でもする人いない!ってか芸能人と2次元キャラ以外したい人いない! かれれさん(埼玉・11さい)からの答え
とうこう日:2020年9月4日
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