私の夢の中のあなた
私の名前は紫亜。どこにでもいる普通の15歳の女の子。
今日も7時に目を覚まし、代わり映えのない朝食を食べて、制服に着替えてから登校した。そして教室の窓側、後ろから2番目の自分の席に座ったところだった。
今日も同じように授業を受けて、あまり美味しくない給食を食べたり、友達と好きなアイドルの話をしたりして、普段通りの学校生活を送るはずだった。
でも、今日は何かが違った。どう言っていいか分からないのだけど、何故か不安な気持ちだった。
実は私には好きな子がいる。私の席から2つ前にいって、1つ右側の席の子、涼太。私が教室に座っていると、こっちにやってきて、色々な話をしてくれる。
いつもこうしてお喋りをしてくれるから、凛も恭子も、私たちのことを付き合ってるって思ってる。でも本当のことを言うと、私は家族構成すら知らない。恥ずかしくて聞けないのだ。
じゃあ何の話をするかっていうと、涼太は話をするのがとても上手で、話題に困ることはほとんどなかったんだ。私はいつも涼太の話を聞いて大笑いした。
今日も涼太は私の方に来て「よお、紫亜」なんて気さくに話しかけてくれたんだ。
すると、いったい何故私が不安なのかっていうと、涼太くんが私を見つめる視線が、少し『ズレていた』
まるで私のすぐ隣に誰かがいるかのように、涼太はそちらを見つめているのだ。
私は、いつも通りくすっと笑える話を涼太から聞いている。凛も恭子も、そんな私たちを傍目から見つめ、くすくすと笑っている。
私はついに耐えきれなくなって、たずねた。
「涼太、ちゃんとこっち見て話してよね」
だが彼はこちらを見ずに、依然として私の『隣』を見つめていた。
彼は話を一段落つけると、『紫亜』が言った。
「それって、もしかして田中のことでしょう?」
私は飛び上がるほど驚いて隣を見つめた。そこにはもう1人の私がいた。
「ああ、そうそう。やっぱり紫亜にはかなわないよ」という涼太の声も、私の耳には届かなかった。
そういえばこの話、前に涼太から一度聞いたことがある。確か、今日のような晴天の日。炎天下の、運動会・・・
すると黒板側の扉から、かつて私の担任であった松本先生が入ってきた。そして大きな声で叫んだ。
「着席!今日は中学校生活最後の運動会だ。悔いのないように、持ってる力を全て出し切るように!」
涼太や紫亜も含め、クラスの全員が着席するところを、私は呆然と見ている。
「さあ、もういいでしょう?」透き通った女の声がした。振り返って、私は全てを思い出した。
「どうもありがとうございました、お陰で気持ちの整理がついたと思います、女神様」私は泣きながら言う。
「いえ、良いのです。貴方は、現実を生きるべきだわ。死んでしまった者は、貴方がどんなに哀れんでも、決して報われることは無いのです。もう忘れることね」
私は飛び上がるようにして目覚めた。手には一枚の写真が握られている。
見ると、涼太と私のツーショットだった。2人で撮った最後の写真だ。バックには校舎が写っていて、窓に大きな文字で『待ちに待った運動会!』という紙が飾られていた。
この後、涼太は50m競走の最中に、熱中症で倒れ、病院に運ばれるも亡くなってしまった。
そんな悲しい過去を振り返るのも、これで最後にしよう。そして、明日からちゃんと高校に行こう。
けれど、私の夢の中の涼太の笑顔を思い返して、また泣いてしまう。 ミチルさん(選択なし・14さい)からの相談
とうこう日:2020年11月10日みんなの答え:3件
今日も7時に目を覚まし、代わり映えのない朝食を食べて、制服に着替えてから登校した。そして教室の窓側、後ろから2番目の自分の席に座ったところだった。
今日も同じように授業を受けて、あまり美味しくない給食を食べたり、友達と好きなアイドルの話をしたりして、普段通りの学校生活を送るはずだった。
でも、今日は何かが違った。どう言っていいか分からないのだけど、何故か不安な気持ちだった。
実は私には好きな子がいる。私の席から2つ前にいって、1つ右側の席の子、涼太。私が教室に座っていると、こっちにやってきて、色々な話をしてくれる。
いつもこうしてお喋りをしてくれるから、凛も恭子も、私たちのことを付き合ってるって思ってる。でも本当のことを言うと、私は家族構成すら知らない。恥ずかしくて聞けないのだ。
じゃあ何の話をするかっていうと、涼太は話をするのがとても上手で、話題に困ることはほとんどなかったんだ。私はいつも涼太の話を聞いて大笑いした。
今日も涼太は私の方に来て「よお、紫亜」なんて気さくに話しかけてくれたんだ。
すると、いったい何故私が不安なのかっていうと、涼太くんが私を見つめる視線が、少し『ズレていた』
まるで私のすぐ隣に誰かがいるかのように、涼太はそちらを見つめているのだ。
私は、いつも通りくすっと笑える話を涼太から聞いている。凛も恭子も、そんな私たちを傍目から見つめ、くすくすと笑っている。
私はついに耐えきれなくなって、たずねた。
「涼太、ちゃんとこっち見て話してよね」
だが彼はこちらを見ずに、依然として私の『隣』を見つめていた。
彼は話を一段落つけると、『紫亜』が言った。
「それって、もしかして田中のことでしょう?」
私は飛び上がるほど驚いて隣を見つめた。そこにはもう1人の私がいた。
「ああ、そうそう。やっぱり紫亜にはかなわないよ」という涼太の声も、私の耳には届かなかった。
そういえばこの話、前に涼太から一度聞いたことがある。確か、今日のような晴天の日。炎天下の、運動会・・・
すると黒板側の扉から、かつて私の担任であった松本先生が入ってきた。そして大きな声で叫んだ。
「着席!今日は中学校生活最後の運動会だ。悔いのないように、持ってる力を全て出し切るように!」
涼太や紫亜も含め、クラスの全員が着席するところを、私は呆然と見ている。
「さあ、もういいでしょう?」透き通った女の声がした。振り返って、私は全てを思い出した。
「どうもありがとうございました、お陰で気持ちの整理がついたと思います、女神様」私は泣きながら言う。
「いえ、良いのです。貴方は、現実を生きるべきだわ。死んでしまった者は、貴方がどんなに哀れんでも、決して報われることは無いのです。もう忘れることね」
私は飛び上がるようにして目覚めた。手には一枚の写真が握られている。
見ると、涼太と私のツーショットだった。2人で撮った最後の写真だ。バックには校舎が写っていて、窓に大きな文字で『待ちに待った運動会!』という紙が飾られていた。
この後、涼太は50m競走の最中に、熱中症で倒れ、病院に運ばれるも亡くなってしまった。
そんな悲しい過去を振り返るのも、これで最後にしよう。そして、明日からちゃんと高校に行こう。
けれど、私の夢の中の涼太の笑顔を思い返して、また泣いてしまう。 ミチルさん(選択なし・14さい)からの相談
とうこう日:2020年11月10日みんなの答え:3件
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すごい.. 感動?、すごいしかこのはなしを読んでいて浮かんできませんでした
ミチルさんすてき! amiさん(東京・12さい)からの答え
とうこう日:2020年11月11日 -
切ない・・・ 悲しいですね・・・好きな子が亡くなっていて・・・うまく言えないのですが、とても切ない物語ですね。とても素敵な作品ありがとうございます かふぇらてさん(神奈川・12さい)からの答え
とうこう日:2020年11月11日 -
感想 最初、亡くなったのは紫亜ちゃんだと思っていたけれど、読み進めたらそうではないことに気付いてビックリしました。
死者が生前を振り返るのはよくある話だけれど、生者が、死者が生きていたときをもう一度体験するのは、自分が読んだことがないのもあって新鮮だなぁと思いました。
紫亜、っていう名前の響きも好きです。 ポッポさん(選択なし・13さい)からの答え
とうこう日:2020年11月11日
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